コンテンツにスキップ

非線形物理学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

非線形物理学(ひせんけいぶつりがく、英: Nonlinear physics)は、非線形な系を扱う物理学の分野である。カオス理論、ソリトン、格子振動で調和近似の成り立たない場合、線形な方程式では記述できない流体力学分野などがこの学問分野の対象となる。

非線形効果

[編集]

非線形効果とは、一般に、系に外力や電場などを加えたとき、応答が入力に単純に比例せず、非線形な関係を示すことによって生じる現象である。

非線形波動

[編集]

基本的な波動は振幅が十分小さく線形な領域で導出される。しかし振幅が不安定性などにより大きくなってくると小振幅近似が破れて波のブレークなどの非線形性に由来する現象が現れる。そのような非線形効果の無視できない波動を非線形波動と呼ぶ。

非線形波動の代表例は衝撃波である。衝撃波はBurgers方程式で記述される。Burgers方程式では2階微分によって表される散逸効果が非線形効果による波動の成長を抑えるため、安定した衝撃波が形成される。

もう1つの代表例は孤立波である。孤立波はKdV方程式で記述される。KdV方程式では3階微分によって現される波動の分散効果が波動の成長と釣り合うことで、孤立波が形成される。KdV方程式で記述できる孤立波は粒子的な性質も示すことからソリトンとも呼ばれ、独立性や無限個の保存則の存在など顕著な性質を示す。

散逸効果と分散効果は同時に現れることがあるほか、系全体が移流している場合は1階微分で表される移流項も支配方程式に現れることがある。散逸と分散が同時に存在する場合の支配方程式はKdV-Burgers方程式と呼ばれる。

ただし、そもそも偏微分方程式では記述できない非線形波動も存在する。そのような非線形波動に対しては完全非線形理論による解析が行われている[1]。

小振幅な波動は波動方程式のような線形微分方程式で記述することができ、重ね合わせの原理が成り立つため、基本モードへの展開などが可能となる。しかし非線形波動では非線形項の存在によって重ね合わせの原理が簡単には適用できない。

出典

[編集]
  1. ↑ R. Z. Sagdeev (1966). “Cooperative phenomena and shock waves in collisionless plasmas”. Rev. Plasma Phys..

関連項目

[編集]
⌬ Phoenix Mesh CID: 未登録 IPFS未登録 📡 0ピア N=1 CRITICAL PQS B60