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1993年の全日本F3000選手権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1993年の全日本F3000選手権
前年: 1992 翌年: 1994
1993年の全日本F3000選手権において3度目のドライバーズタイトルを獲得した星野一義

1993年の全日本F3000選手権は、1993年(平成5年)3月20日 - 21日に鈴鹿サーキットで開幕し、同年11月13日 - 14日に鈴鹿サーキットで閉幕した全11戦によるシリーズである。

シリーズチャンピオンは星野一義(NISSEKI IMPUL)が獲得した[1]。

1993年シーズン

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シーズン開幕前、ムーンクラフト/GARAGE COXが本シーズンに向けて宮坂宏がチーフデザイナーのF3000用シャシー「MC-060EL」を開発。服部尚貴によるテスト走行で好タイムを記録した模様が複数報じられていたが、実戦では日の目を見なかった[2]。由良拓也は「他のコンストラクターより2秒速かったら実戦投入するつもりだったけど少し足りなかった」点と、投入するための資金不足を理由に挙げている[3]。

前年、エンジニア不在問題などで不振に陥った星野一義[4]は、そのムーンクラフトから宮坂宏をチーフ・エンジニアとして招聘した。加えて、ニスモからの技術支援もあって復活。エディ・アーバイン、ロス・チーバーを破り、1990年以来の全日本F3000チャンピオンを獲得した。

無限・MF308エンジンをベースに、ホンダのF1技術者が加わって開発された「無限ホンダ」エンジン(エンジン名はMF308のまま)が、第6戦菅生からノバのハインツ=ハラルド・フレンツェン車に搭載。第7戦富士からマウロ・マルティニ車にも搭載された。濃霧のため決勝レースが中止となった第7戦富士でマルティニが、第8戦富士でフレンツェンがそれぞれポールポジションを獲得した。

国際F3000トップランカーとして活躍し、前年後半にマーチのシートを得てF1に参戦していたエマニュエル・ナスペッティが今季の童夢のレギュラードライバーに起用されたが、日本への順応に苦労し、第4戦鈴鹿をもって全日本F3000の参戦を終了してF1ジョーダンのテスト・ドライバーに転出。その後、第14戦ポルトガルGPに出走した。このほかF1参戦のチャンスをつかんだ選手は、9月のF1第13戦イタリアGPでマルコ・アピチェラが、10月には第15戦日本GP・第16戦オーストラリアGPにエディ・アーバインがジョーダンのセカンドシートを得てF1にスポット参戦した。アーバインは鈴鹿で6位入賞し、翌年のジョーダンのレギュラーシートを獲得した[5]。鈴木利男もフランスのラルースと契約を結び、F1第15戦日本GP・第16戦オーストラリアGPにスポット参戦[6]。このスポット参戦では鈴木を支援する日産NISMOの水野和敏が設計したパーツ類がラルース・LH93に搭載された[7]。

このシーズンまで全日本F3000にレギュラー参戦したフレンツェンとローランド・ラッツェンバーガーは、それぞれザウバーとシムテックのシート獲得に成功し[8]、翌年開幕戦からF1に進出した。

エントリーリスト

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No. ドライバー 車名
(シャシー/エンジン/メンテナンス)
タイヤ エントラント
1 イタリアの旗 マウロ・マルティニ アコム エボリューション T93
(ローラT93/50/無限MF308/ノバエンジニアリング)
B ACOM EVOLUTION TEAM NOVA
2 日本の旗 伊藤直澄 GIZA HOUSE T92 → GIZA HOUSE T93 → GIZA HOUSE 92D
(ローラT92/50 → ローラT93/50 → レイナード92D/無限MF308/アクティブ)
D GIZA RACING TEAM
3 日本の旗 黒澤琢弥
日本の旗 金石勝智(第10,11戦)
CABIN T92 DFV
(ローラT92/50/コスワースDFV/ヒーローズ)
B CABIN Racing with HEROES
5 アメリカ合衆国の旗 ジェフ・クロスノフ SSR メイテック DL ローラ
(ローラT92/50 → ローラT93/50/無限MF308/スピードスター)
D スピードスターホイールレーシングチーム
7 日本の旗 高橋国光 ADVAN LOLA MF308
(ローラT92/50 → ローラT93/50/無限MF308/パルスポーツ)
Y ADVAN SPORT PAL
8 イタリアの旗 マルコ・アピチェラ トライ ダンロップ 童夢 F103i
(童夢F103i/無限MF308/童夢)
D 株式会社 童夢
10 ドイツの旗 ハインツ=ハラルド・フレンツェン KAWAISTEEL T93
(ローラT93/50/無限MF308/ノバエンジニアリング)
B KAWAISTEEL TEAM NOVA
11 イギリスの旗 エディ・アーバイン コスモオイル ローラ T92 無限
(ローラT92/50/無限MF308/セルモ)
D コスモオイルレーシングチーム セルモ
14 日本の旗 影山正彦 PIAA REYNARD 93D
(レイナード93D/無限MF308/中嶋企画)
B NAKAJIMA PLANNING
15 日本の旗 桧井保孝 PIAA REYNARD 93D
(レイナード93D/無限MF308/中嶋企画)
B NAKAJIMA PLANNING
16 日本の旗 和田久 CAPCOM LOLA T93
(ローラT93/50/無限MF308/ハギワラレーシング)
B CAPCOM RACING TEAM Hagiwara Racing
17 日本の旗 和田孝夫
イギリスの旗 アンソニー・レイド(第8 - 11戦)
ADVAN エボリューション 92 → ADVAN エボリューション 93
(ローラT92/50 → ローラT93/50/無限MF308/ニューランド)
Y SUPER EVOLUTION RACING TEAM
19 日本の旗 星野一義 NISSEKI LOLA T92
(ローラT92/50/コスワースDFV/ホシノ・レーシング)
B NISSEKI IMPUL RACING TEAM
20 イギリスの旗 アンドリュー・ギルバート=スコット STELLAR LOLA
(ローラT92/50/無限MF308/ステラインターナショナル)
B ステラインターナショナル
21 オーストリアの旗 ローランド・ラッツェンバーガー KYGNUS TONEN LOLA
(ローラT93/50/無限MF308/ステラインターナショナル)
B ステラインターナショナル
24 日本の旗 中谷明彦(第2 - 4戦) LOLA T92 JUDD
(ローラT92/50/JUDD KV/セルモ)
B TEAM HAYASHI
25 アメリカ合衆国の旗 ロス・チーバー PROMISE REYNARD 93D
(レイナード93D/無限MF308/チーム・ルマン)
B プロミス&レイナード
26 日本の旗 石川朗 CAPCOM REYNARD 93D
(レイナード93D/無限MF308/チーム・ルマン)
B CAPCOM RACING TEAM Le Mans
28 ブラジルの旗 パウロ・カーカッシ ALEXEL 93D
(レイナード93D/無限MF308/ナビコネクションレーシング)
B NAVI CONNECTION RACING
30 日本の旗 野田英樹(第11戦) TENORAS TOM'S 93D
(レイナード93D/コスワースDFV/トムス)
B TOM'S
33 日本の旗 清水正智 トライデント レイナード 92D
(レイナード92D/無限MF308/アクティブ)
D トライデントレーシングチーム
36 日本の旗 関谷正徳
日本の旗 野田英樹(第10戦)
TOM'S REYNARD 93D
(レイナード93D/コスワースDFV/トムス)
B TOM'S
37 フィンランドの旗 ミカ・サロ 5ZIGEN アド LOLA T93
(ローラT93/50/無限MF308/アドレーシングチーム)
Y 株式会社アド・レーシング
38 日本の旗 田中実(第10,11戦) 5ZIGEN アド LOLA T92
(ローラT92/50/コスワースDFV/アドレーシングチーム)
Y 株式会社アド・レーシング
61 スウェーデンの旗 トーマス・ダニエルソン SUNTORY BOSS T92
(ローラT92/50/コスワースDFV/チーム・テイクワン)
D TEAM TAKE ONE
77 日本の旗 鈴木利男 UNIVERSAL LOLA
(ローラT92/50 → ローラT93/50/コスワースDFV/アストニッシュ)
B UNIVERSAL RACING TEAM
88 イタリアの旗 エマニュエル・ナスペッティ
日本の旗 中谷明彦(第6 - 11戦)
ダンロップ 童夢 F103i
(童夢F103i/無限MF308/童夢)
D 株式会社 童夢
98 日本の旗 服部尚貴 TOSTEM LOLA T93 → TOSTEM LOLA T92
(ローラT93/50 → ローラT92/50/無限MF308/ムーンクラフト)
B LE GARAGE COX RACING TEAM + MOON CRAFT

※タイヤ:B =ブリヂストン、D =ダンロップ、Y =横浜ゴム

スケジュール及び勝者

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Rd. 決勝日 開催地 イベント 優勝者 ポールポジション ファステストラップ 典拠
1 3月21日 鈴鹿 ミリオンカードカップ Rd.1 鈴鹿 ロス・チーバー M.アピチェラ E.アーバイン [9]
2 4月11日 富士 CABINインターナショナルフォーミュラ 星野一義 黒澤琢弥 影山正彦 [10]
3 5月9日 CP MINE F3000 MINEオールスターレース マウロ・マルティニ E.アーバイン 服部尚貴 [11]
4 5月23日 鈴鹿 ミリオンカードカップ Rd.2 鈴鹿 エディ・アーバイン E.アーバイン M.アピチェラ [12]
5 7月18日 大分阿蘇RP COSMO OIL FORMULA CUP IN RACING PARK - (注1) - -
6 8月1日 菅生 SUGOインターフォーミュラ マルコ・アピチェラ E.アーバイン E.アーバイン [13]
7 8月15日 富士 RRC 富士チャンピオンズ - (注2) M.マルティニ - [14]
8 9月5日 富士 富士インターF3000 鈴木利男 H=H.フレンツェン 服部尚貴 [15]
9 9月26日 鈴鹿 ミリオンカードカップ Rd.3 鈴鹿 ロス・チーバー R.チーバー H=H.フレンツェン [16]
10 10月17日 富士 インターナショナルF3000 富士ファイナル 星野一義 E.アーバイン H=H.フレンツェン [17]
11 11月14日 鈴鹿 ミリオンカードカップ FINALラウンド鈴鹿 トーマス・ダニエルソン R.チーバー 影山正彦 [18]

(注1)オートポリスの倒産により開催中止。(注2)濃霧により決勝中止。

シリーズポイントランキング

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ドライバー部門

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ポイントシステム
順位1位2位3位4位5位6位
ポイント964321
ランキング ドライバー SUZ FSW MIN SUZ AUT SGO FSW FSW SUZ FSW SUZ ポイント
1 日本の旗 星野一義 2 1 Ret 2 C Ret C Ret 5 1 Ret 32
2 イギリスの旗 エディー・アーバイン 3 3 Ret 1 15 6 2 2 4 32
3 アメリカ合衆国の旗 ロス・チーバー 1 Ret 4 9 3 12 1 7 2 31
4 イタリアの旗 マルコ・アピチェラ 7 2 Ret 5 1 Ret 4 4 9 23
5 日本の旗 鈴木利男 6 4 Ret Ret 4 1 3 5 Ret 22
6 スウェーデンの旗 トーマス・ダニエルソン 9 5 Ret 3 9 Ret 16 3 1 19
7 イタリアの旗 マウロ・マルティニ Ret Ret 1 Ret Ret Ret 8 6 Ret 10
8 イギリスの旗 アンドリュー・ギルバート=スコット 5 6 Ret 4 8 Ret Ret 9 3 10
9 ドイツの旗 ハインツ=ハラルド・フレンツェン Ret Ret Ret 8 14 2 10 12 5 8
10 日本の旗 影山正彦 12 8 6 Ret 2 8 Ret Ret 11 7
11 アメリカ合衆国の旗 ジェフ・クロスノフ 14 13 2 13 Ret 11 11 13 15 6
12 オーストリアの旗 ローランド・ラッツェンバーガー Ret 10 Ret 6 Ret 3 6 14 7 6
13 日本の旗 黒澤琢弥 4 Ret Ret 15 5 Ret Ret 5
14 ブラジルの旗 パウロ・カーカッシ 11 Ret 3 7 13 7 7 10 13 4
15 日本の旗 服部尚貴 8 Ret 5 11 7 5 20 11 8 4
16 日本の旗 関谷正徳 10 7 Ret Ret 4 18 Ret 3
17 フィンランドの旗 ミカ・サロ 13 9 7 Ret 6 DNS 17 Ret Ret 1
18 日本の旗 金石勝智 8 6 1
- 日本の旗 和田孝夫 15 12 8 14 12 0
- 日本の旗 高橋国光 Ret 11 9 12 10 9 9 18 Ret 0
- 日本の旗 中谷明彦 17 Ret 10 11 Ret 15 Ret 14 0
- 日本の旗 石川朗 16 15 Ret 17 Ret 10 12 16 Ret 0
- 日本の旗 桧井保孝 Ret 14 10 Ret Ret 14 13 15 Ret 0
- 日本の旗 和田久 Ret Ret Ret Ret Ret 13 19 Ret 10 0
- 日本の旗 田中実 17 12 0
- イギリスの旗 アンソニー・レイド Ret 14 Ret Ret 0
- イタリアの旗 エマニュエル・ナスペッティ 17 16 Ret Ret 0
- 日本の旗 伊藤直澄 Ret 18 Ret 16 Ret Ret Ret 20 Ret 0
- 日本の旗 清水正智 19 Ret Ret 0
- 日本の旗 野田英樹 19 Ret 0
色結果
金色優勝
銀色2位
銅色3位
緑ポイント圏内完走
青灰色ポイント圏外完走
周回数不足 (NC)
紫リタイヤ (Ret)
赤予選不通過 (DNQ)
予備予選不通過 (DNPQ)
黒失格 (DSQ)
白スタートせず (DNS)
エントリーせず (WD)
レースキャンセル (C)
空欄 欠場
出場停止処分 (EX)

※ベスト7戦が有効得点

脚注

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  1. ↑ 星野一義・日本で最もF1に近かった男<3> 家村浩明スポーツcolumn (2016年3月18日)
  2. ↑ 「国産F3000マシン『MC060EL』開発ドキュメント/大串信」『モーターファン』三栄、1994年1月1日、178-185頁。
  3. ↑ 作品集「MC060EL/F3000(1992年)」 MOONCRAFT (2020年1月20日閲覧)
  4. ↑ 【星野一義】1990年代「スランプを乗り越えF3000を舞台に名勝負!」【日本一速い男の半生記⑭】 モーターマガジン社 (2019年3月31日)
  5. ↑ 「エディ・ジョーダン 成功するための「人・物・金」の使い方」『F1グランプリ特集9月号』ソニー・マガジンズ、1995年9月16日、82-83頁。
  6. ↑ 「第3の日本人・鈴木利男 走り慣れた鈴鹿で期待大 (高橋二朗)」『F1日本グランプリ公式プログラム』鈴鹿サーキットランド、1993年10月、81頁。
  7. ↑ 日産NP35&R390GT1 『Racing On No.516』三栄
  8. ↑ 「ラッツェンバーガーが日本で過ごした素晴らしき日々」『完全保存版 AS+F F1総集編1994』三栄書房、1994年12月14日、114-117頁。
  9. ↑ “ミリオンカードカップレース ラウンド1 鈴鹿 F3000リザルト”. JAFモータースポーツ国内競技結果. 日本自動車連盟. 2025年10月16日閲覧。
  10. ↑ “CABIN インターナショナルフォーミュラカップレース F3000リザルト”. JAFモータースポーツ国内競技結果. 日本自動車連盟. 2025年10月21日閲覧。
  11. ↑ “F3000 MINE ALL STAR F3000 リザルト”. JAFモータースポーツ国内競技結果. 日本自動車連盟. 2025年10月16日閲覧。
  12. ↑ “ミリオンカードカップレース鈴鹿 F3000リザルト”. JAFモータースポーツ国内競技結果. 日本自動車連盟. 2025年10月16日閲覧。
  13. ↑ “SUGO INTER FORMULA F3000 リザルト”. JAFモータースポーツ国内競技結果. 日本自動車連盟. 2025年10月18日閲覧。
  14. ↑ “RRC富士チャンピオンズ F3000リザルト”. JAFモータースポーツ国内競技結果. 日本自動車連盟. 2025年10月18日閲覧。
  15. ↑ “FUJI INTER F3000 リザルト”. JAFモータースポーツ国内競技結果. 日本自動車連盟. 2025年10月19日閲覧。
  16. ↑ “ミリオンカードカップレース ラウンド3 鈴鹿 F3000 リザルト”. JAFモータースポーツ国内競技結果. 日本自動車連盟. 2025年10月23日閲覧。
  17. ↑ “INTERNATIONAL F3000 FUJI FAINAL F3000リザルト”. JAFモータースポーツ国内競技結果. 日本自動車連盟. 2025年10月25日閲覧。
  18. ↑ “ミリオンカードカップレース ファイナルラウンド鈴鹿 F3000リザルト”. JAFモータースポーツ国内競技結果. 日本自動車連盟. 2025年10月16日閲覧。
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