IEC 60086 は、国際電気標準会議 (IEC) が定めた一次電池に関する規格である。以下の文書からなる。

日本では、「JIS C 8500 一次電池通則」(IEC 60086-1に相当)などとして国家規格化されている。

記号

R20・LR20(単1形)
R14・LR14(単2形)
R6・LR6(単3形)
R03・LR03(単4形)
6F22(9V形)
CR2032

IEC 60086-1 と JIS C 8500 で、電池の形状・寸法・電池系などを表す記号が定められている。以下では、規格以外の情報も適宜補足する。

層数

積層電池(内部で複数の電池が直列につながれている電池)は、内部の電池の数を表す数字で始まる。単電池は何も付けない。

電池系

ラテン文字1文字(一部2文字)で、電池系(電池の化学構造)を表す。表は、参考に二次電池の記号も記す。 公称電圧は電池系で決まるが、実際の電圧は公称電圧より高い電圧で始まり、徐々に降下する。積層電池なら電圧は層数倍になる。

一般的なリチウム電池は二酸化マンガンリチウム電池 (C) だが、単3形・単4形の「リチウム乾電池」は硫酸鉄リチウム電池 (F) である。オキシライド乾電池はニッケル系一次電池 (Z) に分類される。

 記号電池系正極電解液負極公称電圧
一次電池なしマンガン乾電池二酸化マンガン塩化亜鉛水溶液亜鉛1.5
A空気電池酸素塩化アンモニウム・塩化亜鉛水溶液亜鉛1.4[1][2]
Bフッ化黒鉛リチウム電池フッ化黒鉛非水系有機電解液リチウム3.0
C二酸化マンガンリチウム電池二酸化マンガン非水系有機電解液リチウム3.0
E塩化チオニルリチウム電池塩化チオニル非水系有機電解液リチウム3.6
F硫化鉄リチウム電池硫化鉄非水系有機電解液リチウム1.5
G酸化銅リチウム電池酸化銅(II)非水系有機電解液リチウム1.5
Lアルカリ乾電池二酸化マンガンアルカリ水溶液亜鉛1.5
P空気亜鉛電池酸素アルカリ水溶液亜鉛1.4
S酸化銀電池酸化銀アルカリ水溶液亜鉛1.55
Zニッケル系一次電池オキシ水酸化ニッケルアルカリ水溶液亜鉛1.5
二次電池Hニッケル水素電池ニッケル酸化物アルカリ水溶液水素吸蔵合金1.2
Kニッケルカドミウム電池ニッケル酸化物アルカリ水溶液カドミウム1.2
ICリチウムイオン電池リチウム複合酸化物非水系有機電解液炭素3.7
PB鉛蓄電池二酸化鉛希硫酸鉛2.0

形状

ラテン文字1文字で形状を表す。

R : 円形(円筒形、ボタン形、コイン形)
F : 角形、平形
P : 非円形 (組電池)
S : ペーパー

寸法

数字の列で寸法を表す。正式に規格で定められているのは上限で、下限は参考値となっている。いくつかの寸法は、固有の記号が決められている。

固有の記号には、以下のようなものがある。

記号寸法通称
直径長さ日本アメリカヨーロッパ
R0310.544.5単4形AAAmicro
R11230.2単5形Nlady
R614.550.5単3形AAmignon
R1426.250単2形Cbaby
R2034.261.5単1形Dmono
R417.93.6(ボタン形) 
R4311.64.2
R4411.65.4
R487.95.4
R5411.63.05
R5511.62.05
R705.83.6
R-1/3N11.610.8(リチウム
電池
)
R123A1734.5
6F2248.5×26.5×17.59V形
006P形
9V6F22

固有の記号が定められていない寸法は、数値で表す。形状がR(円形)の場合、ミリメートルを単位とした直径と、0.1ミリメートルを単位とした長さ(または厚み)を続け、3 - 5桁の数字で表す。たとえば、2032なら、直径20ミリメートル、厚み3.2ミリメートルである。

直径と厚みは、以下の値が定められている。ただし、数値は切捨てで表示するため、いくつかは規格の寸法と表示する寸法が異なっている。実際の寸法をカッコ内に記す。

グレード

マンガン乾電池の単1形 - 単3形に限り、この後にさらに1文字のラテン文字が続き、グレードを表す。

日本で生産されているのはPとPUである。

例

出典

  1. ↑ 梅尾良之著、『新しい電池の科学』、講談社、2006年9月20日第1刷発行、ISBN 4062575302
  2. ↑ INTERNATIONAL STANDARD IEC 60086-1(pdf、Tenth edition 2006-12、2011年9月26日参照)

関連項目

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