コンテンツにスキップ

1963年のワールドシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1963年のワールドシリーズ

ドジャー・スタジアムで並び立つ両チームの左腕エース、ドジャースのサンディー・コーファックス(右)とヤンキースのホワイティー・フォード
チーム 勝数
ロサンゼルス・ドジャース(NL) 4
ニューヨーク・ヤンキース(AL) 0
シリーズ情報
試合日程 10月2日–6日
観客動員 4試合合計:24万7279人
1試合平均:06万1820人
MVP サンディー・コーファックス(LAD)
殿堂表彰者 ウォルター・オルストン(LAD監督)
レオ・ドローチャー(LADコーチ)
ドン・ドライスデール(LAD投手)
サンディー・コーファックス(LAD投手)
ヨギ・ベラ(NYY捕手)
ホワイティー・フォード(NYY投手)
ミッキー・マントル(NYY外野手)
チーム情報
ロサンゼルス・ドジャース(LAD)
シリーズ出場 4年ぶり11回目
GM バジー・バベシ
監督 ウォルター・オルストン
シーズン成績 099勝63敗・勝率.611
分配金 選手1人あたり1万2794.00ドル[1]

ニューヨーク・ヤンキース(NYY)
シリーズ出場 4年連続28回目
GM ロイ・ヘイミー
監督 ラルフ・ハウク
シーズン成績 104勝57敗・勝率.646
分配金 選手1人あたり1万7874.32ドル[1]
全米テレビ中継
放送局 NBC
実況 メル・アレン
ビン・スカリー
ワールドシリーズ
 < 1962 1964 > 

1963年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第60回ワールドシリーズ(英語: 60th World Series)は、10月2日から6日にかけて計4試合が開催された。その結果、ロサンゼルス・ドジャース(ナショナルリーグ)がニューヨーク・ヤンキース(アメリカンリーグ)を4勝0敗で下し、4年ぶり3回目の優勝を果たした。

両球団の対戦は1956年以来7年ぶり8度目で歴代最多となった。2026年現在も、8度以上の対戦があるカードはヤンキース対ドジャース以外に存在しない。ただ、ドジャースが本拠地都市をニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区からカリフォルニア州ロサンゼルスに移してからは、今回が初めての対戦である。その結果として今シリーズは、アメリカ合衆国の2大都市圏それぞれを本拠地とするチームどうしが優勝決定戦で対戦する、北米4大プロスポーツリーグ史上初の事例となった[2][注 1]。試合内容はドジャースの圧勝で、相手に1イニングもリードを許さないままの優勝というシリーズ史上初の記録を達成した[3]。シリーズMVPには、第1戦と第4戦ともに完投勝利を挙げるなど、2試合18.0イニングで2勝0敗・防御率1.50という成績を残したドジャースのサンディー・コーファックスが選出された。

試合結果

[編集]

1963年のワールドシリーズは10月2日に開幕し、途中に移動日を挟んで5日間で4試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付試合ビジター球団(先攻)スコアホーム球団(後攻)開催球場
10月2日(水)第1戦ロサンゼルス・ドジャース5-2ニューヨーク・ヤンキースヤンキー・スタジアム
10月3日(木)第2戦ロサンゼルス・ドジャース4-1ニューヨーク・ヤンキース
10月4日(金)移動日
10月5日(土)第3戦ニューヨーク・ヤンキース0-1ロサンゼルス・ドジャースドジャー・スタジアム
10月6日(日)第4戦ニューヨーク・ヤンキース1-2ロサンゼルス・ドジャース
優勝:ロサンゼルス・ドジャース(4勝0敗 / 4年ぶり3度目)

第1戦 10月2日

[編集]
映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
9回裏、ドジャース先発投手サンディー・コーファックスが代打ハリー・ブライトを空振り三振に仕留めて試合終了、完投勝利を挙げる(1分2秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ロサンゼルス・ドジャース 0 4 1 0 0 0 0 0 0 5 9 0
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2 6 0
  1. 勝利:サンディー・コーファックス(1勝)  
  2. 敗戦:ホワイティー・フォード(1敗)  
  3. 本塁打
    LAD:ジョン・ローズボロ1号3ラン
    NYY:トム・トレッシュ1号2ラン
  4. 審判
    [球審]ジョー・パパレラ(AL)
    [塁審]一塁: トム・ゴーマン(NL)、二塁: ラリー・ナップ(AL)、三塁: シャグ・クロフォード(NL)
    [外審]左翼: トニー・ベンゾン(NL)、右翼: ジョン・ライス(AL)
  5. 試合時間: 2時間9分 観客: 6万9000人
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ロサンゼルス・ドジャースニューヨーク・ヤンキース
打順守備選手打席 打順守備選手打席
1遊M・ウィルス両1遊T・クーベック左
2三J・ギリアム両2二B・リチャードソン右
3中W・デービス左3左T・トレッシュ両
4左T・デービス右4中M・マントル両
5右F・ハワード右5右R・マリス右
6一B・スコウロン右6捕E・ハワード右
7二D・トレズースキー右7一J・ペピトーン左
8捕J・ローズボロ左8三C・ボイヤー右
9投S・コーファックス右9投W・フォード左
先発投手投球先発投手投球
S・コーファックス左W・フォード左

ドジャースは2回、一死からフランク・ハワードが中堅フェンス直撃の二塁打で出塁し、続くビル・スコウロンの中前打でハワードが生還して先制。なおもディック・トレズースキーが中前打で続き無死一・二塁とすると、ジョン・ローズボロが右翼への3点本塁打を放ち4-0、さらに続く3回にもスコウロンの適時打で5点差とする。一方のヤンキースは、サンディー・コーファックスの前に立ち上がりから5者連続三振を喫するなど、5回二死まで1人も走者を出せなかった。そこからエルストン・ハワード、ジョー・ペピトーン、クリート・ボイヤーの3連打で満塁とするも、ホワイティー・フォードの代打で出たヘクター・ロペスが三振に倒れ、得点できず。その後も三振の山を築いたコーファックスは8回にトム・トレッシュの2点本塁打で完封こそ逃すが、最後は代打ハリー・ブライトからシリーズ記録(当時)の15個目の三振を奪い完投。ドジャースが先勝した。

第2戦 10月3日

[編集]
映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
ドジャース4番トミー・デービスが3回表と8回表、それぞれ三塁打を放つ。1本目に対する守備でヤンキース右翼手ロジャー・マリスがフェンスにぶつかり、左腕を負傷(59秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ロサンゼルス・ドジャース 2 0 0 1 0 0 0 1 0 4 10 1
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 7 0
  1. 勝利:ジョニー・ポドレス(1勝)  
  2. セーブ:ロン・ペラノスキー(1S)[注 2]  
  3. 敗戦:アル・ダウニング(1敗)  
  4. 本塁打
    LAD:ビル・スコウロン1号ソロ
  5. 審判
    [球審]トム・ゴーマン(NL)
    [塁審]一塁: ラリー・ナップ(AL)、二塁: シャグ・クロフォード(NL)、三塁: ジョー・パパレラ(AL)
    [外審]左翼: トニー・ベンゾン(NL)、右翼: ジョン・ライス(AL)
  6. 試合時間: 2時間13分 観客: 6万6455人
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ロサンゼルス・ドジャースニューヨーク・ヤンキース
打順守備選手打席 打順守備選手打席
1遊M・ウィルス両1遊T・クーベック左
2三J・ギリアム両2二B・リチャードソン右
3中W・デービス左3左T・トレッシュ両
4左T・デービス右4中M・マントル両
5右F・ハワード右5右R・マリス右
6一B・スコウロン右6捕E・ハワード右
7二D・トレズースキー右7一J・ペピトーン左
8捕J・ローズボロ左8三C・ボイヤー右
9投J・ポドレス左9投A・ダウニング右
先発投手投球先発投手投球
J・ポドレス左A・ダウニング左

ドジャースが初回に、モーリー・ウィルスとジム・ギリアムの連打で無死二・三塁とすると、続くウィリー・デービスの打球は右翼方向へ飛ぶ。ここで右翼手ロジャー・マリスが転倒、頭上を越される二塁打となって、先制の2点がドジャースに入った。マリスはさらに3回の守備でフェンスに激突し、その際に左腕を負傷し試合途中で交代した。ドジャースは4回にビル・スコウロンのソロ本塁打で1点を追加すると、8回にはトミー・デービスの三塁打で4点差とする。ヤンキースは9回、完封目前のジョニー・ポドレスからヘクター・ロペスがエンタイトル二塁打を放ち、ポドレスを降板に追い込むと、代わったロン・ペラノスキーからエルストン・ハワードの適時打で1点を返す。しかしペラノスキーが後続を抑えて試合を締め、ドジャースが敵地で連勝を果たした。

第3戦 10月5日

[編集]
映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
9回裏、ドジャース先発投手ドン・ドライスデールがジョー・ペピトーンを右飛に打ち取り試合終了、完投勝利を挙げる(39秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 0
ロサンゼルス・ドジャース 1 0 0 0 0 0 0 0 X 1 4 1
  1. 勝利:ドン・ドライスデール(1勝)  
  2. 敗戦:ジム・バウトン(1敗)  
  3. 審判
    [球審]ラリー・ナップ(AL)
    [塁審]一塁: シャグ・クロフォード(NL)、二塁: ジョー・パパレラ(AL)、三塁: トム・ゴーマン(NL)
    [外審]左翼: ジョン・ライス(AL)、右翼: トニー・ベンゾン(NL)
  4. 試合時間: 2時間5分 観客: 5万5912人
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキースロサンゼルス・ドジャース
打順守備選手打席 打順守備選手打席
1遊T・クーベック左1遊M・ウィルス両
2二B・リチャードソン右2三J・ギリアム両
3左T・トレッシュ両3中W・デービス左
4中M・マントル両4左T・デービス右
5一J・ペピトーン左5右R・フェアリー左
6捕E・ハワード右6一B・スコウロン右
7右J・ブランチャード左7捕J・ローズボロ左
8三C・ボイヤー右8二D・トレズースキー右
9投J・バウトン右9投D・ドライスデール右
先発投手投球先発投手投球
J・バウトン右D・ドライスデール右

ドジャー・スタジアムでのシリーズ開催は初めて。ドジャースは初回、ジム・ギリアムが四球で出塁してジム・バウトンの暴投で二塁へ進むと、トミー・デービスの打球を二塁手ボビー・リチャードソンがはじく間にギリアムが生還し先制。ヤンキースは直後の2回に二死満塁の好機を逃し、続く3回には相手失策で出塁のトニー・クーベックが牽制でアウトになると、その後はロジャー・マリスを負傷で欠いた打線がドン・ドライスデールの前に散発3安打と封じられて完封負け。ドジャースが3連勝で優勝に王手をかけた。

第4戦 10月6日

[編集]
映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
ドジャースが7回裏にウィリー・デービスの犠飛で1点を勝ち越し、先発投手サンディー・コーファックスの完投勝利で優勝を決める(28秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 6 1
ロサンゼルス・ドジャース 0 0 0 0 1 0 1 0 X 2 2 1
  1. 勝利:サンディー・コーファックス(2勝)  
  2. 敗戦:ホワイティー・フォード(2敗)  
  3. 本塁打
    NYY:ミッキー・マントル1号ソロ
    LAD:フランク・ハワード1号ソロ
  4. 審判
    [球審]シャグ・クロフォード(NL)
    [塁審]一塁: ジョー・パパレラ(AL)、二塁: トム・ゴーマン(NL)、三塁: ラリー・ナップ(AL)
    [外審]左翼: ジョン・ライス(AL)、右翼: トニー・ベンゾン(NL)
  5. 試合時間: 1時間50分 観客: 5万5912人
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキースロサンゼルス・ドジャース
打順守備選手打席 打順守備選手打席
1遊T・クーベック左1遊M・ウィルス両
2二B・リチャードソン右2三J・ギリアム両
3左T・トレッシュ両3中W・デービス左
4中M・マントル両4左T・デービス右
5捕E・ハワード右5右F・ハワード右
6右H・ロペス右6一B・スコウロン右
7一J・ペピトーン左7捕J・ローズボロ左
8三C・ボイヤー右8二D・トレズースキー右
9投W・フォード左9投S・コーファックス右
先発投手投球先発投手投球
W・フォード左S・コーファックス左

この試合は第1戦に続き、サンディー・コーファックスとホワイティー・フォードが先発。5回にドジャースがフランク・ハワードのソロ本塁打で先制する。しかしヤンキースは7回、ミッキー・マントルのソロ本塁打で同点に追いついた。その裏、ジム・ギリアムの打球をさばいた三塁手クリート・ボイヤーの送球を一塁手ジョー・ペピトーンが後逸し、ドジャースは無死三塁とする。続くウィリー・デービスは犠牲フライを放ってギリアムを生還させ、ドジャースが1点を勝ち越した。追い込まれたヤンキースは9回、ボビー・リチャードソンの安打と相手の野手選択で二死一・二塁とするが、最後はコーファックスがヘクター・ロペスを遊ゴロに打ち取り1点差を守りきった。ドジャースは4連勝で3度目のワールドシリーズ制覇を決めた。

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ↑ 1960年代初頭にロサンゼルス都市圏がシカゴ都市圏を抜いて2位となった(都市圏の定義はいずれもMSA)。なお、ロサンゼルス市がシカゴ市を抜いて2位となるのは20年後の1980年代初頭である。
  2. ↑ MLBにおいてセーブが公式記録となったのは1969年のことである。そのため、今シリーズでのセーブは参考記録である。

出典

[編集]
  1. 1 2 "World Series Gate Receipts," Baseball Almanac. 2018年12月22日閲覧。
  2. ↑ Neil Paine, "A Brief History of N.Y. vs. LA Championship Battles," FiveThirtyEight, June 2, 2014. 2018年12月22日閲覧。
  3. ↑ Chris Jaffe, "The 10 worst postseason sweeps ever," The Hardball Times, October 22, 2012. 2019年9月22日閲覧。

外部リンク

[編集]
⌬ Phoenix Mesh CID: bafybeid5fy26p62hwex… ⏳ 自動起動中… 📡 0ピア ⚡ 0シーダー PQS A87
🔗 IPFS検証 ⚡ Nostr