ハイレッド・センター
目次
ハイレッド・センター
ハイ・レッド・センターは、高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之の3名により1963年に結成された前衛芸術グループ。真紅の「!」がシンボルマーク。
概要
[編集]1963年、高松次郎・赤瀬川原平・中西夏之によって結成される[1]。三人の苗字の頭文字(高=ハイ、赤=レッド、中=センター)が名前の由来となっている[1]。ほか、和泉達・刀根康尚・小杉武久らが活動に参加することもあった[1]。拠点は新橋の内科画廊にあった[2]。
同集団は、芸術を「作品発表とそれを静かに眺める享受者」という二項対立で終わるものとして考えることを否定し、その線引きを揺るがす活動を行った[2]。また、「出来事」としての芸術を試み、一回性のパフォーマンス・インタスレーションを行った[3]。「ハイレッド・センター」という名前自体にも、公共性を持つかのように偽装しながら社会に介入する意図があった[1]。
特に、東京オリンピックが近づく中での「思想的変質者を取り締まれ」という社会風潮の中で、事件・犯罪を連想させるような、紛らわしい行動を取ったことで知られている[4]。たとえば、赤瀬川原平は「ニセ札のニセモノ」を作るという芸術活動を行ったが、これが朝日新聞で「画家が旧千円札を模造」という見出しの記事で掲載され[5]、違法性が問われて裁判へと発展した(「千円札裁判」)[1]。ニセ札の作成は、国家による最大のコピーライト・コントロールの対象である紙幣に対する解放実験という意味合いがあった[4]。前衛芸術と表現の自由を巡って大きな論争を起こしたが、裁判は最高裁まで争われ、懲役3カ月執行猶予1年の有罪で確定した[6]。
活動の記録
[編集]主な活動一覧
[編集]- 敗戦記念晩餐会
- 1962年8月15日、国立市公民館にて開催。観客を晩餐会に招待し、主催者だけが晩餐をとるイベント。
- 山手線事件
- 1962年10月18日、山手線車内や駅前にて、顔にドーランを塗り、自作のオブジェを舐める、などのパフォーマンスを行った[3]。
- 第5次ミキサー計画
- 1963年5月7日~12日、新宿・第一画廊での「ハイ・レッド・センター」を名乗った最初のイベント。岡本太郎がテープカットを行った。
- 第6次ミキサー計画
- 1963年5月28日、両手にゴム風船をつけて、服に洗濯ばさみを付けて、新橋駅前を歩いた[3]。
- シェルタープラン
- 帝国ホテルの一室で、個人の核シェルターを作るという目的で、個人の身体測定を行った[7]。参加者の身長・体重・体積・口腔内容積などを測定した。ナム・ジュン・パイク、オノ・ヨーコ、横尾忠則、足立正生らが参加し、その測定結果が存在する[8]。参加者には「シェルター」の予約と、「ハイレッド缶詰」(中身は1円玉とアルミニウム粉など)の購入を勧められた[6]。
- 1964年4月、世界同時中継に先立って、警告ビラを投函した[3]。
- ドロッピング・イヴェント
- 1964年10月10日、お茶の水池坊会館の屋上から、傘・週刊誌・ブラジャーなどを投げ落とし、トランクに詰め、御茶ノ水駅の落とし物預り所に届けた[3]。
- 首都圏清掃整理促進運動
展示会
[編集]- 「ハイレッド・センター:「直接行動」の軌跡」(渋谷区立松濤美術館)
- 2014年2月11日~3月23日。結成50年を記念した展示会[6]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 「ハイレッド・センター」『日本読書新聞』1238号、1963年12月23日、1面。
- 中原佑介「ハイレッド・センターの熱いメッセージ」『芸術新潮』新潮社、1985年1月、27–30頁。
- 高階秀爾、篠田達美、福田純一「「前衛」美術の流れ」『東京人』都市出版株式会社、1995年6月、46–52頁。
- 山下裕二「権力と芸術がチカチカと火花を散らす」『太陽』平凡社、1999年9月、38–40頁。
{{cite magazine ja}}: CS1メンテナンス: デフォルトと同じref (カテゴリ) - 「潜伏40周年記念号梱包紙」『美術手帖』美術出版社、2004年8月、65–72頁。
- 原田裕規「ハイレッド・センター」カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社。2026年3月8日閲覧。
- 古川幹夫「ハイレッド・センター:「直接行動」の軌跡」アイエム、2014年2月11日。2026年3月8日閲覧。
{{cite web ja}}: CS1メンテナンス: デフォルトと同じref (カテゴリ) - 赤瀬川原平 『東京ミキサー計画 ― ハイレッド・センター直接行動の記録』 PARCO出版、1984年 / ちくま文庫、1994年
- 平田実 『超芸術 ― 前衛美術家たちの足跡1963-1969』 三五館、2005年
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 絵描き共の変てこりんなあれこれの前説 - 今泉省彦著。赤瀬川の著書の記憶違い、勘違いなどが指摘されている。
- ハイ・レッド・センター:現代美術用語辞典 - artscape
- ハイレッド・センター - メディア芸術データベース