就学前教育
就学前教育(しゅうがくぜんきょういく)とは、一般に教育段階において、小学校などの初等教育に先立つ段階で行われる教育を指す。「就学前教育」という概念の対象年齢や制度上の位置づけは国や制度によって異なり、国際的にも pre-primary education、preschool education、early childhood education などの用語が文脈に応じて用いられている[1]。UNESCOは、これらの用語が互換的に用いられる場合がある一方、それぞれ対象とする年齢層や重点が異なることを指摘している[2]。
日本においては、幼稚園、保育所、認定こども園などにおいて、就学前の子どもを対象とした教育・保育が行われている。ただし、これらの施設は制度上の位置づけや役割が異なる。幼稚園は学校教育法に基づく学校[3]であり、保育所は児童福祉法に基づく児童福祉施設である[4]。一方、認定こども園は、教育及び保育を一体的に提供する施設として制度化されている[5]。
なお、「就学前教育」と「幼児教育・保育」は、関連する概念であるが、必ずしも同義ではない。「就学前教育」が主として就学前という教育段階に着目した用語であるのに対し、「幼児教育・保育」は幼児期の子どもの発達や学びを支える教育・保育を指すため、両者の対象や範囲は必ずしも一致しない。
日本
[編集]日本の就学前教育は、主として幼稚園、保育所、認定こども園などにおいて行われている。これらの施設は、制度上の位置づけや設置根拠が異なる一方、幼児期の教育・保育を担う施設として相互に関係している。
幼稚園は、学校教育法第1条に規定される「学校」の一つであり、同法第22条において、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、その目的が定められている[6]。また、特別支援学校には幼稚部を置くことができ、幼児を対象とした教育が行われている[7]。
保育所は、児童福祉法に基づく児童福祉施設である。保育所における保育は、子どもの生命の保持及び情緒の安定を図る「養護」と、子どもの健やかな成長や活動の展開を支える「教育」とを一体的に行うことを基本としている[8]。保育所保育指針では、教育に関わるねらい及び内容について、「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の五領域が示されている[9]。
認定こども園は、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律に基づき、教育及び保育を一体的に提供する施設として制度化されている[10]。
出典
[編集]- ↑ UNESCO (2022). Education starts early: progress, challenges and opportunities (PDF) (Report).
- ↑ UNESCO (2022). Education starts early: progress, challenges and opportunities (PDF) (Report).
- ↑ “学校教育法”. e-Gov法令検索. 2026年8月19日閲覧。
- ↑ “児童福祉法”. e-Gov法令検索. 2026年8月19日閲覧。
- ↑ “就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律”. e-Gov法令検索. 2026年8月19日閲覧。
- ↑ “学校教育法”. e-Gov法令検索. デジタル庁. 2026年8月19日閲覧。
- ↑ “学校教育法”. e-Gov法令検索. デジタル庁. 2026年8月19日閲覧。
- ↑ “保育所保育指針解説”. こども家庭庁. こども家庭庁. 2026年8月19日閲覧。
- ↑ “保育所保育指針解説”. こども家庭庁. こども家庭庁. 2026年8月19日閲覧。
- ↑ “認定こども園概要”. こども家庭庁. こども家庭庁. 2026年8月19日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Early Childhood Care and Education - UNESCO