AWS Backup

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AWS Backup
URL aws.amazon.com/jp/backup/
タイプ バックアップサービス
運営者 Amazon.com
営利性 営利
登録 必要
開始 2019年1月16日(7年前) (2019-01-16)
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AWS Backup(エーダブリューエス バックアップ)は、Amazon.comがAmazon Web Services(AWS)の一部として提供する、フルマネージド型のバックアップサービスである。AWSの複数のサービスに分散したデータや、オンプレミス環境のVMware仮想マシンなどのバックアップを、1つのポリシーと1つのコンソールから一元的に設定・自動化・監視できる[1]。2019年1月16日に提供が始まった[2][3]。

概要

AWS上にアプリケーションを構築すると、データはデータベース、ブロックストレージ、オブジェクトストレージ、ファイルシステムといった複数のサービスに分散する。それぞれのサービスはスナップショットなどのバックアップ機能を個別に備えているが、利用者はバックアップのスケジュールや保持期間をサービスごとに管理し、しばしば独自のスクリプトで自動化する必要があった。AWS Backupはこれをポリシーに基づいて一元化し、手作業や独自のスクリプトを不要にすることを目的としている[2]。TechCrunchは発表時、対応サービスの多くにはすでにスナップショット機能があり、AWS Backupは本質的にその作成を自動化してルールを与えるものだと解説している[3]。

利用者は「バックアッププラン」と呼ばれるポリシーを定義し、保護したいAWSのリソースを割り当てる。バックアッププランは1つ以上のバックアップルールからなり、各ルールにはバックアップの頻度とバックアップウィンドウ、バックアップを低コストのストレージ階層へ移す時期や失効させる時期を決めるライフサイクルルール、保存先のボールト、作成時に付けるタグを指定する[4]。作成されたバックアップは「復旧ポイント」と呼ばれ、AWSアカウント内の暗号化されたストレージ領域である「バックアップボールト」に保存される[4]。復旧ポイントは中央のコンソールから検索し、復元できる[5]。

オンプレミス環境については、当初はオンプレミスのソフトウェアであるAWS Storage Gatewayに保存されたデータを経由して対応していた[5]。2021年11月からはVMwareの仮想マシンを直接バックアップできるようになり、AWS Backupゲートウェイを通じてオンプレミスのハイパーバイザーに接続する[6]。

主な機能

複数アカウント・複数リージョンにまたがる管理
2020年1月にバックアップを別のリージョンにコピーするクロスリージョンコピー、同年6月にAWS Organizationsと連携して複数のAWSアカウントのバックアップを管理する機能、同年11月に別のアカウントへバックアップをコピーするクロスアカウントバックアップが追加された[7]。AWSはこれらをディザスタリカバリや事業継続計画の基盤と位置付けている[1]。
AWS Backup Audit Manager
2021年8月に追加された、バックアップの状況を監査・報告する機能。バックアップの頻度や保持期間などの要件をコントロールとして定義し、要件を満たしていないリソースを特定して、規制や社内基準への準拠を示すレポートを生成する[8][7]。
AWS Backup Vault Lock
2021年10月に追加された、バックアップボールトに保存されたバックアップの削除やライフサイクル設定の変更を防ぐ機能。設定時に定めた猶予期間を過ぎると、ルートユーザーを含むどの利用者もバックアップを削除できなくなる。AWSは、これによって書き込み後の変更を認めないWORM(write-once-read-many)の要件を満たし、ランサムウェアによる攻撃や誤操作からの復旧手段を確保できるとしている[9][4]。2022年10月には、IAMによる保護を強化するガバナンスモードと、変更不能を保証するコンプライアンスモードの2つのモードが導入された[7]。
復元テスト
2023年11月に追加された機能で、バックアップからの復元を自動的かつ定期的に試行し、実際に復元できるか、復元にかかる時間が目標復旧時間(RTO)を満たすかを検証する[10][7]。
論理エアギャップボールト
2024年8月に導入された、通常のバックアップボールトより高い保護を備えた第2の種類のボールト。バックアップはAWS Backupサービスが所有するアカウント側に保存され、暗号化とVault Lockのコンプライアンスモードが常に適用される。AWS Resource Access Managerを通じて他のアカウントとボールトを共有し、共有先のアカウントから復元することもできる[11][7]。2025年6月には、あらかじめ指定した承認チームの承認を得ることで、ボールトを所有するアカウント自体にアクセスできなくなった場合でもバックアップを復元できるマルチパーティー承認との統合が追加された[12][11]。2025年11月には、コピー先だけでなく最初のバックアップ先として論理エアギャップボールトを指定できるようになった[7]。

対応サービス

提供開始時に対応していたのは、Amazon Elastic Block Store(EBS)のボリューム、Amazon Relational Database Service(RDS)のデータベース、Amazon DynamoDBのテーブル、Amazon Elastic File System(EFS)のファイルシステム、AWS Storage Gatewayのボリュームの5つで、提供リージョンは米国東部(バージニア北部)、米国東部(オハイオ)、米国西部(オレゴン)、欧州(アイルランド)の4つだった[2][5]。

その後、2020年1月にAmazon Elastic Compute Cloud(EC2)のインスタンス、同年6月にAmazon Aurora、同年11月にAmazon FSx、2021年11月にAmazon DocumentDBとAmazon Neptuneが加わり、2021年11月末の時点でAWSの12のサービスに対応していた[7][6]。同じ時期にVMwareの仮想マシンにも対応した[6]。Amazon Simple Storage Service(S3)は2021年11月にプレビューが始まり、2022年2月に一般提供された[13][7]。2022年11月にはAmazon RedshiftとAWS CloudFormationのアプリケーションスタック、2022年12月にAmazon Timestream、2025年11月にAmazon Elastic Kubernetes Service(EKS)のクラスターが対応に加わった[7]。EC2インスタンス上のSAP HANAデータベースについては、AWS Backint Agentと連携してバックアップと復元を行う[14]。

歴史

  • 2019年1月16日 - 提供開始。対応サービスはEBS、RDS、DynamoDB、EFS、Storage Gatewayの5つ[2][3]。
  • 2020年1月13日 - EC2インスタンスのバックアップとクロスリージョンコピーに対応[7]。
  • 2020年6月24日 - AWS Organizationsによる複数アカウントの管理に対応[7]。
  • 2021年8月24日 - AWS Backup Audit Managerを追加[7][8]。
  • 2021年10月7日 - AWS Backup Vault Lockを追加[7][9]。
  • 2021年11月30日 - re:Invent 2021でVMware仮想マシンの対応と、S3対応のプレビューを発表[15][6]。
  • 2022年2月 - S3対応を一般提供[7]。
  • 2023年11月27日 - 復元テストを追加[10]。
  • 2024年8月7日 - 論理エアギャップボールトを導入(プレビューは同年6月に終了)[7]。
  • 2025年6月17日 - 論理エアギャップボールトとマルチパーティー承認の統合を追加[12]。
  • 2025年11月10日 - Amazon EKSクラスターの対応を追加[7][16]。

関連項目

脚注

  1. 1 2 “AWS Backup|一元化されたバックアップ”. Amazon Web Services. 2026年9月6日閲覧。
  2. 1 2 3 4 “AWS Backup のご紹介”. Amazon Web Services (2019年1月16日). 2026年9月6日閲覧。
  3. 1 2 3 Frederic Lardinois (2019年1月16日). “AWS launches Backup, a fully managed backup service for AWS” (英語). TechCrunch. 2025年10月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年9月6日閲覧。
  4. 1 2 3 “AWS Backup のよくある質問”. Amazon Web Services. 2026年9月6日閲覧。
  5. 1 2 3 新野淳一 (2019年1月21日). “オンプレミスもクラウドもまとめてバックアップを集中管理「AWS Backup」リリース”. Publickey. 2026年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年9月6日閲覧。
  6. 1 2 3 4 “New for AWS Backup – Support for VMware and VMware Cloud on AWS” (英語). AWS News Blog. Amazon Web Services (2021年11月30日). 2026年9月6日閲覧。
  7. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 “AWS Backup のドキュメント履歴”. AWS Backup デベロッパーガイド. Amazon Web Services. 2026年9月6日閲覧。
  8. 1 2 Renato Losio (2021年9月4日). “AWS Introduces Backup Audit Manager for Compliance Requirements” (英語). InfoQ. 2026年9月6日閲覧。
  9. 1 2 “Enhance the security posture of your backups with AWS Backup Vault Lock” (英語). AWS Storage Blog. Amazon Web Services (2021年10月13日). 2026年9月6日閲覧。
  10. 1 2 “Automatic restore testing and validation now available in AWS Backup” (英語). AWS News Blog. Amazon Web Services (2023年11月27日). 2026年9月6日閲覧。
  11. 1 2 “Logically air-gapped vault” (英語). AWS Backup Developer Guide. Amazon Web Services. 2026年9月6日閲覧。
  12. 1 2 “AWS Backup adds new Multi-party approval for logically air-gapped vaults” (英語). AWS News Blog. Amazon Web Services (2025年6月17日). 2026年9月6日閲覧。
  13. ↑ “Preview – AWS Backup Adds Support for Amazon S3” (英語). AWS News Blog. Amazon Web Services (2021年11月30日). 2026年9月6日閲覧。
  14. ↑ “How AWS Backup works with supported AWS services” (英語). AWS Backup Developer Guide. Amazon Web Services. 2026年9月6日閲覧。
  15. ↑ “AWS Announces Four New Storage Services and Capabilities” (英語). Amazon.com (2021年11月30日). 2026年9月6日閲覧。
  16. ↑ “AWS Backup 2025 year in review: advancing recovery resilience” (英語). AWS Storage Blog. Amazon Web Services (2026年1月14日). 2026年9月6日閲覧。

外部リンク