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イエメン内戦 (2015年-)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(2015年イエメン内戦から転送)
イエメン内戦 (2015)
サウジアラビア主導のイエメン内戦介入(英語版)
フーシ・サウジアラビア国境紛争(英語版)中

勢力図(随時更新):
  最高政治評議会(フーシ派)の勢力圏
  ハーディー政権派、有志連合の勢力圏
時2015年-(進行中)
場所イエメン
現況

継続中

衝突した勢力

イエメンの旗 イエメン(ハーディ政権)

物質的支援



フーシ
イランの旗 イラン
朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮
エリトリアの旗 エリトリア
ISIL(イスラーム国)の旗 ISIL
指揮官
  • ナシル・アル・ウハイシ †
  • カシム・アル・ライミ †
  • ナセル・アル・アンシ †
  • イブラヒム・アル・ルバイシュ †
  • ハリド・バタルフィ

2015年からのイエメン内戦(2015ねんからのイエメンないせん)は、2015年からイエメンで進行中の内戦。

概要

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アブド・ラッボ・マンスール・ハーディー大統領を中心とする勢力と、それを認めずムハンマド・アリ・アル・フーシを大統領とするフーシ派、そしてアラビア半島のアルカーイダ(AQAP)傘下のアンサール・アル・シャリーアの、上記3勢力によるイエメン国内戦である。2017年8月時点の報道によると、約5万人が死傷、200万人以上が国内難民となっている。戦闘以外に、水道や衛生・医療システムの破壊により、コレラなど感染症の蔓延も被害を広げている。ハーディ大統領側のサウジアラビアが中心に支援するイスラム教のスンニ派諸国と、イランが支援する同じくイスラム教のシーア派を掲げるフーシ派との代理戦争という側面もある[11]。犠牲者は2020年までに10万人以上へと増え、国際連合は「世界最悪の人道危機」として停戦を呼び掛けている[12]。2022年現在、200万人以上が故郷を追われている[13]。

ハーディ大統領率いる「暫定政府」が南部アデンなどを、フーシ派は首都サナアなど北西部を実効支配している。サウジアラビアなどのスンニ派連合軍は「暫定政府」を支援して、フーシ派に対する空爆を行っている。一方、フーシ派はイエメン国軍から接収したもののほか、イランから供給された可能性がある弾道ミサイルを80発以上、サウジアラビアに対し発射しており、一部は首都リヤド近くまで到達している[14]。

なお、南部暫定評議会(以下STC)という組織が2017年に結成され、これはアラブ首長国連邦の支援を受けている。STCは2020年4月26日に自治を宣言して、ハーディ暫定政府が「首都」としてきたアデンへ部隊を展開。内戦はさらに複雑化している、という評価もある[12]。2025年12月よりSTCはラシャード・アル=アリーミー大統領率いる暫定政府およびサウジアラビアとの対立を鮮明にし、2026年1月2日には旧南イエメン領の独立移行を発表した[15]。

背景

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フーシ派

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2004年以降、フーシ派はザイド派宗教運動「信仰する若者」の中心人物フセイン・バドルッディーン・フーシ師が治安当局により殺害された事で、イエメン北部、サウジアラビアとの国境付近を拠点にイエメン政府に反抗を開始した[16][17]。2000年代では、度重なる停戦協議はあったものの、何度も無視される結果となった[18][19]。2009年、湾岸戦争に協力したサウジアラビアを攻撃するために越境攻撃を行ったが、反撃を受け戦力を失い停戦せざるを得ない状況となり、翌年は目立った活動は行っていない[20][21]。

アラブの春の余波

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イエメンでは、アラブの春の余波によって2011年イエメン騒乱が発生する。1978年以後、強権的な独裁を続けていたアリー・アブドッラー・サーレハ大統領は国内外の批判と、大統領を狙った砲撃によって負傷したことから大統領職を当時副大統領であったアブド・ラッボ・マンスール・ハーディーに一時委譲し、大統領選挙を行う事を発表[22][23]。大統領選挙にはハーディー元副大統領のみが立候補し、2012年2月25日に大統領に正式に就任した[24][25]。

アンサール・アル=シャリーア台頭

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アラブの春の余波による民族・宗教意識の高まり、そして同時に発生したイエメン国内の政情不安定に乗じ、2011年5月アビヤン県の都市ジンジバル市を占拠、徐々に周辺の侵略を開始した[26]。

2011年から2014年の動向

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フーシ派はハーディー大統領の単独立候補にボイコット[27]、国民対話には参加したものの、ハーディー大統領への最終的な合意支援を差し控えた。一方、フーシ派とスンニ派部族間の衝突から2014年9月22日サナアを占拠し、勢力圏を他の行政区域にも広げ、ハーディー大統領を軟禁し辞任を要求した[28][29]。2009年に戦力が低下したフーシ派であるが、イエメン軍に深いつながりがあるサーレハ元大統領と同盟を結び勢力を拡大した[30]。

内戦へ

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・2015年1月22日 - フーシ派がクーデターを起こす。ハーディー暫定大統領とハーリド・バハーハ首相が辞任を表明し、政権が崩壊[31]。

・2015年2月6日 - フーシ派が政権掌握を宣言[31]。

・2015年2月21日 - ハーディー暫定大統領がフーシ派に包囲されたサナアを脱出し、アデンに拠点を置く。ハーディ暫定大統領は、辞意を撤回するとともに、フーシ派の活動を批判した[32]。以後、北部フーシ派とサーレハ元大統領勢力、「アラビア半島のアルカーイダ(AQAP)」が支援するアンサール・アル=シャリーア、南部スンニ派とハーディー大統領勢力の三つ巴の戦いとなる。

内戦の推移

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2015年

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  • 3月25日 - フーシ派がハーディー暫定大統領の拠点である南部の港湾都市アデンへと進撃し、ハーディー暫定大統領は大統領宮殿からボートで脱出[33]。フーシ派がハーディー暫定大統領の捕縛に2000万イエメン・リアル(約1100万円)の報奨金をかけ、行方を追う事態となった[33]。
  • 3月26日 - ハーディー暫定大統領を支援するサウジアラビアなどスンナ派のアラブ諸国が空爆を開始[31]。フーシ派はイランが支持し、スンナ派対シーア派の構図の内戦となった[31]。
  • 4月14日 - 国際連合安全保障理事会にてフーシ派への武器禁輸を発動する決議が賛成多数で採択された。フーシ派が制圧した地域からの同組織の即時無条件での撤退も求める[34]。
  • 7月17日 - ハーディー政権派がフーシ派から、イエメン第2の都市である南部のアデンを奪還したと発表[35]。
  • 8月4日 - ハーディー政権派がイエメン最大のアルアナド空軍基地をフーシ派から奪還したと発表[36]。
  • 8月11日 - 中東のテレビ局「アルジャジーラ」がハーディー政権派がアビヤン州を制圧したと報道[37]。
  • 8月15日 - ハーディー政権派が中部シャブワ州を奪還[38]。5つ目の州の奪還となった[38]。ハーディー政権派はサウジアラビア主導の空爆支援を、アラブ首長国連邦などから武器供与や軍事顧問団の支援を受け、攻勢に転じていると報じられた[38]。
  • 8月19日 - アムネスティ・インターナショナルが、イエメンの首都サナア、アデン、タイズへ攻撃を行っているサウジアラビアを戦争犯罪を行なっているとして非難[39]。アムネスティーによれば、この紛争による死者数は4千人に達しており、そのうち半数が一般住民だという[39]。
  • 8月24日 - WFPが「(イエメンの人口の2割以上に当たる)600万人が深刻な食糧難に陥り、緊急支援を必要としている」と指摘[40]。「数百万人規模の飢餓が引き起こされる恐れがある」と警告[40]。
  • 9月22日 - サウジアラビアに逃れていたハーディー暫定大統領が、半年ぶりにイエメンに帰還し、イエメン南部の拠点都市アデンに入り、首都奪還に意欲を示した[41]。
  • 10月3日 - ジュネーブで開かれた国連人権理事会の通常会期で、オランダが内戦状態のイエメンへの調査団派遣を求める決議案を提出したが、イエメンで空爆を続ける紛争当事国のサウジアラビアが阻止し、オランダは決議案を取り下げた[42][43]。
  • 10月15日 - ハーディー政権派を支援するサウジアラビアの空軍基地に、フーシ派が弾道ミサイル「スカッド」を発射[44]。

2016年

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2017年

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  • 1月-2月 - 政府側部隊が紅海沿岸部の奪還を目指して大規模攻勢を展開。2月には南西部の港を制圧した[48]。
  • 5月11日 - ハーディ派より分派した南部暫定評議会が発足。(詳細は「南部暫定評議会」を参照)
  • 6月5日 - 政府側がサウジアラビアなどとともにカタールと断交。シーア派であるフーシ派に対するカタールの支援を理由として挙げた[49]。
  • 11月4日 - フーシ派がサウジアラビアの首都リヤドを標的とし弾道ミサイルを発射。上空での迎撃・破壊に成功したが破片の一部がキング・ハーリド国際空港敷地内に落下した[50]。
  • 11月6日 - サウジアラビアがイランからの武器流入を防ぐ名目でイエメン国境を封鎖した[51]。
  • 11月7日 - サウジアラビアのムハンマド皇太子、フーシ派に弾道ミサイルを供給することによりサウジアラビアに対する「直接的な軍事侵略」に及んでいるとして、イランを非難した[52]。
  • 12月2日 - フーシ派と同盟関係にあるサーレハ前大統領がサウジアラビア主導の連合軍と和平協議を行う用意があることを表明。これに対しフーシ派指導者は、サレハ前大統領の「重大な裏切り」で前大統領とサウジ連合軍が「一つの戦線」になったと非難した[53]。
  • 12月4日 - フーシ派がサーレハ前大統領の乗った車を攻撃して前大統領を殺害したと発表。当初、前大統領派は死亡を認めていなかったが、フーシ派がインターネット上に死亡した前大統領とされる動画を投稿したことを受け、死亡を認めた。フーシ派はサナア中心部にあるサーレハ前大統領の自宅も爆破した[54][55][56]。

2018年

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  • 1月28日 - アデンで南部分離派が激しい戦闘を経て政府庁舎を占領した[57]。
  • 2月26日 - 国連安全保障理事会は、フーシにイランが武器を供与したとの懸念を表明する決議案を採決にかけたが、ロシアの拒否権行使により否決された。その後、イランには言及せずにイエメンへの武器禁輸措置を延長するロシア提案の決議が全会一致で採択された[58]。
  • 3月25日 - フーシ派がサウジアラビアの首都リヤドなどに向けミサイル7発を発射。撃墜には成功したが、破片が住宅地に降り注ぎ、エジプト人の住民1人が死亡し、2人が負傷した[59]。
  • 4月3日 - イエメン西部ホデイダ沖の紅海で航行中のサウジアラビアの石油タンカーがフーシ派の攻撃を受けた。タンカーの被害は軽微で、そのまま航海を続けたという。ホデイダの港では2日にフーシ派掃討を目的にしたサウジ主導連合軍の空爆で16人が死亡しており、空爆への報復としてタンカーを狙ったとみられる[60]。
  • 4月19日 - フーシ派の政治部門指導者サーレハ・アリ・アッ=サンマード(英語版)最高政治評議会議長(元首格)がサウジ主導連合軍によるドローン攻撃[61]で死亡した[62]。
  • 7月25日 - 紅海で航行中のサウジアラビアの石油タンカー2隻がフーシ派の攻撃を受けた。損傷は軽微だったが、これを受けサウジアラビア政府は紅海のバブ・エル・マンデブ海峡を通過する原油輸送を一時停止した[63]。
  • 8月9日 - サウジ主導連合軍によるイエメン北部での空爆でバスが誤爆され、子ども40人を含む多数の市民が死亡した[64]。
  • 11月19日 - フーシ派がサウジ率いる有志連合へのミサイル攻撃やドローン攻撃の停止を表明[65]。
  • 12月4日 - ハーディー暫定政権とフーシ派が、数千人規模の捕虜交換を行うことで合意した[66]。
  • 12月13日 - 国連が仲介した和平協議で、ハーディー暫定政権とフーシ派はホデイダでの停戦などで合意し[67]、18日に発効した[68]。
  • 12月19日 - 赤十字国際委員会は12月4日の捕虜交換の合意に基づいてハーディー暫定政権とフーシ派が計約1万6千人の捕虜らの名簿を交換したと明らかにした[69]。
  • 12月21日 - 国連安全保障理事会は、和平協議での合意を承認し、合意に基づく停戦を監視する先遣隊の派遣を認める決議案を全会一致で採択した[70]。

2019年

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  • 1月16日 - 国連安全保障理事会は、停戦監視のための国連監視団を現地に派遣する決議を全会一致で採択した[71]。
  • 8月10日 - アデンにて、暫定政権軍との激しい戦闘の末、南部暫定評議会が大統領宮殿などを占拠した[72]。
  • 9月14日 - サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの施設2箇所がフーシによるドローン攻撃を受けた[73]。
  • 11月5日 - ハーディー暫定政権と南部暫定評議会(STC)が和解に合意し、双方からなる政府をつくる協定に署名した[74]。

2020年

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  • 4月9日 - サウジアラビア(と有志連合)は、2019新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を踏まえ2週間の停戦を呼び掛けた[75]。停戦発表後も各地で衝突は続いたが、サウジアラビアは同月23日に停戦の期限切れを迎えたことを受け、1カ月延長することを表明した[76]。
  • 4月26日 - STCは、ハーディー暫定政権との和平合意が破談したとして、南部を自ら統治すると宣言した[77]。7月29日には、宣言を撤回し和平合意の履行を促進すると発表した[78]。12月18日、暫定政権と南部暫定評議会が新内閣を組閣した[79]。

2022年

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  • 4月2日 - 国際連合の仲介で、暫定政権とフーシ派との間で一時的に全土で二か月の停戦が行われた[13]。
  • 4月7日 - ハーディ大統領は声明を発表し、大統領の権限を新たにできた指導評議会に移譲すると発表した[80]。
  • 6月2日 - 停戦の2ヶ月間延長で合意した[81]。8月にはさらに2ヶ月間の延長で合意した[82]。

2023年

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  • 10月19日 - 10月7日に起きたガザでの戦争においてフーシ派がハマスへの支援を目的としてイスラエルに陸上攻撃巡航ミサイル3発などを使い攻撃。米軍により撃墜される[83]。

この攻撃以降紅海にて紛争が勃発。貿易船は紅海を避けざるを得なくなっている[84]。

2024年

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2025年

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  • 12月3日 - STCは旧イエメン人民民主共和国(南イエメン)領の「奪還」を掲げ、石油資源の豊富なハドラマウト県の大部分を制圧した。これにより、大統領指導評議会およびそれを支援するサウジアラビアとの緊張が高まった[89]。
  • 12月7日 - 緊張の高まりを受け、旧南イエメン領のアデンを拠点としていた大統領指導評議会のラシャード・アル=アリーミー大統領らはサウジアラビアのリヤドへ避難した[90]。
  • 12月8日 - 南部暫定評議会はハドラマウト県、マフラ県を含む旧南イエメン領の8県をすべて支配下に置いたと発表した[91]。
  • 12月30日 - サウジアラビア主導の連合軍は南部の湾岸都市ムカッラーを攻撃した。またサウジアラビアは南部暫定評議会を支援するアラブ首長国連邦に対し、イエメンに展開している全部隊の撤退を要求した。同日、アラブ首長国連邦は全部隊の撤退を発表した[92]。

2026年

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  • 1月2日 - 南部暫定評議会は2年間の独立移行を宣言し、旧南イエメン領から成る「南アラビア国」の暫定憲法を公布し、将来的な独立の是非を問う国民投票の計画を発表した。また、同宣言が受け入れられない、または南イエメンに軍事攻撃を行った場合は即時に発効すると警告した[93][94]。
  • 同日 - サウジアラビアが支援するイエメン政府派の民兵組織「Homeland Shield forces(国民盾軍、または国土盾軍」が、南部暫定評議会支配地域に対し奪還作戦を開始した[95]。
  • 1月3日 - イエメン政府はハドラマウト県を南部暫定評議会から奪還したと発表した[95]。
  • 1月4日 - イエメン政府はマフラ県を南部暫定評議会から奪還したと発表した[96]。
  • 1月8日、国営サウジアラビア通信は、南部暫定評議会の指導者ズバイディがUAEに逃亡したと伝えた[97]。
  • 1月9日、南部暫定評議会が分裂し、一部メンバーが解散を発表した[98][99]。
  • 3月28日 - イラン情勢悪化に伴い、フーシ派がイスラエルを攻撃。
  • 7月13日 - 連合軍と暫定政府軍はイランから、フーシ派代表団を乗せた航空機がサヌア国際空港へ進入したとして滑走路に空爆を行った。フーシはこれを非難し、報復としてサウジアラビアのアブハ国際空港(英語版)に攻撃を開始した。これによってサウジアラビアとフーシの4年間にわたる停戦が破られた[100]。
  • 7月20日 - フーシはサヌア国際空港への攻撃の報復としてサウジアラビアに対してバブ・エル・マンデブ海峡の海上封鎖を行った。サウジ外務省はこれを非難し、「国際法に従って自国の船舶を保護するために必要なあらゆる措置を講じる。」と声明を発表した[101]。
  • 8月11日 - 紅海を航行中のイエメンの商船に対してフーシが弾道ミサイルを発射した。これにより、船内で火災が起こり4人が死亡し5人が負傷した[102]。
  • 9月3日 - フーシが暫定政府軍に対抗するためにマンデブ海峡へ進出したことで武力衝突が発生。一日で120人が死亡する大規模な衝突であった[103]。
  • 9月5日 - 政府支配下である港湾都市モカの攻略のため、フーシはタイズとモカをつなぐ幹線道路を遮断した。激しい戦闘によって1790世帯が避難を余儀なくされている[104]。
  • 9月8日 - フーシはサウジアラビアがフダイダやタイズに行った121発に及ぶ無差別な空爆に対する報復としてアブハ国際空港やサウジ国営石油会社サウジアラムコの関連施設、キング・ハーリド空軍基地などを標的に数十発の弾道ミサイルとドローンで攻撃した。これにより、女性や子供をふくむ73人が負傷した。サウジ外務省は報復を宣言した[105]。また、9月に入ってから8日までに500人以上が死亡した。暫定政府軍の兵士216人、フーシ派戦闘員278人が死亡し、民間人の犠牲者は29人にのぼる[106]。
  • 9月10日 - モカがフーシの支配下におかれ、マンデブ海峡への影響力を強めた。また、フーシは紅海の入り口付近にあるハニシュ諸島への侵攻を開始した[107]。
  • 9月11日 - ハニシュ諸島をフーシが制圧した。
  • 9月17日 - サウジのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子がトランプと会談を行ってトランプへ戦争への介入を要請し、トランプは国防総省に出撃の準備をさせたが突如として方針を転換し、フーシへの攻撃は当面の間実施されない見通し[108]。
  • 9月19日 - サヌアに対する攻撃の報復としてフーシがサウジアラビアの首都、リヤドを攻撃したと主張した。ヤンブーにあるサウジアラムコの関連施設やキング・ハーリド国際空港の周辺施設のドローン攻撃が行われた。一方、サウジ側はメッカ郊外の都市のタイフに対する攻撃は迎撃に成功したと発表した[109][110]。
  • 9月20日 - ラシャード・アル=アリーミー大統領評議会議長はドナルド・トランプ米大統領と電話会談を行い、フーシに対抗するための軍事的な支援を要求したがトランプは支援を拒否した[108]。

影響

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  • 2016年6月にWFPが公表した報告書によると、イエメン国内では1410万人が食糧不足に直面し、そのうち700万人が深刻な状況に陥っている[111]。
  • 2017年6月24日にUNICEFとWHOが発表した共同声明によると、イエメンでは紛争による衛生環境の悪化によりコレラが急速に拡大し、感染が疑われる症例が20万件を超えた[112]。また、WHOによると、同年9月13日までにコレラによる死者は2074人に達した[113]。
  • 2018年、UNICEFのカッペラエレ代表は「イエメンでは5歳未満の子どもたち180万人が栄養失調で、このうち40万人が命にかかわる急性栄養失調に陥っている。10分に1人のペースで子どもたちが死亡している」と述べた。また、医療の設備も破壊され、人材も不足している、という[114]。

各国の対応

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脚注

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  1. ↑ “Saudi Arabia Begins Air Assault in Yemen”. The New York Times. 25 March 2015. 2015年3月25日閲覧.
  2. ↑ Felicia Schwartz, Hakim Almasmari and Asa Fitch (2015年3月26日). “Saudi Arabia Launches Military Operations in Yemen”. WSJ. 2015年10月14日閲覧。
  3. 1 2 3 4 5 6 7 8 “Egypt, Jordan, Sudan and Pakistan ready for ground offensive in Yemen: report”. the globe and mail. 26 March 2015. 2015年3月26日閲覧.
  4. ↑ “Saudi Arabia launches airstrikes in Yemen”. CNN. 26 March 2015. 2015年3月25日閲覧.
  5. ↑ “Senegal to send 2,100 troops to join Saudi-led alliance”. Reuters. 4 May 2015. 2015年5月4日閲覧.
  6. ↑ “SOMALIA: Somalia finally pledges support to Saudi-led coalition in Yemen – Raxanreeb Online”. RBC Radio. 7 April 2015. 2015年4月7日閲覧.
  7. ↑ “Pakistan to help enforce embargo on Houthis”. dawn.com. 17 April 2015. 2015年9月28日閲覧.
  8. ↑ “예멘 반군, 사우디 공격한 미사일은 ‘북한제 스커드’”. newdaily.co.kr. 3 August 2015. 2015年8月3日閲覧.
  9. ↑ Millis, Joe (7 May 2015). “US drone strike in Yemen 'kills al Qaeda man behind Paris Charlie Hebdo and Jewish shop attacks'”. International Business Times. 2015年5月7日閲覧.
  10. ↑ Whitlock, Craig (17 March 2015). “Pentagon loses track of $500 million in weapons, equipment given to Yemen”. The Washington Post. 2015年4月9日閲覧.
  11. ↑ 「イエメン、コレラ激化/感染疑い40万人超/内戦激化 薬届かず」「サウジ・イラン代理戦争」『読売新聞』朝刊2017年8月4日(国際面)
  12. 1 2 「イエメン内戦 複雑化/暫定政権×南部勢力×フーシ派/三つどもえの争い 終息遠く」『毎日新聞』朝刊2020年5月17日(国際面)2020年5月19日閲覧
  13. 1 2 “イエメン内戦7年、終わり見えず 「戦争で苦しんでいるのはウクライナと同じ」 国連仲介で停戦合意…それでも続く攻撃 :東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年4月12日閲覧。
  14. ↑ 「イエメン ミサイル応酬/フーシ80発 サウジ迎撃/米・イラン代理戦争激化」『毎日新聞』朝刊2018年1月12日(国際面)
  15. ↑ “イエメン内戦巡り、サウジとUAEが対立 三つどもえの争い激化”. 毎日新聞. 2026年1月3日. 2026年1月3日閲覧.
  16. ↑ イエメン空爆を招いた過激派「フーシ派」の正体 イランとサウジアラビアの代理戦争の行方(前篇)JB Press 2015年4月9日
  17. ↑ 松本 太松本 太 Futoshi Matsumoto 世界平和研究所 主任研究員。東京大学卒。在エジプト大使館参事官、内閣情報調査室国際部主幹、外務省情報統括官組織国際情報官を経て、平成25年より現職。
  18. ↑ “Yemen tells Shi'ite rebels to disband or face war”. San Diego Union-Tribune. 29 January 2007. 2015年4月9日閲覧.
  19. ↑ “Yemen’s government, Shiite rebels negotiate end to 3-year conflict”. The Seattle Times. 17 June 2007. 2015年4月9日閲覧.
  20. ↑ “Saudi-Houthi border fighting ends”. Al Jazeera. 27 January 2010. 2015年4月9日閲覧.
  21. ↑ Taylor, Adam (22 January 2015). “Who are the Houthis, the group that just toppled Yemen’s government?”. The Washington Post. 2015年4月9日閲覧.
  22. ↑ “イエメン大統領、退陣へ 権限移譲の調停案に署名”. asahi.com. 『朝日新聞』. 2011年11月24日. 2011年11月23日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2011年11月26日閲覧.
  23. ↑ “イエメン:サレハ大統領サウジに 権限移譲案受け入れへ”. 毎日.jp. 『毎日新聞』. 2011年11月24日. 2011年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2011年11月26日閲覧.[リンク切れ]
  24. ↑ “イエメン新大統領が就任宣誓、サレハ政権に幕”. YOMIURI ONLINE. 『読売新聞』. 2012年2月25日. 2012年2月25日閲覧.
  25. ↑ “ハディ氏得票率99.8% イエメン暫定大統領に当選”. asahi.com. 『朝日新聞』. 2012年2月25日. 2012年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2012年2月25日閲覧.
  26. ↑ アンサール・アル・シャリーア国際テロリズム要覧(公安調査庁)
  27. ↑ Hatem, Mohammed (14 February 2012). "Yemen’s Houthi Rebels Vow to Boycott Presidential Elections". Bloomberg. Retrieved 9 April 2015.
  28. ↑ イエメン政府庁舎を反政府勢力が占拠、首相辞任で停戦合意
  29. ↑ Al-Moshki, Ali Ibrahim (4 September 2014). "THE HOUTHIS: FROM A LOCAL GROUP TO A NATIONAL POWER". Yemen Times. Retrieved 9 April 2015.
  30. ↑ イエメン紛争 乗じて再登場フジサンケイビジネスアイ
  31. 1 2 3 4 “イエメンの内戦が取り返しのつかない事態になっている”. ハフィントン・ポスト. 2015年4月7日. 2015年8月29日閲覧.
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参考文献

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関連項目

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外部リンク

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