MDA5(melanoma differentiation-associated protein 5)またはIFIH1(interferon induced with helicase C domain 1) は、ヒトではIFIH1遺伝子にコードされる、二本鎖RNAヘリカーゼ酵素である[5]。MDA5はRIG-I様受容体(RLR)ファミリーの一員である。このファミリーには他にRIG-IやLGP2などが含まれ、ウイルスを検知するパターン認識受容体として機能する。一般的にMDA5は2000ヌクレオチド以上の長さの二本鎖RNAを認識すると考えられているが[6]、一本鎖RNA部分と二本鎖RNA部分を含む高分子量RNA複合体によって活性化されることも示されている[7]。多くのウイルスに対するMDA5を介した効率的な抗ウイルス応答は、機能的活性を有するLGP2に依存している[8]。MDA5によるシグナル伝達カスケードはCARDドメインを介して開始される[9]。がん細胞では、MDA5は細胞性RNAと相互作用して自己免疫応答を誘導することが観察されている[10]。
MDA5は、二本鎖RNAウイルスのゲノムRNAやRNAウイルスの(+)鎖や(-)鎖の複製中間体など、長い二本鎖RNAを検知する[11]。MDA5はRNAに施された多数の化学修飾と相互作用することも示されている。例えば、真核生物のmRNAは5'キャップ直後の1番目と2番目のヌクレオチドは2'-O-メチル化がなされていることが多く[12]、こうした構造はそれぞれcap1、cap2と呼ばれているが[13]、MDA5は2'-O-メチル化の欠如を検出し、こうしたRNAに結合して免疫応答を開始する[14]。
活性化されたMDA5は、N末端のCARDドメインを介してMAVSと相互作用する[15]。MAVSはIKKεやTBK1をリクルートして多タンパク質複合体として機能し[16]、IRF3やIRF7をリン酸化して細胞核へ移行させる。核内では、これらのIRFはI型インターフェロンであるIFN-βとIFN-αの遺伝子の転写を誘導する[17]。
MDA5はATP依存性DExD/HボックスRNAヘリカーゼに分類される。MDA5にはN末端の2つのCARDドメイン、ヒンジ領域、RecA様のHel1、Hel2ドメインが含まれる。そしてもう1つのヒンジ領域によってRNAの認識と結合を担うC末端ドメイン(CTD)と連結されている[18]。CTDには、RNAを認識する正に帯電した溝に加えて、亜鉛結合ドメインが含まれている[19]。
IFIH1/MDA5の変異はSingleton-Merten症候群[20]やエカルディ・グティエール症候群と関係している。
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