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2026 ワールドベースボールクラシック (Netflix)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2026 ワールドベースボールクラシックは、定額制動画配信サービスのNetflixによる2026 ワールド・ベースボール・クラシック配信番組のタイトル[1]。

経緯

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これまで日本におけるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の放送は、東京でのプールCを主催している読売新聞社の仲介で日本テレビ(第1回のみ)とテレビ朝日、TBSテレビ、J SPORTS(日本代表戦以外)がなどが中継してきた[2][3][4]。しかし、2026年の第6回大会では、アメリカの定額制動画配信サービスであるNetflixが日本向けの全試合独占配信権を獲得した[注釈 1][6][7][8]。

動画配信サービスがスポーツ中継の放映権を獲得したケースはこれまでも2022 FIFAワールドカップを中継したABEMAや2023 ワールド・ベースボール・クラシックを中継したAmazon Prime Videoなどの事例もあったが、日本代表戦や重要試合については日本放送協会(NHK)や民間放送(民放)のテレビ局に対して、サブライセンスを付与した上で中継を容認するなどしていた[9][10]。しかし、本大会では日本代表戦についても異例となるテレビ放送局による中継が行われないことになった[11]。

中継体制

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東京プールの中継は日本テレビ[注釈 2]、海外の中継は日本テレビ[注釈 3]とJ SPORTSがそれぞれ制作協力した[注釈 4][13][14][15]。

日本代表選手の出身市区町村やショッピングモール[注釈 5]、東京スカイツリータウン[注釈 6]を中心に、全国主要基幹都市150カ所程度で、パブリックビューイング[注釈 7]も行われた[16][17][18]。

なお、試合実施中にテレビ放送されたニュース・情報番組ではWBCの試合映像が使用できなかったことから、試合の模様を撮影した写真などで伝えた[19]。試合が終了してからも30分間は試合の映像を使用することが出来ず、ワールド・ベースボール・クラシック・インク(WBCI)[注釈 8]からNHKや民放テレビ局に配信された映像を1番組につき3分以内に報じるなどの制約が生じた[20][21]。

独占配信による影響

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Netflixが独占配信権を獲得したことにより、以下の影響も生じた。

スポーツバーでの配信はNetflixが商用利用を認めていないことやインターネット配信は著作権法における公衆伝達の例外規定に該当しないことから、HUBなどの一部店舗を除き、行われなかった[22][23][24][25][26]。

テレビ放送での中継も行われなかったことから、「(地上波での)テレビ放送はないのか」、「Netflixの契約方法が分からない」などといった主に高齢者からによる問い合わせが地方の新聞社などに相次ぐ事態となった[25][27]。複数のメディアや識者はスポーツ視聴の公共性を疑問視し、ユニバーサル・アクセス権の導入を求める意見も発生した[28][29][30]。

大会期間中はネットワークの通信量が増加し、NTT西日本はNetflix以外の利用を含む全体の通信量が平時に比べ約4割、オプテージは動画配信サービス向け通信量が通常時の約10倍にそれぞれ増加した[31]。

WBCの試合と併せて『超かぐや姫!』や『新幹線大爆破』、『イクサガミ』や『イカゲーム』などといったNetflixにて配信されている他の作品を視聴している新規ユーザーも多く[32][33]、2026年3月第1週の週間視聴ランキング(シリーズ作品)では2024年7月に配信された『地面師たち』が上位にランクインした[34]。

3月15日(日本時間)開催のベネズエラ戦にて日本代表が敗北し、準々決勝で敗退することが決定した直後からSNS上ではNetflixとの契約を解約したコメントが相次ぎ、Xのトレンドとして「ネトフリ解約」が急上昇する事態になった[35][36]。

4月16日(現地時間)に発表されたネットフリックスの決算発表において、日本での会員数が過去最大の増加を記録し、同社決算にも寄与したことが明らかにされた[37][38]。同社共同最高経営責任者(CEO)のテッド・サランドスも「これまで日本で配信された番組の中で最も多く視聴された」と述べている[39]。

4月24日、文部科学大臣の松本洋平はWBCの地上波での放送が行われなかったことに関連し、大会を主催するワールド・ベースボール・クラシック・インク(WBCI)とオリンピックを主催する国際オリンピック委員会(IOC)に対して「より多くの国民が大会を見ることができるよう、今後の配慮をお願いした」と明らかにした。また、総務省と合同でスポーツ中継に関する有識者会議を設置し、独占配信で顕在化した課題や影響について論点を整理し政策を検討するとした[40][41]。

メディアによる調査

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共同通信は2026年3月に実施した全国電話世論調査[注釈 9]において、「WBC視聴目的でNetflixと新規契約した」[注釈 10]は全体の4.9%、「WBCは見たいがNetflixと契約しない」は全体の36.4%だったことを同月8日に報じた[42]。日本経済新聞もアメリカの調査会社との合同調査で同月2日から1週間の間に日本国内でNetflixのアプリケーション[注釈 11]が新規ダウンロードされた件数が前年比の4.8倍、利用者数も2.3倍だったことを同月13日に報じた[43]。

NHK放送文化研究所はWBC終了後の2026年3月下旬に行ったインターネット調査において、スポーツファン[注釈 12]の4割近くが「(テレビ中継がなかったので)WBCが盛り上がらなかった」と回答。また、高齢者[注釈 13]のうち、38%が「(テレビ中継がなかったので)見たかったのに見られなかった」と回答したことを同年4月24日に公表した。その一方でNetflixで視聴したユーザーのうち、28%が「試合開始から終了まで見られてよかった」、27%が「日本代表戦以外の試合も見られてよかった」と回答しており、本番組の中継体制が評価されていることも併せて明らかにされた[44]。

視聴者数

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2026年3月25日、Netflixは全47試合の国内視聴者数は全世界の野球配信では過去最大となる累計[注釈 14]3140万人だったことを発表した[45][46]。併せて、同月8日に開催された日本対オーストラリア戦の視聴者数[注釈 15]は1790万人だったことも発表し、日本のNetflixにて配信されている単一タイトルの総視聴回数[注釈 16]としては過去最多だったことを明らかにした[45][47][48]。

視聴データ

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2026年3月25日、Netflix及びビデオリサーチによる視聴状況の詳細データを公表した[49]。

世代・性別

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全体視聴者の約3割が35歳未満、約14%が19歳以下の若年層だった。また、全体視聴者の半分近く(48%)は女性が占めた[50]。

視聴デバイス・視聴時間

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視聴デバイスでは85%がテレビ[注釈 17]、38%がモバイルデバイス[注釈 18]にて視聴していた。1人辺りの平均利用デバイス数は1台超。1試合辺りの平均視聴時間[注釈 19]は147分だった[51]。

地域別

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地域別では人口の多い首都圏のみならず、全国各地で満遍なく視聴されており、特に日本代表選手の出身地である岩手県[注釈 20]や熊本県[注釈 21]での視聴率が高かった[46]。

出演者

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今回の実況担当者はアナウンサー18人、専門解説者30人の合計48人であり、東京ドームでのプールC及び一部を除く決勝トーナメントの試合については製作を委託された日本テレビのアナウンサー、それ以外の試合はフリーアナウンサーを中心にして進行した[52][53]。

また、実況する専門解説者とは別に、歴代WBC日本代表経験者の原辰徳、松坂大輔、ラーズ・ヌートバーをスペシャルゲストとして、渡辺謙(スペシャルアンバサダー)と二宮和也(嵐、スペシャルナビゲーター)を番組総合司会として迎えた[注釈 22][56]。

出典:[1][57]

解説

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実況

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ゲスト

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大会応援ソング

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関連番組

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テレビ放送では録画を含めた中継放送は行わないが[60][61]、その代替として、中継番組制作を受託している日本テレビの協力で関連番組を9番組制作し、同局系列にて放送した[62]。

Netflixでは大会終了後の2026年4月20日、2026 ワールド・ベースボール・クラシック 日本代表の舞台裏を記録したドキュメンタリー映画『戦いの向こう 侍たちの記録 2026 WORLD BASEBALL CLASSIC』が配信された。本番組で総合司会を務めた二宮和也がナレーションを担当しており、主題歌には大会応援ソング「タッチ」を歌う稲葉浩志が新たに書き下ろした楽曲「果てなき夜を」が起用された[63][64][65]。

脚注

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注記

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  1. ↑ 放映権料は不明だが、日刊スポーツは前大会までの5倍以上となる150億を支払ったと報じている[5]。
  2. ↑ 日本戦含む国際映像の制作を担当。
  3. ↑ 準々決勝から決勝までの計5試合における日本向け映像の制作を担当。
  4. ↑ なお、前大会までの中継を担当していたテレビ局のうち、テレビ朝日にも中継協力の打診が来ていたものの、交渉には至らなかったことを同局が明らかにしている[12]。
  5. ↑ 伊藤園主催、Netflix共催。
  6. ↑ ディップ主催。
  7. ↑ 会場により、事前申し込みと、自由入場参加のどちらか。
  8. ↑ Netflixまたは制作委託局の日本テレビのどちらから配信されているのかは不明。
  9. ↑ 有効回答数は固定電話423人、携帯電話631人。
  10. ↑ 契約予定を含む。
  11. ↑ スマートフォン用。
  12. ↑ 2313人から回答があった。
  13. ↑ 60歳以上。
  14. ↑ 1人が複数のデバイスで視聴した場合や見逃し配信を含む。
  15. ↑ 試合終了後24時間以内の見逃し配信視聴も対象。
  16. ↑ 映画やアニメなどを含む全ての作品において。
  17. ↑ スマートテレビやストリーミングデバイスなど。
  18. ↑ スマートフォンやタブレットなど。
  19. ↑ 1アカウントによる日本代表戦の視聴が対象。
  20. ↑ 大谷翔平や菊池雄星の出身地。
  21. ↑ 村上宗隆の出身地。
  22. ↑ なお、2026年3月15日(日本時間)に行われた準々決勝戦(日本対ベネズエラ)は嵐の全国ツアー(札幌ドーム公演)が既に組まれていた事情から、二宮は出演しなかった[54][55]。

出典

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  1. 1 2 “2026 ワールドベースボールクラシック | 高橋由伸、中嶋聡、中田翔ら新たな試合解説・実況陣・ゲストを発表”. About Netflix. Netflix (2026年2月27日). 2026年3月9日閲覧。
  2. ↑ “読売新聞社、WBC主催者は「当社を通さず直接ネットフリックスに…」地上波で生中継なく”. 産経新聞 (2025年8月26日). 2026年3月10日閲覧。
  3. ↑ 西田宗千佳 (2026年3月9日). “WBCのNetflix独占配信は"悪"なのか? 批判の陰に隠れた本当の課題【西田宗千佳のイマトミライ】”. Impress Watch. 2026年3月9日閲覧。
  4. ↑ “東京ドームはガラガラ、4割弱しか開催を知らない有り様…「WBC」第1回大会のあまりに残念だった開幕時を振り返る”. デイリー新潮. 株式会社新潮社. p. 1 (2026年3月9日). 2026年3月9日閲覧。
  5. ↑ “【WBC】Netflixのみの独占配信、背景に放映権料の高騰 今回は同社に直接権利付与”. 日刊スポーツ (2026年3月5日). 2026年3月18日閲覧。
  6. ↑ 薛美智子、安居潤 (2025年8月26日). “WORLD BASEBALL CLASSIC INC.とNetflixが、2026年ワールドベースボールクラシックの日本における独占パートナーシップを発表”. About Netflix. Netflix. 2025年8月26日閲覧。
  7. ↑ 中藤玲 (2025年8月26日). “Netflix、2026年WBC全試合を日本で生中継 地上波はなし”. 日本経済新聞. 2025年8月26日閲覧。
  8. ↑ “ネットフリックス 26年WBCの全47試合独占生配信を発表 地上波では見られないことに”. スポーツニッポン (2025年8月26日). 2025年8月26日閲覧。
  9. ↑ “Prime Video、2023 WORLD BASEBALL CLASSICの 野球日本代表「侍ジャパン」の全試合をライブ配信”. JP Press Center. Amazon Japan (2023年1月25日). 2026年3月10日閲覧。
  10. ↑ 米倉昭仁 (2022年12月1日). “W杯で気付かされた「地上波よりABEMAのほうが便利」という事実 放映権料「200億円」の舞台裏”. AERA DIGITAL(アエラデジタル). 株式会社 朝日新聞出版. p. 1. 2026年3月10日閲覧。
  11. ↑ 佐野慎輔 (2026年3月4日). “Netflix、WBC日本独占配信の未来を読む”. 笹川スポーツ財団. 2026年3月10日閲覧。
  12. ↑ “テレビ朝日、WBC配信映像の中継制作受託について言及「打診はあったけど、交渉に至らなかった」”. サンケイスポーツ (2026年2月24日). 2026年3月19日閲覧。
  13. ↑ 西田宗千佳 (2025年12月17日). “Netflixが語る「スポーツ戦略」。WBCは日テレが制作参加。選手ゆかりの地でのパブリックビューイングも”. AV Watch. 2025年12月17日閲覧。
  14. ↑ 共同通信 (2026年1月29日). “日テレがWBC中継制作を受託 ネトフリが独占放送権”. 47NEWS. 株式会社全国新聞ネット. 2026年1月30日閲覧。
  15. ↑ “日テレ、WBC中継制作を受託 独占ライブ配信のネトフリから”. 時事通信 (2026年1月29日). 2026年1月30日閲覧。
  16. ↑ “【WBC】侍ジャパン全30選手ゆかりの地・約150カ所でPV開催/主な開催場所一覧”. 日刊スポーツ (2026年2月27日). 2026年3月1日閲覧。
  17. ↑ “WBCのパブリックビューイングが全国9カ所で開催。東京、千葉、愛知、大阪など。大画面で仲間と楽しめるチャンス”. ハフポスト. BuzzFeed Japan株式会社 (2026年3月5日). 2026年3月5日閲覧。
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  19. ↑ “試合終了前だったことが影響か?NHK午後9時台のニュースで大谷翔平ら侍ジャパンの活躍「静止画」紹介が話題「ボラギノールのCMみたいだ」【WBC】”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ (2026年3月6日). 2026年3月18日閲覧。
  20. ↑ “「Nキャス」安住アナ、TV放送できないWBC裏事情→試合30分後に映像もらえる→編集して1番組3分以内と説明 三谷幸喜氏「めんどくせ!」に苦笑”. デイリースポーツ (2026年3月7日). 2026年3月18日閲覧。
  21. ↑ “安住紳一郎アナ、WBCの映像使用ルール明かす「試合の30分後くらいに映像がいただける。編集し直して1番組3分以内だったら使える」”. スポーツ報知 (2026年3月7日). 2026年3月18日閲覧。
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外部リンク

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