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2022年7–9月イギリス保守党党首選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2022年7–9月イギリス保守党党首選挙
July–September 2022
Conservative Party
leadership election
2019年 ←
2022年7月13日-9月5日
→ 2022年10月



投票率 82.6% (党員票) 減少 4.8 pp
 
候補者 リズ・トラスリシ・スナク
議員票
(第1回)
50
(14.01%)
88
(24.65%)
議員票
(第2回)
64
(17.98%)
101
(28.37%)
議員票
(第3回)
71
(19.89%)
115
(32.21%)
議員票
(第4回)
86
(24.23%)
118
(33.24%)
議員票
(第5回)
113
(31.6%)
137
(38.3%)
党員票 81,326
(57.4%)
60,399
(42.6%)

選挙前党首

ボリス・ジョンソン

選出党首

リズ・トラス

2022年7–9月イギリス保守党党首選挙(2022ねん7–9がつイギリスほしゅとうとうしゅせんきょ、英:July–September 2022 Conservative Party leadership election (UK))は、2022年7月13日から9月5日にかけて行われたイギリス保守党の党首を決める選挙である。

同年7月7日に、ボリス・ジョンソンがイギリス首相と保守党党首の職を辞任する意向を表明したことにより、執行された。

投票の結果、リズ・トラスが新党首に選出され、3人目の女性首相に就任した(マーガレット・サッチャー、テリーザ・メイに続く)[1][2]。

経緯

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2019年:保守党党首選挙および総選挙

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EU離脱(ブレグジット:Brexit)の協定締結に失敗したテリーザ・メイ首相の後任を決める2019年保守党党首選挙ではボリス・ジョンソン前外相が決選投票でジェレミー・ハントを破り当選すると共に首相兼第一大蔵卿に就任した。ジョンソンは年末に行われた総選挙で保守党を1987年以来の大勝に導き、2022年1月31日にイギリスはEUからの離脱を果たした。

2020年:COVID-19対応

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2020年に始まる新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためジョンソン政権は諸外国と同様に厳しい行動制限を設け、屋内での集まりにも制限を課したが、その時期に首相官邸を含む政府機関で複数の飲み会やクリスマスパーティーが開催されていたことが発覚し、しかもジョンソン自身もそこに参加していたことが判明。アメリカのウォーターゲート事件になぞらえてパーティーゲート(英語版)と呼ばれ、国民からの強い反感を買った[3][4]。

2022年6月:党首信任投票

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2022年6月6日、保守党の1922年委員会のグレアム・ブレイディ(英語版)委員長は党首信任投票(英語版)の実施に必要な54通の書簡が集まったと発表、同日中に不信任投票が行われた。結果、保守党議員の過半数が信任票を投じ、ジョンソンの続投が決定した。しかし、4割以上の保守党議員が不信任を投じたことについて、ガーディアン紙は「予想以上の反乱」と評した[5]。

2022年7月:院内副幹事長をめぐる説明の破綻

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ジョンソンは2022年2月に保守党の院内副幹事長にクリス・ピンチャー(英語版)を起用したが、6月29日に保守党の会員制クラブにて泥酔し、男性2人に対し痴漢行為を働いたため辞任[6]。ピンチャーはそれ以前にも問題行為が指摘されていたが、ジョンソンはピンチャーを院内副幹事長に任命した2月の時点で過去の疑惑については報告を受けていなかったと釈明し、政権閣僚も同様の説明を繰り返した[7]。

だが7月5日、ジョンソンが外相時代の2019年に外務政務次官だったピンチャーの不適切行為について直接説明されていたという証言が明らかになり、政府の説明は破綻[7]。ジョンソンは説明が間違いだったと謝罪し、リシ・スナク財務相とサジド・ジャヴィド保健・社会福祉相が政権の体質を批判し相次いで辞任を表明するに至った[8]。

辞任表明

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党首信任投票を乗り切ったジョンソンは当初続投する意向を示していたが、主要閣僚や50人もの政府高官が相次いで辞任した事を受け、7月7日に首相及び保守党党首を辞任する意向を表明した[9]。これを受け保守党の1922年委員会は同月11日に次期党首を選ぶ党首選挙の実施を決定し、翌12日に告示した[10]。

選挙データ

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党首

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投票日

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議員投票
党員投票

選挙制度

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立候補には20人の推薦人を要する[11]。党則上、現職のジョンソンは党首選挙に出馬することは出来ない[12]。

7月13日の第1回議員投票では最低30票を獲得しないと次の投票に進めず、以降の投票では最下位の候補者が除外されていく。最終的には候補者を2人に絞り込み、決選投票の形で保守党党員約16万人による郵便投票が行われた[11][13]。

投票方法
秘密投票、単記投票、1票制
選挙権
党所属庶民院議員、党員
被選挙権
党所属庶民院議員
有権者
  • 党所属庶民院議員:358
  • 党員      :172,437

選挙活動

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立候補者

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以下の8名が、立候補した。

ケミ・ベーデノック スエラ・ブレイヴァーマン(英語版) ジェレミー・ハント ペニー・モーダント
庶民院議員(2期)
前地方自治・信仰・コミュニティ担当相(2021 - 2022)
庶民院議員(3期)
法務長官(2020 - 現職)
庶民院議員(5期)
下院保険・社会福祉委員長(2020 - 現職)
庶民院議員(4期)
通商政策担当国務相(2021 - 現職)
7月8日出馬表明 7月6日出馬表明 7月9日出馬表明 7月10日出馬表明
リシ・スナク リズ・トラス トム・トゥーゲンハート(英語版) ナディム・ザハウィ
庶民院議員(3期)
前財務相(2021 - 2022)
庶民院議員(4期)
外務・英連邦・開発相(2021 - 2022)
庶民院議員(3期)
下院外交委員長(2017 - 現職)
庶民院議員(4期)
財務相(2022 - 現職)
7月8日出馬表明 7月10日出馬表明 7月7日出馬表明 7月9日出馬表明

立候補を断念した人物

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立候補を表明した11名[14]のうち、以下の3名は最終的には断念した[15]。

レマン・チシュティ(英語版) サジド・ジャヴィド グラント・シャップス(英語版)
庶民院議員(4期)
外務次官
庶民院議員(4期)
前保健相
庶民院議員(5期)
運輸相
7月10日出馬表明
7月12日辞退表明
7月9日出馬表明
7月12日辞退表明
7月9日出馬表明
7月12日辞退表明

選挙結果

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2022年9月5日、党首選挙の最終結果が発表され、リズ・トラスが81,326票を獲得して1位となり当選人と決定した。これによりトラスが保守党新党首に選出された[1]。

この結果を受けて前党首のボリス・ジョンソンは9月6日に首相と第一大蔵卿を辞職すると共に、新党首となったトラスがスコットランドのバルモラル城[注 1]へ出向き、英国女王エリザベス2世と謁見[注 2]して首相に任命され、トラス内閣が発足した[1][2][16]。

候補者別得票数

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e • d  2022年保守党党首選挙 2022年7月-9月
候補者 議員投票 党員投票
1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
得票数得票率 得票数得票率 得票数得票率 得票数得票率 得票数得票率 得票数得票率
リズ・トラス 5014.01% 6417.98% 7119.89% 8624.23% 11331.83% 81,32657.38%
リシ・スナク 8824.65% 10128.37% 11532.21% 11833.24% 13738.59% 60,39942.62%
ペニー・モーダント 6718.77% 8323.31% 8222.97% 9225.92% 10529.58%
ケミ・ベーデノック 4011.20% 4913.76% 5816.25% 5916.62%
トム・トゥーゲンハート(英語版) 3710.36% 328.99% 318.68%
スエラ・ブレイヴァーマン(英語版) 328.96% 277.58%
ナディム・ザハウィ 257.00%
ジェレミー・ハント 185.04%
総計 357100.0% 356100.0% 357100.0% 355100.0% 355100.0% 141,725100.0%
有効投票数(有効率) 357100.0% 356100.0% 357100.0% 35599.72% 35599.44% 141,72599.54%
無効票・白票数(無効率) 00.00% 00.00% 00.00% 10.28% 20.56% 6540.46%
投票者数(投票率) 35799.72% 35699.44% 35799.72% 35699.72% 35799.72% 142,37982.57%
棄権者数(棄権率) 10.28% 20.56% 10.28% 10.28% 10.28% 30,05817.43%
有権者数 358100.0% 358100.0% 358100.0% 357100.0% 358100.0% 172,437100.0%
出典:

脚注

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注釈

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  1. ↑ バルモラル城は英国王室の別荘であり、夏の時期でのエリザベス2世(当時)の静養先である。
  2. ↑ 通常はロンドンのバッキンガム宮殿で首相任命式が執り行われるが、ジョンソンからトラスへの首相交代に際してはエリザベス2世が静養先に滞在しているため、70年の女王治世下で初めてバッキンガム宮殿以外の場所での任命式となる[16]。

出典

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  1. 1 2 3 “英保守党の新党首にトラス外相、3人目の女性首相誕生へ…「経済成長へ大胆な計画を実行」”. 讀賣新聞ONLINE. 読売新聞社. 2021年9月5日. 2021年9月5日閲覧.
  2. 1 2 “Liz Truss wins race to become new prime minister — live”. THE TIMES (英語). News Corp UK & Ireland Limited. 2021年9月5日. 2021年9月5日閲覧.
  3. ↑ “高まる英首相責任論 疑惑続々、批判収まらず―官邸パーティー”. 時事ドットコム. 時事通信社. 2022年1月18日. 2022年7月19日閲覧.
  4. ↑ “ジョンソン首相、ロックダウン中にパーティーで飲酒の写真 警察の対応に疑問の声も”. BBC News. BBC. 2022年5月24日. 2022年7月19日閲覧.
  5. ↑ “Boris Johnson wins no-confidence vote despite unexpectedly large rebellion”. The Guardian. ガーディアン. 2022年6月6日. 2022年7月19日閲覧.
  6. ↑ “英与党・保守党の院内副幹事長、会員制クラブでの痴漢行為で辞任”. BBC News. BBC. 2022年7月1日. 2022年7月19日閲覧.
  7. 1 2 “【時系列で見る】 ジョンソン英政権、閣僚が次々辞任 どうしてこうなった”. BBC News. BBC. 2022年7月6日. 2022年7月19日閲覧.
  8. ↑ “英2閣僚が辞任 スキャンダル頻発のジョンソン首相に抗議”. AFPBB News. フランス通信社. 2022年7月6日. 2022年7月19日閲覧.
  9. ↑ “ジョンソン首相 なぜ辞任?今後の影響は?”. NHK NEWSWEB. NHK. 2022年7月7日. 2022年7月20日閲覧.
  10. ↑ “Britain to have new PM by 5 September as Tory leadership rules announced”. The Guardian. ガーディアン. 2022年7月11日. 2022年7月20日閲覧.
  11. 1 2 “英保守党の党首選始まる 8人が立候補、ジャヴィド氏は辞退”. BBC News. BBC. 2022年7月13日. 2022年7月22日閲覧.
  12. ↑ “Constitution of the Conservative Party” (2021年1月). 2021年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月22日閲覧。
  13. ↑ “Tory leadership race: Rishi Sunak leads pack in tightening contest”. BBC News (イギリス英語). BBC. 2022年7月14日. 2022年7月22日閲覧.
  14. ↑ “トラス英外相が保守党党首選に立候補、候補者は11人に”. BBC News. BBC. 2022年7月11日. 2022年7月19日閲覧.
  15. ↑ “英保守党の党首選始まる 8人が立候補、ジャヴィド氏は辞退”. BBC News. BBC. 2022年7月13日. 2022年7月19日閲覧.
  16. 1 2 “Liz Truss vows energy crisis action ahead of first day as PM”. BBC NEWS. British Broadcasting Corporation. 2021年9月6日. 2021年9月6日閲覧.
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