爵



器形
高さ 15cm から 25cm 程度[5]。扁平な筒状の胴体に三脚がつき[6]、側面に把手(
歴史
土製の爵(陶爵ともいう[9])は二里頭文化2期、青銅製は同3期に出現する[8]。青銅爵は中国最初の青銅礼器(青銅彝器)であり[8][10]、殷代と西周初期に大量に製作されるが[11]、西周中期から激減する[8]。
秦漢以後は、周を理想とする儒教の儀式(釈奠など)の祭器となり[12]、北宋や李氏朝鮮などで倣古銅器が作られた[12][13]。磁器や玉器の爵も作られ[14][15]、明代墓からは金銀製の爵が出土している[6]。
『左伝』『礼記』などの文献にも爵は登場するが、文献中の「爵」がこの器種を指すかは確証がない[11]。金文に「爵」と書かれた自銘の器は未発見である[8]。北宋の聶崇義『三礼図』は異なる器種を「爵」と同定している[6][16]。一方、北宋の呂大臨『考古図』[8][6]、王黼等『博古図録』はこの器種を「爵」としている[11]。
現代の中国考古学でも慣例的にこの器種が「爵」と呼ばれている[8][11][6]。自銘とされる爵も出土しているが、その字が「爵」と読めるかは確証がない[6]。
用途
爵の用途は定かでなく、「飲酒器」説と「温酒器」説がある[5][6][11][9]。『説文解字』や『儀礼』郷飲酒礼篇で飲酒器とされていることから、伝統的には飲酒器と考えられていた[6]。一方、民国期に底に煤がついた爵が出土すると、燗をつけるための温酒器と考えられるようになり、現代では「温酒器」説が主流となっている[6]。
温酒器の場合、爵で
殷代の爵は、酒器であると同時に、上層身分の象徴でもあったとも考えられる[5]。爵は觚とセットの副葬品として出土することが多い[5][11]。
脚注
- ↑ “Wine vessel (Jue) | Cleveland Museum of Art” (英語). www.clevelandart.org. 2026年9月21日閲覧。
- ↑ “小學堂字形演變”. xiaoxue.iis.sinica.edu.tw. 2026年9月21日閲覧。
- ↑ 高木智見 著「爵位」、尾崎雄二郎; 竺沙雅章; 戸川芳郎 編『中国文化史大事典』大修館書店、2013年。ISBN 9784469012842。520頁。
- 1 2 尾形勇、小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)『爵位 中国』 - コトバンク
- 1 2 3 4 伊藤道治「青銅器とその背景」『中国の美術 5』淡交社、1982年。ISBN 9784473007988。107-109頁。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 山本堯『太古の奇想と超絶技巧 中国青銅器入門』新潮社、2023年。ISBN 9784106023033。46;55頁。
- 1 2 3 “爵 文化遺産オンライン”. online.bunka.go.jp. 2026年9月21日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 角道亮介 著「爵」、尾崎雄二郎; 竺沙雅章; 戸川芳郎 編『中国文化史大事典』大修館書店、2013年。ISBN 9784469012842。520-521頁。
- 1 2 3 孫機 著、柿沼陽平 訳『モノからみた中国古代文化 衣食住行から科学芸術まで』東方書店、2024年。ISBN 9784497224132。44-48頁。
- ↑ 角道亮介 著「彝器」、尾崎雄二郎; 竺沙雅章; 戸川芳郎 編『中国文化史大事典』大修館書店、2013年。ISBN 9784469012842。13頁。
- 1 2 3 4 5 6 樋口隆康『中国の銅器』中央公論美術出版、1967年。28;66;72頁。
- 1 2 “爵(しゃく)”. 九州国立博物館Webサイト 収蔵品データベース. 2026年9月21日閲覧。
- ↑ “宋元金属器展-北京格古瓷枕博物馆”. www.gegucizhenmuseum.com. 2026年9月21日閲覧。
- ↑ 国立故宮博物院 (2016年5月3日). “心に適う—明永楽帝の磁器”. theme.npm.edu.tw. 2026年9月21日閲覧。
- ↑ “青玉爵 文化遺産オンライン”. online.bunka.go.jp. 2026年9月21日閲覧。
- ↑ “阎步克:由《三礼图》中的雀杯爵推论“爵名三迁,爵有四形”” (中国語). www.sohu.com. 2026年9月21日閲覧。