Leopardus tilcayo

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Leopardus tilcayo
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 哺乳綱 Mammalia
目 : 食肉目 Carnivora
科 : ネコ科 Felidae
属 : オセロット属 Leopardus
種 : L. tilcayo
学名
Leopardus tilcayo
Nogales-Ascarrunz, Aliaga-Rossel, Lescroart & Eizirik, 2026[1]
英名
tilcayo[1]

Leopardus tilcayoはオセロット属に属するボリビア固有の小型ネコ類。2026年9月のタイガーキャット類に関する研究において独立種と認められ、現生ネコ類の新種記載としては1923年以来となる[2]。本種は地元住民の間ではすでに "tilcayo" の名で知られていた。外観はジャガーネコなど他のタイガーキャット類と似ており、遺伝的に独立した集団であるという事実は、動物学者による2026年の研究まで報告されていなかった[3]。

発見

本種は Leopardus fasciatus(現在はコロコロに含まれるとされている)が1923年に記載されて以来はじめてのネコ科新種である[2]。地元住民には知られていたが、科学的には遺伝的に独立した種であると認められていなかった[4]。

生物学者でありナショナル ジオグラフィック協会の探検家でもある Paola Nogales-Ascarrunz が本種と出会ったのは2016年、ボリビアのセンダ・ベルデ野生生物サンクチュアリが持ち込まれた1匹のネコについて彼女に連絡をとってきたときのことであった。およそ1年前、そのネコはラパス県在住の男性のもとで育てられており、その男性は子ネコを見つけた際にはイエネコだと思っていたものの、後にこれはサンクチュアリの保護が必要な野生動物であると気付いた。その間、男性は「麺類、米.卵」を食べさせようとしていた[5]。Nogales-Ascarrunz はそのネコに興味をそそられ、写真を撮り、その時には外観が特殊なジャガーネコであると考えた[2]。

2019年、ボリビアのネコ類についての小冊子の準備中に、Nogales-Ascarrunz はサンクチュアリで保護されている個体はジャガーネコとは別の種であると認識した[2][6]。2026年に本種はゲノム解析により独立種であるとされた[7]。

このティルカヨ発見に関する論文は、2026年9月17日、アメリカの学術誌『カレント・バイオロジー(Current Biology)』に掲載された[8]。

名称

英名にもなっている "tilcayo" は現地で使用されていた名称である[9]。2026年よりも前に刊行されたボリビア動物相に関する出版物では、"tilcayo" という語はジャガーネコを指す語とされている[10]。この語の正確な語源は不明だが、スペイン語起源でもケチュア語起源でもないと考えられている。Nogales-Ascarrunz によると、この語は地域コミュニティの中で世代を経て受け継がれてきたものであるが、その過程で原義は失伝してしまった[2]。

日本ではtilcayoを音訳したティルカヨの呼称も発見に際した報道で用いられた[6][11][12][13]。

分布と生息地

本種はボリビア・ラパス県の北ユンガス郡にある Arapata の町近郊、海抜 1570 m の地点で発見された[9]。この場所はユンガス山地の森林地帯(雲霧林)に位置しており、アンデス山脈の東側斜面である[2]。

分類

38種の中南米産ネコ類(Leopardus tigrinus species complex に属する26個体を含む)を遺伝分析した結果、この tigrinus complex には5つの異なる種が含まれることが判明し、その中の1種である本種 (L. tilcayo) は他のオセロット属から140万年以上前に分岐したことがわかった[9]。この研究では、以前は対象とされていなかったギアナ地方(1775年に L. tigrinus が本記載された場所の近く)産のネコ類を含む遺伝資料を用いている。アントワープ大学の進化生態学者でこの研究の共同主著者でもある Jonas Lescroart はこれをタイガーキャット類における「これまでで最も完璧な遺伝研究」と呼んだ[14]。

高深度のコンセンサス核配列データセットによって得られた系統ゲノム学的を以下に示す[15]:

Oncifelis亜属

本種 (L. tilcayo)

ジャガーネコ

ジャガーネコ基亜種 (L. t. tigrinus)

Antisuyo tiger cat (L. t. antisuyo)

(L. tigrinus)

Clouded tiger cat (L. pardinoides)

ミナミジャガーネコ (L. guttulus)

ヒガシジャガーネコ (L. emiliae)

Tiger cat complex(側系統群)

特徴

本種の毛皮は明褐色で不規則な形状の梅花紋をもつ[4]。梅花紋は大きく色は暗褐色から黒色で、ほとんどは紋が開いているが部分によっては閉じており、結合は見られない[9]。短く丸い耳、長いヒゲ、縮まった顔面を持つ。オセロット属の多くの種と同じく、イエネコよりも小さい[2]。頭胴長は 42.5 - 50 cm、尾長は 25 - 26.5 cm、体重は 1.5 - 2.0 kg である[16]。

本種は他のタイガーキャット類とよく似ている。タイガーキャット類は隠蔽種であると考えられており、別種であっても外観がよく似ていて形態学のみによって別種であると見分けるのは困難である[17]。

生態と行動

2026年9月現在、本種の行動についてはほとんど知られていない。糞標本中から見つかった小型齧歯類の体の一部から本種の食性の一端が伺え、カメラの映像からは本種が夜行性であることが示唆されている[4]。

保全

2026年9月の時点では L. tilcayo はIUCNレッドリスト上で正式な評価をされていない。リスト上では現在2種のタイガーキャット類(L. tigrinus と L. guttulus)の双方が危急とされている[14]。共同主著者 Jonas Lescroart によると、調査チームは予定されているタイガーキャット類の再評価に先駆けて彼らの発見をIUCNと共有した[14]。ブラジル・マラニャン州立大学の生態学者で研究共著者の Tadeu de Oliveira は、本研究で確認されたタイガーキャット類の種は「急速に消滅しつつある」生息環境にいると述べている[5]。

Nogales-Ascarrunz の興味を引いたまさにその個体は、2026時点では引き続きボリビアのセンダ・ベルデ動物保護施設で保護されている。このネコは2026年には10歳となり、"Tigrino" というあだ名がつけられている[18]。

出典

  1. 1 2 Lescroart et al. 2026.
  2. 1 2 3 4 5 6 7 Bittel, Jason (2026年9月17日). “Meet the First New Cat Species Discovered in 100 Years”. National Geographic. 2026年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年9月17日閲覧。
  3. ↑ Lescroart et al. 2026, p. 6: "This species is named after the local name "tilcayo" used for this felid, which is widely known in the Bolivian Yungas zone. The name is treated as an unchanged noun in apposition."(本種は現地でこのネコ類に対して用いられていた "tilcayo" から名付けられ、ボリビアのユンガス地域で広く見られる。この名前は同格の不変化名詞として扱われる。)
  4. 1 2 3 Serafinko, Marta (2026年9月17日). “New cat species identified in Bolivia, first in over a century”. Reuters. 2026年9月17日閲覧。
  5. 1 2 Bush, Evan (2026年9月17日). “New wild cat species is identified for first time in 100 years, researchers say”. NBC News. 2026年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年9月18日閲覧。
  6. 1 2 “イエネコと思って拾った子ネコ、100年ぶりの新種だった”. 日本経済新聞 (2026年10月13日). 2026年10月15日閲覧。
  7. ↑ Lescroart et al. 2026, p. 8.
  8. ↑ “100年以上ぶり、“ネコの新種”が発見―― 南米で「ティルカヨ」と名付けられた小型の野生ネコ”. 動物 ねとらぼ. ITmedia (2026年9月30日). 2026年10月15日閲覧。
  9. 1 2 3 4 Lescroart et al. 2026, p. 6.
  10. ↑ Aguirre et al. 2009, p. 436.
  11. ↑ “100年以上ぶり“新種のネコ”発見!その名は「ティルカヨ」 南米ボリビアに生息【news23】”. TBSテレビ (2026年9月22日). 2026年10月20日閲覧。
  12. ↑ Tyler Lacoma (2026年9月18日). “ネコの新種、100年以上ぶりに発見”. CNET Japan. 2026年10月20日閲覧。
  13. ↑ “ジャガーネコから新種を分離=南米ボリビア生息、DNA解析で―国際チーム”. 時事通信 (2026年9月19日). 2026年10月20日閲覧。
  14. 1 2 3 Cara, Ed (2026年9月17日). “Scientists Discover First New Cat Species in Over a Century—and It's Love at First Sight”. Gizmodo. 2026年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年9月17日閲覧。
  15. ↑ Lescroart et al. 2026, p. 4.
  16. ↑ “Scientists name a new cat species for the first time in over a century”. Live Science (2026年9月17日). 2026年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年9月17日閲覧。
  17. ↑ Simms, C. (September 17, 2026). “Beautiful new cat species is first to be named in a century”. New Scientist. 2026年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2026年9月18日閲覧.
  18. ↑ Briggs, Helen (2026年9月17日). “Spotted wildcat from Bolivian forest revealed as new species”. BBC News. 2026年9月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年9月18日閲覧。

引用文献

関連項目

外部リンク