1局2波

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1局2波体制となっているFM802とFM COCOLO

1局2波(いっきょくには)は1つの放送局から複数の電波を出すこと。

概要

日本では放送法の規定であるマスメディア集中排除原則によって、表現の自由や放送の多元性を守る観点から、同一の放送対象地域において1つの放送局が複数の放送波を保有することを制限しており、2000年代までは日本放送協会(NHK)や日経ラジオ社(ラジオNIKKEI)を除き、複数の放送波の一括運営は認められていなかった[1]。

しかし、通信と放送の融合を受けて、そのあるべき姿を議論するために2005年に行われた通信・放送の在り方に関する懇談会では、人口減少による経済規模の縮小が進んでいる地方において、放送局の経営基盤を強化する目的として、複数の放送波の保有を容認するべきではとの意見があがったほか[2][3]、日本民間放送連盟も急速に進んでいたラジオ離れによるラジオ局の経営難を受けて、複数のラジオ局が合併若しくは統合した場合、1つのラジオ局が複数のラジオ波を運営するのを認めることを要望していた[4][5]。

これを受けて、総務省は2011年3月にラジオ局[6]は1局で最大4波まで保有を認めることを発表し、関連の法改正が行われた[1][5][7]。

その後、急速なインターネットの普及や人口減少による地方経済の疲弊により放送局の経営環境が厳しくなっていることを受けて、テレビ局についても、系列を超えた経営統合や設備の共同利用によるコスト低減を促す目的で1つのテレビ局による複数波の保有を容認することが2026年2月に総務省の有識者会議で提起され、同年9月に関連の省令が改正された[1][3][8]。なお、首都圏・関西圏・東海3県の広域放送のテレビ局は引き続き複数波の保有は禁止される[9]。

事例

  • FM802 - 2012年に関西インターメディアからFM COCOLOの事業を譲受し、1局2波となった[10]。
  • InterFM - 2014年に首都圏に加えて、中京圏でも放送を開始した[11]。なお、2016年に名古屋向け放送事業をRadio NEOに分社化[12]。2020年6月に閉局した[13]。

アメリカ

アメリカでは地上デジタル放送のサブチャンネルを活用する形で異なる系列番組を複数波で同時に送出しているテレビ局が多数存在している[14][15]。

関連項目

琉球放送・琉球朝日放送本社

脚注

  1. 1 2 3 “地方テレビ局の「1局2波」認める改正省令施行 系列超えた統合後押し”. 日本経済新聞 (2026年9月28日). 2026年10月10日閲覧。
  2. ↑ TIMEMAP (2017年12月27日). “【今日は何の日】12月27日:総務相主催の「通信・放送の在り方に関する懇談会」開催を発表【iNTERNET magazine Reboot】”. INTERNET Watch. 2026年10月10日閲覧。
  3. 1 2 女屋泰之 (2026年2月18日). “テレビの「1局2波」容認案 経営強化のため総務省会議が提言へ”. 朝日新聞. 2026年10月10日閲覧。
  4. ↑ 田中正晴 (2010年2月19日). “民放連、ラジオのマスメディア集中排除原則緩和に関する要望を総務大臣に提出”. 日経クロステック(xTECH). 株式会社日経BP. 2026年10月10日閲覧。
  5. 1 2 奥田良胤 (2011年5月1日). “ラジオの合併4局まで容認 マスメディア集中排除原則緩和へ”. 放送研究と調査. NHK放送文化研究所. 2026年10月10日閲覧。
  6. ↑ コミュニティ放送を除く。
  7. ↑ “放送法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令等の整備について(放送法等の一部を改正する法律(平成二十二年法律第六十五号)関係)”. 総務省 (2011年3月). 2026年10月10日閲覧。
  8. ↑ “競合テレビ局の統合容認へ 「1局2波」で効率化、総務省で規制緩和案”. 産経新聞 (2026年2月25日). 2026年10月10日閲覧。
  9. ↑ “テレ朝 西社長、地方ローカル局の“1局2波”化は「意義があるものというふうに受け取っている」”. スポーツニッポン (2026年9月29日). 2026年10月10日閲覧。
  10. ↑ “FMココロ、FM802に事業譲渡 ラジオ再編、本格化も”. 日本経済新聞 (2011年12月15日). 2026年10月10日閲覧。
  11. ↑ “2014年4月、「InterFM NAGOYA」開局! 名古屋エリアで放送を開始”. エフエムインターウェーブ株式会社. 株式会社木下グループ (2014年2月18日). 2014年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年10月10日閲覧。
  12. ↑ “株式会社Radio NEO放送事業開始のお知らせ”. Radio NEO79.5. 株式会社Radio NEO (2016年11月30日). 2016年11月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年10月10日閲覧。
  13. ↑ 共同通信 (2020年6月29日). “名古屋のFMラジオ閉局 全国2例目、経営悪化で”. 日本経済新聞. 2026年10月10日閲覧。
  14. ↑ Johnson, Ted (2026年7月23日). “CBS To Switch Affiliation From Nexstar To Hearst TV & Forum Communications Stations In A Half Dozen Markets”. Deadline. 2026年10月10日閲覧。
  15. ↑ “Where can I watch CBS in Central Alabama?”. WVTM (2026年7月24日). 2026年10月10日閲覧。
  16. ↑ 社屋などを共有している。
  17. ↑ 平田嗣弘(RBC・QAB)「日本初1局2波のテレビ放送局 琉球朝日放送の10年」(PDF)『民放くらぶ』第79号、日本民放クラブ、2005年9月、2026年10月10日閲覧。