Lab-on-a-Disc

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Lab-on-a-Disc(LoaD:ラボ・オン・ア・ディスク)は、コンパクトディスク(CD)やDVD状の基板上に微細な流路や反応室を配置した分析装置。

概要

CDやDVD状の基板上に微細な流路や反応室を形成して遠心力、コリオリの力、オイラー力によって液体の移動や化学操作を制御するマイクロ流体デバイス技術である。

従来の実験室で行われていた試料の分離、混合、試薬の定量、DNA増幅、検出等の一連の工程を、ディスクを回転させるだけで全自動かつシームレスに処理することを企図する。

外部の複雑なポンプや配線が不要なため、小型・低コストで検査できるポイント・オブ・ケア(POC)診断に適する。

このシステムは、ディスクの回転運動によって生じる3つの慣性擬似力(慣性力)を絶妙に制御することで機能する。 血球分離、液体の混合、バルブ操作、段階希釈といった一連の操作は、ディスクの回転速度や加速度を調整するだけで制御可能。

  • 遠心力: ディスクの中心から外側に向けて液体を押し出す主なる駆動力でこれにより、液体の移送や血液成分の沈降分離(血漿分離)を行う。
  • コリオリの力: 回転中に流れる液体に対して横方向に働く力で流路の分岐や、溶液同士の効率的な攪拌(ミキシング)に利用される。
  • オイラー力: ディスクの回転速度を急加減速させたときに発生する力で主に液体の双方向ミキシング(攪拌)を強化する際に用いられる。

さらに、流路の途中に親水性・疎水性バルブや毛細管バルブ、熱で溶けるフェロワックス・バルブなどを配置し、回転数の制御だけで、液体の停止、定量、次の部屋へ送る等のシーケンスを自在に操る。

利点

  • 複雑で多段階にわたるプロセスを小型ディスク上に集約することで、未熟練者でもボタンを押すだけで分析ができるようになる。
  • 開発途上国や僻地など、医療資源の乏しい地域においても遠隔医療と組み合わせることで先進国と同水準の医療サービスが受けられるようになる。
  • コストパフォーマンスが優れ、製造コストや検査コストを低減できるうえ、迅速かつ自動化された結果が得られるため、分散型環境やリソースが限られた環境での利用に適する。

課題

  • 複雑なプロセスなのに制御できる項目が回転数や温度条件などに限られているので精密な制御に不可欠な制御項目の選択肢も少なくなる。
  • 微細な流路ゆえの目詰まりのしやすさ、微小なバリや寸法誤差等の物理的な個体差に対する敏感さの解決が困難。
  • 要素技術は完成しつつあるものの、依然として研究室内の試作段階に留まっており、大量生産や社会実装への移行途中にある。
  • 複雑な多層膜・電子回路の統合プロセスにおける製造コストの低減などが、商業化(マスプロダクション)に向けた主な課題である。
  • 仮に実現したら従来の高額な分析装置が無用の長物になりかねない。

用途

出典

文献

  • Glass, Nick R., et al. "Miniaturized Lab‐on‐a‐Disc (miniLOAD)." small 8.12 (2012): 1881-1888.
  • Sayad, Abkar Ahmed, et al. "A microfluidic lab-on-a-disc integrated loop mediated isothermal amplification for foodborne pathogen detection." Sensors and Actuators B: Chemical 227 (2016): 600-609.
  • Kim, Tae-Hyeong, et al. "A lab-on-a-disc with reversible and thermally stable diaphragm valves." Lab on a Chip 16.19 (2016): 3741-3749.
  • Miyazaki, Celina M., Eadaoin Carthy, and David J. Kinahan. "Biosensing on the centrifugal microfluidic lab-on-a-disc platform." Processes 8.11 (2020): 1360.
  • Zhang, Wanyi, et al. "An integrated ddPCR lab-on-a-disc device for rapid screening of infectious diseases." Biosensors 14.1 (2023): 2.

関連項目