AMEL BROAT

ウィキペディアから、無料の百科事典
AMEL BROAT
ジャンル RPG
対応機種 MS-DOS・Windows(フリーゲーム版)
Nintendo Switch(リメイク版)
開発元 フリーゲーム版:Shou
Nintendo Switch版:Shou・PLiCy
発売元 フリーゲーム版:Shou
Nintendo Switch版:PLiCy
人数 シングルプレイ
発売日 MS-DOS版
1997年
Windows移植版
1999年
Nintendo Switch リメイク版
2026年4月30日
テンプレートを表示

『AMEL BROAT』(アメルブロート)はアマチュアゲームプログラマのShou(河合章悟)によって1997年にMS-DOS向けに制作・配信されたフリーゲーム。ジャンルはRPG。略称は「アメル」。続作『Cresteaju』(クレスティーユ)と合わせて「アメクレ」とも呼ばれる。

同じ作者による長編RPGの2作目[注 1]。世界観はファンタジー。後にWindowsへ移植され、ベクター等のフリーソフトウェア配布サイトに掲載された[1]。

2026年4月30日には、Shou・PLiCyの共同開発によるNintendo Switch向けのリメイク版が発売された。

ゲームシステム

MS-DOS版・Windows版・HTML版

アセンブラで記述された独自エンジンを採用しており、MS-DOSの制約下においてスクロール表現・方向表示・MIDI/FM音源BGMの再生を実現した[1]。RPGツクールが普及する以前の時代に制作された個人製作の長編RPGである[2]。

戦闘はターン制コマンド選択方式で、魔法は原則として各キャラごとに決められたレベルに到達した段階で習得する(特定のイベントで習得する場合もある)。

ベクター「週刊ソフトニュース」ではゲームバランスや魔法の並び替えなど操作面の工夫が評価された一方、ジョイパッド使用時の強制終了やアプリケーション切り替えの非対応が指摘された[1]。

2026年9月13日からはPLiCyのプラットフォームにて、Windows版準拠のものがHTML版と称して公開されている。セーブデータはWindows版と互換性があり、インポート・エクスポートも可能である。

Nintendo Switch版(2026年)

フィールドや通常の探索シーンは2.5Dグラフィックで描かれ、重要なイベントシーンはアニメシェーダーを用いた3D表現となる。全キャラクターにボイスが収録されている。ミニゲームとしてShouが別途フリーゲームとして公開していた『埴輪道』が育成要素を追加した上で収録されている。3D空間の制作にはPLiCy独自開発の『Game Designer World』が使用されている。

主人公をアルヤとティーネのいずれかから選択してゲームを開始できる。エンディング後の追加シナリオや新マップも収録されている[3]。また、シナリオもCresteajuと同一世界観でのストーリーとなるように修正が加えられている。

戦闘システムはCresteajuを踏襲したキャラクターの位置取りや攻撃範囲の概念を持つターン制コマンド選択方式だが、新要素として場所移動(行わなくても良い)と攻撃を同時に行う「一斉攻撃」や、相手の体勢を崩すことで行動不能にしつつ倍のダメージを与える「ブレイク」などのシステムが追加されている。また、戦闘メンバーはWindows版以前は最大4人で固定だったが、本版では戦闘メンバーが最大5人になったことに加え、パーティメンバー全体は6人以上となるため、戦闘メンバーを自由に選択できる(アルヤ、ティーネの両方を戦闘メンバーから外すことも可能)。

魔法習得は「魔法書解析」というシステムとなっている。基本的にCresteaju同様に魔法習得値を消費して習得する形式であるが、パーティ全体で魔法習得ツリーを共有しており、下位の魔法を誰か一人でも習得することで次のレベルの魔法習得がパーティ全体に解禁される仕組みとなっている[注 2]。また、決められた組み合わせの魔法を習得することで、対応する歴史文書を読むことができる。

ストーリー

かつてこの世界を創造した神・アメルが去り際に残した「十六夜(いざよい)の剣」。その存在を娘セリアに知られたルセイヌ帝国皇帝ドルガイラスは、腹心の部下エルド・オウト・ノーティスを召集して極秘の会議を開き、セリアの暗殺を命令した。数日後、「王女セリア病死」の報が世界中を駆け抜けた。

それから数年後、十六夜の剣を求めて旅を続ける青年アルヤは、家出して行き倒れていたヒロを助ける。盗賊団がその剣の手がかりを握っていると知った二人は、盗賊団のアジトへと乗り込んでいく。

Nintendo Switch版では上記を「アルヤシナリオ」として再構築するとともに、新たに「ティーネシナリオ」が追加された。皇帝の勅命により断罪された皇女セレスティーナは、魔術師アーゼスの手により禁断の秘術で「ティーネ」として蘇り、世界を蝕む「風」を止めるために旅立つ。どちらのシナリオを選んでも選択しなかった方の主人公もパーティに合流し、大まかなシナリオの流れは共通することになるが、主人公として選択した方のキャラクターの内面描写などの関係で内容が僅かに変化する。

登場人物

担当声優はNintendo Switch版のもの。

主人公・仲間

アルヤ
声 - 伊瀬結陸
本作の主人公。十六夜の剣を求めて旅をする青年。16歳。赤毛で、過去のことを話したがらない。攻撃魔法や回復魔法を使える一方、白兵戦も得意でほぼすべての剣やナイフを装備できる。十六夜の剣は彼にしか装備できない。
ティーネ
声 - 相川遥花
Nintendo Switch版で追加された主人公。皇女セレスティーナが禁断の秘術によって蘇った姿。命・身分・故郷のすべてを失い、世界を蝕む「風」を止めるために旅立つ。
ヒロ
声 - 夏代めぐみ
13歳の少年。とある理由で家出して行き倒れていたところを主人公に助けられ、旅に同行する。実家は神殿だが、本人はあまり神を信じていない。回復魔法を得意とし、パーティの回復役を担う。氷・光系の攻撃魔法も扱え、槍を主武器とする。
レイシス
声 - 七海こころ
レンヌ町長の娘。15歳。盗賊に誘拐されていたところを主人公たちに助けられ、旅に同行する。変態が嫌いな性格で、セイルになびかず、蹴りを食らわせることもある。兄が一人いるが、船の事故で行方不明となっている。ナイフを装備し、あらゆる属性の攻撃魔法を使いこなす。
セイル
声 - 夏目響平
自らを勇者と称する青年。年齢は20歳前後。赤いマントに白い服と個性的な格好をし、緑色の髪を持つ(本人は「環境に良い」と主張する)。女性ファンが多くサインを求められることもある。女性に優しく男性に厳しい性格だが、ジアには畏敬の念を抱いている。使える魔法は補助効果を打ち消すインバリディティのみで、物理攻撃を得意とする戦士タイプ。
ルーシー
声 - 小柳日菜
革命家。23歳。元々はルセイヌ帝国に仕えていたが、ドルガイラスのやり方についていけず退役し、帝国の未来を憂いて革命軍を興した。アルヤの旧知であり、剣の師でもある。
ミナ
声 - ほたかける
ヒロの姉。ラスカートの司教。魔法と剣の両方を使いこなす。Windows版ではパーティに加入しなかったが、Nintendo Switch版では加入する。
ジア(ジアエストル)
声 - 秋葉恭平
通称ジア。義賊の頭で、還暦以上の年齢。ガハディの実父でもあり、若い頃にはドルガイラスと旅をしていたため、今もドルガイラスを「ドルちゃん」と呼ぶ。かつて盗賊ギルド「ゴールド・ホープ」を単独で退けたとされており、打撃による攻撃を得意とする。持病の腰痛でたびたび行動不能になることがある。

ルセイヌ帝国陣営

ルセイヌ帝国は皇帝ドルガイラスの独裁国家。

ドルガイラス
声 - 上田こうすけ
ルセイヌ帝国皇帝。創造神アメルが残した「十六夜の剣」の力で世界を支配しようとしている。平和主義者だった皇后の思想を継いだ娘セリアを疎んじ、十六夜の剣を知ったことを口実にその暗殺を命じた。過酷な悪政のため民から密かに反発を受けている。
レイガ
声 - 宮瀬尚也
皇帝直属の騎士で、アルヤとは同い年。セリアを暗殺した人物でもある。
エルド
声 - 川上晃二
三魔術師のひとり。黄色のローブを纏う。口調は丁寧だが取り乱すと乱暴になる。かつてセリア姫を育てた人物。ノーティスとは犬猿の仲であり、三人の中で唯一血液型(A型)が明らかになっている。
オウト
声 - 砂山哲英
三魔術師のひとり。緑色のローブを纏う。生真面目で丁寧な言葉遣いが特徴。
ノーティス
声 - 坂上晶
三魔術師のひとり。赤色のローブを纏う。台詞がすべてカタカナで表記される独特の話し方をし、好戦的で挑発的な態度を取る。
シャネイン
声 - 須田勝也
帝国軍の部隊長のひとり。高血圧持ちで、アルヤたちに会うたびにからかわれて体調を崩す。口が軽く、重要なことをついつい喋ってしまう。
ソムヤード
声 - 藤野裕規
帝国軍の部隊長のひとり。シャネインとは良きライバル同士とされる。
グレイ
声 - 室井海人
帝国軍の部隊長のひとり。ルーシーの元同僚。
ガハディ
声 - 小林直人
盗賊団の頭。帝国と取引をしている。ジアエストルの息子。なぜか常に風邪を引いている。

バルテシア連邦所属

Nintendo Switch版で追加。バルテシア連邦は複数のギルドによって構成された勢力。

アーゼス
声 - 佐東充
魔術師ギルド「エンシェント・ヴォイド」の元首領。断罪された皇女セリアを禁断の秘術でティーネとして蘇生させた人物。
マゼルス
声 - 小林直人
魔術師ギルド「エンシェント・ヴォイド」の現首領。
イーグル
声 - 室井海人
盗賊ギルド「ゴールド・ホープ」の首領。
フォックス
声 - 根岸耀太朗
盗賊ギルド「ゴールド・ホープ」の副首領。
ラヴィッツ
声 - 渡辺紘
武器商人ギルド「ウエポン・マーケット」の首領。チャラい。
スコーピウス
銃使いギルド「ワイルド・バレット」の首領。天才の銃使い。
アラネア
声 - 夏代めぐみ
銃使いギルド「ワイルド・バレット」の副首領。正義が好き。
ウニギルド総長
声 - 坂上晶
ウニギルドの首領。ソラウニを探している。

ダスティーノ所属

Nintendo Switch版で追加。

リンダ
声 - 根岸愛
ダスティーノの預言者。
ジェイン
声 - 須田勝也
討伐派のひとり。

フィルガルト所属

Nintendo Switch版で追加。Cresteajuが同一の世界となったことで、一部のキャラクターが本作にも登場する。

ミカ
声 - 味里
Cresteajuの主人公・ルナンの後輩。Cresteajuのエンディングでクレスフィールドからアネートへ手紙を届けている人物。
フォールン
声 - 坂上晶
Cresteajuにも敵キャラクターとして登場する人物。

その他

セリア
ドルガイラスの一人娘。アルヤと何らかの関わりを持つ。十六夜の剣の存在を知ったために暗殺された。Nintendo Switch版ではティーネの本来の姿(皇女セレスティーナ)として描かれる。
ライアス
レイシスの兄。数年前の船上事故で母とともに行方不明となった。
ダイサク
声 - 佐東充
ジアを心から尊敬する義賊。自分の名前を大変気に入っている。

音楽

MS-DOS版・Windows版のBGMはShouの作曲・打ち込みによるMIDI楽曲で構成されている。現在もミラー配布されている再録版MP3データなどが存在する。[4]Nintendo Switch版では原作BGM全57曲をShouがシンセサイザーで編曲している。

以下はMS-DOS版・Windows版の楽曲一覧。

  • 神無月
  • 帝国ルセイヌ
  • 荒野の風
  • 戦場を駆け抜けて
  • Get the victory!
  • そよ風の吹く道
  • 響く足音
  • 悪の手先
  • レクイエム
  • Tower!
  • 満員電車のしゃけ弁当
  • In a real pinch!
  • At that time
  • 勇気を出せ
  • 神殿
  • 故郷は遠く
  • Before
  • The desire
  • Only dark
  • 因縁の対決
  • Never give up
  • Double objects
  • 全てが終わるとき
  • いつもの道
  • 風に揺られて

開発

Nintendo Switch版は2021年に実施されたクラウドファンディングプロジェクトを経て制作された。目標金額50万円に対し、107名の支援者から186万2820円(達成率372%)が集まった。これによりボイス収録・2.5Dグラフィック・シナリオの増量が行われた[5]。

脚注

注釈

  1. ↑ 未公開の『石がすがすがしい』という作品が存在することから、本作は2作目と定義される。
  2. ↑ なお、キャラクター毎に覚えられる魔法は決まっている。

出典

  1. 1 2 3 “週刊ソフトニュース 1999年3月11日号 AMEL BROAT”. Vector (1999年3月11日). 2026年4月30日閲覧。
  2. ↑ “ゲーム情報が入らない”. 金沢音楽制作 (2022年8月18日). 2026年4月30日閲覧。
  3. ↑ “1997年のフリーRPGをリメイクした「AMEL BROAT」,Switch向けに4月30日発売”. 4Gamer.net (2026年4月16日). 2026年4月30日閲覧。
  4. ↑ “AMEL BROAT & Cresteaju 楽曲集”. gekikarareview.com. 2026年5月8日閲覧。
  5. ↑ “1997年公開の名作フリゲRPG『AMEL BROAT』リメイク版発売日発表など ~今週のフリゲ・インディーゲームトピックス”. もぐらゲームス (2026年4月18日). 2026年5月8日閲覧。

外部リンク