推敲

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推敲(すいこう)とは、文章を何度も練り直すこと。

唐代、都の長安に科挙(官吏の登用試験)を受けるためにはるばるやってきた賈島は、乗っているロバの上で詩を作っていた。その途中、「僧は推す月下の門」という一句を口ずさんでから、「推す」のほかに「敲く」という語を思いついて迷ってしまった。彼は手綱をとるのも忘れ、手で門扉を押すまねをしたり、叩くまねをしたりしたが、なかなか決まらなかった。あまりにも夢中になっていたので、向こうから役人の行列がやってきたのにも気づかず、その中に突っ込んでしまった。さらに悪いことに、その行列は知京兆府事(長安の都知事)、韓愈の行列であったため、賈島はすぐに捕らえられ、韓愈の前に引っ立てられた。そこで彼は事の経緯をつぶさに申し立てた。優れた名文家であり、漢詩の大家でもあった韓愈は、賈島の話を聞き終わると、「それは『敲く』の方がいいだろう、月下に音を響かせる風情があって良い」と言った。そして、二人は、馬(韓愈)とロバ(賈島)を並べていきながら詩を論じ合った。このことから「文章を書いた後、字句を良くするために何回も読んで練り直すこと」を「推敲」という。

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参考文献

  • 故事成語研究会 編『故事成語・成句事典』明治書院、2015年、234-235頁。ISBN 978-4625400000。
  • 『新釈漢文大系 第72巻 唐詩選』明治書院、1973年。

出典

  • 遠藤哲夫 編『出典のわかる故事成語・成句辞典』明治書院、2005年。ISBN 978-4625400031。
  • 計有功 編、内田泉之助 他訳『新釈漢文大系 第72巻 唐詩選』明治書院、1973年。