85式野外無線機

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携帯無線機1号。

85式野外無線機(はちごうしきやがいむせんき)は、自衛隊の業務無線システムの1つ。主として陸上自衛隊において、部隊相互の連絡に使用する[1]。

69式野外無線機の後継として昭和60年度に制式化され、陸上自衛隊の主たる野外無線機として広く用いられた。その後、平成13年度より新野外無線機への更新を開始した[2]。

構成

  • 車両無線機
  • 携帯無線機1号
  • 携帯無線機2号
  • 機上無線機
  • 中継無線機
  • ホーミング受信機及び付加装置

車両無線機

主に中隊長以上の指揮官等が使用し、音声の秘匿機能や、データ・画像の伝送機能がある[3]。基本的には送受信機JRT-F16(送信出力50W、11チャネル)を中核として、妨害電波時での運用を想定した対妨害電波装置JAS-L10や空中機JAT-F12を備える。その他のモジュール構成に応じて下記のようなバリエーションがある[1]。

JVRC-F10およびF100
基本構成。F100は空中機JAT-F13を備える。1系の送受信に対応。
JVRC-F11およびF110
受信機JR-F16を備えており、またF110は空中機JAT-F13を備える。1系の送受信及び1系の受信、あるいは2系の同時受信に対応。
JVRC-F12およびF120
受信機JR-F16を2基備えており、またF120は空中機JAT-F13を備える。1系の送受信及び2系の受信、あるいは3系の同時受信に対応。
JVRC-F20およびF200
送受信機JRT-F16を2基に増設しており、またF200は空中機JAT-F13を備える。2系の送受信、あるいは2系の同時送信又は同時受信に対応。
JVRC-F300
送受信機をJRT-F14、空中機をJAT-F13としている。1系の送受信に対応。

携帯無線機1号

69式携帯無線機1号の後継で、主に小隊長などが使用する[3]。音声の秘匿機能や、データ・画像の伝送機能がある[3]。送受信機JRT-F14を中核として、空中機JAT-F10,11を備える。その他のモジュール構成に応じて下記のようなバリエーションがある[1]。

JPRC-F10
追加モジュールなし。1系の送受信に対応。
JPRC-F11
受信機JR-F14を追加。1系の送受信及び1系の受信、あるいは2系の同時受信に対応。
JPRC-F12
送受信機JRT-F15を追加。2系の送受信、あるいは2系の同時受信に対応。

携帯無線機2号

69式携帯無線機2号、3号の後継で、主に小銃班長などが使用する[3]。送受信機JRT-F15を中核とする。その他のモジュール構成に応じて下記のようなバリエーションがある[1]。

JPRC-F20
追加モジュールなし。1系の送受信に対応。
JPRC-F21
受信機JR-F15を追加。1系の送受信及び1系の受信、あるいは2系の同時受信に対応。

機上無線機

送受信機JRT-F17を中核とする。その他のモジュール構成に応じて下記のようなバリエーションがある[1]。

JARC-F20
送受信機を1基備える。1系の送受信に対応。
JARC-F30
送受信機を2基備える。2系の送受信、あるいは2系の同時受信に対応。

中継無線機JVRC-R10

送受信機JRT-F16を中核とする。

諸元表

各無線機の性能[1]
車両無線機 機上無線機 携帯無線機1号 携帯無線機2号 中継無線機
周波数範囲 28.000〜59.975 MHz
周波数間隔 25 kHz
チャネル数 1280チャネル
電波型式 16K0F1C, 16K0F1D, 16K0F1E, 16K0F3E 16K0F1E 16K0F1E, 16K0F3E
1次変調方式 適応型定差変調(ADM)
2次変調方式 4値周波数偏移変調(4値FSK)
電源 - DC 27.5V 乾電池(公称12V) DC 24V
送受信機[1]
送受信機JRT-F14 送受信機JRT-F15 送受信機JRT-F16 送受信機JRT-F17
通信方式 単信
占有周波数帯幅 16 kHz
送信出力 0.1~1 W 0.25 W 10~50 W 1~10 W
周波数プリセット
チャネル数
4チャネル
(うち1チャネルは手動設定)
2チャネル
(送受変更ユニットの
 交換により設定)
11チャネル
(うち1チャネルは手動設定)
受話出力レベル +20dBm/300Ω
※たい頭送受器は+ 20dBm/30
+17dBm/30Ω +20dBm/300Ω +17dBm/150Ω
データ出力レベル 0 / 5 V - 0 / 5 V
消費電力 最大 1.5A (DC 8.8V) 最大 0.3A (DC 8.8V) 最大 8.0A (DC 24V) 最大 5.0A (DC 27.5V)
最大質量 5 kg n/a 20 kg 6 kg
受信機[1]
受信機JR-F14 受信機JR-F15 受信機JR-F16
周波数プリセットチャネル数 4チャネル 2チャネル
(受信変更ユニットの交換により設定)
11チャネル
(うち1チャネルは手動設定)
受話出力レベル +17dBm/300Ω +17dBm/30Ω +20dBm/300Ω
データ出力レベル - 0 / 5 V
消費電流 最大 0.5A (DC 8.8V) 最大 0.15A (DC 8.8V) 最大 2.0A (DC 24V)
最大質量 n/a 1.2 kg 7 kg

参考文献

  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 防衛庁 (1985年12月18日). “制式要綱 85式野外無線機 G 2051”. 2003年5月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年10月5日閲覧。
  2. ↑ 陸幕通信電子課「陸自通信電子の現況」『信友』第25号、信友会、2002年2月1日。
  3. 1 2 3 4 『自衛隊装備年鑑1990』朝雲新聞社、1990年6月25日、106頁。ISBN 4-7509-1011-2。

関連項目