Galaxy Buds On

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Samsung Galaxy Buds On(サムスン ギャラクシー バッズ オン)は、サムスン電子が開発・販売する開放型の無線イヤフォンである。2026年10月1日に発表され、Galaxy Budsシリーズで初めてクリップ型を採用した機種である。イヤフォン本体を耳の外縁に挟んで装着し、外耳道を塞がない[1][2]。

音響処理にはクアルコムのSnapdragon S7 Gen 1 Sound PlatformとD級アンプを組み合わせ、連続音楽再生は最大9.5時間とされる。韓国では2026年10月27日に黒一色で発売され、価格は29万9000ウォンである。他地域への展開は段階的に行われる[1][3][4]。

背景

Galaxy Budsシリーズの従来機種はいずれもカナル型または耳内装着型で、型番はSM-Rで始まっていた。本機の型番はSM-U600であり、2026年9月15日付の米連邦通信委員会(FCC)の認証資料で確認された。型番の接頭辞が変わった点について、専門媒体は既存機種の後継ではなく別系統の製品として扱われていることの表れだと報じた[5]。発表に先立つ2026年9月には、Galaxy Buds Managerアプリから抽出された3Dレンダリング画像が流出し、クリップ型の形状とヘッドジェスチャー対応が報じられていた[6]。

発表は単独の発表会を伴わず、プレスリリースの形でタブレットのGalaxy Tab S12シリーズおよびSmartTag 3と同日に行われた[7]。調査会社オムディアによると、開放型イヤフォンの販売は2026年第2四半期までの1年間で12%増加した一方、無線イヤフォン市場全体は2%縮小しており、開放型の販売のうちクリップ型が61%を占めるという[8]。日本の媒体も、耳をふさがない開放型が近年のイヤフォンの潮流になっていると位置づけている[3]。この分野ではボーズ、ファーウェイ、ソニーなどが先行して製品を投入している[9]。

デザイン

本体はスピーカーを収めた部分と平らなタッチ面を柔軟なバンドでつないだ構造で、耳の外縁に挟み込んで装着し、外耳道は開いたままとなる[2][7]。サムスンは、さまざまな耳の形状のデータを分析してスピーカーと電池の配置を検討し、接触面積を広げて圧力の分布を均等にしたうえで、運動中も位置がずれないようバンドの弾性を調整したと説明している[1][7]。

音楽再生と通話の操作は、各イヤフォン背面のタッチ面をタップして行う[4]。本体の質量は片側6.65g、充電ケースは41gで、イヤフォン本体は防塵・防滴のIP54に対応する(ケースは対象外)[10]。充電ケースの外形はGalaxy Buds 4のものと同様で、ワイヤレス充電に対応する[10]。

音響

各イヤフォンは11.3mmのドライバーを搭載する。サムスンはこれをTwinBoostスピーカーと呼び、開放型で不足しがちな低音域を補う目的があるとしている。周囲の騒音に応じて再生音量を調整する自動音量機能も備える[1][10]。

本機はシリーズで初めてAudio Leakage Reductionを搭載する。これは周囲への音漏れを抑える機能で、図書館や喫茶店などの静かな場所での使用を想定している。サムスンは、音量・耳の形状・周囲の騒音レベルによっては依然として音漏れが生じ、静かな環境ではより目立つと注記している[1]。

音響処理はクアルコムのSnapdragon S7 Gen 1 Sound Platformと高効率のD級アンプが担い、サムスンはこの構成により最大9.5時間の再生を実現したとしている[1][2]。接続はBluetooth 6.2で、Samsung Seamless Codecおよびその高音質版のほか、AAC、SBC、LC3に対応する[10]。アクティブノイズキャンセリングは搭載されておらず、外耳道を密閉しない開放型の構造がその理由として報じられている[5][3]。

通話

通話処理には従来機種から引き継いだIntelligent Clear Callを用いる。3基のマイクロフォン、装着者が発話した際の振動を検出する骨伝導方式のセンサー、および機械学習による処理で、装着者の声と背景雑音を分離する。サムスンは試験条件として屋外の強風と屋内で稼働中の掃除機を挙げている[1][4]。通話時間は最大5.5時間、充電ケース併用時は最大25時間とされ、音楽再生はケース併用で最大38時間とされる[11]。

ソフトウェア

充電ケースを開くと、対応するGalaxyのスマートフォンまたはタブレットとのペアリングが開始される。音量とイコライザーの設定は、Galaxy Wearableアプリを導入しなくても端末の設定画面およびクイックパネルから変更できる[1]。対応環境はAndroid 12以降かつRAM 1.5GB以上である[11]。

一部の機能はサムスンのAI機能に対応した端末との組み合わせを前提とする。音声操作でGemini Liveを起動できるほか、タッチ面を長押しすると音声メモを録音するQuick Voice Memoが動作し、録音内容はBixbyから検索できる(サムスンのボイスレコーダーアプリおよびBixbyアプリが必要)。ヘッドジェスチャーにより、うなずきや首振りで着信応答・終話、アラーム停止、通知の読み上げを操作できる[1][7][3]。

仕様

項目Galaxy Buds On
型番SM-U600
形状クリップ型(開放型)
ドライバー11.3mm TwinBoostスピーカー
プラットフォームクアルコム Snapdragon S7 Gen 1、D級アンプ
マイクロフォン3基、骨伝導方式の音声検出センサー
連続再生(音楽)最大9.5時間、ケース併用で38時間
連続通話最大5.5時間、ケース併用で25時間
接続Bluetooth 6.2、SSC/SSC UHQ/AAC/SBC/LC3
防塵防滴IP54(イヤフォン本体のみ)
質量片側6.65g、充電ケース41g
充電有線・ワイヤレス
色ブラック
動作環境Android 12以降、RAM 1.5GB以上

発売

韓国では2026年10月27日に発売され、価格は29万9000ウォン(約220米ドル)、色はブラックのみである。サムスンは他地域へ段階的に展開するとしたが、時期と価格は公表しておらず、日本での発売についても発表時点で告知はなく、日本円では約3万5000円に相当すると報じられた[3][1][4][7]。

評価

発表時の報道は、本機を既に競合のそろった分野への後発参入と位置づけた。Engadgetは、サムスンが他社の広めた形状を採用したうえで、独自の要素はTwinBoostスピーカーと自動音量調整にあると評した[9]。Android Authorityは、Galaxy AI連携機能の多くがGalaxy端末の所有者に限られる点を指摘した[7]。Android Centralは、開放型市場の成長を背景に参入時期としては妥当だとしつつ、当面は韓国でしか入手できない点を挙げた[8]。

脚注

  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 “삼성전자, 갤럭시 최초 클립형 무선 이어폰 '갤럭시 버즈 온' 공개” (朝鮮語). Samsung Newsroom Korea (2026年10月1日). 2026年10月14日閲覧。
  2. 1 2 3 Ben Schoon (2026年10月1日). “Samsung's open-ear Galaxy Buds On go official with late October release” (英語). 9to5Google. 2026年10月14日閲覧。
  3. 1 2 3 4 5 そうこ (2026年10月4日). “Galaxy初のクリップ型イヤホン。まずは韓国から”. ギズモード・ジャパン. 2026年10月21日閲覧。
  4. 1 2 3 4 “Samsung unveils Galaxy Buds On, its first clip-on earphones” (英語). GSMArena (2026年10月1日). 2026年10月14日閲覧。
  5. 1 2 Asif Iqbal Shaik (2026年9月16日). “Samsung could launch its first clip-on wireless Galaxy Buds very soon” (英語). SamMobile. 2026年10月14日閲覧。
  6. ↑ “サムスンがクリップ型イヤホンを開発中。レンダリング画像が出てきたよ”. ギズモード・ジャパン (2026年9月16日). 2026年10月14日閲覧。
  7. 1 2 3 4 5 6 Adamya Sharma (2026年10月1日). “Samsung quietly launches the Galaxy Buds On, its first clip-on Galaxy Buds” (英語). Android Authority. 2026年10月14日閲覧。
  8. 1 2 “Samsung finally takes on Shokz with its first clip-on Galaxy Buds” (英語). Android Central (2026年10月1日). 2026年10月14日閲覧。
  9. 1 2 “Samsung launches its first clip-on earbuds in South Korea” (英語). Engadget (2026年10月1日). 2026年10月14日閲覧。
  10. 1 2 3 4 尹鉉宗 (2026年10月1日). “삼성전자, 첫 클립형 무선 이어폰 '갤럭시 버즈 온' 공개…최대 9.5시간 재생” (朝鮮語). CNET Korea. 2026年10月14日閲覧。
  11. 1 2 “삼성전자, 버즈 시리즈 첫 클립형 이어폰 '갤럭시 버즈 온' 공개” (朝鮮語). Global Economic (2026年10月1日). 2026年10月14日閲覧。