G認証

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G認証(ジーにんしょう、英: Habitat Evaluation for G)は、ゴルフ場やスキー場等の施設において、草地をはじめとする二次的自然環境の保全・再生への取り組みや生物多様性への貢献度を評価・認証する制度である[1]。公益財団法人日本生態系協会によって2024年3月に創設された[2]。名称に含まれる「G」は、草地環境および評価対象施設を象徴するGrassland(草地)、Golf Course(ゴルフ場)、Gelände(ゲレンデ/スキー場)の頭文字に由来する[3]。

背景と目的

日本国内における草地環境は、かつて(明治時代頃)国土の約10%を占めていたが、近代における生活様式の変化や人による草利用の減少、管理放棄などにより、現在では国土の約1%にまで激減している[4]。これに伴い、草地環境に依存する在来動植物や絶滅危惧種の衰退が深刻な課題となっている[4]。

一方で、国内のゴルフ場(国土の約0.6%を占める)やスキー場は広大な草地や緑地を維持・保有しており、適切な管理やゾーニングを行うことで、絶滅の危機にある動植物の生息・生育空間(ハビタット)として機能する高いポテンシャルを有している[2]。

本認証制度は、施設の建設に伴う過去から現在までの環境変化を整理・開示した上で、現状の管理内容の見直しや生物多様性保全型の管理区域(除草剤・農薬の不使用や草刈り時期の調整など)の設定を通じ、在来動植物の生息環境の再生や生物多様性の回復を促進することを目的としている。また、企業や事業者が自らの生物多様性への取り組みや社会的責任を対外的に「見える化」し、説明する枠組みとしても活用されている[2]。

評価対象と制度概要

評価対象
原則としてひとつのゴルフ場またはスキー場の敷地全体(または運営管理主体単位)を対象とし、立地条件や面積に制限はない。
創設・運営主体
公益財団法人日本生態系協会が審査・認証を行い、学識経験者等で構成される運営委員会が設置されている。
有効期間
認証の有効期間は5年間であり、5年ごとの更新評価・認証が必要となるほか、毎年管理状況の確認手続きが行われる。

評価要件とランク

認証にあたっては、必須要件および選択要件の達成状況に基づき評価が行われる。

主な評価要件

  • 要件1. 建設前後の環境明示(必須): 建設前から現在までの環境タイプ(林地・草地・農地等)の推移を地図化・グラフ化して開示する。
  • 要件2. 現状の管理内容の確認(必須): 敷地内の各エリアにおける草刈りの時期・頻度・刈高・農薬使用状況を把握・整理する。
  • 要件3. 外来種等の使用抑制(必須): 生態系被害防止外来種や地域外からの植物の新たな導入を抑制・制限する。
  • 要件4. 生物多様性保全型の管理(必須/選択): 除草剤や化学農薬を使用せず、かつ、ゴルフ場においては、草地における草刈り頻度の調整(年3回以内や2年に1回等)、二次林における林床の下刈り等(1~3年に1回程度)、スキー場においては開花・結実を考慮した草刈り時期の調整(秋以降への変更等)、雪面硬化剤の不使用とする区域を確保する。
  • 要件5. 生物調査を踏まえた管理(選択): 敷地内において「優占種等の分布状況」、「希少動植物の生息状況」、「植物群落や動物群集の状況」調査を実施し、その結果を管理計画に反映させる。
  • 要件6. 普及啓発(必須): クラブハウス内への認証書・管理位置図の掲示や、現場への解説サインの設置を行う。

評価ランク

必須要件のすべてを満たした場合にA3ランクが付与される。選択要件(生物多様性保全型の管理区域の割合や生物調査の実施など)の達成内容に応じて、A3、A2、A1、AA3、AA2、AA1、AAAの7段階で評価判定される。なお、明治・大正時代等から継続する歴史の古い草原や二次林に該当し、適切な配慮管理がなされている区域がある場合は、1ランクアップする規定が設けられている[1]。

認証された取り組み

以下の施設などが認証を取得している(初回認証年順)。

  • 筑波東急ゴルフクラブ(茨城県つくば市、東急不動産株式会社・東急リゾーツ&ステイ株式会社)
  • 斑尾東急ゴルフクラブ(長野県信濃町、東急不動産株式会社・東急リゾーツ&ステイ株式会社)
  • タングラムスキーサーカス(長野県信濃町、東急不動産株式会社・東急リゾーツ&ステイ株式会社)[5]
  • 大多喜城ゴルフ倶楽部(千葉県大多喜町、東急不動産株式会社・東急リゾーツ&ステイ株式会社)
  • メイプルポイントゴルフクラブ(山梨県上野原市、株式会社メイプルポイントゴルフクラブ)

脚注

  1. 1 2 “G認証 公益財団法人日本生態系協会”. 2026年11月6日閲覧。
  2. 1 2 3 佐藤伸彦ら「生態系の世界から見る社会とゴルフ」『Golf Economic World』(株)ゴルフ用品界社、2025年3月号 - 2025年10月号(全8回)。
  3. ↑ 落合はるな「ゲレンデが生物多様性の拠点に!自然と共生するスキー場の姿」『SIA NEWS』公益社団法人日本プロスキー教師協会、VOL.192、2025年10月。
  4. 1 2 田中健太「スキー場の豊かな草原の歴史と, その守り方」『SNOW Sports & Resorts』一般社団法人日本スノースポーツ&リゾーツ協議会、2025年9月16日(ISSN 2758-3732)。
  5. ↑ 「生物多様性保全でスキー場に認証 信濃町の「タングラム」全国初 最高位の評価ランク」『信濃毎日新聞』信濃毎日新聞株式会社、2025年6月21日。

参考文献

  • 佐藤伸彦ら「生態系の世界から見る社会とゴルフ」『Golf Economic World』(株)ゴルフ用品界社、2025年3月号 - 2025年10月号(全8回)。
  • 田中健太「スキー場の豊かな草原の歴史と, その守り方」『SNOW Sports & Resorts』一般社団法人日本スノースポーツ&リゾーツ協議会、2025年9月16日(ISSN 2758-3732)。
  • 「生物多様性保全でスキー場に認証 信濃町の「タングラム」全国初 最高位の評価ランク」『信濃毎日新聞』信濃毎日新聞株式会社、2025年6月21日。
  • 落合はるな「ゲレンデが生物多様性の拠点に!自然と共生するスキー場の姿」『SIA NEWS』公益社団法人日本プロスキー教師協会、VOL.192、2025年10月。

外部リンク

  • G認証 - 公益財団法人日本生態系協会