セルフビルド

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セルフビルド(英:self-build)は個人の住宅や建築物を様々な方法によって建築する過程である。セルフビルドの形態は建築物全体をDIYするものから一部を建築家や建設会社に委託するものまでさまざまである。

動機

セルフビルドする者の動機はさまざまであるが、一般なものの一つとして市場に出回る住宅を購入することができないということがある。特に貧困に苦しむ国では顕著である。また家族やライフスタイルに合わせて何かを作り出したいという願望から行われることもある[1]。

手法

セルフビルドする者は住宅を様々な方法で建築する。中には全体を自身で建築する場合もある。経済的に豊かな国では多くの場合で、家を設計する建築家[2]や建設する大工が雇われる。そうでない場合は「パッケージ」会社が全体の計画を管理するために使用される。それも行われない場合は自身で建築する土地を管理したり、プランナー、人材や材料の供給業者と直接やり取りする。

各国での状況

セルフビルドの指すものは幅広く、多くの発展途上国では一般的な建築様式である。末日聖徒イエス・キリスト教会[3]のような一部の宗教的に厳密なコミュニティやヒッピーのようなサブカルチャーの中でも一般的である。エコビレッジはセルフビルド工法のなかで生まれたものである。多くの先進国ではセルフビルドは行政によって規制されているが、途上国ではしばしば国連ボランティア計画のようなNGOや国際組織によって支援されるのと対照的である[4]。

ガーナ

2010年の世界銀行の統計によれば、ガーナの住宅の95%はセルフビルドされた住宅であり、10年間で3000億ドルの経済効果をもたらしている。[要出典]セルフビルドは貧困層のみならず中間層でも用いられている。ガーナの独立後の政権、例えばクワメ・エンクルマらは、私有物の制約を求める社会主義的な政策方針から、公共住宅を建設してきた。2009年にはガーナ政府は国家的な避難所を整備するための政策方針の草案の中で、セルフビルド住宅や、他の主流でない住宅建築様式の重要性に触れている。[要出典]

イタリア

イタリアでは第二次世界大戦後の数十年、貧困層がローマのボルガーテ・ロマーネ、北ナポリやパレルモ周辺の郊外の放棄された土地でセルフビルドが広く行われていた。現代ではセルフビルドは、噴水や壁、屋根などのパーツの建築を業者が行う中で部分的に利用される[5]。他の目的はシンティのような被差別民族の援助である。ラヴェンナやパドヴァのような中規模都市はメーソンリーや建材がジプシーの住む地域で彼らの住む小屋を改良する手助けのために使用された[6]。1980年代前半にはセルフビルドはイタリアの大学のプログラムに取り入れられた。トリノ工科大学のGiorgio Ceragioliは建築技術の講義であるLaboratorio tecnologico di autocostruzione (Latec)のなかで、学生にいくつかのセルフビルド工法を実習させた[7]。

メキシコ

メキシコでは1940年代から1970年代に急速な都市化が起きており、地方から来る移民の目的地とされていた。この期間に政府プログラムは十分な住宅を供給することができず、人口の大多数が低賃金にあったために私的に建設することも忌避されていた。FONHAPOとINFONAVIT(英語版)という2つの住宅供給のための基金が設立されて以降も、実効的には需要の1/5しか充足することができなかった。このような難しい状況下で多くの臨時的な宣言がなされ、研究者や政治家はセルフビルドを支援し拡大することが、住宅問題に対して直接に住宅供給に取り組むよりも現実的な解決策であると考えるようになった。それによって1970年代にセルフビルドを行う低所得者に対して中心部分や土地の所有権に対して支援を行う政策が始まった。これらのスキームはマルクス主義者から適切な住宅供給を行うことは政府の義務であり住宅不足は資本主義の欠陥であると批判された。ともかく、セルフビルドによる住宅は住宅で最も一般的な形態となり、メキシコシティではその割合が1952年の14%から1990年には60%まで増加した。その後、政策方針の優先順位は住宅の建築から不動産市場の拡大、地域のインフラやすでにある住宅の改良へと移った[8]。

英国

セルフビルドという単語は、特にイギリスやアイルランドで、個人が建築用地を取得して自身の家をその上に建築することを指して使われる。その用語は必ずしもすべてを自身で完結させることを指すのではなく、一般的にはオーダーメイドの住宅に関与することとして定義される[9]。

イギリスでは毎年10,000から20,000件のセルフビルドが行われていると推定されている。これはすべての住宅の10%に満たないが、イギリスで新築される住宅の3軒に1軒に当たる[10]。年間を通してセルフビルドは住宅のデザインや技術の進歩の最前線であり、近年は太陽光発電やヒートポンプ、床下暖房、フリーアドレスやスマートホームのような環境に優しい機能が多く取りいれられている。これらの機能が商業的な住宅建築に取り入れられるのには多くの年数がかかる。投資や別荘、リタイア後の住居や移住のために海外でセルフビルドをしたいと考える人も増えている。

個人の住宅は伝統的なものから極端に現代的なものに及ぶため、セルフビルドという用語は個人の住宅を古い建物から作り出す人も指す。

現在の問題

イギリスのセルフビルド市場の主な問題は、地価の高騰や設計上の制限からセルフビルドする人々に建築用地が不足していることである。2008年に全英セルフビルド協会(NaSBA)が政府や関連団体にこうした状況を改善するための圧力をかけるために設立された。NaCSBAの出資者はBath and District Self Build Association、Build It magazine、BuildStore、Potton/Kingspan、Architecture Verte、そしてEcomotiveである[11]。カスタムビルドのコミュニティを受け入れるために2014年7月にこの団体は名前を全英カスタムセルフビルド協会に改めた[12]。

2016年から、イングランドの地方政府は自宅の建設をしようとする人や団体の登録簿を維持することが法的に義務付けられた[13]。

脚注

  1. ↑ Wael Salah Fahmi (2014). “Types of self built houses”. The Adaptation Process of a Resettled Community to the Newly-Built Environment A Study of the Nubian Experience in Egypt: A Study of the Nubian Experience in Egypt. Universal-Publishers. p. 279. ISBN 9781612334233 2018年4月26日閲覧。
  2. ↑ Matthews, Robert (2002). All about Selfbuild: A Comprehensive Guide to Building Your Own Unique Home. Blackberry Books. pp. 131. ISBN 9780951529522 2018年4月26日閲覧。
  3. ↑ “Mormons help people build homes in Visayas”. Manila Standard Today. 2014年3月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年10月21日閲覧。
  4. ↑ Westendorff, David (2009). Self-built housing in developing countries: current contributions and challenges to local development through volunteerism. Financiadora de Estudos e Projetos. オリジナルの4 March 2016時点におけるアーカイブ。 2014年9月9日閲覧。
  5. ↑ L'alternativa autocostruzione: una proposta delle cooperative; Rosario Pavia, in La Metropoli "spontanea": il caso di Roma : 1925–1981, sviluppo residenziale di una città dentro e fuori dal piano, Edizioni Dedalo, 1983; on-line versione: books.google.it (accessed on 9 July 2014)
  6. ↑ Padova: "Progetto Sperimentale di Autocostruzione del Comune di Padova co-finanziato dal Ministero del Lavoro e delle Politiche Sociali", 2 April 2010; on-line: operanomadipadova.blog.tiscali.it Archived 15 December 2014 at the Wayback Machine. (accessed on 9 July 2014)
  7. ↑ Programme of the course in Tecnologia dell'architettura of Politecnico di Torino; didattica.polito.it (accessed on 9 July 2014)
  8. ↑ Peter M., Ward (2010). “Self-Help Housing and Urbanization”. Colonias and Public Policy in Texas and Mexico: Urbanization by Stealth. University of Texas Press. ISBN 9780292773929 2015年2月2日閲覧。
  9. ↑ “What is Self-Build?” (2012年11月27日). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  10. ↑ “Ebuild.co.uk: Self Build”. 2010年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年7月15日閲覧。
  11. ↑ “Archived copy”. 2010年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年7月15日閲覧。
  12. ↑ “About us”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  13. ↑ “Self-build and custom housebuilding” (英語). GOV.UK. 2020年1月27日閲覧。

参考書籍

  • Broome, Jon (2007). The Green Self-Build Book: How to design and build your own eco-home. Foxhole, Dartington, Totnes, Devon: Green Books. ISBN 978-1-903998-73-1 
  • Pollan, Michael (1997). A Place of My Own: The Education of an Amateur Builder. New York: Random House. ISBN 978-0-679-41532-9 

関連項目