CETP阻害薬

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アナセトラピブ
エヴァセトラピブ
トルセトラピブ
ダルセトラピブ

CETP阻害薬とは、コレステリルエステル転送蛋白(CETP)を阻害してHDLを増加、LDL・VLDLを減少させ、脂質異常症を治療しようとする医薬品である[1][2][3][4]。これらの薬剤はHDLのコレステロール逆転送作用(「作用機序」参照)によりアテローム性動脈硬化症(心血管障害の一つ)の予防に寄与すると考えられる。

開発中の薬剤

開発中止された薬剤

  • エヴァセトラピブ(英語版)。第II相臨床試験の結果が公表されている[6]。第III相臨床試験が実施されていたが、2015年10月に目標を達成できない事が明らかとなったとして開発中止が発表された[7]。
  • トルセトラピブ。第III相臨床試験の結果、死亡例が増加したため、2006年12月に開発中止された。
  • ダルセトラピブ(英語版)。第III相臨床試験で有用性を見出だせなかったため、2012年5月に開発中止された[8]。

作用機序

LDLは肝臓から末梢組織へコレステロールを運搬するリポ蛋白であり、俗に「悪玉コレステロール」と呼ばれる。一方HDLは末梢組織に蓄積したコレステロールを引き抜いて肝臓へ戻す(逆転送)作用やLDLの酸化変性を抑制する作用を有するため、「善玉コレステロール」と呼ばれる[9][10]。CETPはHDLに存在する糖タンパク質の一種であり、HDLからLDLやVLDLへコレステロールを転送する[11]。

CETP阻害薬はこの転送を阻止し、HDL(善玉コレステロール)を増加させ、LDL(悪玉コレステロール)を減少させる。しかし、下図からも判る通り、コレステロールを肝臓に取り込ませるのはHDL自身とは限らない。さらに、冠動脈疾患患者から採取したHDLは一部が酸化しており、LDL様の作用(内皮細胞での一酸化窒素産生抑制、活性酸素種の産生増加、内皮細胞への単球接着増加、傷害内皮の再生の抑制)をもたらすと考えられる[12]。

以下の遺伝子、タンパク質、代謝はそれぞれの記事をリンクされている [§ 1]

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スタチン経路図 編集
  1. ↑ この双方向伝達経路地図はWikiPathwaysで編集できる: “Statin_Pathway_WP430”. 2014年5月7日閲覧。

出典

  1. ↑ Tall AR (March 2007). “CETP inhibitors to increase HDL cholesterol levels”. N. Engl. J. Med. 356 (13): 1364–6. doi:10.1056/NEJMe078029. PMID 17387130.
  2. ↑ Joy TR, Hegele RA (August 2008). “The failure of torcetrapib: what have we learned?”. Br. J. Pharmacol. 154 (7): 1379–81. doi:10.1038/bjp.2008.248. PMC 2492099. PMID 18536741.
  3. ↑ Rennings AJ, Stalenhoef AF (October 2008). “JTT-705: is there still future for a CETP inhibitor after torcetrapib?”. Expert Opin Investig Drugs 17 (10): 1589–97. doi:10.1517/13543784.17.10.1589. PMID 18808319.
  4. ↑ Carmen Drahl (February 2012). “The Cholesterol Bet”. Chemical & Engineering News 90 (8): 13–20.
  5. ↑ “開発中の新薬”. 2014年10月7日閲覧。
  6. ↑ Stephen J. Nicholls et al. (2011). “Effects of the CETP Inhibitor Evacetrapib Administered as Monotherapy or in Combination With Statins on HDL and LDL Cholesterol: A Randomized Controlled Trial”. JAMA 306 (19): 2099–2109. doi:10.1001/jama.2011.1649.
  7. ↑ “Lilly to Discontinue Development of Evacetrapib for High-Risk Atherosclerotic Cardiovascular Disease”. Eli Lilly (2015年10月12日). 2015年10月14日閲覧。
  8. ↑ Larry Husten (May 2012). “Roche Terminates Development Of CETP Inhibitor Dalcetrapib”. Forbes.
  9. ↑ “メルクマニュアル 脂質障害”. 2014年10月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年10月7日閲覧。
  10. ↑ “CETP をターゲットにした創薬研究” (PDF). 2014年10月7日閲覧。
  11. ↑ “コレステロールの流れとHDLの抗動脈硬化作用”. 2014年10月7日閲覧。
  12. ↑ “HDLにも善玉と悪玉がある 冠動脈疾患患者のHDLは内皮機能を傷害する” (2011年7月14日). 2014年11月2日閲覧。