NGC 262

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NGC 262
星座 アンドロメダ座
見かけの等級 (mv) 13.06[1]
視直径 1.1′ × 1.1′[2]
分類 SA(s)0/a:[2]
S0/a-Sa[3]
位置
元期:J2000.0[2]
赤経 (RA, α)  00h 48m 47.1414s[2]
赤緯 (Dec, δ) +31° 57′ 25.084″[2]
赤方偏移 0.015034[2]
視線速度 (Rv) 4507 km/s[2]
距離 2億1,300万光年
(65.4 Mpc)[2]
物理的性質
直径 10万1,000光年
(31.0 kpc)[2]
他のカタログでの名称
Markarian 348 / Mrk 348、UGC 499、PGC 2855、CGCG 501-020、MCG+05-03-008、2MASS J00484714+3157251、IRAS 00461+3141、2E 189、6C 004604+314101、QSO J0048+3157、TXS 0046+316、Z 501-20[2]
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NGC 262は、地球からアンドロメダ座の方向に、約2億1,000万光年離れた位置にある2型セイファート銀河である。この銀河は、ルイス・スウィフトによって1885年9月17日に発見された[4]。1970年代に、強い紫外線を放出する銀河の総称であるマルカリアン銀河(英語版)のリストに加えられたため、マルカリアン348としても知られる。

明るい銀河バルジと薄く非常に表面輝度の低い渦状腕を持つ銀河であり、Sa 型の渦巻銀河に分類されることもあれば、S0+ 型のレンズ状銀河と Sa 型の渦巻銀河の橋渡し役を担う S0/a 型の銀河に分類されることもある[3]。

NGC 262は、NGC 266やNGC 315(英語版)など42個の銀河を含むNGC 315銀河群に属する。この銀河群はLGG 14という名称でも知られる[5]。

特徴

中性水素ガス雲

特徴の一つとして、1978年に発見された[3][6]広範囲に広がる中性水素ガス雲が挙げられる。中性水素原子(HI)からなるこの構造は、HIエンベロープやHIハローとも呼ばれ、発見当初は、その広がりは少なくとも 100 kpc に及び、質量は ∼2×1010 M☉ と推定された。1982年、ウェスターボーク合成電波望遠鏡を用いて行われた研究では、HIの広がりは 175 × 115 kpc と推定され、楕円形に分布する内側のHIに対して、不連続な渦状に分布する外側のHIという構造が明らかになった。また、中性水素ガス雲の起源として、この銀河が形成された初期から存在したとする説や、数十億年前に発生した近傍に位置するNGC 266との潮汐相互作用によって生じたとする説などが提唱された[6]。

1987年、超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)を用いて取得されたHIの詳細な分布画像が『サイエンス』に掲載された。HIの広がりは、少なくとも 310 × 395 kpc の範囲に及ぶとされ、銀河団に属さない銀河の中では既知で最も大きいことが示唆された。研究チームは、東側に位置する伴銀河の存在についても言及し、HIの分布が描く独特の渦巻き模様は、伴銀河がHI円盤を乱した影響で形成されたとするモデルを支持した。NGC 266との相互作用が影響した可能性についても触れたが、その妥当性を判断するには追加の検証が必要とされた[7]。同年、ニューヨーク・タイムズは、研究チームの説明を紹介する形で、天文学者が20年間研究し続けてきた銀河マルカリアン348の大きさが、天の川銀河の13倍(直径130万光年)にのぼり、既知で最大の銀河であることが判明したと報じた[8]。そのため、現在でも「最大の渦巻銀河」として紹介されることがあるが[9][10][11]、その根拠となった 395 kpc(130万光年)という数値は、可視光では観測できないHIが検出された範囲を示すものであり、また、この銀河までの距離を95 Mpc(3億光年)と仮定した場合に得られた値である[7]。最新の距離をもとに算出された銀河の等輝度線直径は約10万光年と[2]、天の川銀河と同程度であり、NGC 6872やオタマジャクシ銀河、UGC 2885などの巨大な渦巻銀河よりもはるかに小さい。

活動銀河核

NGC 262は中心部に活動銀河核を持ち、そのスペクトルから2型セイファート銀河に分類される。広輝線領域はトーラスに遮蔽されているものの、線幅の広い(FWHM ∼7400 km/s)Hα線が偏光成分として検出されている[12][13]。RXTEの観測により、視線上における水素柱密度の最大の変化が約70日の時間スケールで起こることや、X線の連続光が最短で約1日の時間スケールで変動することが確認された[12]。活動銀河核を駆動するエンジンとなっているのが、超大質量ブラックホールである。恒星の速度分散から求められたブラックホールの推定質量は ∼6.3×106 M☉ である。NGC 262は、電波スペクトルがGHz帯付近で最大となる電波源であり、活動銀河核からコンパクトな電波ジェットが噴出している[13]。

出典

  1. ↑ “NGC 262”. SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2026年10月16日閲覧.
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 “Results for object NGC 0262 (NGC 262)”. NASA/IPAC Extragalactic Database. 2026年10月16日閲覧。
  3. 1 2 3 Bergeron, J.; Durret, F. (1987年10月). “Extended ionized nebulosities in the galaxies MK 1, MK 3, MK 348 and the quasar 4C 37.43.”. Astronomy and Astrophysics 184: 93-103. Bibcode:1987A&A...184...93B.
  4. ↑ Courtney Seligman. “NGC 262”. Celestial Atlas. 2026年10月16日閲覧。
  5. ↑ Garcia, A. M. (1993年7月). “General study of group membership. II. Determination of nearby groups.”. Astronomy and Astrophysics Supplement Series 100: 47-90. Bibcode:1993A&AS..100...47G.
  6. 1 2 Heckman, M. et al. (1982年5月). “High-resolution mapping of the giant H I envelope of the Seyfert galaxy MKN 348.”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 199: 425-433. Bibcode:1982MNRAS.199..425H. doi:10.1093/mnras/199.2.425.
  7. 1 2 Simkin, Susan M. et al. (1987年3月). “Markarian 348: A Tidally Disturbed Seyfert Galaxy”. Science 235 (4794): 1367-1370. Bibcode:1987Sci...235.1367S. doi:10.1126/science.235.4794.1367.
  8. ↑ “DISTANT GALAXY FOUND TO BE LARGEST KNOWN”. The New York Times. 1987年3月13日. 2024年11月27日時点のオリジナルよりアーカイブ.
  9. ↑ “Hubble Feathers the Peacock”. NASA Science (2014年9月19日). 2026年10月16日閲覧。
  10. ↑ “歪みながら長く伸びた星形成の腕”. sorae 宇宙へのポータルサイト (2019年2月4日). 2026年10月16日閲覧。
  11. ↑ “直径50万光年超の巨大な棒渦巻銀河NGC 6872 チャンドラ望遠鏡25周年記念”. アストロピクス (2024年7月26日). 2026年10月16日閲覧。
  12. 1 2 Marchese, E. et al. (2014年1月). “The variable ionized absorber in the Seyfert 2 Mrk 348”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 437 (3): 2806-2815. arXiv:1312.2439. Bibcode:2014MNRAS.437.2806M. doi:10.1093/mnras/stt2101.
  13. 1 2 Liao, Mai et al. (2024年2月). “The X-ray high-energy cutoff in compact symmetric object Mrk 348”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 528 (2): 2742-2748. arXiv:2401.03261. Bibcode:2024MNRAS.528.2742L. doi:10.1093/mnras/stae122.

関連項目