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1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.167.773 ウィキデータを編集
EC番号
  • 640-119-0
Gmelin参照 24075
UNII
性質
C34H28FeP2
モル質量 554.391
融点 181 ~ 183 ℃
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
Toxic
GHS表示:
急性毒性(低毒性)経口・吸飲による有害性
Warning
H302, H312, H315, H319, H332
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(1,1'-Bis(diphenylphosphino)ferrocene、DPPF)は有機リン化合物のひとつで、フェロセン骨格上に2個のホスフィン部位を持っている。1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン (DPPM) および 1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (DPPE) 、BINAP のような他の架橋ジフェニルホスフィンと同様、均一系触媒反応において遷移金属触媒の二座配位子として用いられる。市販品が入手可能である。

合成

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本化合物は市販されているが、ジリチオフェロセンをクロロジフェニルホスフィンで処理することで合成できる。[1]

Fe(C5H4Li)2 + 2 ClPPh2 → Fe(C5H4PPh2)2 + 2 LiCl

フェロセンのジリチオ化は、TMEDAの存在下でn-ブチルリチウムを用いることで容易に行える。この方法で多くの関連配位子を合成可能である。通常、中心の鉄原子は配位子の挙動には関与しない。

反応

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dppfは容易に金属錯体を形成する。[2] パラジウム触媒カップリング反応によく用いられるパラジウム誘導体 (dppf)PdCl2 は、dppfを塩化パラジウム(II)のアセトニトリル付加体またはベンゾニトリル付加体と反応させることで調製される。[2] dppfのフェニル基を置換すると、リン原子上のドナー・アクセプター特性が変化した誘導体が得られる。[3]

dppf + PdCl2(RCN)2 → (dppf)PdCl2 + 2 RCN (RCN = アセトニトリル または ベンゾニトリル)
錯体 PtCl2(dppf) の構造

均一系触媒におけるdppfの別の例として、空気や湿気に対して安定なNi(II)前駆体触媒 [(dppf)Ni(cinnamyl)Cl] が挙げられる。これは、ヘテロアリールボロン酸と、窒素または硫黄を含むヘテロアリールハロゲン化物との間の鈴木・宮浦クロスカップリング反応を促進する。[4]

[(dppf)Ni(cinnamyl)Cl] の合成]

dppfを基盤とする別の触媒として (dppf)Ni(o-tolyl)Cl があり、これは (PPh3)2Ni(o-tolyl)Cl との配位子交換反応によって調製できる。本化合物は、アリールクロリド、スルファメート、メシラート、およびトリフラートのアミノ化を促進する。[5]

(dppf)Ni(o-tolyl)Clの合成

脚注

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  1. ↑ Ian R. Butler (2010). “3.15 The Use of Organolithium Reagents in the Preparation of Ferrocene Derivatives”. In J. Derek Woollins. Inorganic Experiments. John Wiley & Sons. pp. 175–179. ISBN 978-3-527-32472-9
  2. 1 2 Nataro, Chip; Fosbenner, Stephanie M. (2009). “Synthesis and Characterization of Transition-Metal Complexes Containing 1,1′-Bis(diphenylphosphino)ferrocene”. J. Chem. Educ. 86 (12): 1412. Bibcode:2009JChEd..86.1412N. doi:10.1021/ed086p1412.
  3. ↑ Dey, Subhayan; Pietschnig, Rudolf (2021). “Chemistry of sterically demanding dppf-analogs”. Coord. Chem. Rev. 437. doi:10.1016/j.ccr.2021.213850.
  4. ↑ Ge, Shaozhong; Hartwig, John F. (2012-12-14). “Highly Reactive, Single-Component Nickel Catalyst Precursor for Suzuki–Miyuara Cross-Coupling of Heteroaryl Boronic Acids with Heteroaryl Halides” (英語). Angewandte Chemie International Edition 51 (51): 12837–12841. doi:10.1002/anie.201207428. PMC 3613336. PMID 23136047.
  5. ↑ Park, Nathaniel H.; Teverovskiy, Georgiy; Buchwald, Stephen L. (2014-01-03). “Development of an Air-Stable Nickel Precatalyst for the Amination of Aryl Chlorides, Sulfamates, Mesylates, and Triflates”. Organic Letters 16 (1): 220–223. doi:10.1021/ol403209k. PMC 3926134. PMID 24283652.

関連項目

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