15歳の志願兵
| 終戦特集ドラマ 15歳の志願兵 | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原案 |
江藤千秋 『積乱雲の彼方に 愛知一中予科練総決起事件の記録』 |
| 作 | 大森寿美男 |
| 演出 | 川野秀昭 |
| 監修 |
天野隆子(時代風俗) 小島範子(名古屋ことば) |
| 出演者 |
池松壮亮 高橋克典 太賀 鈴木砂羽 福士誠治 平田満 佐戸井けん太 近藤芳正 夏川結衣 竜雷太 |
| 音楽 | 梶浦由記 |
| 国・地域 |
|
| 言語 | 日本語 |
| 製作 | |
| 制作統括 | 磯智明 |
| 撮影地 |
常滑市 豊橋市 東近江市 高島市 豊郷町 日野町 博物館明治村 滋賀県立高島高等学校 |
| 制作 | NHK名古屋放送局 |
| 放送 | |
| 放送チャンネル | NHK総合 |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 2010年8月15日 |
| 放送時間 | 日曜 21:00 - 22:13 |
| 放送枠 | NHKスペシャル |
| 放送分 | 73分 |
| 回数 | 1 |
| 公式ウェブサイト | |
『15歳の志願兵』(じゅうごさいのしがんへい)は、NHK名古屋放送局の制作により「終戦特集ドラマ」としてNHK総合テレビの「NHKスペシャル」で2010年8月15日の21時から22時13分(JST)に放送されたスペシャルドラマである。太平洋戦争末期、旧制愛知一中(現在の愛知県立旭丘高等学校)で実際に起きた『愛知一中予科練総決起事件』に基づいて描いており、原案は江藤千秋の『積乱雲の彼方に - 愛知一中予科練総決起事件の記録』[1]。主演は池松壮亮[2]。
キャッチコピーは『友だちがいた。夢があった。でも、戦争があった。』 [3]。
概要
[編集]愛知県の名門旧制中学校、旧制愛知県第一中学校で起きた「予科練総決起事件」の実話を基に、戦争に飲み込まれていく少年たちの青春と、少年たちを戦場へ送り出さざるを得なかった教師や親たちの苦悩と葛藤を描く[2]。
NHKスペシャル、終戦特集ドラマは、2007年の『鬼太郎が見た玉砕 〜水木しげるの戦争〜』から毎年放送され、本作が4弾目となる。製作はNHK名古屋放送局[4]。
本作で主人公を演じた池松壮亮と太賀(現・仲野太賀)は、16年後の2026年にNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で主人公の豊臣兄弟を演じ、同年8月9日にNHK総合にて本作が再放送された[5]。
愛知一中予科練総決起事件
[編集]1943年(昭和18年)、戦況が悪化する中、県下一の進学校で政財界や学者への登竜門だった愛知一中は、海軍当局が指示した47名の割り当てに対し志願者は13名と海軍飛行予科練習生に志願する生徒が少ないという状況にあった[6][7]。7月5日、配属将校が予科練習生への志願を促す時局講演会が行われ、700人余りの生徒が総決起し、翌日の新聞にはこの事が「愛知一中の快挙」と報じられた[7]。その後、この報道を見た卒業生で海軍兵学校に在学中だった成瀬謙治(1945年に回天特別攻撃隊として戦没)から生徒たちに再考させるよう校長宛てに手紙が届き[7]、家族からの説得を受けた者や身体検査で失格となった者を含め大半の生徒たちが志願を取り下げたが、56名の生徒が入隊し5名が戦没[8]。原案著者の江藤千秋も本作の主人公と同じように愛知一中の卒業生で予科練習生に志願したが視力不足で試験に落ちており、この「総決起事件」に遭遇した当事者である。戦後、教師となり母校に赴任した江原は、どうしてこのような事件が起きたのか記録しようと当時の日記や資料、教師、旧友、遺族からの証言を集め、本作の原案を書き上げた[4]。
あらすじ
[編集]太平洋戦争末期、エリートと呼ばれる愛知一中の生徒たちは戦局を冷静に見つめていた。三年生の藤山正美もその一人で、親友の笠井光男とともに端艇部に所属し放課後は文学を語らい、何よりも友人と過ごす時間を大切にしていた。戦局が悪くなる中、大本営発表に疑いの目を向ける生徒も多く、軍事教練や勤労動員に時間を割かれても勉学こそが自分たちの使命だと考えていた。そんななかで、海軍は兵士不足により15歳以上を対象とした飛行予科練習生の志願者を各学校に割り当て、愛知一中からも47名の志願者を出さなくてはならなくなる。当初は僅かな人数しか志願者が集まらず、その状況に危機感を感じた学校は、同校に配属されていた将校、坂町の提案で時局講演会を行う。講演会では坂町や実際に戦地で戦った教師による演説に扇動され、戦争に対する冷ややかな空気は一変。生徒たちはその熱量に飲み込まれ、先に志願を決意した五年生を中心に生徒たちよる決起集会が行われ、全校生徒700人が戦争に行くことを志願する。子どもたちを戦地に送り出す事に反対する教師や親もいるなかで、甲飛生に志願する決意を強く固めたのは戦局を常に冷静に見ていたはずの笠井だった。友人たちを裏切ることができない正美も両親の説得を押し切り志願するが、採用試験で行われた身体検査で引っかかり不合格となる。決起集会では空気に飲み込まれ生徒全員が志願したが、正美と同様に身体検査で不合格となった者や、家業や家族の説得で志願を取り下げた者が続出し、最終的に入隊した生徒は笠井を含めた16人だった。正美は後ろめたさから笠井と距離を置くようになり、口を利くこともできないまま笠井の出征の日を迎える。それから2年足らずで終戦を迎え、工業専門学生(工業大学生)となった正美は笠井の自宅を訪れ、笠井の母から戦争で亡くなった笠井が残した日記を渡される。そこには生前、笠井が口に出すことが出来なかった本心や正美や母に対する想いが綴られていた。
登場人物
[編集]- 藤山正美〈15〉
- 演 - 池松壮亮
- 愛知一中の三年生で端艇部に所属している学力優秀な少年。近眼で視力が悪いため普段から眼鏡をかけている。勉学こそが自分たちの使命だと考え、戦争に対し関心を持っていなかったが純粋であるが故に周りの空気に飲み込まれ予科練習生に志願する。
- 藤山順一〈45〉
- 演 - 高橋克典
- 正美の父。愛知一中の英語教師。生徒を戦場に送ることには消極的で、本心では一人息子の正美を予科練に行かせたく無いと思っているが教師という立場上それを口にすることができない。
- 笠井光男〈15〉
- 演 - 太賀
- 愛知一中の三年生。正美の親友。文学を愛し将来は作家になることを夢みていた。敵を知る上でも勉学に勤しむべきだと戦争を冷ややかに見つめる一方で、軍人ある父や兄たちが個人の命を捨て国のために戦場で戦っているという現実に追い詰められていき、全ての夢を捨て予科練習生に志願する。
- 藤山明子〈39〉
- 演 - 鈴木砂羽
- 正美の母。息子の正美が愛知一中の生徒であることを誇りに思っており、予科練習生志願に反対する。
- 坂町孝之助〈26〉
- 演 - 福士誠治
- 愛知一中の配属将校で卒業生。時局講演会で学力優秀な愛知一中生に対して国家のために個人の学識を捨てるべきだと殉国の精神を訴え生徒たちに影響を与える。
- 笹塚清志〈42〉
- 演 - 平田満
- 愛知一中の体錬教師。自身がノモンハン事変で戦った経験があり、愛知一中の生徒たちも国のために戦場に行くべきという思いを訴える。
- 山村登美〈39〉
- 演 - 夏川結衣
- 光男の母。光男を立派な軍人に育て上げることを誇りと考えている。学校にもあまり通えない貧しい家系で育ち、将校である光男の父とは身分の違いから結婚が許されなかった。二人の間に生まれた光男だけが息子と認知され、血のつながらない光男の兄たちと共に育て上げた。
- 村田宗憲〈62〉
- 演 - 竜雷太
- 愛知一中の校長。息子3人を戦場に送りだしており、国のために一中生も軍人として戦場に行くべきだと考えている。
- 滑川元〈47〉
- 演- 佐戸井けん太
- 愛知一中の修身教師。常に国の時勢に従順な姿勢を見せている。
- 永沢敏治〈50〉
- 演 - 近藤芳正
- 愛知一中の歴史教師。学校が生徒たちに予科練習生志願させようとする空気を作り出していることに対して疑問を持っている。
- 北林誠一の母
- 演 - 濱田マリ
- 順一が受け持つクラスの生徒の母。一人息子の志願を取り消すようにと藤山家にやってくる。
- 木崎忠男
- 演 - 木咲直人
- 愛知一中の5年生で、順一が受け持つクラスの生徒で、正美と光男が所属する端艇部の先輩。指導班の副委員長。
- 佐々木一紀
- 演 - 吉田雄樹
- 愛知一中の5年生で、順一が受け持つクラスの生徒。指導班の委員長。
スタッフ
[編集]受賞
[編集]脚注
[編集]- ↑ “15歳の志願兵:「Nスペ」枠で終戦記念日に放送 池松壮亮が人生初の丸刈り頭で主人公を熱演”. MANTANWEB. MANTAN. 2010年6月24日. 2019年4月8日閲覧.
- 1 2 “NHKスペシャル 終戦特集ドラマ「15歳の志願兵」制作発表”. NHK (2010年6月18日). 2010年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月30日閲覧。
- 1 2 3 4 “NHKスペシャル 15歳の志願兵”. NHK. 2012年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月30日閲覧。
- 1 2 “みどころ”. NHKスペシャル 15歳の志願兵. 2010年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年6月29日閲覧。
- ↑ “「豊臣兄弟!」池松壮亮×仲野太賀が熱演!戦争に散った友情を描く「15歳の志願兵」”. NHK. 2026年7月14日. 2026年8月10日閲覧.
- ↑ “旧制愛知一中(愛知県第一中学校)│予習コーナー”. NHK. 2010年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月30日閲覧。
- 1 2 3 “成瀬謙治少年とその時代を考える”. 戦争展のホームページ. 2018年9月30日閲覧。
- ↑ “「天野鎮雄が読む・"愛知一中予科練総決起事件" 嵐のあとに ~ある少年と家族の記録~」 朗読台本を構成して”. ピースあいち. 2018年9月30日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]| NHK総合 NHKスペシャル終戦特集ドラマ | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
気骨の判決
(2009年) |
15歳の志願兵
(2010年) |
真珠湾からの帰還
(2011年) |