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速度

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
速度
velocity
量記号 v, u
次元 L T −1
種類 ベクトル
SI単位 メートル毎秒 (m/s) SI組立単位
CGS単位 センチメートル毎秒 (cm/s)
FPS単位 フィート毎秒 (ft/s)
プランク単位 光速度 (c)
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古典力学

運動の第2法則
歴史(英語版)

速度(そくど、(英: velocity)は、物体の位置の時間変化率である[1][2][3]。速度ベクトル[4]、瞬間速度(しゅんかんそくど、(英: instantaneous velocity)とも。

定義

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を時間、 を物体の位置とする。時刻 における物体の速度 は、

で定義される[1][3]。

この定義は、微小時間 の間におきた の微小変位 を考え、 を で割って時間変化率に換算したうえで の極限を取っていると解釈される[5][3]。つまり平均速度の極限であり、このことから速度は瞬間速度とも呼ばれる。

単位

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国際単位系(SI)における、一貫性 (単位系)のある単位は、メートル毎秒(m/s)である。国際単位系国際文書においては、組立量は、「速さ、速度」[6](英語版では、speed, velocity[7])としている。

ただし、日本の計量法では、「速さ」のみを物象の状態の量(物理量と考えてよい。)としており、「速度」は採用していない[8][9]。

例

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例として東向きを正に取ると、自動車が一定速度で東の方向に走り、1 時間で 60 km 移動した場合、車の速度は「東向きに(+)時速 60 km」となり、車の速さは「時速 60 km」となる。また例えば、マラソン選手が西向きに 40 km を 2 時間で走った場合、そのマラソン選手の速さは 20 km/h、または時速 20 km と表されるが、速度は「西向きに(-)20 km/h」となる。

性質

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大きさと方向を持つベクトル量

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速度はベクトル量であり[4]、大きさと方向を持つ[10]。

位置はベクトル量であるため、位置の時間微分である速度もベクトル量である。そのため速度は「速度ベクトル」とも呼ばれる[4]。ベクトルは大きさと方向を持つため[11]、ベクトル量である速度も大きさと方向を持つ[10]。大きさをスカラー 、大きさが非ゼロのときの方向を単位ベクトル とすると、速度は次で表現できる:

なお であり、 のとき である。

大きさが速さ

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速度の大きさは運動の速さである[12][10]。

速度は位置の時間微分 で定義されるため(詳細は #定義)[1][3]、その大きさ は単位時間あたりの移動距離になる。これは速さ(英: speed)の定義であり[13]、速度の大きさは運動の速さとなる[12]。

方向が軌道の接線方向

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速度の方向は軌道の接線の方向と一致する[14]。

軌道の による媒介変数表示 を用いると、接線の定義より が接線の方向になる。これは の定義そのものであるため(詳細は #定義)[1][3]、軌道の接線の方向と速度の方向 は常に一致する。

大きさが接線成分の大きさ

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速度の大きさ(運動の速さ)は速度の接線成分の大きさと一致する。

時刻 における運動の軌道の単位接線ベクトル と 2 つの単位法線ベクトル 、それぞれのスカラー成分 を用いると、速度は次のように分解できる:

このとき速度は軌道の接線方向を常に向くため(詳細は #方向が軌道の接線方向)[14]、逆に、法線方向を全く向かない。つまり法線成分がゼロで が常に成立する。よって速度は次で表現できる:

このとき は速度の接線成分(英: tangential component of velocity)とも言う。速度の大きさ は運動の速さであるため(詳細は #大きさが速さ)[12]、次が常に成立する:

すなわち速度の大きさ(運動の速さ)は接線成分の大きさと一致する。逆に、速度の接線成分は「向きを持った速さ」と解釈できる。

平均速度

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平均速度(へいきんそくど、(英: average velocity)はある時間区間における単位時間当たりの物体の位置の変化量である[15]。平均の速度(へいきんのそくど、(英: mean velocity)[15]、平均速度ベクトルとも。

時間区間 において物体が位置 から に変化したとする。この変位を とすると、時間区間 における平均速度 は、

で定義される。このとき平均速度の大きさを平均の速さという[要出典]。

平均速度の極限すなわち での平均速度は、瞬間速度すなわち速度と一致する(⇒ #定義)[1][3]。

類似の概念

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着目する現象が時間的に変化している場合に、その現象の単位時間あたりの変化量(時間微分)に対して「速度」という言葉が用いられることがある。

など種々の速度の概念が定義される。各種物理量の速度には特別な名称が付けられていることがあり、馬力、仕事率、躍度などがある。

物体の運動やその安定性を記述する際、最初の状態における速度がしばしば問題になる(初期値問題)。この初めの速度のことを初速度(initial velocity)という。

速度に対して抵抗を受けて変化するとき、平衡となって一定となった速度を終端速度という。

脚注

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注釈

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出典

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  1. 1 2 3 4 5 ... この を速度という.(小出 1997, p. 6)
  2. ↑ 位置 を時間で微分したものが速度 (戸田 1982, p. 11)
  3. 1 2 3 4 5 6 微小時間 ... は ... 変位ベクトル (displacement vector) ... 3次元の場合も ... を限りなく小さくした極限 を時刻 における速度 (velocity) という.(戸田 1982, pp. 8–10)
  4. 1 2 3 速度は ... ベクトル (速度ベクトル) である.(戸田 1982, p. 10)
  5. ↑ 運動している質点 ... だけあと ... 変位 ... を と表す ... とした極限を考えると ... ... この を速度という.(小出 1997, p. 6)
  6. ↑ 国際単位系(SI)第9版(2019)、p.108 表5
  7. ↑ The International System of Units p.139、Table 5.、Derived quantityとして、「speed, velocity」とある。
  8. ↑ 計量法 第2条第1項第1号
  9. ↑ 計量単位令 別表第1、項番14。
  10. 1 2 3 速度は,大きさ(速さ)とともに向きをもっている(戸田 1982, p. 10)
  11. ↑ 大きさと方向によって指定され,その合成が平行四辺形の法則にしたがうものをベクトルという.(小出 1997, p. 2)
  12. 1 2 3 運動している質点がある時刻 に を通過 ... を通る瞬間の速さを大きさとするベクトル ... この を速度という.(小出 1997, p. 6)
  13. ↑ Wilson, Edwin Bidwell (1901). Vector analysis: a text-book for the use of students of mathematics and physics, founded upon the lectures of J. Willard Gibbs. pp. 125
  14. 1 2 軌道の接線の方向をもち ... この を速度という.(小出 1997, p. 6)
  15. 1 2 時刻が から に移る ... 間に物体の位置が から に変わったとすると, はこの間の平均の速度 (mean velocity) である.(戸田 1982, p. 7)

参考文献

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  • 戸田, 盛和『力学』岩波書店〈物理入門コース〉、1982年。ISBN 4-00-007641-8。 
  • 小出, 昭一郎『物理学(三訂版)』(58版)裳華房、1997年。ISBN 978-4-7853-2074-4。 

関連項目

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外部リンク

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