Paper Minecraft

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Paper Minecraft
ジャンル サンドボックスゲーム
アクションゲーム
対応機種 Scratch対応環境
開発元 griffpatch
人数 シングルプレイ
発売日 2013年5月4日(制作開始)
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Paper Minecraft(ペーパー・マインクラフト)は、Scratch上で制作された2Dサンドボックスゲーム。Scratchユーザーのgriffpatchが開発した。Minecraftのゲームプレイを2次元に置き換えた作品で、ブロックの設置・破壊、アイテム収集、クラフト、建築、探索、敵対モブとの戦闘など、Minecraftの主要なゲームシステムをScratch上で再現している。

Scratch上で公開されている代表的なゲーム作品の一つであり、多数のリミックス作品や派生作品が制作されている。公式プロジェクトのIDは10128407で、2026年10月3日時点のScratch APIでは約6681万回の閲覧、55万件の「好き」、約49万件のお気に入り、約7.2万件のリミックスが記録されている。

概要

Paper Minecraftは、Minecraftを2Dの横視点で表現したScratch製ゲームである。プレイヤーは地形を移動しながらブロックやアイテムを入手し、クラフトや建築を行うことができる。

Scratchの標準的なゲーム制作環境だけでMinecraftに近いゲームシステムを構築していることが特徴であり、ゲームとして遊べるだけでなく、Scratchにおける大規模なゲーム制作やプログラミングの教材・素材としても利用されている。

作品にはサバイバルゲームとしての要素に加えて、クリエイティブ的な遊び方やコマンド、セーブ・ロード機能などが実装されている。また、公開されたプロジェクトはScratchの「リミックス」機能によって改造できるため、Paper Minecraftを基礎に独自のブロック、アイテム、モブ、レシピ、システムなどを追加した作品が多数制作されている。

歴史

開発開始

Scratch APIによる公式プロジェクト情報では、Paper Minecraftのプロジェクトは2013年5月4日に作成されている。作者はScratchユーザーのgriffpatchである。

作者の更新履歴では、2013年5月13日にv2.0として「Initial Release」(初期リリース)が行われたと記録されている。初期版からMinecraftを2D化した基本的なゲームシステムが実装されていた。

v10.xまでの発展

2014年には大規模な更新が行われた。

v10.0では空腹システムが追加され、プレイヤーの満腹度、食料による回復、満腹度と体力回復の関係などが実装された。

その後のv10.xでは、村、村人、ゾンビピッグマンのスポーンエッグ、エンダーマン、雪の降るバイオーム、天候などが順次追加された。2014年12月にはv11.0以降の更新へと進み、雪や雨を含む天候システムも実装された。

v11.x

v11.3ではセーブゲームの保存方式が更新され、Scratchのデータ保存における文字列長の制限に対応するための仕組みが導入された。

2020年にはv11.4およびv11.5が公開され、Scratch 3.0のスクロール仕様への対応、コスチュームの整理、タイル位置の不具合修正、空腹システムの修正などが行われた。

2021年のv11.6では画面外のスプライトに関する修正やメイン画面のボタン更新などが行われた。2022年11月9日にはv11.7が公開され、リストヘッダーの説明に関する修正が行われた。

ゲームシステム

ワールド

ゲーム内の世界はブロックを基本単位として構成される。プレイヤーは横方向に広がる地形を探索し、ブロックを破壊したり設置したりすることで環境を変化させることができる。

Minecraftと同様に、地上の地形、地下空間、水などの環境が存在し、複数の種類のブロックやアイテムが用意されている。

ブロック

Paper Minecraftでは、土、石、木材などの自然ブロックのほか、建築やクラフトに使用する多数のブロックを利用できる。

ブロックはクリック操作によって破壊・設置することができ、プレイヤーが取得したブロックはインベントリに保存される。

ブロックの種類や性質はゲーム内部のデータとして管理されており、Scratchのリミックス作品ではこのデータを変更することで新しいブロックを追加することもできる。

アイテム

プレイヤーは採掘やモブの撃破などによってアイテムを入手できる。

入手したアイテムはホットバーやインベントリから選択して使用でき、ブロックの設置、道具の使用、食料の摂取、クラフトなどに利用される。

クラフト

Paper Minecraftにはクラフトシステムが実装されている。

プレイヤーは収集した素材をクラフト用の画面で組み合わせ、道具、武器、防具、建築用ブロックなどを作成できる。

クラフトレシピはゲーム内部のデータとして定義されており、リミックス作品ではレシピを変更・追加する改造も行われている。

インベントリ

インベントリではプレイヤーが所持しているアイテムを管理できる。

ゲーム中にEキーを使用してインベントリを開閉することができる。また、チェストやクラフトテーブルなど一部のブロックもカーソルを重ねてEキーを使用することで操作できる。

空腹

v10.0で空腹システムが導入された。

作者の説明によれば、プレイヤーには20の空腹ポイントが設定され、画面上では10個の単位として表示される。また、表示されない食料飽和度も存在し、移動・ジャンプ・採掘などによって消費される。食料を食べることで空腹度と飽和度を回復できる。

天候

v11.0で雪の降るバイオーム、v11.1で雪の降雪・積雪、v11.2で雨天が追加された。

天候はゲーム内の環境表現だけでなく、ワールドの状態を変化させる要素として実装されている。v11.2では`/weather`コマンドによって雨、雪、晴天を切り替える機能も追加された。

モブ

Paper Minecraftにはプレイヤー以外のキャラクターとしてモブが存在する。

敵対的なモブとしてゾンビなどが登場するほか、動物や村人なども存在する。

2014年12月には村人が自然に村へ出現し、夜になると家に入る、木製ドアを開閉するなどの行動が実装された。また、エンダーマンも同時期の更新で追加された。

村

v10.xの更新によって村が自然生成されるようになった。

当初は建物のみが生成され、その後の更新で村人が自然に出現するようになった。村人は夜間に家へ移動するなど、単なる静的オブジェクトではない行動を行うよう設計された。

操作

公式プロジェクトの説明では、基本操作は以下のようになっている。

操作機能
1~9アイテム選択
クリックブロックの設置・破壊
W・A・S・D移動・ジャンプ
Eインベントリの開閉
E+カーソルを対象に重ねるチェスト・クラフトテーブル・ドアなどの操作
Spaceドラッグ中のスタックから1個だけ取り出す
F食料を食べる
N看板・チェストへのラベル付け
Qアイテムを捨てる
P一時停止・再開
T会話・コマンド
Oゲームの保存
M音楽・サウンド
Shiftダッシュ

コマンド

Paper Minecraftには、ゲーム内で利用できるコマンド機能が実装されている。

作者による公式プロジェクト説明では、Tキーを使用して会話・コマンド入力を行うことが示されている。また、天候を変更する`/weather`コマンドなどが実装されている。

コマンドシステムはリミックス作品の改造にも利用されており、作品ごとに独自のコマンドが追加される場合がある。

セーブ

Paper Minecraftにはゲームの保存・ロード機能がある。

公式プロジェクトではOキーがゲームの保存に割り当てられている。v11.3では、Scratchにおける保存データの文字列長制限への対応としてセーブゲーム方式が更新された。

保存データは文字列として扱われ、プレイヤーが作成したワールドの状態を保存して後から読み込めるようになっている。

この仕組みにより、Scratch上で作成した大規模なワールドを共有する文化が形成された。

技術

Paper MinecraftはScratchで制作されており、ゲームの処理はScratchのブロックプログラミングによって実装されている。

Scratch上で2Dゲームを動作させるため、ブロック、アイテム、モブ、プレイヤー、ワールド、物理演算、衝突判定、インベントリ、クラフト、セーブデータなどがScratchのスプライト、コスチューム、変数、リスト、カスタムブロックなどを利用して管理されている。

ゲーム内のブロックやアイテムの情報はデータとしてまとめられており、リミックスによる改造を比較的行いやすい構造になっている。

作者はPaper Minecraftについて、ゲーム内のグラフィックの多くをMinecraft Wikiから取得し、サイズ変更や分割を行ってゲームに利用したとプロジェクトの説明欄で記載している。

Modding

Paper Minecraftは、Scratch作品としては高度な改造が可能であることでも知られている。

作者は公式プロジェクトの説明欄からModding Guideを案内しており、Paper Minecraftをリミックスして独自のゲームを作ることができる。

主な改造対象には以下がある。

  • ブロック
  • アイテム
  • レシピ
  • モブ
  • 武器
  • 防具
  • コマンド
  • テクスチャ
  • ゲームルール
  • UI
  • ワールド生成
  • プレイヤーの能力

Scratchでは公開済み作品をリミックスできるため、Paper Minecraft本体を改造した作品をさらに改造することも可能である。

このため、Paper Minecraftをベースにした独自の「Minecraft風」ゲームが多数制作されている。

リミックス文化

Paper MinecraftはScratchにおけるリミックス文化を代表する作品の一つである。

Scratch上ではPaper Minecraftを利用して独自のワールドを作成し、そのセーブデータを共有する活動も行われている。Scratchのディスカッションフォーラムには、Paper Minecraftのワールドデータを共有するための投稿が存在する。

また、Paper Minecraftを元に新しいブロックやアイテムを追加した作品、ゲームシステムを変更した作品、独自のルールを導入した作品なども多数公開されている。

人気

Paper MinecraftはScratchの代表的な人気作品の一つとなった。

2014年5月には100万回の閲覧を達成し、2014年7月には150万回、2014年10月には200万回を達成したと作者自身の更新履歴に記録されている。その後も閲覧数が増加し、2026年10月3日時点でScratch APIでは約6681万回の閲覧が確認できる。

Scratch API上では、2026年10月3日時点で約55万件の「好き」、約49万件のお気に入り、約7.2万件のリミックスも記録されている。

バージョン

Paper Minecraftでは長期間にわたってバージョンアップが行われた。

バージョン主な内容
v2.0初期リリース
v10.0空腹システム
v10.2村の建物など
v10.5スキン選択
v10.6b自然生成される村、簡易ポーズ画面、ダッシュなど
v10.7ゾンビピッグマン・村人のスポーンエッグ
v10.8自然に出現する村人、村人の行動
v10.9エンダーマン
v11.0雪のバイオーム
v11.1雪・積雪
v11.2雨・天候コマンド
v11.3セーブゲーム方式の更新
v11.4スプラッシュ画面更新
v11.5Scratch 3.0対応・不具合修正など
v11.6画面外スプライトなどの修正
v11.7リストヘッダーの説明を修正

作者の公式更新履歴に基づく。

Scratch 3.0への対応

Paper MinecraftはScratch 2.0時代から開発され、その後Scratch 3.0への移行に対応した。

2020年のv11.5では、Scratch 3.0のスクロール処理に関する変更への対応が行われたことが作者の更新履歴に記載されている。

Scratch 3.0はWebブラウザーで動作するため、Paper MinecraftもWebブラウザーからプレイできる。

不具合・制限

Paper MinecraftはMinecraft本編を完全に再現した作品ではなく、Scratch上で実装された独立したゲームである。そのため、Minecraftとは異なる仕様や制限が存在する。

Scratchの処理能力やゲームエンジンの構造による制約から、モブの挙動、レッドストーン、落下ブロック、ブロック更新などに関する不具合が報告されている。Scratchのディスカッションフォーラムでは、原作Paper Minecraftについて複数の不具合や仕様上の問題が利用者によって報告されている。

また、Minecraft本編に存在するすべての要素がPaper Minecraftに実装されているわけではない。

Minecraftとの関係

Paper MinecraftはMinecraftの公式ゲームではなく、Mojang StudiosおよびMicrosoftによって開発されたMinecraftとは別のScratch作品である。

ゲームシステムやグラフィック表現にはMinecraftから強い影響を受けているが、Paper Minecraftは2D化やScratch向けの簡略化など、独自の実装が行われている。

作者はプロジェクトの説明欄で、ゲームに使用しているグラフィックについてMinecraft Wikiから取得したものを加工して利用したと説明している。

作者

Paper Minecraftの作者はScratchユーザーのgriffpatchである。

griffpatchはScratch上で多数のゲームやプログラミング教材を公開しているユーザーで、Paper Minecraft以外にもプラットフォームゲーム、物理演算、レイキャスティング、マルチプレイヤーなどを利用したScratch作品を制作している。Scratch上の作者ページではPaper Minecraftのほか、Scratchプログラミングに関する多数の作品やスタジオが確認できる。

派生作品

Paper MinecraftはScratch上で多数の派生作品を生み出している。

代表的な派生には以下のようなものがある。

  • Paper Minecraftをリミックスした作品
  • 独自ブロックを追加した作品
  • 独自アイテムやレシピを追加した作品
  • 新しいモブを追加した作品
  • グラフィックを変更した作品
  • 独自のゲームモードを追加した作品
  • Paper MinecraftをベースにしたMinecraft風ゲーム

Paper Minecraftの構造はScratchのリストやスプライトなどを利用しているため、Scratchプログラミングを学習する目的で内部構造を調べる利用者も存在する。

評価・位置付け

Paper Minecraftは、ScratchでMinecraft型のサンドボックスゲームを制作することが可能であることを示す代表的な作品として知られている。

特に、

  • 大規模なワールドを扱う仕組み
  • ブロックを利用したゲームシステム
  • インベントリ
  • クラフト
  • モブ
  • 物理演算
  • セーブ・ロード
  • コマンド
  • 天候
  • リミックスによるModding

などをScratch上で実装している点が特徴である。

また、Scratchのリミックス機能を利用してPaper Minecraftを改造することができるため、単なる完成済みゲームだけでなく、Scratchのプログラミング教材・改造用ベース作品としても利用されている。

関連項目

脚注

出典

外部リンク