眉墨

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眉墨(まゆずみ、黛)は、眉の形を美しく見せるために、眉を書き足すための化粧品。また、その化粧法そのものを指す。化粧品としては、アイブロウ(英: eyebrow、英語発音: [ˈaɪbraʊ])[注釈 1]に相当し、アイメークアップ化粧品の一種である[2]。日本では油煙墨が利用された歴史があることから眉墨と呼ばれ、化粧品公正競争規約施行規則でも「眉墨」である[2]。

眉につけて濃淡を調整するために用いられるが[3]、事前にアイブロウシザーズやアイブロウニッパーズなどで眉の形を整えることも行われる[2]。きれいな形の眉を描くためのテンプレート(定規)も市販されている。

眉墨の種類

ペンシルタイプ、粉末固形状(固形パウダータイプ、プレスドアイブロウ)、クリーム状(アイブロウマスカラ)がある[2][3]。

アイブロウペンシル
鉛筆のような形状で芯を木や樹脂で覆った形状のものと、芯をセットして用いるシャープペンシルのような形状のものがある[2]。比較的ぼかしにくく不自然になってしまう場合があるが、手軽であるため市場シェアが最も高いタイプである[3]。芯の硬さや滑らかさは眉の描きやすさや化粧もちにも影響する[2]。
アイブロウパウダー
粉末固形状のものは固形パウダータイプ(プレスドアイブロウ)ともいい、粉末の顔料などに結合剤を加えて圧縮成形したものでブラシや筆を用いる[2]。粉末固形状のものは、ぼかしやすく自然な仕上がりにしやすい特長があるが、やや化粧持続性が劣るとされる[3]。ノーズシャドウやハイライト等と並べて数色をセットしているものもあり、明度の濃淡により目の周囲に立体感を与えるために使用される[3]。
アイブロウマスカラ
クリーム状の製品がアイブロウマスカラと呼ばれている[3]。マスカラと同じようにブラシで色を付けることができ、染めた髪色と眉の色を合わせるために用いられることも多い[3]。

日本における眉化粧の歴史

平安時代の日本の上流社会では、眉毛を抜いた上で「掃墨」という粉末状の墨で眉を描く風習があり、引眉と呼ばれた。江戸時代には、引眉の風習は既婚女性のものとなった。引眉は近代社会にはふさわしくない奇異な習慣と思われたので、明治3年(1870年)、お歯黒とともに禁止令が出、明治時代にはすたれた。

明治時代から大正時代にかけては、女性の眉はあまり手を加えず自然のままにしておくことが多く、くっきり太い眉が好まれた。1920年代、モガの間では下がり眉が流行していた。

現代になってからは眉の形状にもさまざまな流行が発生し、太い眉が流行する時代もあれば、細い眉が流行する時期もある。好景気では太く、不景気では細くなるといわれる[4]。

1980年代~1990年代前半の日本では太い眉が流行し、眉墨で黒々とした眉を描くことがあった。

1990年代末から2000年代前半頃には、逆に極端な細眉が流行した。(アムラーも参照)眉毛を線状に剃り残し、短く切りそろえてあとは剃ってしまったり、あるいはすべて剃り落してしまった後で、細い眉を描くことも行われた。1990年代前半に登場した眉ラインを作れるテンプレート(トニータナカの製品化など)も定着し、若い男性の間でも、眉を細く整えることが流行した。

2000年代中盤は浜崎あゆみや蛯原友里などの影響もあり眉毛を染めることが流行する[5]。

2010年代、第二次韓流ブームの影響を受けて太眉化が進行[6]。汎用性のある眉毛として平行眉が流行する[7]。

男性

男性の間でも眉を手入れする人もいる。ただし、男性の場合、眉毛を切ったり抜いたりするに留まり、女性のように眉墨で描く加工まではしないことが多い。

日本高野連は2004年、球児らが眉毛を細く剃りすぎることを禁止する通達を出した[8]。

備考

  • より落ちにくい眉を得るために、髪の染色などに用いられるヘナで眉毛を描くこともある。(アートメイクの一種)
  • 画材の鉛筆が眉墨として使用されることもある。[9]

脚注

注釈

  1. ↑ 日本香料工業会「香粧品用香料の用途別特性」では眉墨・アイブローをeyebrow-colorとしている[1]。

出典

  1. ↑ 4.香粧品用香料の用途別特性(554ページ) 日本香料工業会。
  2. 1 2 3 4 5 6 7 アイブロウ 日本化粧品技術者会。
  3. 1 2 3 4 5 6 7 萩野 亮「メイクアップ製品」『日本香粧品学会誌』第43巻第2号、日本香粧品学会、2019年、119-127頁、doi:10.11469/koshohin.43.119。
  4. ↑ 「女性の化粧と景気は連動」? バブル期流行の「太眉」「赤い口紅」再び | 経済 | カナロコ by 神奈川新聞
  5. ↑ 【眉毛で見る平成】1989年~2000年代中盤 | 玉村麻衣子オフィシャルブログ「まゆげの時間」Powered by Ameba
  6. ↑ 【眉毛で見る平成】2010年代前半~現在 | 玉村麻衣子オフィシャルブログ「まゆげの時間」Powered by Ameba
  7. ↑ “メイク難民の女性たちへの指南書が大ヒット 顔の印象は眉が9割、大切なのは「笑顔」”. ENCOUNT. 2023年1月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月27日閲覧。
  8. ↑ 細まゆ禁止通達から5年、甲子園に太まゆ戻る - 2009年3月31日 読売新聞
  9. ↑ エボニー - @cosme

関連項目

外部リンク