1994年イギリス労働党党首選挙
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1994年イギリス労働党党首選挙(1994ねんイギリスろうどうとうとうしゅせんきょ、英語: 1994 Labour Party leadership election)は、1994年7月21日にイギリスで行われた労働党党首の選挙である[1]。
1993年に改正された党の選挙規則に基づき、1人1票方式が導入された。
概要
[編集]5月12日、党首ジョン・スミスが急死したことをうけての選挙であり、この間の党首代行はマーガレット・ベケットが務めていた。保守党のジョン・メージャー政権の支持率が低下していたことから、この選挙は単に労働党の党首を決めるだけでなく、次期イギリスの首相を選出する選挙であったともいえる。新しい党首にトニー・ブレアが選出され、1997年の総選挙を経て労働党は大勝し、政権獲得した。
選挙データ
[編集]野党時は毎年開かれる定時党大会において党首選挙を実施する。しかし現職が在職中は党首選は形式的であり、現職以外の立候補は行われずに事実上、現職の再任を妨げず承認する。与党で現職党首が首相である場合、毎年の定時党大会において代議員の過半数の党首選実施の決議が可決されたときに実施する[1]。
党首
[編集]- 選挙前:マーガレット・ベケット(代行)第17代党首ジョン・スミスの死去に伴い、副党首のベケットが党首代行に就任。
- 選挙後:トニー・ブレア(第18代)
日程
[編集]選挙制度
[編集]- 選挙人団によるポイント制
- 労働党関係労働組合・社会主義団体(労組ブロック)、選挙区労働党(選挙区ブロック)、議会労働党所属庶民院議員・欧州議会労働党所属欧州議会議員(議員ブロック)の各得票数をポイント換算(総計100ポイント)して配分する[1][3]。
- これまでは労組・選挙区ブロックは各団体ごとに投票し、党員1,000人で1票であったが、党員の意向を選挙結果に反映させるため、各ブロックのポイントを均等化し、かつ党員1人1票に改められた[1]。過半数を超える候補者がいない場合は、過半数を超えるまで、最下位得票者を除外して票を再配分する。
- 労組ブロック - 33%。党員1人1票。
- 選挙区ブロック - 33%。党員1人1票。
- 議員ブロック - 33%。議員1人1票。
投票方法
[編集]選挙権
[編集]被選挙権
[編集]- 議会労働党所属庶民院議員
- 立候補にあたっては、党所属庶民院議員12.5%(34名、現職党首がいる場合は20%)の推薦が必要[1]。
有権者数
[編集]- 労組ブロック - 約4,000,000
- 選挙区ブロック - 約249,000
- 議員ブロック - 332(庶民院議員:270 欧州議会議員:62)
候補者
[編集]マーガレット・ベケットは労働党の副党首であり、スミスの死後は暫定党首を務めた。彼女は労働党の党首選に立候補した初の女性議員であり(2010年の党首選にダイアン・アボットが立候補を表明するまで唯一の女性議員であり続けた)。トニー・ブレアは立候補当時、影の内務大臣でした。
影の財務大臣ゴードン・ブラウンが立候補しなかったのは、ロンドン北部イズリントンのグラニータレストランでブレアと合意したためだと広く推測されている。ジョン・スミスの死後まもなく、ロイ・ハッターズリーはブレアに電話をかけ、党首選に立候補するよう促した。ブレアはハッターズリーに「ゴードンを傷つけるのではないかと心配している」と伝え、ハッターズリーは「過去に労働党の党首になりたいと望んでいた多くの人がいたが、自分がなれないと受け入れた」とゴードン・ブラウンに伝えるべきだと返答した[4]。影の貿易産業大臣ロビン・クックは、自分が一般有権者に十分に魅力的でないと考え、次の選挙で党に悪影響を及ぼすと考え、立候補しないと述べた。1992年の副党首選挙でベケットに敗れたジョン・プレスコットは、党首と副党首の両方に再び立候補した。
スミスの死後まもなく行われたMORIの労働党支持者を対象に行われた世論調査では、ブレアが32%、プレスコットが21%、ベケットとブラウンがそれぞれ12%、クックが7%で、ブラウンが勝つ可能性はほとんどないことを示唆している[5]。
立候補届出者
[編集]立候補資格を確保した候補者
[編集]| 候補者 | 出生日 出生地 |
経歴 |
|---|---|---|
マーガレット・ベケット |
1943年1月15日(51歳) ランカシャー、アシュトン・アンダー・ライン |
庶民院議員(4期)(1970-)[注 1] 教育科学政務次官(1976-1979) 陛下の野党党首/影の首相(1994-) 陛下の野党副党首(1992-1994) 労働党党首代行(1994-) 労働党副党首(1992-1994) |
トニー・ブレア |
1953年5月6日(41歳) ローランド地方エディンバラ |
庶民院議員(3期)(1983-)[注 2] 影の内務大臣(1992-1994) 影の雇用大臣(1989-1992) 影のエネルギー大臣(1988-1989) |
ジョン・プレスコット |
1938年5月31日(56歳) デンビーシャー、プレスタティン |
庶民院議員(7期)(1970-) 欧州議会議員(1期)(1975-1979) 影の雇用大臣(1984-1987, 1993-) 影の運輸大臣(1983-1984, 1988-1993) 影のエネルギー大臣(1987-1988) |
立候補資格を除外された候補者
[編集]| 候補者 | 出生日 出生地 |
経歴 | 立候補除外 |
|---|---|---|---|
デンジル・デイヴィス |
1938年10月9日(55歳) カーマーゼンシャー、カーマーゼン |
庶民院議員(7期)(1970-)[注 3] 財務大臣(1975-1979) 影の国防大臣(1984-1988) 影のウェールズ大臣(1983) |
1994年6月17日 |
立候補を予想された議員
[編集]推薦議員・団体
[編集]| 候補者 | 推薦議員数 | 可否 |
|---|---|---|
| トニーブレア | 154 / 270 (57%) |
|
| ジョン・プレスコット | 46 / 270 (17%) |
|
| マーガレット・ベケット | 42 / 270 (15.6%) |
|
| デンジル・デイヴィス (除外) |
7 / 270 (2.6%) |
|
| 推薦なし | 21 / 270 (7.8%) |
- |
| 出典:House of Commoms Library | ||
選挙結果
[編集]結果、ブレアが新党首に選ばれた。プレスコットは副党首となり、1997年の総選挙を通して労働党は18年ぶりに政権を奪回。ブレア労働党政権が発足する。
候補者別得票結果
[編集]| 候補者 | 総計pp | 労組ブロック投票 | 選挙区ブロック投票 | 議員ブロック投票 | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 獲得pp | 得票数 | 得票率 | 獲得pp | 得票数 | 得票率 | 獲得pp | 得票数 | 得票率 | |||
| トニー・ブレア | 57.01pp | 17.43pp | 407,637 | 52.30% | 19.40pp | 100,313 | 58.20% | 20.18pp | 198 | 60.55% | |
| ジョン・プレスコット | 24.12pp | 9.47pp | 221,367 | 28.40% | 8.13pp | 42,053 | 24.40% | 6.52pp | 64 | 19.57% | |
| マーガレット・ベケット | 18.86pp | 6.43pp | 150,422 | 19.30% | 5.80pp | 29,990 | 17.40% | 6.63pp | 65 | 19.88% | |
| 総計 | 100.0pp | 33.33pp | 779,426 | 100.0% | 33.33pp | 172,356 | 100.0% | 33.33pp | 327 | 100.0% | |
庶民院議員(169)
- ニック・エインガー
- ボブ・エインズワース
- グラハム・アレン
- ドナルド・アンダーソン
- ジャネット・アンダーソン
- ヒラリー・アームストロング
- ジョー・アシュトン ブレア
- ケビン・バロン
- ヒュー・ベイリー
- スチュアート・ベル
- ジョー・ベントン
- ジェリー・バーミンガム
- クライブ・ベッツ
- トニー・ブレア
- デイビッド・ブランケット
- ポール・ボアテング
- キース・ブラッドリー
- ジェレミー・ブレイ
- ゴードン・ブラウン
- リチャード・バーデン
- スティーブン・バイヤーズ
- ジム・キャラハン
- アン・キャンベル
- デール・キャンベル・セイバーズ
- ジェイミー・キャン
- ジュディス・チャーチ
- デイビッド・クラーク
- トム・クラーク
- デイヴィッド・クレランド
- アン・クルイド
- アン・コフィー
- マイケル・コナーティ
- ロビン・クック
- ロビン・コルベット
- トム・コックス
- ジョン・カミングス
- ローレンス・カンリフ
- ジャック・カニンガム
- ジム・カニンガム
- アリステア・ダーリング
- ブライアン・デイヴィス
- ロン・デイヴィス
- ジョン・デナム
- ドナルド・デュワー
- フランク・ドブソン
- ジム・ダウド
- ジミー・ダナチー
- デレク・エンライト
- ジョン・エヴァンス
- アンドリュー・フォールズ
- フランク・フィールド
- マーク・フィッシャー
- ポール・フリン
- デレク・フォスター
- ジョージ・フォークス
- ジョン・フレイザー
- サム・ガルブレイス
- マイク・ゲイプス
- ジョン・ギャレット
- ブルース・ジョージ
- ジョン・ギルバート
- ナイジェル・グリフィス
- ウィン・グリフィス
- ブルース・グロコット
- ジョン・ガネル
- デイビッド・ハンソン
- ピーター・ハーディ
- ハリエット・ハーマン
- ロイ・ハッターズリー
- ダグ・ヘンダーソン
- キース・ヒル
- マーガレット・ホッジ
- ケイト・ホーイ
- ノーマン・ホッグ
- ジェフ・フーン
- ジョージ・ハワース
- キム・ハウエルズ
- ケビン・ヒューズ
- ロイ・ヒューズ
- ジョン・ハットン
- アダム・イングラム
- グレンダ・ジャクソン
- デイヴィッド・ジェイミソン
- グレヴィル・ジャナー
- バリー・ジョーンズ
- ジョン・オーウェン・ジョーンズ
- テッサ・ジョウェル
- ジェラルド・カウフマン
- アラン・キーン
- ジェーン・ケネディ
- ピアラ・カブラ
- ピーター・キルフォイル
- ニール・キノック
- ヘレン・リデル
- ジェフリー・ロフタウス
- カラム・マクドナルド
- ピーター・マンデルソン
- マイケル・マーティン
- エリック・マートリュー
- ジョン・マクストン
- トミー・マカヴォイ
- ジョン・マクフォール
- ヘンリー・マクリーシュ
- ケビン・マクナマラ
- デニス・マクシェーン
- ジョン・マクウィリアム
- アラン・マイケル
- アラン・ミルバーン
- アンドリュー・ミラー
- オースティン・ミッチェル
- ルイス・ムーニー
- ロドリ・モーガン
- エリオット・モーリー
- アルフ・モリス
- エステル・モリス
- ジョン・モリス
- モー・モーラム
- ジョージ・ミューディ
- クリス・マリン
- ポール・マーフィー
- マイク・オブライエン
- ビル・オブライエン
- エディ・オハラ
- マーティン・オニール
- ゴードン・オークス
- ビル・オルナー
- スタン・オーム
- トム・ペンドリー
- グレッグ・ポープ
- ブリジット・プレンティス
- ジョイス・クイン
- ジャイルズ・ラダイス
- スチュアート・ランドール
- ニック・レインズフォード
- ジョン・リード
- ジョージ・ロバートソン
- ジョン・ホーム・ロバートソン
- ジェフリー・ロビンソン
- アラン・ロジャース
- ジェフ・ルーカー
- アーニー・ロス
- テッド・ローランズ
- ジョーン・ラドック
- バリー・シアマン
- ロバート・シェルドン
- ピーター・ショア
- アンドリュー・スミス
- クリス・スミス
- クライブ・ソリー
- ジョン・スペラー
- レイチェル・スクワイア
- ジェリー・スタインバーグ
- ロジャー・ストット
- ギャビン・ストラング
- ジャック・ストロー
- ジェリー・サトクリフ
- アン・テイラー ブレア
- ジャック・トンプソン
- スティーブン・ティムズ
- デニス・ターナー
- キース・ヴァズ
- ハロルド・ウォーカー
- マイク・ワトソン
- マルコム・ウィックス
- アラン・J・ウィリアムズ
- アラン・W・ウィリアムズ
- ブライアン・ウィルソン
- トニー・ワージントン
- トニー・ライト
欧州議会議員(29)
庶民院議員(50)
- アイリーン・アダムズ
- トニー・ベン
- アンドリュー・ベネット
- ロジャー・ベリー
- リチャード・キャボーン
- ロニー・キャンベル
- マイケル・クラッパム
- エリック・クラーク
- フランク・クック
- タム・デイリエル
- イアン・デイヴィッドソン
- デンジル・デイヴィス
- テリー・デイビス
- ドン・ディクソン
- ブライアン・ドノホー
- グウィネス・ダンウッディ
- ケン・イーサム
- ビル・エザリントン
- ノーマン・ゴッドマン
- トミー・グラハム
- マイク・ホール
- デイビッド・ヒンチリフ
- ジミー・フッド
- ダグ・ホイル
- ボブ・ヒューズ
- エリック・イルズリー
- マーティン・ジョーンズ
- ジョーン・レスター
- ボブ・リザランド
- トニー・ロイド
- デイビッド・マーシャル
- ジョン・マッカリオン
- イアン・マッカートニー
- ウィリー・マッケルヴィー
- ゴードン・マクマスター
- マイケル・ミーチャー
- アラン・ミール
- ボブ・パリー
- テリー・パチェット
- コリン・ピックソール
- レイ・パウエル
- ジョン・プレスコット
- マーティン・レッドモンド
- ルー・スミス
- ピーター・スネイプ
- ジョーン・ウォーリー
- ボブ・ウェアリング
- デイヴィッド・ウィニック
- ジミー・レイ
- デイビッド・ヤング
欧州議会議員(14)
庶民院議員(48)
- ダイアン・アボット
- ジョン・オースティン・ウォーカー
- トニー・バンクス
- ハリー・バーンズ
- ジョン・バトル
- マーガレット・ベケット
- ローランド・ボイズ
- ニック・ブラウン
- デニス・キャナヴァン
- マルコム・チゾルム
- ハリー・コーエン
- ジェレミー・コービン
- ジャン・コーストン
- ジム・カズンズ
- アンジェラ・イーグル
- デレク・ファチェット
- マリア・ファイフ
- ニール・ジェラード
- リン・ゴールディング
- ミルドレッド・ゴードン
- バーニー・グラント
- ピーター・ヘイン
- ジョン・ヘッペル
- ヘレン・ジャクソン
- リン・ジョーンズ
- テリー・ルイス
- ケン・リビングストン
- エディ・ロイデン
- アンドリュー・マッキンレイ
- マックス・マッデン
- アリス・マホン
- ジョン・マレク
- ジム・マーシャル
- ビル・ミッキー
- ピーター・パイク
- ゴードン・プレンティス
- ドーン・プリマローロ
- ケン・パーチェス
- バーバラ・ロッシュ
- テリー・ルーニー
- ブライアン・セッジモア
- クレア・ショート
- アラン・シンプソン
- デニス・スキナー
- ナイジェル・スピアリング
- ジョージ・スティーブンソン
- パディ・ティッピング
- オードリー・ワイズ
欧州議会議員(17)
庶民院議員(3)
- ジョージ・ギャロウェイ
- ロジャー・ゴドシフ
- ギャレス・ウォーデル
欧州議会議員(2)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ↑ 1983からダービー・サウス選挙区、1974-1979まではリンカーン選挙区選出。
- ↑ セッジフィールド選挙区選出。
- ↑ ラネリ選挙区選出。
- ↑ ダンファームリン・イースト選挙区選出。
- ↑ リビングストン選挙区選出。
出典
[編集]- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 宮畑建志「イギリス二大政党の党首選出手続―手続の民主化と党首の地位防衛」『レファレンス』2007年7月、136頁、2026年7月1日閲覧。
- ↑ “Leadership elections: Labour Party” (英語). House of Commons Library. 2026年7月31日閲覧。
- ↑ Leeds de Melo, J (2003), Primary elections and party conferences — Democracy in political parties: UK, France, Germany and Italy, Routledge, 202 p.
- ↑ “The Pursuit of Power”. The Wilderness Years. 18 December 1995. BBC Two. 2017年7月24日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2017年10月3日閲覧.
- ↑ Macintyre, Donald (27 May 1994). “Surprise backing for Beckett in Labour leadership stakes: Donald Macintyre reports on how the likely candidates for John Smith's job are shaping up”. The Independent. 2022年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2020年7月8日閲覧.