大阪・関西万博の交通
大阪・関西万博の交通(おおさか・かんさいばんぱくのこうつう)では、2025年日本国際博覧会(公式略称:大阪・関西万博)における会場内相互間、または万博会場へのアクセスの役割を果たした交通機関について記す。
概要
[編集]大阪・関西万博(会期:2025年4月13日 - 10月13日〈184日間〉)では、一日あたりの予想入場者数を22万7千人(うち、鉄道利用者13万3千人、道路利用者9万4千人)を見込んで、利用交通の円滑化が図られた[1]。実際には会期中の総入場者数は2901万7924人(一般入場者数は2557万8986人)を記録したが、それだけの人数をさばくために交通機関は大きな役割を果たすことになった。
また、「未来社会の実験場」をコンセプトとしていたこの万博では、入場者が近未来の生活を体験できる「未来社会ショーケース事業」の一環として、会場への交通アクセスにも走行中に給電できる電気バスや水素燃料電池船など、最先端技術を搭載した未来のモビリティが採用され、会場への往来でも未来を感じることができる施策が取られた[2][3][4]。
会場内交通
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公共交通機関
[編集]これまでの日本開催の万博・花博では、いずれも会場内施設として鉄軌道路線を設置したが、大阪・関西万博では設置されなかった。公共交通機関として、会場内をほぼ周回[注釈 1]するバス「e Mover」1路線を大阪シティバスが運行していた。通常便では自動給電が可能な電気バスを使用し途中停留所でも乗降ができた。昼間の一部の便では自動運転バスにて運転し、自動運転バスは起終点のみ乗降可能であった[5]。通常便・自動運転バスとも料金は400円、1日券は1000円。
2025年7月1日から、東ゲート→西ゲートを移動できるシャトルバスの運行を開始した。
施設間移動
[編集]大阪・関西万博では、会場内で走行できる車両のサイズや駆動方式がレギュレーションによって制限された。そのため、パビリオン間やバックヤードでの来賓移動や物資運搬のために、運営用車両としてゴルフカーが導入されていた。主に、ヤマハ製5人乗りカートなどの国内で主流のゴルフカーが使用された[6]。
また長距離歩行が困難な人や高齢者向けに1人乗りの「パーソナルモビリティ」の無料貸し出しを行っていた[7]。
会場への交通
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大阪・関西万博の会場は大阪湾に浮かぶ人工島の夢洲である。歴史上初の海上万博であるため、入場には夢洲への上陸(夢洲アプローチ)が必要であった。夢洲へは、鉄道、シャトルバス、高速バス、空港バス、自転車、船舶、タクシーといった公共交通機関を利用することになる。自家用車は障がい者用駐車場利用者を除き島内に原則乗り入れ禁止となっていたため、近隣のP&R(パークアンドライド)駐車場に駐車し、そこからはシャトルバスを利用して上陸することになっていた。
- 交通手段別の入場者数
| ゲート | 交通手段 | 想定入場者数(割合)[8] | 入場者数(割合)[9] |
|---|---|---|---|
| 東 | Osaka Metro 中央線 | 13.3万人(58.6%) | 115,953人(73.53%) |
| 西 | P&R(パーク&ライド) | 3.5万人(15.5%) | 12,932人(8.2%) |
| 西 | 団体バス | 3.0万人(13.2%) | 7,908人(5.08%) |
| 西 | シャトルバス | 2.6万人(11.4%) | 17,996人(11.4%) |
| 西 | タクシー | 0.2万人(0.9%) | 2,892人(1.83%) |
開幕前は1日に最大22.7万人の入場者のうち、13.3万人(58.6パーセント)がOsaka Metro中央線の夢洲駅を利用すると想定された[10][8][11][8][12]。博覧会協会の推計によると、開幕後の約1か月間(2025年4月13日 - 5月10日)は1日平均の入場者数が想定の15万人より少ない10.4万人[注釈 2]だったものの、来場者の76.6パーセントが予約不要な夢洲駅を利用している[13][14]。これは割高なP&R(パーク&ライド)が5.2パーセントの利用に低迷していることなどが主な要因である[13][14]。
最終的に、来場者の交通手段は、東ゲートに直結する大阪メトロ中央線が73.5%と圧倒的に多く、想定の58.6%を大幅に上回った。中央線利用の偏りは東ゲートが混雑する要因となることから、万博協会はパークアンドライドを値下げするなどして、西ゲートの利用促進を図ったが、数字は会期中ほとんど変化しなかった。万博協会の淡中泰雄交通局長は「輸送力はシャトルバスの1台50人に対し、中央線は1列車1000人以上。来場者にとっては一定のダイヤで運行する鉄道の方が安くて便利だったのだろう」としている[15]。
鉄道
[編集]夢洲駅 (Osaka Metro中央線、万博会場最寄り駅)
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万博開催に合わせて延伸開業したOsaka Metro中央線の夢洲駅が会場への最寄り駅であった[16][17][18]。夢洲駅は、万博東ゲート前に出入り口があり、夢洲に乗り入れる唯一の鉄道路線であるため、夢洲アプローチのメイン路線となっていた。万博開催期間中は曜日を問わず特別ダイヤで運行し、運行本数が通常期の2倍以上に増便された[19]他、朝夕の混雑ピーク時には、1時間あたり最大24本(2分30秒間隔)を運行した[20]。これに対応するため、Osaka Metroは2022年、万博終了までの期間限定で運行する中央線向け車両[注釈 3]として30000A系を10編成新造・導入し[21]、中央線の車両編成数を23編成から一時的に33編成に増やしていた[19]。また、この増備分の編成の留置場所確保のため、万博期間中は森之宮検車場の敷地内に整備予定である「森之宮新駅」の予定地に暫定的な留置線が設けられていた[22]。なお、朝のピーク時において混雑率は140パーセントに達すると見込まれていた[23]。
また、会期中、7月に上下合計14本の増発が行われた[24]。閉幕直前には、本町駅始発の早朝の臨時列車を運行した[25]。また、最終日には終電の延長も行われた[26]。
会期中の4月22日、8月14日には運転見合わせが発生した。詳しくは#トラブルを参照。
また、2025年4月 - 7月の平日の午前中には、大阪府内の小中学生および高校生を対象とした「子ども専用列車」と「子ども優先列車」が運行されていた[27][28]。
また、コスモスクエア駅で中央線と接続する、Osaka Metro南港ポートタウン線では、増発ダイヤが用意され、会期中に実施された[29]。
- 万博開催時の時刻表(大幅に増便されていた)
- 万博閉幕後の時刻表(2026年1月)
桜島駅 (JRゆめ咲線)・桜島駅シャトルバス
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JRゆめ咲線の桜島駅からは、駅直結のバスターミナルから直通シャトルバス[注釈 4]に乗り換えて会場西ゲート前へアクセスできた。基本的に予約なしで乗車が可能であったが、5月30日から、桜島駅バスターミナルを始発から10時30分に出発するバスに限り事前予約が必須となった[31]。桜島駅 - 万博会場間は所要時間約15分で、運賃は大人・小児同額で350円であった[32]。また、JR西日本は万博開催に合わせて、桜島駅の西端に長さ約30メートル、幅約5.5メートルの通路を木材で増築して、出口専用の改札機4台が設置された「万博臨時出場口」を整備、2025年3月24日から供用を開始した。利用可能時間は7時30分から14時までである[33][34]。
JRゆめ咲線のピーク時の輸送は1時間あたり最大12本(5分間隔)での運行となり[20]、シャトルバスも時間帯により異なるが5分 - 10分間隔で運行されそれぞれのダイヤで最大5台が同時に運行された。また、新大阪駅から梅田貨物線経由で桜島駅を結ぶ臨時列車「エキスポライナー」が運行され、日中はおおむね1時間あたり1本が運行されていた。また、JRゆめ咲線を含めた他のJR線区や東海道・山陽新幹線などにおいても利用が多い時間帯に列車が増発された[35]他、大阪市内と関西国際空港を結ぶ特急「はるか」では万博によるインバウンド需要の増加に伴う利用拡大が想定されたことから2019年に増結用車両として271系を新造・導入して全列車を9両編成で運行することとし[36]、従来の1.5倍の座席数を確保した[37][38][39][40]。最終日には、大阪環状線において終電の延長を行った[26]。
また、万博開催に合わせ、入場者を奈良に取り込むことを目的に、大阪駅・新大阪駅と法隆寺駅・奈良駅を結ぶ臨時特急「まほろば」が2025年3月15日のダイヤ改正から土休日運転の定期列車となった他、同日から万博が閉幕する10月13日まで、追加で土休日に1往復の臨時列車「まほろば91号・92号」が運行されていた。さらに、それに合わせて683系が専用仕様に改造され6000番台「安寧」となり、同年4月5日より従来の287系に代わって「まほろば」の運用に就いている[41][42]。
また、臨時列車「エキスポライナー」などに使用するため、323系を改造し、外の情景をリアルタイムに表示することでオープンカーのような体験ができる「JR WEST Parade Train」の運行を開始した[43]。
その他
[編集]万博会場への直接的なアクセスを担うOsaka MetroやJR西日本以外の関西主要路線でも、万博に合わせて増発や臨時列車の運行などが行われた。
九条駅で中央線と、また西九条駅でJRゆめ咲線と接続する阪神電気鉄道と、同線に乗り入れる近畿日本鉄道は、九条駅および西九条駅に停車する快速急行の増便を行った[44]。
また、南海電気鉄道は、万博による訪日客の増加を見込み、ラピートの増便を行った[45]。
近畿日本鉄道は万博に合わせて名阪特急を増発した他、近年の夜行列車人気や夜行バスの需要増加を受け、近鉄名古屋駅を深夜に出発し、翌朝に大阪難波駅に到着する、特急「ひのとり」を利用したツアー列車が計4日間運行された[46]。
京阪電気鉄道は、ダイヤ改正及び中之島駅へ乗り入れる特急・快速急行を設定した。(後述)
また、鉄道各社及びバス各社は機運醸成のためラッピングトレインを運行した。
- JR西日本・JR東海・JR九州:323系(大阪環状線・ゆめ咲線)8両1編成[47]、N700系/N700S系(東海道・山陽新幹線)各16両1編成、N700系(山陽・九州新幹線)8両1編成、W7系(北陸新幹線)12両1編成[48]、213系(山陽本線・赤穂線・伯備線)3両1編成[49]
- Osaka Metro:30000系(御堂筋線・谷町線)御堂筋線10両3編成、谷町線6両2編成[50][注釈 5]、30000系・新20系・66系・400系など:ワンポイントステッカー計36編成[50]
- 阪急電鉄:1000系(神戸線・宝塚線)、1300系(京都線)各線8両1編成[51][52]
- 阪神電気鉄道:1000系(本線・なんば線)6両1編成[52]
- 京阪電気鉄道:8000系(本線・鴨東線・中之島線)、3000系(本線・鴨東線・中之島線)各8両1編成[53]
- 近畿日本鉄道:9820系(奈良線)、5820系(大阪線)各6両1編成[54]、1026系(奈良線)6両1編成[55][注釈 6]
- 南海電気鉄道:50000系(ラピート)6両1編成[56]
- 山陽電気鉄道:5030系(本線・網干線)6両1編成、須磨浦ロープウェイ2両(うみひこ・やまひこ)[57]
- 北大阪急行電鉄:9000形(南北線)10両1編成[58][注釈 5]
- 大阪モノレール:2000系(本線・彩都線)4両1編成[59]
- 能勢電鉄:7200系(妙見線・日生線)4両1編成[60]
- 神戸電鉄:6000系(有馬線・三田線・粟生線)4両1編成[61]
- 叡山電鉄:デオ800形(叡山本線・鞍馬線)2両1編成[62]
- JR東日本:E5系(東北新幹線・北海道新幹線)10両1編成、E235系(山手線)11両1編成[63]
- 東急電鉄:5050系(東横線)8両1編成[64]
- 京浜急行電鉄:2100形(本線・久里浜線)8両1編成[65]
バス
[編集]シャトルバス(全便事前予約制)
[編集]近郊の主要駅からは、上記の桜島便以外にも会場直通のシャトルバスが運行され、西ゲートへ乗り入れた[66]。なお運行される全便が予約制となっており、予約には KANSAI MaaSアプリのダウンロードが必要であった。発着場所は以下の通り[67]。
- 新大阪(阪急高速バス新大阪ターミナル)[注釈 7]
- 梅田(マルビル大阪・関西万博バスターミナル)[注釈 8]
- 大阪駅(うめきたグリーンプレイスバス駐車場)[注釈 9]
- 中之島(万博シャトルバスのりば)[注釈 10]
- 難波(南海なんば高速バスターミナル)[注釈 11]
- 天王寺(近鉄大阪阿部野橋駅 あべのハルカス前)[注釈 12]
- 上本町(近鉄上本町バスターミナル)[注釈 13]
- 堺駅 / 堺東駅(駅前バスターミナル)[注釈 14]
- JR尼崎駅 / 阪神尼崎駅(空港リムジンバスのりば)[注釈 15]
- コスモスクエア駅(万博シャトルバスのりば、6月29日より[76])
- 弁天町(モビリティハブ弁天町、8月1日より[77])[注釈 16]
詳細は公式サイトの「アクセス[79]」に記載されている。
大阪・関西万博会場への入場客輸送のため、建設途上にある阪神高速2号淀川左岸線の2期区間がシャトルバス専用道路として暫定利用されていた[80]。シャトルバスは完成済みのトンネルを一部利用し、未完成区間では地表部を走行した[81]。中には専用道路区間における自動運転が実施されている便もある[82][83]。また、会場となる夢洲やその周辺では、会期中の交通渋滞を防ぐとともに、夢洲コンテナターミナルを利用する物流への影響を最小限に抑えるため、道路の車線拡大や交差点の高架化工事などが行われた[84]。
万博開催に向けてシャトルバスの発着するバスターミナルの整備も進められた。大和ハウスグループは、解体が完了した大阪マルビルの跡地に暫定利用施設として大阪・関西万博会場へのシャトルバス専用のバスターミナル「マルビル大阪・関西万博バスターミナル」を整備し、博覧会協会に無償で貸与した[85]。また、JR西日本グループが開発を手掛け、2025年3月21日に部分開業した旧梅田貨物駅跡地再開発施設「グラングリーン大阪」の一部である「うめきたグリーンプレイス」に万博会場行きシャトルバスの発着場が設けられた他、近畿日本鉄道(近鉄)は大阪上本町駅ビルの2階にある高速バスターミナルを改装。事務所などの跡地を活用し、これまで伊丹空港へのバス乗り場1つのみであったバスターミナルに、万博会場へ向かうバス乗り場が2つ増設された他、大阪上本町駅の地上ホームから直接バスターミナルへ直結する新たな改札口が新設された[86]。
また、西日本ジェイアールバスの運行するシャトルバスでは、「地球に優しい未来の燃料」として合成燃料を使用したシャトルバスが日本で初めて運行された[87]。
大阪市高速電気軌道は万博輸送のため、電気バスを計174台導入した。内訳は、主に舞洲P&R駐車場と万博会場を結ぶ路線で運行されるEVモーターズ・ジャパン製大型車両が115台、主にオンデマンドバスで運行されるEVモーターズ・ジャパン製小型車両が35台、桜島駅と万博会場を結ぶ路線で運行されるいすゞ製大型車両「エルガEV」が24台である[88]。またEVモーターズ・ジャパン製BEVバスについては、150台を万博会場やその周辺で、40台を大阪市内を走るオンデマンドバスとして使っていたとする報道もあり[89]、大阪メトロ自身は「本件車両のうち、大型バス115台は万博会場外輸送に、小型バス35台は万博会場内輸送(e Mover)に、超小型バス40台はオンデマンドバスにそれぞれ使用しておりました。」としている[90]。
また、南海バスと阪急バスも万博開催に合わせてエルガEVを導入し、シャトルバスとして運行していた[91]。
その他、両備バスは2025年に貸切バスとして導入した2階建てバス「Executive Double」(アストロメガ)を万博会期中はシャトルバスとして運行していた[92]。
京阪電気鉄道は万博開催に先立つ2025年3月22日にダイヤ改正を行い、大阪・関西万博の開催期間中は平日・土休日ともに、中之島駅発着の特急・快速急行の列車を臨時列車として設定し、京阪バスが運行する中之島駅と会場を結ぶシャトルバスとの接続の利便性向上を図った[93]。
また、いすゞ自動車はこの万博の開催に合わせる形でEVバス「エルガEV」を開発し、2024年(令和6年)5月28日に発売を開始した[94]。
高速バス・空港バス
[編集]近畿各府県や全国各地と万博会場を結ぶ夜行バスも運行されていた。なお、会場内への大型手荷物の持ち込みは禁止されていたため、宿泊ホテルおよび空港や駅のロッカー預ける必要があった。発着場所および運行会社は以下の通り。
詳細は公式サイトの「高速バス・空港バスでご来場の方へ[119]」に記載されている。
その他
[編集]近畿地方のバス各社では、大阪・関西万博のラッピングバスを運行した。
- 西日本ジェイアールバス・西日本ジェイアールバスサービス:バス2両[120]
- 大阪シティバス・Osaka Metro・西日本ジェイアールバス:EVバス174両[121]
- 阪急バス:EVバス[122]
- 京阪バス:バス[123]
- 日本交通・京都交通:バス2台[124]
- 高松エクスプレス:バス17台[125]
- 神戸市交通局:バス3台[126]
自家用車・タクシー
[編集]自家用車
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会場への自家用車での乗り入れは原則禁止であり、自家用車で入場の際は、舞洲、尼崎、堺に設置しているP&R(パークアンドライド)駐車場に駐車し、そこからはP&Rシャトルバスに乗り換え会場へ向かうこととなっていた。駐車場は舞洲に9000台、尼崎に3000台、堺に2000台が用意されており、駐車場は前日までの事前予約が必要だった[127]。
- 舞洲
- 尼崎
- 尼崎東海岸出入口 - 阪神高速5号湾岸線
- 堺
- 三宝出入口 - 阪神高速4号湾岸線 / 阪神高速6号大和川線
なお、会場東ゲート近くには障がい者用駐車場が用意されていた。対象は特別割引券の対象となる障害者手帳保持者および傷病等で車椅子または歩行具を利用しないと移動が困難である者に限定され、利用には入場前日までの予約が必要だった。しかし連日事前予約で埋まる状況が続いたことから、5月24日より当面の間、舞洲P&R駐車場に障がい者用駐車当日予約枠を開設していた[128]。
愛・地球博では駐車場周辺の道路において連日渋滞が発生したことから、協会は駐車料金について、できるだけ公共交通機関での入場を促し、渋滞を防ぐため、近郊から利用した場合に鉄道よりやや高くなるように設定することとし、基本料金は舞洲が5500円、堺と尼崎が5000円に設定された。しかし周辺の民間駐車場よりも高額であることから利用が低迷し、開幕1か月間の利用台数は協会の想定である1日計5000 - 7000台を大幅に下回り、最大容量の1 - 2割にあたる1000 - 2000台にとどまっていた[129]。これを受けて吉村大阪府知事は「使われないと意味がない」として協会に大幅な値下げの検討を要望した。5月24日より15時以降の駐車料金について半額以下に値引きされることになった[130]。
なお、尼崎P&R駐車場の利用需要を見越し、兵庫県は東海岸町のフェニックス事業用地にて「ひょうご楽市楽座」を開催した[131]。地域のグルメや播州織などの特産品販売、ワークショップ 、ステージイベント、ブルーインパルス展⽰⾶⾏や「EXPO Thanks花⽕⼤会」の観覧を行った[132]。
タクシー・ライドシェア
[編集]タクシーで夢洲へ向かう場合、会場西ゲート前の夢洲第1交通ターミナルに乗り入れていた。
万博開催に合わせ、会期中は大阪府内における「日本版ライドシェア」の規制が大幅に緩和されており、大阪市周辺に限られていた運行エリアが大阪府全域に拡大されている他、曜日を問わず24時間運行できるようになった[133]。
自転車
[編集]会場へは自転車でのアクセスが可能だった。駐輪場は夢洲の万博会場付近および会場対岸にある人工島咲洲のコスモスクエア駅の2箇所に設置された。なお、会場の駐輪場を利用する場合は事前予約が必要であった。駐輪場の収容台数は、夢洲が約600台、コスモスクエアが約130台[134][135]。
- 夢洲自転車駐輪場
前日までの事前予約が必要で、利用料金は500円。此花大橋および夢咲トンネルは通過できないため、淀川リバーサイドサイクルラインから常吉大橋 - 舞洲 - 夢舞大橋経由で夢洲アプローチを行った。なお常吉大橋と夢舞大橋を経由する際は、自転車を降り歩道を押し歩きで通過しなければならなかった[136]。
- 咲洲自転車駐車スペース(コスモスクエア)
Osaka Metro中央線コスモスクエア駅の駅前に設置された。予約は不要で利用料金は無料。コスモスクエア駅からは中央線で夢洲アプローチを行った[136]。
航空路
[編集]
万博開催に合わせ関西国際空港や神戸空港を発着する飛行機の数を増やすため、飛行ルートを2025年3月20日から淡路島上空を飛行する新ルートに切り替えた[137]。関西国際空港では万博による訪日客の増加を見込み、2021年から約4年かけて第1ターミナルの改装を行い、受け入れ可能な国際線旅客数を年間約4000万人まで増加させた。改装後の第1ターミナルは2025年3月27日に全面運用が始まった[138]。また、万博開催に伴う増便に備え、新たに駐機場を貨物用3機分、旅客用2機分の計5機分増設した[139]。
2006年の開港以来国内線のみを運航してきた神戸空港では、万博開催に合わせて国際線用の第2ターミナルが整備され、2025年4月18日から関西空港の国際線を補完する形で国際チャーター便の運航を開始した[140][141]。
なお、当初は会場外のポートや関西国際空港から万博会場までの間で「空飛ぶクルマ」を運航する予定となっていた[142]が、安全性に関する国の証明が開幕までに得られないことから断念した[143]。
船舶
[編集]旅客船
[編集]


旅客船を利用する場合、船は夢洲浮桟橋へ着岸し、夢洲からは船シャトルバス(バス)で会場へアクセスすることとなっていた[148]。旅客船の発着地は以下の通りである[149]。
また、夢洲を発着地とした、会場周辺の大阪湾上を周遊する遊覧船も計画された[156][157]。
大阪府は夢洲への船舶アクセス拠点として、安治川沿いの府有地を開発して整備された「中之島GATE」を活用した[158]他、阪急十三駅近くの淀川に新たな船着き場を整備したが、採算性や条件に合致する船舶の運航が困難などの理由から定期便を運行する事業者は少なく、淀川の船着き場に至っては現れていない。また、現在運航されている定期船に関しても、割高な運賃などを理由に利用者数は想定を下回っている。ある事業者は高額な夢洲の桟橋利用料が運賃を押し上げている要因の一つであると指摘している[159]。これを受けて大阪府の吉村洋文知事は6月17日、大阪府と大阪市および堺市から博覧会協会に対し、桟橋利用料金の減免と利用時間の延長を提案したことを明らかにした[160]ほか、ユニバーサルクルーズは各地と万博会場を結ぶ旅客船の乗船料を7月1日から最大6割強値下げすることを発表した[161]。
パソナグループは、神戸市の和幸船舶が保有する高速船「awaline きらら」を利用した「PASONA NATUREVERSE号」を万博期間中に運航すると発表した。
淡路交流の翼港と万博会場である夢洲を結ぶ路線で、片道運賃は3,600円[152]。また、乗船客には大阪・関西万博内でパソナグループが出展するパビリオン「PASONA NATUREVERSE」の優先入館チケットが特典としてプレゼントされる。
フェリー
[編集]大阪市内における宿泊施設の空室不足や宿泊費高騰から、寝泊まりしながら移動できるフェリーの人気が高まっている。鹿児島県の志布志港と大阪南港を結ぶフェリー「さんふらわあ」は、万博開幕から1か月間で前年同期より利用客が400人以上増加した。特に万博の入場券付きのツアーが人気を集めた[162]。
また、高松東港と神戸三宮フェリーターミナルを結ぶ「ジャンボフェリー」は、万博開催を見据えて、三宮19時台発の高松東港行きとその復路便を降りずに乗り通すことでホテル代わりにフェリーを利用できる「ふね泊」サービスが行われた[163]。
なおフェリーを利用する場合は、阪神港の各フェリーターミナルからシャトルバスや公共交通機関などで会場へ向かうことになっていた。
名門大洋フェリーやオレンジフェリーは前述のとおり大阪南港フェリーターミナルと万博会場を結ぶシャトルバスを運行していた[164]。
トラブル
[編集]- 4月22日21時半頃、Osaka Metro中央線の大阪港駅で、長田駅発夢洲駅行きの上り列車が車両故障のため、ホームの停止位置より約10メートル手前で停止した。この影響で中央線が約1時間に渡り全線で運転を見合わせ、22時24分に運転を再開した。中央線が万博会場である夢洲へアクセスできる唯一の鉄道であったことや、夢洲駅に近い東ゲートとシャトルバスが発着する西ゲートの間で徒歩移動ができないことから、夢洲駅構内では改札内だけで一時約4000人が滞留した。また、改札前などで入場規制がかかり、多くの人が東ゲートの喫煙所などで風雨をしのぐ事態となった。これについて大阪府の吉村知事は翌23日、「今後を考える上で重要な事案」と見解を示し、博覧会協会にも改善策を提案したことを明らかにした[165][166][167][168][169]。これらの課題のうち、東ゲートから西ゲートへの徒歩移動については6月16日から行えるようになり[170]、さらに7月1日からは東ゲートから西ゲートに向かうシャトルバスの運行を開始した[170]。
- 4月28日16時半頃、舞洲P&R駐車場と万博会場を結ぶ自動運転のシャトルバスが舞洲のバス待機場でコンクリートの壁に接触する事故が発生した。手動運転に切り替えて停止し、運転手が運転席から離れていた際に動き出し、接触したという。電気システムのトラブルでサイドブレーキが作動しなかったことことが原因である。この影響で、同区間の自動運転のシャトルバスが運休となっていたが[171][172]、6月25日から運行が再開された[173]。しかし、7月21日正午すぎ、自動運転車両が会場近くの夢洲北高架橋を走行中に、右側前輪が縁石に接触する事故が起きた[174]。そのため、安全が確認されるまで自動運転での運行は当面中止とされていた[174]。その後、対策が完了し、走行試験の結果、安全も確認できたことから、9月4日から運行が再開された[175]。
- 8月13日21時28分ごろ大阪メトロ中央線で発生した電気系統のトラブルにより、設備点検のため21時30分から全線で運転を見合わせ[176][177]、不通となった時点でスタッフを含めた約4万9000人(推計)が夢洲駅に直結する東ゲート前広場など会場周辺に滞留[178]。22時10分から夢洲駅とコスモスクエア駅間で折り返し運転を始め、四つ橋線および南港ポートタウン線の全線で終夜運転を行った。[179][180]しかし、一時は約3万人におよぶ帰宅困難者が生じたため、博覧会協会はパビリオン等の開放を行って収容して[181]、スタッフを含めた約1万1000人が翌朝まで滞在した[178]。中央線は14日5時25分に全線で運転が再開されて、6時55分にすべての入場者が退場した[180](これに伴い14日の開場時間を9時30分に繰り下げ[181])。この間、36人が頭痛や体のしびれなどを訴えて救急搬送された[182][181]。帰宅困難者の発生は「オールナイト万博」として話題になり[183][184]、閉幕後に吉村洋文大阪府知事は「災害としてほぼ徹夜で対応した」「万博で最大の危機だった」と振り返った[185]。
閉幕後
[編集]大阪市高速電気軌道は、10月14日にダイヤ改正を行い、増便していた中央線のダイヤを削減した[188]。これにより夢洲駅は最大20分間隔、運行本数は約4分の1となる。なお、30000A系に関しては谷町線に転属をし運行を開始した[189]。また、閉幕1周年となった翌年4月から、「EXPO2025 Futures Station」に連動したヘッドマークを期間限定で400系に施した[190]。また、10時台〜18時台のコスモスクエア駅行きの列車を、夢洲駅まで延長運転した[190]。
大阪メトロが導入したEVモーターズ・ジャパン製電気バス計150台は万博閉幕後、大阪府南部での自動運転バスの実証実験や大阪市内の路線バスに転用する予定だったが、不具合が各地で相次いだことにより、国土交通省が同社に道路運送車両法に基づく立ち入り検査を閉幕後の10月20日に実施したことから、当面の間使用が中止されることとなった[191]。金子恭之国土交通大臣は、大阪メトロ側に対しこれらのバスの導入のために交付された補助金の返還を求める方針としている[192]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ↑ 西ゲート北ターミナルとリング西ターミナルは繋がっていないため、それぞれの間を会場を外周するように走行していた。
- ↑ 一般入場者と関係者の数を足した総入場者数。
- ↑ 万博終了後は谷町線に転用された。(後述)も参照。
- ↑ 大阪シティバス、西日本ジェイアールバス、阪急バス、阪神バス、近鉄バス、南海バス、はやぶさ国際観光バスによる共同運行[30]
- 1 2 両先頭車のみ
- ↑ 河瀨直美のパビリオン「Dialogue Theater」のラッピングトレイン。
- ↑ 阪急バス、阪急観光バスによる運行[68]。
- ↑ 京阪バスによる運行[68][69][70]。
- ↑ 西日本ジェイアールバスによる運行。[71]
- ↑ 京阪バスによる運行[68][69][70]。
- ↑ 熊野御坊南海バスによる運行[72]。
- ↑ 近鉄バスによる運行[73]。
- ↑ 近鉄バスによる運行[73]。
- ↑ 南海バスによる運行[74]。
- ↑ 阪神バスによる運行[75]。
- ↑ 大阪市高速電気軌道による運行[78]。
- 1 2 鍛冶橋駐車場もしくはバスターミナル東京八重洲
- ↑ バスタ新宿と梅田を結ぶ夜行便1往復について、4月12日より万博会場への乗り入れを開始した。WILLER EXPRESSは「万博の開催期間中は、大阪周辺の宿泊施設の空室不足が見込まれるが、夜行バスをホテルの代わりに利用すれば0泊3日で万博に行くことができる」とした[98]。
- ↑ 東京駅およびバスタ新宿(新宿駅)と大阪駅を結ぶ「青春エコドリーム号」と「グランドリーム号」のうち上下2本の行先を万博会場に延伸し、「EXPOエコドリーム号」と「EXPOグランドリーム号」として、下りは万博初日前夜の4月12日から最終日前夜の10月12日まで、上りは万博初日から最終日まで運行していた。[100][101]。
- ↑ 既存の61系統「神戸空港〜六甲アイランド〜USJ」の便の一部を延長する形で設定された。
- ↑ それぞれEXPO神戸号・EXPO姫路号・EXPO三田号と名前がついた。なお、EXPO神戸号については一部便は神戸三宮止まりだった。また万博会期中は大阪ベイサイドラインの南港ポートタウンへの乗り入れが休止されていた
- ↑ 名門大洋フェリーの利用者を対象に運行されていた。
- ↑ オレンジフェリーの利用者を対象。
- 1 2 3 岡山~大阪駅・なんば・USJ 線(吉備エクスプレス大阪号)の区間延長。
- ↑ ドリーム出雲号・青春広島ドリーム大阪号の区間延長。
- ↑ 鳴門公園口へは徳島駅前方面への便のみ停車。高速バス「大阪~徳島線」の乗り入れ。
- ↑ 高松駅高速バスターミナル、県庁通り、栗林公園前、ゆめタウン高松は国分寺方面の最終便のみ停車。また、高速淡路志知は国分寺方面のみ停車。
出典
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- ↑ “大阪万博で使用のEVバス、国交省が大阪メトロに補助金返還要求へ”. 日本経済新聞. 2026年7月14日閲覧。
- ↑ “大阪・関西万博のEVバス、関空ランプバスに転用 国内空港で初”. 日本カーソリューションズ (2025年12月1日). 2026年3月1日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 大阪・関西万博TDM専用ホームページ
- EXPO 2025 交通インフォメーション - ウェイバックマシン(2025年4月8日アーカイブ分)
