二次元コード

二次元コード(にじげんコード、英: Two-dimensional code)は、平面(二次元)の縦横両方向に情報を持つドットやバーのパターンによって構成されるデータ記録方式である。従来の1次元バーコードと比較して、格段に多くの情報量を省スペースで記録できる特徴を持つ。
概要
[編集]1次元のバーコードが横方向(一次元)のみに情報を持つのに対し、二次元コードは縦・横(二次元)の面全体に情報を配置する。これにより、限られた面積の中に数値だけでなく英数字、漢字、バイナリデータなど多様な文字種を最大数千文字まで記録することが可能となった[1]。
また、コードの一部が汚れたり破損したりしても、内部の数学的処理によってデータを正しく復元できる誤り訂正機能を標準で備えているものが多い[1]。
歴史
[編集]1970年代以降、スーパーマーケットのPOSシステムなどで一次元バーコードが普及したが、管理する品目の増加に伴い「より多くのデータを小さなスペースに詰め込みたい」「漢字やカナを表現したい」という要望が高まった。
これに応える形で、1980年代後半から1990年代にかけて各国の自動認識技術メーカーが新しいコードの開発に着手した。1980年代末にはバーコードを縦に積み重ねた「スタック型」が誕生し、1990年代中盤には格子状にセルを配置する「マトリクス型」が次々と開発された。特に1994年に日本のデンソー(現:デンソーウェーブ)が開発したQRコードは、製造業のかんばん方式の効率化から始まり、その後のスマートフォンの普及とともに世界的なインフラへと発展した[2]。
分類
[編集]二次元コードは、その構造から大きくスタック型とマトリクス型の2種類に分類される[1][3]。
スタック型(多段バーコード)
[編集]従来の1次元バーコードを縦方向に複数積み重ねた構造を持つ。レーザー方式のバーコードスキャナを上下に動かすことでも読み取りが可能である。
マトリクス型
[編集]モザイク状の格子(セル)を縦横に配列した構造を持つ。全方向(360度)からの読み取りに対応しているものが多く、スタック型よりもさらに高密度な情報記録が可能である。読み取りにはイメージスキャナやCCDカメラなどの画像認識技術が必要となる。
- QRコード:3隅の切り出しシンボル(ファインダパターン)による高速読み取りが特徴(ISO/IEC 18004)。
- Data Matrix:正方形または長方形の形状を持ち、半導体部品などの極小スペースへの印字に適している(ISO/IEC 16022)。
- MaxiCode:中央に同心円状のターゲットマークを持つ、UPS(ユナイテッド・パーセル・サービス)が荷物仕分け用に開発したコード(ISO/IEC 16023)。
技術的特徴
[編集]誤り訂正機能
[編集]二次元コードの多くは、データの一部が欠損・汚損した場合でも、データを復元するための符号化技術としてリード・ソロモン符号などを採用している。コードの生成時にあらかじめ冗長なデータ(エラー訂正コード)を付加しておくことで、一定の割合(コードの種類や設定により約7%〜30%)までの破壊であれば、正確に元のデータを読み取ることができる[1]。
脚注
[編集]- 1 2 3 4 よくわかるバーコード・二次元シンボル(改訂2版). オーム社. (2018). ISBN 978-4274222047
- ↑ 小川, 進 (2020). QRコードの奇跡: モノづくり集団の発想転換が革新を生んだ. 東洋経済新報社. ISBN 978-4492534199
- ↑ “2次元コードの種類と特徴”. バーコード講座. 株式会社キーエンス. 2026年10月7日閲覧。
参考文献
[編集]- 一般社団法人日本自動認識システム協会 編 『よくわかるバーコード・二次元シンボル(改訂2版)』 オーム社、2018年。ISBN 978-4274222047。
- 小川進 著 『QRコードの奇跡: モノづくり集団の発想転換が革新を生んだ』 東洋経済新報社、2020年。ISBN 978-4492534199。