1968年国際人権会議
| 国際人権会議 | |
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会議最終報告書の表紙 | |
| 開催国 |
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| 日程 | 1968年4月22日 - 5月13日 |
| 参加者 | 84カ国 |
1968年国際人権会議(英語: International Conference on Human Rights)は、1968年4月22日から5月13日まで、イランのテヘランで開催された国際連合による人権会議である。世界人権宣言の採択20周年を記念して開催され、人権の普遍性の再確認および、当時の冷戦構造や脱植民地化の流れを反映した人権概念の再定義が行われた[1]。本会議の成果として「テヘラン宣言 (1968年)」が採択された。
背景
[編集]国際人権年としての開催
[編集]1961年、国際連合総会は決議1961 (XVIII) を採択し、世界人権宣言の採択20周年を記念して1968年を「世界人権年」に指定した[2]。これに基づき、1965年の決議2081(XX) により、1968年にテヘランで国際会議を開催することが決定した[3]。
会議の目的は、(a)世界人権宣言採択後の人権分野における進展の検討、(b)国連による人権手法(特に人種差別やアパルトヘイトの撤廃)の有効性の評価、(c)世界人権年以降に講じるべきさらなる措置の策定であった[1]。
歴史的文脈と脱植民地化
[編集]1948年の世界人権宣言採択時と比較し、1960年代にはアフリカ、アジア、中東における脱植民地化が急速に進展し、国連内の勢力均衡が大きく変化していた。新たに独立した国家群は、西側諸国が重視する政治的自由よりも、経済的依存や貧困の解消といった「経済的・社会的権利」を優先すべきであると主張した[4]。
会議の展開
[編集]会議には84の国家、4つの地域組織、57の非政府組織 (NGO) が参加した[1]。
陣営間の対立
[編集]会議では、人権の定義をめぐって深刻な対立が見られた。
- 西側諸国 (WEOG):自由権(市民的および政治的権利)を重視し、国連人権委員会の構造改革や、監視機能を強化するための「国連人権高等弁務官」の設置を提案した[5]。
- アフリカ・アジア諸国およびソ連圏:経済的・社会的権利および民族自決権を優先した。特に、当時のホスト国であったイランのモハンマド・レザ・パフラヴィ国王は、「経済的民主主義のない政治的民主主義は真の意味を持たない」と主張し、国家主導の近代化と経済発展を優先する姿勢を示した[4]。
ソ連圏は、人権システムの拡大が国家の内部干渉につながることを警戒し、西側が提案した高等弁務官の設置に強く反対した[5]。
合意形成とテヘラン宣言
[編集]議論は平行線を辿ったが、最終的に「経済的・社会的発展は、市民的・政治的権利を実現するための前提条件である」とする視点が導入された。これにより、1968年5月13日に「テヘラン宣言 (1968年)」が全会一致で採択された。
評価と影響
[編集]本会議は、結果として世界人権宣言の内容の半分以下しかカバーできず、一部では権利を制限する方向に働いたため、成功とは見なされていない側面がある[4]。また、その後の1993年世界人権会議(ウィーン)の影に隠れ、歴史的な注目度は低い。
しかし、歴史的な意義として、かつて植民地であった国家群が国際舞台に登場し、西欧中心的な人権概念に対し、経済発展や国家主権の観点から独自に主張を展開した初めての機会となった点が挙げられる[4]。また、政府中心のアプローチに限界を感じたNGOたちが、後にパリで独自の戦略会議を開くきっかけとなり、人権擁護におけるNGOの役割を高める結果となった。
脚注
[編集]- 1 2 3 United Nations. “International Conference on Human Rights, 1968” (英語). United Nations. 2026年6月15日閲覧。
- ↑ “Document Viewer”. docs.un.org. 2026年6月15日閲覧。
- ↑ “From Teheran to Vienna: a timeline” (英語). OHCHR. 2026年6月15日閲覧。
- 1 2 3 4 Burke, Roland (2008). “From Individual Rights to National Development: The First UN International Conference on Human Rights, Tehran, 1968”. Journal of World History 19 (3): 277. ISSN 1045-6007. JSTOR 40542616.
- 1 2 Thompson, Andrew S. (2015-01-02). “Tehran 1968 and Reform of the UN Human Rights System”. Journal of Human Rights 14 (1): 85. doi:10.1080/14754835.2014.987739. ISSN 1475-4835.