Romusha

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ロームシャ
監督 S・A・カリム
製作 ジュリエス・ロフィー
公開 1972年(製作年)
製作国 インドネシアの旗 インドネシア
言語 インドネシア語
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Romusha(ロームシャ)は、インドネシアで製作された映画。第二次世界大戦中の日本軍政下のインドネシアにおけるロームシャ(労務者)の強制労働や虐待を題材としている。インドネシア映画センターは、製作年を1972年、監督をS・A・カリムとしている。映画は検閲を通過したものの、インドネシア政府によって一般公開を差し止められたとされる。日本との外交関係への影響を懸念した政府の判断が上映禁止の背景にあったとする研究がある[1][2]。

あらすじ

物語は、日本軍がインドネシアを占領していた1943年から1944年ごろを舞台とする。日本軍に反抗したとして拘束されたロタは、ロームシャの収容施設に送られ、過酷な強制労働や虐待を受ける。そこでナリと知り合い、彼女や仲間たちとともに日本軍への抵抗を試みる。

ナリとモナはロームシャたちに武器を届けようとするが、発覚して処刑されそうになる。これをきっかけにロタが労務者たちを率いて蜂起し、日本軍部隊と戦う。映画では、軍事施設の建設や山の掘削、防空壕・地下倉庫の建設などに従事させられる労務者たちの苦難が描かれている[1]。

製作と上映禁止

『Romusha』は、日本軍占領期の強制労働と日本軍兵士による虐待を描いた作品である。インドネシア映画センターの作品情報には、ジュリエス・ロフィーがプロデューサー、ヘルマン・ナガラが脚本家として記載されている。主要な出演者には、ロタ役のロフィー・プラバンチャナ、ナリ役のアリス・イスカク、アキロ・コバヤシ大尉役のA・ハミド・アリエフ、モナ役のリタ・ザハラがいる[1]。

映画はインドネシアの映画検閲機関による審査を通過したとされるが、一般公開は認められなかった。映画検閲制度に関する研究では、検閲を通過した作品であっても、情報省が対外関係などを考慮して流通を禁止することがあった事例として取り上げられている。『Romusha』についても、日本との関係悪化や反日感情の高まりを政府が懸念したことが、上映禁止の背景にあったとする説明がある[2][3]。

日本側の関与については、研究や当時の報道に、日本大使館や日本企業関係者からの働きかけがあったとする説明がみられる。一方、インドネシアの映画検閲を扱った研究には、日本大使館が正式な抗議を行っていなかったとする記述もある。そのため、日本政府や大使館による正式な抗議が上映禁止を直接引き起こしたと断定することは難しい[4][3]。

1973年6月には、在インドネシア日本大使館から日本の外務大臣に宛てて、本作に関する公電が送られていた。公電に関連する文書は、情報公開請求に関する審査資料に記録されているが、一部は不開示とされている。したがって、公電の具体的な内容や、上映禁止の決定との直接的な関係は、公開資料だけでは明らかでない[5]。

本作の上映禁止は、インドネシアの映画検閲制度や、スハルト政権期の対日関係を考えるうえで取り上げられてきた。1974年1月には、田中角栄首相のインドネシア訪問に際して反日暴動が発生しており、当時のインドネシア社会における日本企業の経済進出や対日感情も、両国関係をめぐる議論の背景となっていた[4][6]。

フィルムの所在

映像制作者の藤野知明は、2005年に日本映画大学の公式ブログに掲載された調査記録で、本作のフィルムを探すためにインドネシアを訪問し、撮影中の写真や関連記事を入手したこと、S・A・カリム監督から撮影当時の話を聞いたことを報告している。同記録によると、調査時点ではフィルムを発見できず、映画は公開されないまま所在が分からなくなっていた。これは当該調査時点の報告であり、現在の所在を確定するものではない[7]。

関連項目

脚注

  1. 1 2 3 “Romusha”. Indonesian Film Center. 2026年10月24日閲覧。
  2. 1 2 Barker, Thomas (2019). Indonesian Cinema after the New Order: Going Mainstream. Hong Kong University Press
  3. 1 2 Erawati, Meri; Surajaya, I Ketut; Sunarti, Linda (2019). “National Film (Indonesia) 1970–1990s: Sex in Film, Censorship in Film and Power in Film”. Proceedings of the 1st International Conference on Social Sciences and Interdisciplinary Studies. doi:10.2991/icssis-18.2019.70.
  4. 1 2 “The Social and Political Nuances of Romusha”. 早稲田大学リポジトリ. 2026年10月24日閲覧。
  5. ↑ “インドネシアで製作された映画につき外務省及びインドネシア大使館で作成された文書の一部開示決定に関する件(平成22年(行情)諮問第633号)”. 内閣府. 2026年10月24日閲覧。
  6. ↑ 大庭三枝「日-東南アジア間の歴史認識をめぐる諸相」『アジア研究』第66巻第4号、アジア政経学会、2020年、68-87頁、doi:10.11479/asianstudies.66.4_68。
  7. ↑ 藤野知明 (2005年9月19日). “インドネシア映画『ロームシャ』を探して…”. 日本映画大学公式ブログ. 2026年10月24日閲覧。

外部リンク