コンテンツにスキップ

2013年のアメリカンリーグワイルドカードゲーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2013年のアメリカンリーグ
ワイルドカードゲーム
チーム スコア
タンパベイ・レイズ 4
クリーブランド・インディアンス 0
試合情報
開催日 10月2日(水)
開催球場 プログレッシブ・フィールド
観客動員 4万3579人
責任審判 ジェリー・デービス[1]
チーム情報
タンパベイ・レイズ(TB)
GM アンドリュー・フリードマン
監督 ジョー・マドン
シーズン成績 92勝71敗・勝率.564
東地区2位
分配金 選手1人あたり3万5280.10ドル[2]

クリーブランド・インディアンス(CLE)
GM クリス・アントネッティ
監督 テリー・フランコーナ
シーズン成績 92勝70敗・勝率.568
中地区2位
分配金 選手1人あたり1万5107.00ドル[2]
全米テレビ中継
放送局 TBS
実況 ブライアン・アンダーソン
解説 ジョー・シンプソン
ジョン・スモルツ
アメリカンリーグワイルドカードゲーム
 < 2012 2014 > 
2013年のポストシーズン
地区シリーズ
リーグ優勝決定戦
ワールドシリーズ

2013年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月1日に開幕した。アメリカンリーグの第2回ワイルドカードゲーム(英語: 2nd American League Wild Card Game)は翌2日、アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランドのプログレッシブ・フィールドで行われ、タンパベイ・レイズがクリーブランド・インディアンスを4-0で下した。この結果、レイズが地区シリーズへ進出することになった。

両チームの2013年

[編集]

インディアンスは前年のシーズンを68勝94敗で終えたあと、新監督にテリー・フランコーナを招聘し、さらにニック・スウィッシャーやマイケル・ボーンら大物FA選手を獲得する補強も行った。2013年は、6月上旬に8連敗を喫して勝率が5割を切ったこともあったが、その後は持ち直してデトロイト・タイガースと地区優勝を争った。前半戦終了時点では首位タイガースと1.5ゲーム差の2位につけ、ワイルドカード争いでも2位テキサス・レンジャーズ(西地区)と3.0ゲーム差の4位にいた。後半戦はタイガースにこそ突き放されたものの、9月に21勝6敗と大きく勝ち越してワイルドカード争いの上位に加わった。最後は10連勝で締めくくってレンジャーズらを逆転し、最終戦勝利で第1ワイルドカードを確定させた[3]。フランコーナの巧みな選手起用により、打線は個の力に頼らずとも高い得点力を有していた[4]。1試合平均得点は4.60でリーグ4位、防御率は3.82で同7位。

レイズは、予算上の都合からオフに先発右腕ジェームズ・シールズをトレードで放出したが、90勝72敗を記録した前年に続き2013年シーズンもポストシーズン進出を争った。前半戦終了時点では地区首位ボストン・レッドソックスと2.5ゲーム差の2位で、ワイルドカード争いでは2位レンジャーズに0.5ゲーム差をつけて首位に立っていた。8月下旬にはゲーム差なしながらレッドソックスを逆転して地区首位に浮上したが、すぐに再逆転されると差を広げられた。その後はワイルドカード争いでインディアンスやレンジャーズと競り合い、162試合目が終わった段階でレイズとレンジャーズが2位に並んだ。そして翌日のワンゲームプレイオフでレイズがレンジャーズを下し、ワイルドカードゲーム進出を決めた[5]。シールズとのトレードで獲得した新人外野手ウィル・マイヤーズが打線の中軸を担う活躍を見せた[6]。1試合平均得点は4.29でリーグ9位、防御率は3.74で同5位。

両チームはこの年、レギュラーシーズンでは計6試合を戦っている。結果は以下の通り[7]。

日付ビジター球団(先攻)スコアホーム球団(後攻)開催球場
4月5日(金)クリーブランド・インディアンス0-4タンパベイ・レイズトロピカーナ・フィールド
4月6日(土)クリーブランド・インディアンス0-6タンパベイ・レイズ
4月7日(日)クリーブランド・インディアンス13-0タンパベイ・レイズ
5月31日(金)タンパベイ・レイズ9-2クリーブランド・インディアンスプログレッシブ・フィールド
6月1日(土)タンパベイ・レイズ0-5クリーブランド・インディアンス
6月2日(日)タンパベイ・レイズ11-3クリーブランド・インディアンス
クリーブランド・インディアンス[2勝-4勝]タンパベイ・レイズ

ロースター

[編集]

両チームの出場選手登録(ロースター)は以下の通り。

  • 名前の横の★はこの年のオールスターゲームに選出された選手を、#はレギュラーシーズン開幕後に入団した選手を示す。
  • 年齢は試合開催時点でのもの。
クリーブランド・インディアンスタンパベイ・レイズ
守備位置背番号出身選手投打年齢守備位置背番号出身選手投打年齢
投手32アメリカ合衆国の旗マット・アルバース右左30投手22アメリカ合衆国の旗クリス・アーチャー右右25
37アメリカ合衆国の旗コディ・アレン右右2453アメリカ合衆国の旗アレックス・カッブ右右25
53アメリカ合衆国の旗リッチ・ヒル左左3357アメリカ合衆国の旗ジェイク・マギー左左27
26アメリカ合衆国の旗スコット・カズミアー左左2955アメリカ合衆国の旗マット・ムーア★左左24
28アメリカ合衆国の旗コーリー・クルーバー右右2762ドミニカ共和国の旗ジョエル・ペラルタ右右37
63ジャマイカの旗ジャスティン・マスターソン★右右2856ドミニカ共和国の旗フェルナンド・ロドニー右右36
54アメリカ合衆国の旗クリス・ペレス右右2854ベネズエラの旗アレックス・トーレス左左25
35アメリカ合衆国の旗マーク・ゼプチンスキー#左左2835アメリカ合衆国の旗ジェイミー・ライト右右38
31ドミニカ共和国の旗ダニー・サラザー右左2349アメリカ合衆国の旗ウェズリー・ライト#左右28
27アメリカ合衆国の旗ブライアン・ショウ右両25捕手16アメリカ合衆国の旗クリス・ジメネス右右30
38アメリカ合衆国の旗ジョー・スミス右右2959ベネズエラの旗ホセ・ロバトン右両28
捕手10ブラジルの旗ヤン・ゴームズ右右2628プエルトリコの旗ホセ・モリーナ右右38
41ドミニカ共和国の旗カルロス・サンタナ右両27内野手11キューバの旗ユネル・エスコバー右右30
内野手4アメリカ合衆国の旗マイク・アビレス右右3221アメリカ合衆国の旗ジェームズ・ローニー左左29
13ベネズエラの旗アズドルバル・カブレラ右両273アメリカ合衆国の旗エバン・ロンゴリア右右27
8アメリカ合衆国の旗ロニー・チゼンホール右左2418アメリカ合衆国の旗ベン・ゾブリスト★右両32
25アメリカ合衆国の旗ジェイソン・ジアンビ右左42外野手7アメリカ合衆国の旗デビッド・デヘスース#左左33
22アメリカ合衆国の旗ジェイソン・キプニス★右左265アメリカ合衆国の旗サム・ファルド左左31
62ドミニカ共和国の旗ホセ・ラミレス右両218アメリカ合衆国の旗デズモンド・ジェニングス右右26
33アメリカ合衆国の旗ニック・スウィッシャー左両322アメリカ合衆国の旗ケリー・ジョンソン右左31
外野手24アメリカ合衆国の旗マイケル・ボーン右左3020アメリカ合衆国の旗マット・ジョイス右左29
23アメリカ合衆国の旗マイケル・ブラントリー左左2641アメリカ合衆国の旗ケビン・キアマイアー右左23
7アメリカ合衆国の旗マット・カーソン右右329アメリカ合衆国の旗ウィル・マイヤーズ右右22
11アメリカ合衆国の旗ドリュー・スタッブス右右281アメリカ合衆国の旗ショーン・ロドリゲス右右28
9アメリカ合衆国の旗ライアン・レイバーン右右3215アメリカ合衆国の旗デルモン・ヤング#右右28

試合

[編集]
映像外部リンク
動画共有サイト "YouTube" にMLB公式アカウントが投稿したハイライト映像(英語、4分)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
タンパベイ・レイズ 0 0 1 2 0 0 0 0 1 4 8 0
クリーブランド・インディアンス 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 9 1
  1. 勝利:アレックス・カッブ  
  2. 敗戦:ダニー・サラザー  
  3. 本塁打
    TB:デルモン・ヤング1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ジェリー・デービス
    [塁審]一塁: テッド・バレット、二塁: マイク・エベリット、三塁: グレッグ・ギブソン
    [外審]左翼: フィル・クッツィ、右翼: ブライアン・ナイト
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時7分 試合時間: 3時間40分 観客: 4万3579人 気温: 69°F(20.6°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / FanGraphs
両チームの先発ラインナップ
タンパベイ・レイズクリーブランド・インディアンス
打順守備選手打席 打順守備選手打席
1左D・デヘスース左1中M・ボーン左
2右W・マイヤーズ右2一N・スウィッシャー両
3一J・ローニー左3ニJ・キプニス左
4三E・ロンゴリア右4DHC・サンタナ両
5ニB・ゾブリスト両5左M・ブラントリー左
6中D・ジェニングス右6右R・レイバーン右
7DHD・ヤング右7遊A・カブレラ両
8遊Y・エスコバー右8捕Y・ゴームス右
9捕J・モリーナ右9三L・チゼンホール左
先発投手投球先発投手投球
A・カッブ右D・サラザー右

この試合の先発投手は、インディアンスはダニー・サラザー、レイズはアレックス・カッブ。レギュラーシーズンでの成績は、サラザーが10試合52.0イニングで2勝3敗・防御率3.12、カッブが22試合143.1イニングで11勝3敗・防御率2.76である。

アレックス・カッブは7回途中無失点と敵地で好投した(写真は2012年9月12日撮影)

サラザーはこの年の7月にデビューしたばかりの新人だが、10試合で奪三振率11.25と高い数値を記録し、この試合の先発に抜擢された[8]。この試合でも、まずは立ち上がりの2イニングを続けて三者凡退に抑え、その間に2番ウィル・マイヤーズから4番エバン・ロンゴリアまで3者連続の空振り三振を奪う。3番ジェームズ・ローニーを空振り三振に仕留めたフォーシームは、コースこそ外角高めに外れていながら、球速は100mph(約160.9km/h)を計時していた。対するカッブも、最初の2イニングを無失点で終わらせる。その途中、1回裏の2番ニック・スウィッシャーの打席では、判定が覆る場面があった。2ボール2ストライクからの5球目、カッブは外角低めにツーシームを投じ、スウィッシャーがこの球に手を出した。これを三塁塁審グレッグ・ギブソンは、いったんファウルと判定した。しかしレイズ側の抗議を受けて審判団が協議した結果、ファウルチップでの三振に判定が変更された[9]。場内はブーイングに包まれた。

3回表、レイズが1点を先制する。この回先頭の7番デルモン・ヤングが、初球の高めへ浮いたフォーシームを捉え、左翼フェンスを越えるソロ本塁打とした。ヤングは「打つにはちょうどいい球だった。見送るつもりはなかった」と振り返った[10]。さらに4回表、レイズが2点を加える。一死から3番ローニーと4番ロンゴリアが、いずれも2ボール0ストライクから3球目のフォーシームを連打した。二死一・三塁となったあと、6番デズモンド・ジェニングスが1ボール0ストライクからの2球目、内角へのフォーシームを打ち返すと、打球は三塁線を破る二塁打となり2走者が生還した。3点を先行されたインディアンスはその裏、一死から4番カルロス・サンタナの二塁打をきっかけに満塁の好機を作る。だが、7番アズドルバル・カブレラは外角へのチェンジアップを引っかけて一ゴロ併殺に倒れ、反撃はならなかった。一塁ベースカバーに入ったカッブは、遊撃手ユネル・エスコバーからの送球を受けて併殺を完成させると雄叫びをあげた。

サラザーは5回表、先頭の9番ホセ・モリーナを四球で歩かせたところで降板する。カッブはその裏、先頭の8番ヤン・ゴームズに二塁打を許し、次打者ロニー・チゼンホールにも右前打を浴びた。ただこの右前打は右翼手マイヤーズが捕れるかどうか微妙な当たりだったため、ゴームズは三塁で止まらざるを得なかった。カッブは前の回に続いて得点圏に走者を背負ったものの、1番マイケル・ボーンを空振り三振に、2番スウィッシャーを一ゴロに、そして3番ジェイソン・キプニスを投ゴロに打ち取って失点を免れた。インディアンスはなかなか得点を挙げることができず、3点差のまま試合は終盤へ進んでいく。7回表、レイズの先頭打者ジェニングスが左前打で出塁すると、インディアンスは4番手ジャスティン・マスターソンをマウンドへ送った。マスターソンは開幕投手も務めたチームのエースだが、9月2日の試合で左脇腹を痛めてからは救援にまわっていた[11]。マスターソンは後続を3人でねじ伏せ、味方打線の反撃を待った。

ジェイソン・キプニスは4打数無安打と沈黙した(写真は2012年6月30日撮影)

7回裏のインディアンスは一死から、またも8番ゴームズと9番チゼンホールの連打で、一・二塁と得点圏に走者を置いて打順を上位にまわした。しかし1番ボーンは中飛と、走者を進めることもできず。ここでレイズがカッブからジョエル・ペラルタに継投し、2番スウィッシャーはペラルタの前に3球三振に終わった。インディアンス打線は、レギュラーシーズンでは走者を置いた場面でのOPSがリーグで3番目に高かったが、この日は一転して好機を逸し続けた[12]。9回表、インディアンスは逆に突き放される。一死一塁で6番手ジョー・スミスが登板し、7番ヤングを三ゴロに打ち取ったかと思いきや、三塁手チゼンホールが打球を弾く失策を犯した。これで一・三塁と走者が溜まり、8番エスコバーの内野安打で三塁走者ベン・ゾブリストが生還して、レイズに4点目が加わった。9回裏、レイズは抑えのフェルナンド・ロドニーがマウンドに上がった。ロドニーは7番カブレラを三振させると、この試合で複数安打を記録している8番ゴームズと9番チゼンホールも退けて、三者凡退で試合を締めた。

レイズは9月24日のレギュラーシーズン157試合目からこの日まで、9日間で8試合をすべて敵地で戦ってきた。特にここ3試合は、テキサス・レンジャーズと並んで迎えた162試合目、そのレンジャーズとのワンゲームプレイオフ、さらにこの日のインディアンスとのワイルドカードゲームと、負けられない試合が続いたがすべてものにして地区シリーズ進出を勝ち取った。その地区シリーズで対戦する相手は、同地区のボストン・レッドソックスである。ロンゴリアは「次はシリーズだから(2敗まではできるため)多少は気が楽だけど、これからも今日の試合のように戦わなきゃいけない」と気を引き締めていた[13]。インディアンスは地元での一発勝負に敗れ、シーズンを終えることになった。キプニスは「この街のためにもいいプレイがしたかった」と悔やみつつも「今年のうちのチームがまぐれだったとは思わない。来年もポストシーズンに戻ってくるつもりだ」と2014年を見据えていた[14]。

脚注

[編集]
  1. ↑ Craig Calcaterra, "MLB announces umpires through the Division Series," NBC Sports, September 30, 2013. 2022年5月19日閲覧。
  2. 1 2 "2013 Postseason shares announced," MLB.com, November 21, 2013. 2022年5月19日閲覧。
  3. ↑ Associated Press, "Indians clinch AL wild card as Ubaldo Jimenez stifles Twins," ESPN.com, September 29, 2013. 2014年3月19日閲覧。
  4. ↑ 出野哲也 「全30球団通信簿 クリーブランド・インディアンス オフの補強が実を結んで6年ぶりのプレーオフ進出」 『月刊スラッガー』2013年12月号、日本スポーツ企画出版社、2013年、雑誌15509-12、54頁。
  5. ↑ Associated Press, "Rays reach playoffs behind David Price's complete game," ESPN.com, September 30, 2013. 2014年3月19日閲覧。
  6. ↑ 出野哲也 「全30球団通信簿 タンパベイ・レイズ 故障者の穴を新人の活躍で埋めてプレーオフ進出」 『月刊スラッガー』2013年12月号、日本スポーツ企画出版社、2013年、雑誌15509-12、51頁。
  7. ↑ "CLE vs. TBD from 2013 to 2013 Head-to-Head Records," Baseball-Reference.com. 2014年3月19日閲覧。
  8. ↑ Jordan Bastian / MLB.com, "Tribe tabs rookie Salazar for Wild Card Game / Right-hander can continue storybook season in must-win tilt against Rays," indians.com, October 1, 2013. 2014年3月19日閲覧。
  9. ↑ Rhett Bollinger / MLB.com, "Umpires reverse third-strike call in first inning / Originally ruled a foul ball, play is overruled to record strikeout," MLB.com, October 2, 2013. 2014年3月19日閲覧。
  10. ↑ Rhett Bollinger / MLB.com, "Young continues playoff swagger with Rays / Outfielder belts MLB-high ninth postseason home run since 2011," raysbaseball.com, October 3, 2013. 2014年3月19日閲覧。
  11. ↑ Jordan Bastian / MLB.com, "Francona opts for extra arms on Wild Card roster / Indians carry 11 pitchers, including Kluber and Kazmir for bullpen depth," indians.com, October 2, 2013. 2014年3月19日閲覧。
  12. ↑ Dayn Perry, "When it mattered most, Indians failed with runners on," CBSSports.com, October 3, 2013. 2014年3月19日閲覧。
  13. ↑ Rhett Bollinger / MLB.com, "Road-tested Rays ready to open ALDS in Boston / Tampa Bay's journey continues after must-win games in Toronto, Texas, Cleveland," raysbaseball.com, October 3, 2013. 2014年3月19日閲覧。
  14. ↑ Jeff Passan, "Cleveland's heartache continues with Indians' wild-card loss to Rays," Yahoo! Sports, October 3, 2013. 2014年3月19日閲覧。

外部リンク

[編集]
⌬ Phoenix Mesh CID: 未登録 IPFS未登録 📡 0ピア PQS A93