タケフナイフビレッジ

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タケフナイフビレッジ外観

タケフナイフビレッジは、福井県越前市余川町で越前打刃物の製造と販売を行う協同組合、およびその共同工房の名称である。打刃物の職人たちが工房を共有し、製造の現場を一般に公開している。現在では日本国内のほか、海外へも越前打刃物を出荷している。

歴史

結成まで

越前打刃物は鎌の産地として知られ、江戸時代中期から明治にかけては全国一の生産量を誇った[1]。しかし高度経済成長期に農作業の機械化が進むと手づくりの鎌は売れなくなり、ステンレスを型で抜いた安い刃物にも押されて、かつて60社ほどあった鎌の鍛冶屋の多くが廃業した[1]。

こうしたなかで、家業を継いだ20代から30代の若い職人10人が1973年に「武生刃物工業研究会」をつくり、毎晩のように集まって産地の行く末を話し合った[2]。売れ行きの落ち込みや職人の高齢化、後継ぎの不足、近所への騒音が悩みであった[2]。1979年には、越前打刃物が刃物として初めて国の伝統的工芸品に指定されている[1]。

ブランドの誕生

1982年春、職人たちは県の工業試験場の紹介で福井県出身のデザイナー川崎和男と出会い、同年8月に商品の統一ブランドを「タケフナイフビレッジ」と決めた[2]。およそ1年をかけて30枚以上のデザイン画から試作を重ね、1983年には新しい商品17点を東京・六本木のAXISビルで発表した[2][注釈 1]。1986年にはニューヨークでも展示会を開いている[2]。

その後、組合の製品は国内外で評価を受けた。

共同工房

1991年、タケフナイフビレッジ協同組合が設立された[6]。組合は翌年、建築家毛綱毅曠に共同工房の設計を頼み、総工費3億円をかけた建物が1993年5月に完成した[2]。補助金をあてにできず、職人一人ひとりが大きな借金を背負っての建設であった[2]。工房には10社が入り、2階から作業を見下ろせる見学の通路が設けられた[2][6]。

2020年8月28日には、川崎和男がデザインを監修した新しい工房が完成した[6]。正面から見ると正三角形に見える建物2棟を組み合わせた形で、延べ床面積は396平方メートル、総工費は1億3200万円である[6]。新しい工房ではガラス越しに鍛造や研ぎを間近で見られるようになり、それまでの売店は打刃物の歴史を学ぶ資料館に改められた[6]。工房の横の広場は、若い職人が独立して工房を構えるための用地も兼ねている[6]。完成の時点で、組合には12事業者、48人の職人が加わっていた[6]。

見学と体験

入口のショーウィンドウ

共同工房では、組合の各社が自社の製品をつくる様子を、無料で見学できる[7]。見学の通路はスロープになっており、車いすでも回ることができる[8]。職人は日曜と祝日に休むため、作業を見るなら平日がよいとされる[7]。

施設内には製品を売る店や展示室がある[8]。個人向けには、火造りの鍛造から柄の取り付けまでを行って自分の包丁を仕上げる教室が開かれており、刃物の研ぎ直しや修理も受け付けている[9]。

利用情報

脚注

注釈

  1. ↑ この展示会の年を1987年とする資料もあるが、組合の公式の沿革は1983年としている。

出典

  1. 1 2 3 “About”. タケフナイフビレッジ【公式】. タケフナイフビレッジ協同組合. 2026年10月25日閲覧。
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 “タケフナイフビレッジの歩み”. タケフナイフビレッジ【公式】. タケフナイフビレッジ協同組合. 2026年10月25日閲覧。
  3. ↑ “Good Design Long Life Design Award”. Good Design Award. 2021年4月4日閲覧。
  4. ↑ “Kazuo Kawasaki, Ouzak Design Formation. X&I scissors. 1983 | MoMA”. The Museum of Modern Art. 2021年4月4日閲覧。
  5. ↑ “Kazuo Kawasaki, Ouzak Design Formation. Pla Schola pencil sharpener for kids. 1993 | MoMA”. The Museum of Modern Art. 2021年4月4日閲覧。
  6. 1 2 3 4 5 6 7 “タケフナイフビレッジ新工房が完成 越前打刃物の鍛造見学、売店も”. 福井新聞ONLINE (2020年8月30日). 2021年4月4日閲覧。
  7. 1 2 “共同工房”. タケフナイフビレッジ【公式】. タケフナイフビレッジ協同組合. 2026年10月25日閲覧。
  8. 1 2 “団体のお客様へ”. タケフナイフビレッジ【公式】. タケフナイフビレッジ協同組合. 2026年10月25日閲覧。
  9. ↑ “体験”. タケフナイフビレッジ【公式】. タケフナイフビレッジ協同組合. 2026年10月25日閲覧。
  10. 1 2 “アクセス”. タケフナイフビレッジ【公式】. タケフナイフビレッジ協同組合. 2026年10月25日閲覧。

関連項目

外部リンク