IBM FlashSystem

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IBM FlashSystem 9500
主なメーカー IBM
種類 ストレージ・コントローラー
プロセッサー Intel Ice Lake、Gen 4 PCIe、24コアCPU×2(合計96コア/システム)
メモリ 単一エンクロージャー内の実効最大容量:6.60 PBe(4Uエンクロージャー)
ポート エンクロージャーあたり12スロット(PCIe G4インターフェース・カード)。32/64Gb ファイバー・チャネルはNVMe-oFをサポート、25/100Gb RoCE EthernetはNVMe RDMAをサポート。フロントエンド・ホスト・ポート最大48ポート
重量 フル構成(48ドライブ):70.5 kg
寸法 高さ:17.43 cm(6.8インチ)、幅:44.6 cm(17.6インチ)、奥行き:82.6 cm(32.6インチ)

IBM FlashSystemは、IBMのエンタープライズ・ストレージ・ポートフォリオを構成する、高性能フラッシュ・ベースのストレージ・システム・ファミリーである。独自のハードウェアとソフトウェア、AI活用の管理ツール、サブスクリプション型サービス・モデルを統合したプラットフォームで、近年はパフォーマンス向上、スケーラブルなアーキテクチャー、AIによるアナリティクス、多層ランサムウェア対策、データ・レジリエンス、無停止データ移行の強化に力を入れている。

Gartnerによれば、IBMは2014年に全フラッシュ・ストレージ・アレイ販売台数で第1位となり、合計62ペタバイト(PB)相当の容量を持つFlashSystemを2,100台超販売した。同年、IBMは全ベンダーによる全フラッシュ容量販売の33%を占めた。[1]

IBM FlashSystemは、IBMが2012年にTexas Memory Systemsを買収したことで得た技術を基盤とするカスタム・ハードウェアを採用している。[2]

2020年2月12日をもって、FlashSystemブランドはStorwizeおよびXIVの両ブランドに取って代わっている。[3]

2026年2月、IBMはエージェント型AI機能を搭載した次世代FlashSystemストレージ・ポートフォリオを発表した。IBMによれば、これらのシステムはAIエージェントを活用して、パフォーマンス最適化、脅威検知、リカバリー推奨などのストレージ管理タスクを支援する。[4]

製品ラインナップ(2026年)

IBM FlashSystemファミリーは、多様なパフォーマンス要件、容量要件、ワークロード要件に対応するモデルで構成されており、すべてのモデルがIBM Storage Virtualizeと呼ばれる共通ソフトウェア・スタック、および IBM Storage Insightsと呼ばれる共通AIアナリティクス・クラウド・プラットフォームを共有している。

FlashSystem 9600

IBM FlashSystem 9600は、リソース負荷の高いアプリケーションやデータ環境を運用する組織向けに設計されたモデルである。第5世代FlashCore Module、FlashSystem.ai、IBM Storage Virtualizeを搭載し、高密度かつ安定した低レイテンシー性能とサイバー・レジリエンスを組み合わせている。FlashSystem 9600はインフラの集約、運用の簡素化、ミッションクリティカルなワークロードのスケールアウトに貢献する。

FlashSystem 7600

IBM FlashSystem 7600は、エンタープライズの混在ワークロードに最適化されたプラットフォームで、FlashSystemポートフォリオの中核技術を提供する。第5世代FlashCore Module、FlashSystem.ai、エンタープライズ・クラスのデータ・サービスを組み合わせ、幅広いビジネス・アプリケーションをサポートするために必要なパフォーマンス、レジリエンス、スケーラビリティーを備えており、成長を効率よく、かつセキュアに管理できる。

FlashSystem 5600

IBM FlashSystem 5300

IBM FlashSystem 5600は、エンタープライズ・クラスの機能を求める組織に第5世代FlashCore Moduleテクノロジーのメリットをもたらすモデルである。サイバー・レジリエンスとAI駆動の最適化を組み込み、運用のシンプルさと安定したパフォーマンスを維持しながら、データの価値を最大化できる。

FlashSystem C300

IBM FlashSystem C300は、バックアップ、アーカイブ、データ・レイク、その他の容量重視の環境において急激なデータ増加に直面する組織向けに特化したモデルである。フラッシュの高密度・高効率性とFlashSystemプラットフォームのインテリジェンスを組み合わせることで、より多くのデータを格納し、インフラ・フットプリントを削減し、長期的な容量管理を簡素化できる。

FlashSystem 5015 / 5045

IBM FlashSystem 5015および5045は、中小規模環境、リモート・オフィス、部門別ワークロード向けのストレージを提供する。

IBM Storage Virtualize

IBM Storage Virtualizeは、IBM FlashSystemとSAN Volume Controller(SVC)に組み込まれたソフトウェア定義ストレージ層である。バージョン8.7.0(2025年リリース)では、基本的な仮想化機能を超えた高度なデータ・サービス・スイートが提供され、FlashSystemポートフォリオ全体でデフォルトとして含まれている。バージョン8.7.0で導入・統合された主な新機能は以下のとおりである。

  • IBM FlashSystem grid:最大32台のFlashSystemまたはSVCシステムを統合されたグリッドとして稼働させ、スケーラブルなデータ移動性と集中管理を実現する。
  • AIドリブン・ポリシー自動化:IBM Storage Insightsと連携して、レプリケーション、配置、パフォーマンス最適化に関するポリシーを自動適用する。
  • Enhanced Safeguarded Copy統合:コントローラー内にエアギャップとして保存される不変のポリシー・ドリブン・スナップショットを提供し、ランサムウェア・リカバリーや規制コンプライアンスに対応する。現在はIBM Storage Defenderなどの他のレジリエンス・ツールとのさらに深い統合が図られており、数千のデータベース、仮想マシン、コンテナーを数分でリストアしてRTOを短縮する機能を持つ。
  • 自動データ・リバランス:ノードまたはシステム全体でデータを再配置し、安定したパフォーマンスとリソース使用率を維持する。この最適化機能によりサイロが解消され、IBM FlashSystem gridの機能と組み合わせることで、計画停止なしにノンディスラプティブな移行が可能となる。

これらの機能強化により、Storage Virtualizeはハイブリッドクラウドのインテグレーションやサイバーレジリエンス、エンタープライズ・ストレージ環境内の自動化されたオペレーションを支える基盤プラットフォームとしての役割を担っている。

ランサムウェア検知

2024年、IBMはFlashSystemポートフォリオ全体にリアルタイムの多層ランサムウェア検知機能を導入した。この機能は人工知能(AI)と機械学習(ML)を活用してドライブ・レベルでの入出力(I/O)パターンを分析し、データ・エントロピーを解析してデータ・パス内で直接ランサムウェア検知を実現する最初のエンタープライズ・ストレージ・プラットフォームの一つとなった。

検知フレームワークは多層設計で動作する。ハードウェア・レベルでは、IBM FlashCore Module(FCM)がすべてのI/Oをリアルタイムに検査・分析する。これらのテレメトリー情報はシステム・コントローラーに集約された後、IBM Storage Insightsを通じてIBM Cloudへセキュアに送信される。そこではIBMが管理する最新のランサムウェア検知モデルを使ってデータが評価される。ランサムウェアの挙動と一致する異常が検知された場合、Storage Insightsは最初の脅威活動から通常60秒以内にアラートを生成し、迅速な対応による被害の最小化を可能にする。

この機能はIBM Safeguarded CopyおよびIBM Storage Defenderを含むIBMの広範なサイバー・レジリエンス・オファリングと統合され、検知から保護、リカバリーまでをエンドツーエンドで提供する。

IBM FlashSystem grid

2024年に導入されたIBM FlashSystem gridは、複数のFlashSystemおよびIBM SAN Volume Controller(SVC)システムにわたる管理と運用を統合するフェデレーション・ストレージ・アーキテクチャーである。この技術は最大32台のシステムを協調したストレージ・グリッドとして稼働させ、従来のクラスタリングの利点を拡張する形で多くの機能を提供する。

FlashSystem gridの主な機能は以下のとおりである。

  • 予測型リソース最適化:AIドリブン・アナリティクスを使って将来のストレージ需要を予測し、プロアクティブな容量・パフォーマンスのチューニングを可能にする。
  • ノンディスラプティブなデータ移動性:ホストやアプリケーションの可用性に影響を与えることなく、グリッド内のシステム間でストレージ・ボリュームを動的に移動できる。これによりティアリング、リバランス、ワークロード最適化をサポートする。
  • フリート全体の管理:グリッド内のすべてのシステムを一元化されたインターフェースから管理でき、大規模環境での運用を簡素化する。
  • ストレージ仮想化:FlashSystem gridはIBM FlashSystemおよびSVCのハードウェアだけでなく、サードパーティー(非IBM)のストレージ・アレイの仮想化もサポートし、統合された管理プレーン上で異機種混在のストレージ環境を実現する。

FlashSystem gridはワンクリックでのノンディスラプティブなデータ移行も容易にする。IBM Storage Insightsとの統合により、ストレージ・パーティションと移行先を選択するだけで移行を開始できる。システムに組み込まれたAIがターゲット環境を検証し、ホストの再設定やダウンタイムを発生させることなく、すべてのデータ・マッピングとレプリケーション・ポリシーを保持したまま移行を自動実行する。

この機能を支えるのは、データを関連メタデータとともに内包するモジュール型データ構造(「コンテナー」に相当)の活用である。このアプローチにより、プロビジョニング、データ移動性、インテリジェントな配置推奨が強化され、従来のストレージ・クラスタリング技術との差別化が図られている。

IBM Storage Insights

IBM Storage Insightsは、IBMが開発したクラウド・ベースのストレージ監視・アナリティクス・プラットフォームである。IBM製・非IBM製を問わずストレージ・システム全体の集中可視化、予測アナリティクス、AIドリブンの推奨機能を提供する。無償版とPro有償版の2種類があり、ハイブリッド・ストレージ環境全体にわたって容量、パフォーマンス、ヘルス、データ保護を管理できる。

IBMの広範なストレージ管理ポートフォリオの一環として導入されたStorage Insightsは、オンプレミスのストレージ・システムからテレメトリー・データを収集してIBM Cloudにセキュアに送信する。プラットフォームはAIアナリティクスと機械学習モデルを適用してトレンドを特定し、異常を検知して、プロアクティブな推奨を行う。

主な機能は以下のとおりである。

  • リアルタイム・パフォーマンス監視:複数のストレージ・システムおよびベンダーをまたいだ監視が可能。
  • AIドリブン・アラートと推奨:パフォーマンスのボトルネック、容量の問題、ランサムウェア的な挙動に対する早期警告を含む。
  • 容量予測:過去の使用データとトレンド分析を活用。
  • ファームウェア・コンプライアンスとパッチ推奨:システムのセキュリティーと最新状態の維持を支援。
  • IBM Storage DefenderおよびSafeguarded Copyとの統合:サイバー・レジリエンスの強化と不変スナップショット管理を実現。
  • REST APIとサードパーティー統合:ServiceNow、Grafana、Prometheus、Slackなどのツールとの接続が可能。

IBM Storage InsightsはIBM FlashSystem、SAN Volume Controller(SVC)、その他のIBMストレージ製品の管理エクスペリエンスに組み込まれている。また、一部の非IBMシステムの限定的な監視をサポートし、異機種混在環境にも対応する。

量子耐性FlashCore Module(FCM v4)

2024年、IBMは独自のFlashCore Module(FCM)の第4世代を導入し、量子耐性の暗号技術を採用した。FCM v4はハイブリッド暗号化アプローチを採用しており、従来のアルゴリズムと耐量子アルゴリズムを組み合わせて、転送中のデータとファームウェアの完全性を保護する。

主なセキュリティー機能は以下のとおりである。

  • ハイブリッド鍵交換:従来の非対称暗号化と耐量子CRYSTALS-Kyberアルゴリズムを組み合わせ、ストレージ・コントローラーからFCMへのロック解除PINのセキュアな転送を実現する。
  • ファームウェア署名検証:従来の手法と並行してCRYSTALS-Dilithiumデジタル署名を採用し、ファームウェア更新の真正性を検証する。
  • データ一括暗号化:フラッシュ・メモリーに書き込まれるすべての顧客データはXTS-AES-256で暗号化される。この対称暗号化方式は古典的な攻撃と現時点で知られている量子攻撃の両方に対して安全とされている。

AES-256はGroverのアルゴリズムなどの既知の量子復号技術に対して耐性があるとされており、耐量子暗号をFlashSystemコンポーネントに統合することは、量子コンピューティング時代における長期的なデータ保護への先進的なアプローチといえる。

歴史

起源

IBM FlashSystemのアーキテクチャーは、もともとTexas Memory Systems(TMS)がRamSan製品ラインとして開発したものである。TMSは1978年にテキサス州ヒューストンで設立された小規模な非公開企業で、他のどの企業よりも長くソリッドステート・ドライブ製品を市場に供給し続けた。[5]

TMS RamSanシリーズのエンタープライズ向けソリッドステート・ストレージ製品は2000年代初頭にRamSan-520として最初にリリースされ、[6]2012年にIBMがTMSを買収するまでに7世代以上のRamSan技術が生み出された。[7]

RamSanの技術進化の中で、TMSはストレージ・メディア(DRAM、シングルレベルセルフラッシュメモリー、マルチレベルセルフラッシュ・メモリー)や外部ストレージ・エリア・ネットワークインターフェース(ファイバー・チャネル、InfiniBand)を柔軟に採用してきた。しかしコア設計の原則は一貫して変わらず、専用ハードウェアと共有内部ネットワークを使って速度(特にレイテンシー)を最大化することにあった。最後のRamSan製品はRamSan-710、RamSan-810、RamSan-720、RamSan-820で、2013年にそれぞれ対応するIBM FlashSystem製品に置き換えられた。[8][9]

IBMへの統合

IBM FlashSystem製品が一般提供を開始したのは2013年4月11日で、フラッシュ最適化の研究開発への10億米ドルの投資発表と同時であった。[10]「Flash Ahead」イベントにおいてIBMは、高性能アプリケーション向けにフラッシュが従来型ストレージ・デバイスに対して経済的な「転換点」を迎えつつあることを強調した。[11]

2014年1月16日、IBMはTMS買収後にIBMが完全独自設計した初のFlashSystemとなるFlashSystem 840を発表した。新世代の主な強化点は、RASの向上、より大きな容量、より高いパフォーマンス、新たな16 Gbit ファイバー・チャネルおよび10 Gbit FCoEインターフェース、新管理GUIである。あわせてIBMはFlashSystem Enterprise Performance Solutionを発表し、840にリアルタイム圧縮、レプリケーション、スナップショットなどのソフトウェア機能を追加した。[12]

2015年2月19日、IBMはFlashSystem 840の直接の後継機となるFlashSystem 900 model AE2と、FlashSystem 900 model AE2エンクロージャーにSAN Volume Controllerのペアを組み合わせたFlashSystem V9000を発表してラインナップを刷新した。V9000はFlashSystemブランドとして初めてソフトウェア定義ストレージを採用し、すべてを単一の管理ドメイン(いわゆる「シングル・ペイン・オブ・グラス」)で統括した。両製品はMicron TechnologyのMLCフラッシュ・チップ技術を採用している。[13]

2016年4月27日にはFlashSystem A9000とA9000R model 415の2製品が追加された。これらはクラウド環境向けに特化した機能を備え、パターン除去、データ重複排除、リアルタイム圧縮にIBM FlashCoreテクノロジーを組み合わせて安定した低レイテンシー性能を実現した。A9000はフル構成済みソリューション、A9000Rはグリッド・アーキテクチャーによってペタバイト規模へのスケールアウトを可能にした。[14]

これらの製品は、FlashSystem 900ストレージ・エンクロージャーと組み合わせてSpectrum Accelerate(旧XIV)を専用グリッド・コントローラー上で実行することでソフトウェア定義ストレージ機能を提供した。A9000はXIV Gen3システムからの移行機能も備えていた。[15]

FlashSystemブランドがXIVブランドを統合

IBMは2017年10月23日にFlashSystem 900の新モデルAE3とUF3を発表した。UF3はFlashSystemブランドとして初めて消費量ベースの課金モデルを採用し、顧客は使用した分だけ料金を支払う形態となった。[16]この更新によりアレイの容量は3倍に拡大し、ラインスピードでのハードウェア・ユーザー・データ圧縮機能が追加された。MicroLatencyフラッシュ・モジュールはMicronの32層3D TLC NANDフラッシュに更新された。ソフトウェア・ベースの圧縮では通常データ・アクセスが遅くなるが、900はハードウェア圧縮実装により引き続き120万I/O操作/秒(IOPS)を実現した。圧縮エンジンは各フラッシュ・モジュールに実装されており、エンクロージャーあたり最大12モジュールを搭載できるため、フル搭載時には合計12基のハードウェア圧縮エンジンを備える。[17]

翌2017年10月24日にはFlashSystem A9000の新モデル425が発表された。この新モデルは直前に発表されたFlashSystem 900 model AE3を採用しつつ、415モデルと同じグリッド・コントローラーを維持した。[18]

FlashSystem A9000の415モデルと425モデルの2世代が市場に出回る中、IBMは2018年2月27日にXIVストレージ・システムモデル214および314(通称「XIV Gen3」)の販売終了を発表した。後継製品はA9000 model 425とされた。この発表をもってXIVストレージ・システム・ブランドは終焉を迎え、FlashSystemブランドがその位置を継承した。

FlashSystemブランドがStorwizeブランドを統合

2018年7月10日のFlashSystem 9100発表により、製品ラインはエンドツーエンドでNVM Express(NVMe)を採用した新エンクロージャーを加えた。9100はFlashSystemとして初めて、Spectrum Virtualizeソフトウェア・スタックとIBM Flash Core Moduleテクノロジーを単一エンクロージャーに統合した製品である。これを実現するため、IBMは独自のカスタム・フォームファクターのMicroLatencyフラッシュ・モジュールをFlashCoreテクノロジーを組み込んだ標準的な2.5インチNVMe SSDへと再設計した。[19]搭載されるFlash Core Moduleは4.8TB、9.6TB、19.2TBの容量で提供され、最大5:1の圧縮率を持つ。[20]

2020年2月12日、IBMはFlashSystemラインをFlashSystem 7200、FlashSystem 9200、FlashSystem 9200Rに拡張することを発表した。[21]あわせて、リブランドされたStorwizeストレージ・エンクロージャーであるFlashSystem 5010、5030、5100も発表された。[22]この発表によりIBMはStorwizeブランドを廃止し、分散ストレージ・ポートフォリオをFlashSystemsブランドに統合した。Storwize V5000およびV5100はそれぞれFlashSystem 5000および5100に、FlashSystem 900およびStorwize V7000はFlashSystem 7200に、FlashSystem V9000および9100はFlashSystem 9200に、FlashSystem A9000RはFlashSystem 9200Rに置き換えられた。[23]

この発表をもって、FlashSystem製品ラインからはTexas Memory Systems(RamSan)買収に由来するエンドツーエンドのハードウェア専用データ・パス技術を持つエンクロージャーと、XIVの買収に由来するSpectrum Accelerateソフトウェアを実行するエンクロージャーが除外されることになった。ただし、TMS開発のIBM FlashCoreベースのフラッシュ・モジュール技術は製品に引き続き搭載されている。[24][25]

テクノロジー

FlashSystem A9000R

IBM FlashSystem製品は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)を組み込んだ独自ハードウェア・アーキテクチャーを基盤としている。FlashSystemの設計は従来のサーバー・ベースのアレイ・コントローラーを用いない。各FlashSystemユニットの主なコンポーネントはカスタム・フラッシュ・モジュール、外部ストレージ・エリア・ネットワーク・インターフェース、システム全体にデータを分散させるFPGAロジックである。各FlashSystem内のフラッシュ・モジュールにはエンタープライズ・グレードのマルチレベルセルまたはシングルレベルセルフラッシュ・チップと、IBM Variable Stripe RAIDによるデータ保護と標準的なフラッシュメモリー・コントローラー機能を提供するFPGAが搭載されている。IBMはこれらのアーキテクチャー的特性が優れたパフォーマンス、信頼性、効率性を提供すると主張している。

2013年8月、IBMはFlashSystem 820の単体SPC-1ベンチマーク結果をStorage Performance Councilに提出した。その結果は高速なレスポンス・タイム(SPC-1 LRT)、外部ストレージ・ポートあたりの高いSPC-1 IOPS(いずれも高いストレージ・パフォーマンスの一般的な指標)、および低消費電力を示すものだった。[26]

IBMは、エンタープライズ・マルチレベルセル・フラッシュにVariable Stripe RAIDおよびその他のIBMの信頼性技術を組み合わせることで、大部分のエンタープライズ環境における信頼性と経済性の最適なバランスを実現していると主張している。IBM Variable Stripe RAIDは特許取得済みの[27]高粒度のRAID 5型データ保護方式であり、システム内の10個のフラッシュ・チップのセットごとに実装されている。IBM FlashSystem 900、840、820、720にはさらにシステム・レベルのデータ分散ロジック内に第2層のRAID 5が実装されており、システム内に「二次元」データ保護を提供している。IBMはこの二次元保護が業界内で強い差別化要因になっていると主張している。[28]

モデル

FlashSystemモデル一覧
ポジション フォームファクター 以前 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
エントリー ラック
マウント
2U IBM Storwize 50#0[29] 50#5[30]
1U 5100 5200[31][32]
ミッドレンジ 2U 7200[33]
1U TMS RamSan 710[34]
810[35]
ハイエンド 720[36]
820[37]
2U 840 900 AE2 900 UF2 900 AE3 900 UF3
6U v840 V9000 91#0[38] 9200 9200R
8U A9000
ラック・キャビネット IBM XIV A9000R

FlashSystem A9000 / A9000R

IBM FlashSystem A9000は、FlashSystem 900モジュールを使用してIBM Spectrum Accelerateソフトウェアで管理された、最大300 TB(1 TB = 1,000億バイト)の使用可能ストレージ容量を提供する8Uラックマウント・ユニットである。スケーラブルな上位モデルのFlashSystem A9000Rは最小2台から最大6台(1.8 PBの使用可能容量、42Uラック搭載)までスケールアウトできる。A9000Rユニットは隣接ユニットとCPU、キャッシュ、アクセス・パスを共有し、ゼロ・チューニングのデータ分散設計を活かしている。FlashSystem A9000ファミリーはIBMリアルタイム圧縮、リアルタイム・グローバル重複排除、リアルタイム・パターン除去をサポートしながら、データベース・ワークロードにおいて平均250マイクロ秒のアクセス・タイムを維持する。最大144インスタンスのFlashSystem A9000とXIVストレージ・システムを1つのHyperScaleクラスターに統合し、クライアントのマルチテナンシーをサポートすることも可能である。A9000、A9000R、XIVストレージ・システムはSpectrum Accelerate管理ソフトウェアを共有しているため、FlashSystem A9000RはXIV Gen4と呼ばれることもある。

FlashSystem 900 / V9000

FlashSystem V9000

IBM FlashSystem V9000は、FlashSystem 900モジュールを使用してIBM Spectrum Virtualizeソフトウェアで管理された、最大57 TBの使用可能ストレージ容量を提供する6Uラックマウント・ユニットである。IBMリアルタイム圧縮や外部ストレージ仮想化など、幅広い高度データ・サービスをサポートする。使用可能容量は最大456 TB(リアルタイム圧縮使用時には2 PBを超える実効容量)までスケールアウトでき、混合ワークロード環境向けに位置づけられている。

FlashSystem 900

IBM FlashSystem 900は、IBMが強化したMLCフラッシュ技術で構成されている。2Uラックマウント・ユニットで、RAID-5適用後の使用可能ストレージ容量は最大57 TBである。冗長化・ホット・スワップ対応のコンポーネント、IBM最適化ECC、IBM Variable Stripe RAID、二次元フラッシュRAIDによる高可用性アーキテクチャーをサポートする。読み取りIOPS 110万、書き込みIOPS 60万を備え、OLTPおよびOLAPデータベース向けに位置づけられている。2017年10月24日にはハードウェア・アクセラレーションによるインライン・データ圧縮のサポートが追加されたが、フラッシュ技術は3D TLC(TLC)ナンドに変更された。[39]

FlashSystem 840 / V840

両製品は2014年1月にリリースされ、同年5月には新たなエントリー・レベルの容量ポイントと追加プロトコルの拡張が行われた。[40]両モデルともECC、IBM Variable Stripe RAID、二次元フラッシュRAIDによるデータ保護とホット・スワップ対応のフラッシュ・モジュールおよび電源ユニットをサポートする。リアルタイム圧縮、外部ストレージ仮想化、スナップショット、レプリケーション、IBM Easy Tier、VAAI、シン・プロビジョニングなど、幅広いソフトウェア定義ストレージ・サービスにも対応している。

FlashSystem V840

IBM FlashSystem V840は、最大40 TBの使用可能ストレージ容量を持つ6Uラックマウント・ユニットで、高速なデータ・アクセスと高度なストレージ・サービスを必要とするワークロード向けに位置づけられていた。[41]FlashSystem V9000の前身にあたる。

FlashSystem 840

FlashSystem 840はエンタープライズ・マルチレベルセル(eMLC)フラッシュ技術で構成された2Uラックマウント・ユニットで、RAID 5適用後の使用可能ストレージ容量は最大40 TB(RAWは48 TB)である。読み取りIOPS 110万、書き込みIOPS 60万を備え、OLTPおよびOLAPデータベース、科学系アプリケーション、クラウド・サービス向けに位置づけられていた。[42]FlashSystem 900の前身にあたる。

初期モデル

スペック一覧
製品マシン・タイプ / モデル(MTM)容量パフォーマンス信頼性効率性販売終了ファミリー
IBM FlashSystem A90009836-425, 9838-4252020/02/11XIV
IBM FlashSystem A90009836-415, 9838-4152018/03/27XIV
IBM FlashSystem A9000R9835, 9837XIV
IBM FlashSystem 91009110-AF7, 9150-AF8Storwize
IBM FlashSystem V90009846/8-AC2, 9846/8-AE2ビルディング・ブロックあたり最大57 TB、コントロール・エンクロージャーのフルスケールアウト時最大456 TB最小レイテンシー200マイクロ秒未満、ランダム・リード最大630,000 IOPS二次元フラッシュRAID(Variable Stripe RAID)6Uラック・スペース—Storwize
IBM FlashSystem v8409846/8-AC1, 9846/8-AE1ビルディング・ブロックあたり最大40 TB、コントロール・エンクロージャーのフルスケールアウト時最大320 TB最小レイテンシー200マイクロ秒未満、ランダム・リード最大630,000 IOPS二次元フラッシュRAID(Variable Stripe RAID)6Uラック・スペース—Storwize
IBM FlashSystem 9009840-AE3, 9843-AE3, 9845-AE3RAID 5適用後の使用可能容量最大180 TB、または実効容量最大220 TB最小レイテンシー155マイクロ秒未満、ランダム・リード最大1,200,000 IOPS二次元フラッシュRAID(Variable Stripe RAID)2Uラック・スペース、625W2020/02/11RamSan
IBM FlashSystem 9009840-AE2, 9843-AE2, 9845-AE2RAID 5適用後の使用可能容量最大57 TB最小レイテンシー155マイクロ秒未満、ランダム・リード最大1,100,000 IOPS二次元フラッシュRAID(Variable Stripe RAID)2Uラック・スペース、625W2018/07/12RamSan
IBM FlashSystem 8409840-AE1, 9843-AE1RAID 5適用後の使用可能容量最大40 TB(RAW 65 TB)最小レイテンシー135マイクロ秒未満、ランダム・リード最大1,100,000 IOPS二次元フラッシュRAID(Variable Stripe RAID)2Uラック・スペース、625W2015/06/02RamSan
IBM FlashSystem 8209831-AE2RAID 5適用後の使用可能容量最大20.6 TB(RAW 33 TB)最小レイテンシー160マイクロ秒未満、ランダム・リード最大525,000 IOPS二次元フラッシュRAID(Variable Stripe RAID)1Uラック・スペース、300W2014/07/22RamSan
IBM FlashSystem 7209831-AS2RAID 5適用後の使用可能容量最大10.3 TB(RAW 16.5 TB)最小レイテンシー145マイクロ秒未満、ランダム・リード最大525,000 IOPS二次元フラッシュRAID(Variable Stripe RAID)1Uラック・スペース、350W2014/03/28RamSan
IBM FlashSystem 8109830-AE1使用可能容量最大10.3 TB(RAW 13.7 TB)最小レイテンシー160マイクロ秒未満、ランダム・リード最大550,000 IOPSVariable Stripe RAID1Uラック・スペース、350W2014/07/22RamSan
IBM FlashSystem 7109830-AS1使用可能容量最大5.2 TB(RAW 6.9 TB)最小レイテンシー145マイクロ秒未満、ランダム・リード最大570,000 IOPSVariable Stripe RAID1Uラック・スペース、280W2014/03/28RamSan

関連項目

  • IBM DS8000・DS6000シリーズ — Powerベースのストレージ・シリーズ

出典

  1. ↑ “IBM Sells More All-Flash Storage in 2014 Than Any Other Competitor” (Press release). ARMONK, N.Y: IBM. 2015年5月11日. 2015年5月17日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2020年3月31日閲覧.
  2. ↑ “Flash or SSD: Why and When to Use IBM FlashSystem”. IBM (2013年6月26日). 2014年1月3日閲覧。
  3. ↑ “Hardware withdrawal: IBM XIV Storage System Model 214 and 314 - Replacements available”. IBM (2018年2月27日). 2020年3月31日閲覧。
  4. ↑ “IBM、エージェント型AIを搭載した新しいFlashSystemポートフォリオを発表し、自律型ストレージ時代を牽引”. IBM Newsroom Japan. 2026年3月5日閲覧。
  5. ↑ Kerekes, Zsolt. “Who's who in SSD? - Texas Memory Systems”. ACSL. 2014年1月3日閲覧。
  6. ↑ “Texas Memory Systems Announces Availability of RAM-SAN 520” (Press release). Texas Memory Systems. January 8, 2001. 2001年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2014年1月3日閲覧.
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  8. ↑ Mellor, Chris (April 15, 2013). “IBM pours $1 BEELLION into flash SSDs”. The Register. 2014年1月3日閲覧.
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外部リンク