サン=ラグ方式

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サン=ラグ方式(サン=ラグほうしき、Sainte-Laguë method、サン=ラゲ方式、サント=ラーゲ方式とも表記される)は、政党名簿投票制度で代議員を均等に配分する方法の一つである。ウェブスター方式と同等である。フランスの数学者アンドレ・サン=ラグに因んで名付けられた。サン=ラグ方式はドント方式に比べて、小政党に有利な制度である。

サン=ラグ方式は、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ラトビア、コソボ、ハンブルク、ブレーメン州で使用されている。1993年にはボリビアで、2001年にはポーランドでも使用されていた。また日本においては与党を中心に、衆議院議員総選挙の比例代表における議席配分をドント方式から修正サン=ラグ方式に変更する方針が議論されている[1]。

ドント方式との比較は最高平均方式の項目を参照。

配分法

サン=ラグ方式は、ドント方式と同様に除数方式である。ドント方式の除数が整数(1から順に1ずつ増える)であるのに対して、サン=ラグ方式は奇数(1から順に2ずつ増える)である(0.5から順に1ずつ増えると言っても数学上同じ)。

すべての票が集計されたあと、連続した商がそれぞれの名簿につき計算される。その商に対する式はで、Vはその名簿の得票数の合計であり、sはその政党にこれまで配分された議席数であり、最初はどの党も0である(ドント法は、式にを使用している)。

最高の商を持つ名簿が次に配分される議席を獲得し、その商は次の議席の合計を与えるのに再計算される。この過程はすべての議席が割り当てられるまで繰り返される。

例

定数7の比例代表制選挙区で5政党が競い、各党が以下の得票数を得た場合、サン=ラグ方式とドント方式での議席獲得数を比較する(注:総得票数は855,000)。

政党A 政党B 政党C 政党D 政党E
得票数 340,000 280,000 160,000 60,000 15,000
議席1 340,000 280,000 160,000 60,000 15,000
議席2 113,333 280,000 160,000 60,000 15,000
議席3 113,333 93,333 160,000 60,000 15,000
議席4 113,333 93,333 53,333 60,000 15,000
議席5 68,000 93,333 53,333 60,000 15,000
議席6 68,000 56,000 53,333 60,000 15,000
議席7 48,571 56,000 53,333 60,000 15,000
サン=ラグ方式合計議席 3 2 1 1 0
ドント方式合計議席 3 3 1 0 0
得票率 39.8% 32.7% 18.7% 7.0% 1.8%

サン=ラグ方式では得票率4位の政党Dが全体の7位(議席7)で最初の1議席を得るが、ドント方式では政党Dが議席を獲得できず、政党Bが1議席増となる。ドント方式で政党Dが最初の1議席を獲得できるのは定数が12まで増加した場合となる。なお、下記の修正サン=ラグ方式で最初の除数を1.4とすると、政党Dの最初の1議席は定数が17まで増加した場合となる。

サン=ラグとウェブスター

サン=ラグ方式は、同じ結果をもたらす点に於いてウェブスター方式(提案者でアメリカ合衆国上院議員でもあったダニエル・ウェブスターに因んで命名された)と同等であるが、議席配分の意図が全く異なっている。 後者は、比例代表の配分ではなく地域代表の配分のために考案されており、基数を最大剰余方式のときのように用いるが、その基数(除数と呼ばれる)は、結果として生じる商が丸められた(四捨五入した)あと、求められる合計議席になるよう必要に応じて調整される。

修正サン=ラグ方式

ノルウェーやスウェーデンなどいくつかの国では、最初の除数を1の代わりに1.4に置き換えている。ノーマルなサン=ラグ方式が最初の1議席分だけ小政党に著しく有利なのを補正する効果がある。修正された方式では、このような小政党は議席獲得が困難となり、その分の議席は他の大政党や中規模政党に与えられる。但し最も小さな政党でも十分な得票数を獲得していたり、どんな小政党でも議席を獲得できるといった制限があったりすれば、この修正は効力を持たない。

外部リンク

  1. ↑ “国民・維新「比例31減」賛成=自民案、今国会成立高まる―衆院定数削減”. 時事通信社. 2026年10月28日. 2026年10月30日閲覧.