054B型フリゲート
| 054B型フリゲート(江凱III型) | |
|---|---|
|
| |
| 基本情報 | |
| 艦種 | フリゲート |
| 建造所 |
滬東中華造船 広州中船黄埔造船 |
| 運用者 |
|
| 建造期間 | 2022年 - 現在 |
| 就役期間 | 2025年 - 現在 |
| 計画数 | 20隻 |
| 建造数 | 2隻就役、1隻建造中 |
| 前級 | 054A型(江凱II型) |
| 次級 | (最新) |
| 要目 | |
| 満載排水量 | 6,000トン |
| 全長 | 150.0 m |
| 最大幅 | 18.0 m |
| 吃水 | 5.0 m |
| 機関 | CODAD方式 |
| 主機 | ディーゼルエンジン×4基 |
| 推進 | スクリュープロペラ×2軸 |
| 兵装 | |
| 搭載機 | Z-20F哨戒ヘリコプター×1機 |
054B型フリゲート(054Bがたフリゲート、英語: Type 054B frigate、中: 054B型导弹护卫舰)は、中国人民解放軍海軍のフリゲートの艦級。NATOコードネームは江凱III型フリゲート[注 1]。
概念実証モデルにあたる054型(江凱I型)と、その成果を反映した量産型である054A型(江凱II型)に続く改良型であり、約20隻が発注されたという報道がある[2]。
来歴
[編集]054A型の大量建造がピークに差し掛かっていた2012年、既に中国では次世代フリゲートの建造計画が進められており、中国船舶重工集団(CSIC)は054A型に似た在来型の案を提出したのに対し、中国船舶工業集団(CSSC)は革新的な三胴船の案を提出した[3]。2012年春には海軍の提案審査が終わり、CSICの在来型の案が採択された[3]。しかし同時期に計画が着手された055型駆逐艦は2015年には起工されたのに対し、この次世代フリゲートの建造はなかなか実現せず、まずは054A型の船体延長型(いわゆる054AL型)が建造されていた[3]。これは055型の技術的成果を判断したものとみられている[4]。
その後、2020年前後から建造が開始されたのが054B型である[4]。
設計
[編集]054B型は054型の系譜ではあるが、054A型と比べても、満載排水量にして5割増と格段に大型であり、同型・同系列の域にとどまらないスケールアップとなっている[5]。055型の技術的成果を反映させて、ステルス性に配慮した統合マストを採用するとともに、閉鎖式の錨甲板も導入されている[6]。この結果、艦首からナックルラインが続くなど、054A型と異なる船体デザインとなった[4]。なお後檣の一体化マストについては、フランスのナバル・グループが手掛けたアミラル・ロナルク級駆逐艦やゴーウィンド型コルベットを参考にしたとの説がある[4]。
機関についてはガスタービンエンジンと電気推進の組み合わせ機関を搭載しているという説もあるが[7]、2024年7月の報道では否定されている[8]。
装備
[編集]054B型では、前檣上に新型のフェイズドアレイレーダーを搭載している[4]。これはイギリスのSAMPSONと同様、2面のフェイズドアレイ・アンテナを背中合わせに配置し、回転させて全周を走査する方式といわれているが、SAMPSONではアンテナをレドームに収容しているのに対し、こちらは平面アンテナが露出している[5]。2020年頃から075型強襲揚陸艦や909A型試験艦「華羅庚」に搭載されていたものとの類似が指摘されている[4]。
VLSは054A型と同じく32セルである[4]。艦対艦ミサイルは、054A型と同じYJ-83のほか、YJ-12の可能性も指摘されている[4]。
一方、艦砲については、054型で搭載された100mm単装砲の信頼性が低く、054A型では76mm単装速射砲に変更されたという経緯があったが、054B型では、命中精度や信頼性などを向上させた改良型の100mm単装砲が搭載された[4]。
航空艤装は、054AL型と同様にZ-20F哨戒ヘリコプターを搭載できるサイズの格納庫を設置するのに加えて、垂直発艦型無人航空機(VTUAV)も運用できるようにヘリコプター甲板を拡張している[4]。
同型艦一覧
[編集]| # | 艦名 | 造船所 | 進水 | 就役 | 配備先 |
|---|---|---|---|---|---|
| 545[9] | 漯河[9] | 滬東中華造船[9] | 2023年 8月26日 |
2025年 1月22日[9][10] |
北海艦隊[9] |
| 555[11] | 欽州[11] | 中船黄埔文沖船舶[12] | 2023年 10月29日 |
2025年 3月 |
南海艦隊[11] |
| 3番艦 | 滬東中華造船[13] | 2026年6月頃 | |||
| 4番艦 | 中船黄埔文沖船舶 | 2026年予定 | |||
| 5番艦 | 滬東中華造船 |
動向
[編集]2026年5月18日午前11時頃、海上自衛隊は、久米島(沖縄県)の北西約520 kmの海域を南進する中国海軍054B型フリゲート1隻(艦番号「545」)および901型補給艦1隻(艦番号「901」)を確認した。防衛省によると、海上自衛隊が警戒監視活動において054B型フリゲートを確認したのはこれが初めて。[14]
同年5月25日、海上自衛隊は、沖ノ鳥島(東京都)の南西約880kmノ海域において航行している中国海軍空母「遼寧」(艦番号「16」)、南昌級駆逐艦(艦番号「104」)、昆明級駆逐艦(艦番号「124」)、054B型フリゲート(艦番号「545」)および901型補給艦(艦番号「901」)の計5隻を確認した。海上自衛隊の第5水上戦隊所属「あさひ」(佐世保)により、警戒監視・情報収集を行った。[15]
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ↑ 12/23[公表]中国海軍艦艇の動向について 防衛省統合幕僚監部(2015年12月23日)2026年5月19日閲覧
- ↑ “中国海軍の次世代フリゲートが海上試験を開始(高橋浩祐) - エキスパート”. Yahoo!ニュース. 2025年1月6日閲覧。
- 1 2 3 陸 2021.
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 海人社 2024, pp. 34–36.
- 1 2 井上 2024.
- ↑ 海人社 2024b, p. 36.
- ↑ 国平视野 2023.
- ↑ 国平视野 2024.
- 1 2 3 4 5 “中国054B型フリゲイトの1番艦が就役”. 世界の艦船 (2025年2月22日). 2025年3月9日閲覧。
- ↑ Storm.mg (2025年1月22日). “解放軍新利器入列:首艘054B型「漯河」艦正式服役,5000噸升級排水量讓火力更上層樓-風傳媒” (中国語). www.storm.mg. 2025年1月22日閲覧。
- 1 2 3 “陸艦艇「新青年」報到!陸海軍054B型護衛艦欽州艦 南海實戰演練”. udn.com (2025年5月4日). 2025年6月30日閲覧。
- ↑ 福吉 2025.
- ↑ Ridzwan Rahmat (2026年1月21日). “Satellite image shows China's third Type 054B under construction” (英語). Janes. 2026年1月22日閲覧。
- ↑ “中国海軍艦艇の動向について(統合幕僚監部)” (PDF). 防衛省・自衛隊. 2026年5月19日閲覧。
- ↑ “中国海軍艦艇の動向について(統合幕僚監部)” (PDF). 防衛省・自衛隊 (2026年5月26日). 2026年5月26日閲覧。
参考文献
[編集]- 井上孝司「中国海軍の新鋭艦 (中国海軍発達史)」『世界の艦船』第1012号、海人社、146-153頁、2024年2月。CRID 1520580561494103040。
- 海人社 編「中国海軍発達史」『世界の艦船』第1012号、海人社、2024年2月。CRID 1520580561494103040。
- 海人社 編「写真特集 日中主要艦艇ラインナップ」『世界の艦船』第1017号、海人社、21-47頁、2024年5月。CRID 1520863102294000768。
- 国平视野「054B型护卫舰:采用双面盾柴燃动力、全电推进系统,战力有大提升」『腾讯新闻』、テンセント、2023年6月4日。
- 国平视野「054B型护卫舰:反舰导弹仍是鹰击-83,直-20F上舰反潜性能获提升」『腾讯新闻』、テンセント、2024年7月2日。
- 福吉昌治「世界の陸海空最新兵器」『丸』第950号、潮書房光人社、2025年6月、184-185頁。
- 陸易「054A改型(30FFMとそのライバルたち)」『世界の艦船』第941号、海人社、100-103頁、2021年2月。