デモナータ

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『デモナータ』(Demonata)は、ダレン・シャン著の子供向けダーク・ファンタジー小説。

あらすじ

デモナータ1幕 ロードロス(原題:Lord Loss)

主人公のグルービッチ・グレイディ(グラブス)は、チェス好きの両親と姉をもち、かっこつけるために煙草を吸うどこにでもいるような平凡な少年である。

ところがある日、自分以外の家族がバレエを見に行くと話し、自身は行きたく無い為(のちにクラブスが断る事を見越した家族の嘘であった事が判明する)家を離れ父の知り合いの家で過ごしていたが、家族が何かを隠していると勘付きこっそりと自宅に戻ったところ、恐ろしい化け物たちに家族が惨殺されていた現場を目撃してしまう。殺した化け物たちのリーダーは魔将(本作では悪魔の中でも強い力を持ち、人間並の知性を有する者を指す)ロード・ロスという悪魔であった事がのちに判明する。その際、ロード・ロスに仕える悪魔、ベインとアーテリーに追われたグラブスは、初めて魔術の力に目覚め、本来狭く通れないはずの犬用の出入り口から外に飛び出して逃げ、かろうじて助かる。

悲惨な形で家族を失い精神に深い傷を負ったグラブスは精神病院へ入院する。見舞いに訪れた親戚達から同情され、引き取り手を決める事も含めて各家庭に試し期間として訪れたりもするが、心に深い傷を負ったことからふとしたきっかけから悪魔に家族が惨殺された状況を話し始めて引き取り候補先の子供達を怖がらせるなどし、養子となる話は破綻する。

そんな中、他の親戚たちとうまくいかなかったのを見越した様に現れた叔父のダービッシュの助言より自身の状況と向き合い、回復していく。ダービッシュはクラブスの家族を惨殺した化け物達が悪魔であると知っており、彼らの名前や特性まで熟知していた。クラブスはダービッシュの助言に従い、悪魔の話をせずそれらしい人間の架空の犯人の特徴を話す事で、退院が認められて寂れた田舎町にあるダービッシュの家、豪邸へと向かう。そこでビルE(ビリー・スプリーン)という少年と出会ったことをきっかけに、自身の家系にまつわる事実と、ロード・ロスの正体を知ることになる。

グレイディ一族には、時として狼人間が生まれる。それに規則性はなく、はっきりわかっているのは、もし狼人間であれば10代の内に発病する事と、発病すれば自身が死ぬまで見境なく周りの人間や動物を襲い続け殺戮を行う非常に危険な存在となる事、発病した狼人間を元に戻せるのは強い力を持つ悪魔(魔将)、ダービッシュが知る限りではロード・ロスだけという事である。狼人間を元に戻すためには、2人1組になって、ロード・ロスとのある戦いに勝たなくてはならない。それは、1人はロードロスとチェスを5つ同時進行で進め、3つを勝ち取らなければならず、もう1人はロードロスの手下と戦いパートナーに攻撃させないようにするというものだった。ロードロスの手下にパートナーがやられてしまえば、手下はチェスをやっている者を攻撃してもよい。つまり、手下との戦いに1人が闘っているうちに、もう1人がチェス5つを同時進行ですすめ、3つ勝ち取らなければならない。たとえ勝ったとしても、治癒されて狼人間でなくなった者と手下と戦った者は助かりその時点で元の世界へ戻してもらえるが、チェスを行なった者だけは魂がデモナータへ行き、ロード・ロスと改めて戦って勝たなければその者は帰って来られないというルールがあった。

実は、グラブスの姉グレットはこの人狼病を発病していた為、両親はクラブスを巻き込まない為、彼が興味がなさそうなバレエを見に行くと嘘を言い避難させた後、グレットの治療を賭けてロード・ロスとの戦いに挑んだものの負けたため、命を奪われたのだった。そして、ビルEもまた、人狼病を発病してしまう。彼は、グラブスの異母兄弟だったのだ。

ビルEを助けるため、ダービッシュはグラブスをパートナーに、ロード・ロスに戦いを挑む。

デモナータ2幕 悪魔の盗人(原題:Demon Thief)

1幕の物語開始より2〜30年ほど前。

主人公コーネリアス・フレック(愛称カーネル)は心優しく穏やかな性格だが空間に漂う不思議な光のかけらが見える少年で、その事を話してしまっていた事もあり両親を除いた周囲から「頭のいかれた変人」と敬遠され、寂しさと孤独を感じる日々を送っていた。

ある夜、光を弄んでいるうちに思いがけず"まど"ができあがり、不思議な声に導かれるまま足を踏み入れ、行方不明になってしまう。数日後、その間の記憶を無くしながらも、いつのまにか一緒になったまだちゃんとした言葉も発せない幼い弟のアートと共に戻ってくるが、一家はより安心できる環境を求め、田舎の村へ引っ越すことになる。

光が見える事を隠していた事もあり、カーネルは生まれて初めて周囲から変人扱いされない日々を送る。平穏な日々が1年ほど続いた後、カーネルは村で変人扱いされる老婆に呼び止められ、「盗人」呼ばわりされる。カーネルは怖がりつつもその場を逃げ去りその場では何も起きなかったものの、後日課外授業を受けていたカーネル達の元にその老婆が現れる。老婆はカーネルのように光のかけらが見えている様子を見せ、光のかけらを吸い込むようにして自身の元に集めはじめる。カーネルは周囲に逃げたほうがいいと警告するが時間もない上、光のパネルが見えない周りの人間が理解して咄嗟に行動できるはずもなく、老婆の手によって"まど"が開き、老婆は粉微塵に肉体が弾け死亡する。"まど"の中から奇怪な化け物が現れ、カーネル達の担任教師を殺害したのを皮切りに、怯え泣き叫び逃げ惑うその場にいた子供達に襲い掛かり惨殺し始める。子供達が体を引きちぎられたり四肢や頭をもぎ取られ殺害されていく中、子供達を守るように別の“まど”が開き、今度は数名の人間の一派が現れ、化け物と戦い始める。化け物は逃げようとするが、その時アートがその化け物に殺害こそされなかったものの捕まり、連れ去られてしまう。カーネルは弟を助ける為後を追って"まど"に飛び込むと、そこには奇怪な世界が広がっていた。さらに先ほど“まど”から現れていた人間達に再会し、この世界に来た事を驚かれるも弟を助けるためにも彼らの話を聞く。彼らは魔術同盟という悪魔と戦いこの世を守る事を目的とした者たちであり、同盟の創設者にしてリーダーでもある魔術師・ベラナバスと直接行動を共にしている一派であった。彼らは世界を破壊するという伝説の武器カーガッシュと、その手がかり悪魔の盗人と思われる魔物・カダバーを追っており、この世界は悪魔達の世界デモナータだと教えてくれる。カダバーは先ほどカーネル達の前に現れて子供達を惨殺しアートを連れ去った悪魔の名で、老婆は精神を病んだか、もしくは何らかの理由で悪魔を呼び出して子供達を襲わせたと思われる事が判明する。カーネルはアートを取り戻す為にも彼らについていきたいと話す。魔術同盟に迎え入れられ戦いに参加するが、その中で"まど"を任意に作る能力には目覚めるもののメンバーの1人ラズが惨殺されてしまったのを目にした事もあり戦意を喪失し、別のメンバーの1人であるナディアに唆された事もあり元の世界へ戻る“まど”を急いで作り、彼女と共に仲間を見捨るような形で人間界へ逃げ帰る。

罪悪感にさいなまれるカーネルだが、ナディアは自由になれたと人間界にやって来られた事を喜ぶ。ベラナバスは才能のある人間を拉致のような形で強引にメンバーとして徴収して同盟に加えており、2幕の時代から見ても数十年前となる1920年代(デモナータは時間の流れが人間界と異なり、場所によってその流れ方も違い、デモナータでの1日が現実での1年となったりその逆も然りである事がのちに明かされる)にまだ少女であったナディアは、その頃ベラナバスに連れ去られ平穏な日々を奪われ恐ろしい戦いに塗れた日々を送らされていた為、内心でずっとベラナバスを憎悪していたのであった。

カーネルはこれを同盟から抜ける好機と考えるナディアと別れ(一度は共に来るよう誘われたが、仲間を置いていくことを良しとできず渋った為置いて行かれた)さまようが、点滅する光に導かれた先で、魔術同盟のメンバー・シャークと1幕にも登場したダービッシュ(当然1幕の数十年前の話である為、まだ若く、シャークの話を聞きこれから悪魔と初めて戦いたいと希望しているところであった。またこの若きダービッシュの登場を通して、2幕の物語が1幕の数十年前であった事が読者にも示される)に出会い、紆余曲折を経て再度デモナータの元へ行き、ベラナバスたちと再会する。ナディアも連れ戻され、ベラナバスやカーネルに呪詛を吐くも、再びメンバーに加えられる。一行はカダバーを追ってロードロスの城に行き着き、カーネルは殺害されておらず無事であったアートにも再会する。一行はロードロスと対峙して彼の提案するゲームに参加させられるが、カタバーを差し出す事と引き換えにロードロスはベラナバス一行の誰か1人の命を求め、ナディアが選ばれ彼女は肉体を粉砕される。

ナディアの死に動揺する間も無く、一行はロードロスからゲームのルールを説明される。魔法のチェス盤の中に存在する危険な異空間に魂を送られ、その中で手がかりを探しつつ『悪魔の盗人』なる者を推理し当て、犯人と思う存在に触れながらその名を呼び、言い当てられればゲームはカーネル達の勝利となり即座に終了し、異空間からも脱出できるというルールを提示される。魂だけが送られる為、異空間の中での体の損傷は、現実には反映されず異空間の中だけでの事であるという。また、勝利すればアートを連れて行って良く、「カーガッシュ」に関しても自身の知る限りの事を話すが、逆に3度『悪魔の盗人』が誰なのか誤った回答をすれば、そのチェス盤の中から出られなくなり永久に苦しむことになり、自身はそれを見つつ苦痛の感情を吸い込ませてもらい楽しむとロードロスは話す。悪魔は非情であるが嘘はつかないはずとベラナバスは判断し、自分は万が一の事態に備え入らないと話し、カーネルを含めたメンバーの多くに反感を持たれながらもカーネル達にチェス盤の中の世界に行きゲームに参加するよう促す。ダービッシュやシャークも参加を表明してくれた為、アートを取り戻す為カーネルは仲間達と共にチェス盤の中の異世界に向かう。

カーネルはチェス盤の中で、マグマに落ちたところを助けられる形で死んだはずのナディアと再会する。実はナディアは事前にロードロスと契約しており、肉体を粉砕されたのは見せかけにすぎず、魂を事前に逃すことで悪魔となり生きながらえていたのであった。ベラナバスよりロードロスにつき悪魔として生きて自由を与えられる方がマシだとナディアは話し、カーネルのことは好きな上見捨てられなかったので助けたが、次会ったら敵となる事を話し姿を消す。カーネルはその後2度回答を誤り追い詰められるものの、3度目に『悪魔の盗人』の名を言い当てる。それはカーネル自身であった。『悪魔の盗人』とは盗人の悪魔ではなく、悪魔を盗んだ者のことであった。

カーネルは物語冒頭で“まど”を開きくぐった後、いつの間にかアートと共に帰還していたが、実はアートは人間でもカーネルの実の弟でもなく、窓をくぐった先で訪れたデモナータでカーネルが見つけた、子供の姿をした悪魔アーテリー(1幕にも登場しており、クラブスの姉の死体で遊んでいた悪魔と同一)であった。孤独に苛まれていたカーネルは、その悪魔を捕え魔術で人間にして連れ帰り(盗み)、その後無意識的に記憶を改竄(おそらく魔術の力も影響したと思われる)して最初から自分には弟のアートがいたと思い込み、帰還してアート(人間になったアーテリー)を抱いたまま部屋で倒れていたというのが真相であった。カーネルの両親は当然知らない子供をカーネルが抱きしめていた事に動揺していたが、カーネルが本気でアートを弟だと信じ込んで話している事、かつてカーネルには実の妹がいたがその子は亡くなってしまっていた事、自身らもアートを見てその妹の生まれ変わりのように感じた事、当然アートは元が悪魔のため現実世界で該当する捜索願いが出されていなかった事などから、カーネルに話を合わせアートを自身らの子供であると受け入れる決断を下し、誰も自分達の素性を知らない田舎へ引っ越していたのだった。

人間界に召喚されたカタバーがアートを見て連れ去ったのは、アートの正体を知っていたからであり、いわば取り戻した(但し仲間としての情などではなく、アーテリーはロードロスのお気に入りの手下の1人であった為、カタバーはその事も知っておりアーテリーを取り戻す事で魔将であるロードロスに媚を売り、自身を追うベラナバス達から庇護してもらうのが目的であった事が示されている)に過ぎなかったのだ。

真相を知り愕然とするも、ロードロスはカーネルの魔術は類稀な強いものであり、人間となったアートは中身は悪魔である為将来殺人者のようになる可能性が大いにあるものの、少なくとも人間と同じように見かけ上は成長していき、カーネルの許可なしで悪魔の姿に戻る事と、カーネルを傷つけようとする事だけは絶対にないと保証し約束通り連れ帰っても構わないと話す。カーネルは苦悩するが、最終的に両親などに危害が及ぶ事を危惧した結果涙ながらに「お前の腐った手下などいらない」とアートを連れ帰らない決断を下し、一行と共にロードロスの城を去る。カーガッシュについてはほとんど情報は得られず(カタバーを差し出し知っている事を話すというロードロスの言葉に偽りは無かったが、どちらからも有益な事は聞けなかった)、ベラナバスは「弟」を失ったカーネルを全く慮る事はなく、カーガッシュ探しに付き合わせようとするが、一連の身勝手ともいえる振る舞いを見かねた他のメンバー達から糾弾される。

その後他のメンバーの口利きもあり、ベラナバスの許可も得てカーネルは人間界へベラナバス以外の仲間たちと共に帰還する。彼らと別れ、アートの事をどう説明しようかと悩みつつも自宅に戻ったカーネルであったが、両親は若干老けた容姿となっていた上、カーネルを見て幽霊にでも遭遇したかのように驚き怖がる。

カーネルがデモナータで戦っているうちに、人間界では子供達が惨殺された事件から7年もの月日が経過していた。カーネルとアートも7年前の謎の惨殺事件で殺されたと思われており、両親は悲しみつつもそれをどうにか乗り越えて生きてきていたのであった。カーネルは泣き出すが、その姿を見た両親達はようやく恐る恐るカーネルに話しかけ、泣きながらカーネルを抱きしめて喜ぶ。

両親のもとで新しい生活を送るカーネルだったが、その生活は思い描いたような幸せなものではなかった。両親は最初こそ喜んでくれたが、息子の死の悲しみを時間の経過と共に乗り越えて手にしていた平穏な日々をある意味で掻き乱された上、他の子供が数多く惨殺され、自身らの子供だけが7年前と変わらない姿で戻ってきた事から住み慣れた田舎にもいられなくなり、再び引っ越すなどの行動も余儀なくされ、次第に疲弊した様子も見せるようになる。

両親は一度は受け入れたアートが再びいなくなった事や悪魔であったというカーネルの話を完全には受け入れられなかった事や、戻ってきたカーネルも7年前と姿が変わらない事などから内心でどこか恐れながらカーネルに接していた。

カーネルは学校にも行けず、都会のアパートで両親が仕事に行っている為留守番をしていた際、両親が枕の下に入れていた家族写真のカーネルの顔だけが塗りつぶされていたのを目にした。カーネルは膝を抱え光のかけらの中で静かに苦悩する。これ以上2人を苦しませないためにも再び両親のもとを離れるのだった。

その後カーネルはデモナータの中の比較的安全な世界で1人佇んでいたベラナバスと再会し、これからは彼と行動を共にする決意を固めた事を話す。また、カーネルは自身が推察した「カーガッシュ」の正体についても話す。カーガッシュは一つではなく複数に別れている可能性もある事はベラナバスらから聞いていたが、物質ではなく生き物の姿をとっているのでは無いかとカーネルは話す。それを聞き「もしやカーガッシュの一つは私か?」と動揺しつつ話すベラナバスに、カーネルは否定しつつ「カーガッシュは、多分...ぼくだ」と話し、2幕の物語は幕を閉じる。

デモナータ3幕 スローター(原題:Slawter)

主人公グラブスは、デモナータから帰ってきたダービッシュの異常行動に頭を抱えていた。そんななか、彼らとビルEは、映画プロデューサーのダビーダ・ヘイムらに映画作成の協力を依頼され、撮影現場へ向かい、エメットという少年と知り合う。しかし、そのエメットが突然、姿をくらました。グラブスは不審に思い、調査するがどうもしっくりしない。そんなとき、子役俳優の双子のうち、1人がいなくなった。

そしてグラブス達は進入を許されていないD工房へ足を踏み入れる。

そこでグラブスは、映画作成者の一部の人達が悪魔と手を結んでいたことを知る。

デモナータ4幕 ベック(原題:Bec)

主人公ベックは、5世紀のアイルランドに住む、自分が生まれた時から完璧な記憶力を持った少女。生みの母はベックに名をつける前に死に、近くにいた部族マッコン族の老戦士ゴールに拾われた。そしてこの子をどうするか論議をし、バンバという女魔術師(プリーステス)が、ベックから魔力を感じ、弟子にする事にした。

ベックは成長し平穏な日々を過ごしていたが、悪魔が襲ってくるようになった。マッコン族はこの悪魔のフォモール族と毎晩戦い、ベックは負傷者の手当てをする日が続いた。

ある日異常に足が速く、頭のふれた少年ブランがきて、わけの分からないことを言って少年の部族のある方角へ連れて行きたがるので、老戦士ゴール、長の子コンラー、ふたごの戦士、ローナンとローカン、鍛冶屋フィークナー、他部族の女戦士オルナーとベックとで少年の部族へ命がけの旅に出た。

この作品は他の作品とは違いクライマックスで物語がきっちりと終わるなど、シリーズの中でも異色を放つ作品である。

デモナータ5幕 血の呪い(原題:Blood Beast)

スローター事件から数ヶ月、グラブスことグルービッチ・グレイディは自分が狼人間に変身するという悪夢にうなされていた。そして魔力をもてあまし、水の流れを逆にしたり自分を宙に浮かしたり出来るようになり、グラブスは精神的に不安定になっていた。そんな時、家でパーティーを開くことになり、有頂天になるが、そこでの瓶回しの最中瓶を回転・浮遊・破壊し、その破片を蝶や花などに変えてしまうなどの魔力を見せてしまう(ビルE以外には手品だと思われた)。そして、とうとうとんでもない事態が発生する。

その夜からグラブスに狼人間の兆しが現れる。そしてジューニー・スワンが本性を表す。

デモナータ6幕 悪魔の黙示録(原題:Demon Apocalypse)

この話は5幕のすぐ直後の話から始まる。地獄と化した地上数千メートルの上空で、裏切ったジューニーとロードロスに追い詰められたグラブス。しかしそこになぞの浮浪者があらわれ、グラブスの窮地を救う。そして浮浪者の隠れ家の洞窟に行き、グラブスが他の者とはちがうが、魔術師であることにかわりないことや、自分の正体が魔術師のベラナバスであると明かし、そこでグラブスはカーネルと出会う。洞窟でベラナバスは、グラブスに起きたことやジューニーのことをすぐにではないが、ダービッシュに必ず伝えることを約束する。そして向かった先の世界で怖くなったグラブスは逃げ出す。その後2,3週間洞窟で過ごし、カーネルとベラナバスが戻って来る。その後、5幕で聞いた少女の警告らしき声や、洞窟にやって来たシャーミラにより、人間界に大変なことが起きていることを知る。

デモナータ7幕 死の影 (原題:Death's Shadow)

今回の主人公はベック・マッコン(マグリゴール)。ビルEの記憶を借りて、普段の生活にだいぶなじめるようになったが、ベックは新たな悩みをかかえていた。それは、ダービッシュとの関係だった。ベックがビルEの考えていることが全てわかる、と明かすと、ダービッシュはベックをビルEの気持ちをしゃべる人間、としか判断しなくなった。それを助けてくれたのが、ダービッシュの親友、ミーラだった。ミーラに言われ、ダービッシュと話し合うベック。

その他にも、新しい能力に頭をかかえるベック。

突然、ダービッシュを襲った危機。

昔ながらの友の死―――――…。

新たな敵の正体を、ベックが暴く。

デモナータ8幕 狼島(原題:Wolf Island)

主人公のグラブスは、ベラナバス、カーネルと共に〈シャドー〉の情報を集めにデモナータに来ている。デモナータに来てからしばらく経ったある時、シャークとミーラがベック達のピンチを知らせにやってきた。ベック達のピンチを救うとベラナバス達とは別行動をとる。ベラナバス達は〈シャドー〉の真実を探り、グラブス、シャーク、ミーラ達は、ダービッシュおじさん邸を襲った狼人間と狙撃者の真実を探りに、プレイ・アティームを追う。

しかし、プレイ・アティームを追ううち、罠にはまってしまう。

その上、グラブスにも異変が起きてしまいーー。

そして、驚きの未来をジューニーは口にする―――――――。

デモナータ9幕 暗黒のよび声(原題:Dark Calling)

9幕の主人公はカーネル(コーネリアス)になる。物語はカーネルが目を失った所から始まる。ベックの目の前で爆発したと思われたカーネルは『精霊』と呼ばれる存在に導かれ、人間界やデモナータを離れ、[アトランティス]という居住可能の惑星などを渡りながら、宇宙の起源や、元々の『宇宙』はチェス盤のように黒32面白32面でできていたこと、カーガッシュ(後述)の正体を知る。この9幕は最終巻の10幕に必要な伏線が張られている場面がある。

この作品では、2幕にのみ登場したアートやラズといったキャラクターも数名登場する。

デモナータ10幕 地獄の英雄たち(原題:Hell's Heroes)

10幕の主人公はグラブス。グラブスは毎晩のように空想とは思えないリアルな悪夢にうなされていた。悪魔たちの人間への攻撃も日に日に強まっていき、死者が増えていくなど戦局は悪くなる一方。もう人類に勝ち目はないのだろうか――――

しかし、グラブス達を待っていたのは意外な結末だった。

主な登場人物

主人公たち

グラブス・グレイディ (Grubbs Grady (Grubitsch Grady))
カーガッシュの『引き金』。3人の力を操る。本名 グルービッチ・グレイディ。背が高く赤毛で自分の名前を嫌悪しているが、性格は普通の少年。
一巻ではロード・ロスに家族を虐殺され、魔力が発動したのを機に無自覚にも取得し、PTSD患者になった。殺された家族などの消えない悪夢を見るようになる。その後、親の代わりである叔父のダービッシュに引き取られ共に暮すことになる。
カーネル・フレック (Kernel=Fleck(Cornelius=Fleck))
カーガッシュの『目』。無毛症で光の欠片が見えるため、周囲から変人扱いされて生きてきた。登場人物たちの中で唯一、光のかけらを操って素早く「まど」をつくることができる(時間はかかるが、光のかけらを目視できない者でも能力があればまどを作る事自体は可能)。本名 コーネリアス・フレック。心優しい性格で変人扱いされていながらも平穏に生きて来たが、悪魔と関係しその後ベラナバスと共に戦いながら放浪の日々を送った後6巻にてクラブスと時代を超えて対面した際には、2巻の頃からは大きく異なる冷めた性格となっていた。
悪魔の攻撃で目を喪失し、その後、デモナータで目を作ったが、魔界などの魔力に満ちた場所でなければ長く保てない。その新しい目もある人物の攻撃で再び一時期喪う。3人の中では唯一の魔術使い。
ベック・マッコン(マグリゴール)(Bec MacConn)
カーガッシュの『記憶』。背が低く縮れた濃厚な赤髪。完全記憶能力を持ち、後に触れた対象の記憶を吸収する能力も覚醒する。
もともとは5世紀のアイルランドで生まれその時代で一生を終えた[1]。このとき死んだ魂がそのまま閉じ込められ、約千年経った現代で、生贄として殺されたビルEの体に魂が入り込み生き返った。その為、ビルEの記憶がある。女の魔術師(惑星の全てに眠っている力を魔力に代え使う未熟練のプリーステス)。
7章では、ダービッシュ邸に住むが、彼からビルEがどこでどう何を感じていたかなどを延々と聞かれていた。(霊媒の様な感覚で)カーシェリーベールではレベッカ・キンガという偽名を使い、グラブスの親戚であると名乗っていた。その際、レニーと出会っている。

グレイディ一族

ビルE・スプリーン (Bill-E Spleen (Billy Spleen)
本名、ビリー・スプリーン。グラブスの異母兄弟。事実を知るまでダービッシュが実父、グラブスと亡くなったグレットをいとこだと思っていた。狼人間として生まれてしまっていたグレイディ一族の1人であったが、1幕終盤にてロードロスの手によって呪いは解かれる。
6幕にて人間界とデモナータとのトンネルを閉じるために、自分の命が鍵となっていると知らない間にグラブスに涙ながらに命を絶たれ、グラブスやダービッシュに見守られて死亡。死亡後、洞窟の中にいたベックの魂に体を奪われ、女性の体に変貌させられていく。ビルEとしての意識と人格は失われたが記憶はベックに全て引き継がれており、それを知ったダービッシュは一時期ベックをビルEの記憶を話すだけの存在としてしか見ず、ベックが思い悩む一因となる。
最終巻のクラブスが、世界を再構築する際に悲惨な運命を変えたい人物の1人として名前を挙げていた。
グレット・グレイディ
グラブスの2~3歳離れた赤毛の姉貴であり[2]、グラブスが転入前に同じ学校に通学する生徒だった[3]。グラブスと同じ、実名を嫌う主義。背は平均的な普通の少女で、背の高いグラブスと共に学校などからデコボコ姉弟とも呼ばれ、互いもそうして罵っている。グラブスとは時折、本気で喧嘩するほど仲が悪いが、根底から嫌ったり憎み合っている訳ではない。ビルEは彼女を知っているが事実を知るまで従姉だと思い込んでいた。亡くなった彼女からすればビルEの異母姉にあたる。
グレイディ一族の呪いが発動してしまっており、ビルEと同じ人狼病を発症し狼女になりかけていた。本編開始直前にクラブスがタバコをこっそり吸っていた事を学校に密告したため、その件でグラブスに恨まれてイタズラを仕掛けられるが、その時自身の治療を賭けたロードロスとのチェスと戦いを目前に控えていた為、ナイーブになっていた事とそのイタズラの内容がネズミのはらわたを用いた過激なものであり、悪魔を連想させるものであった事からクラブスと大喧嘩になってしまうも、その後弟に自身の方から謝り、イタズラの件での両親からのお仕置きが無しになった旨を伝え、クラブスが欲しがっていたものを贈るなど姉らしい姿と優しさを見せていた。その後グラブスを残し両親と共に彼女の治療のためにロードロスと相対し危険な賭けをするが、両親は敗北し、自身もロード・ロスとお気に入りの手下2匹のいずれかに手にかけられ絶命する(家に戻ってきたクラブスが彼女を目撃した時には、既に絶命しておりアーテリーが背中から入り込んで操り人形のようにされて遊ばれていた)。
その後稀にグラブスの悪夢に現れてもいた。最終巻のクラブスが、世界を再構築する際に悲惨な運命を変えたい人物の1人として名前を挙げていた。
グレットとグラブスの両親(ビルEの実父)
2人とも赤毛。母はグイレディ一族とは無関係な家系の女性。父は、ダービッシュの兄。父は実は若い頃、家族に隠して沢山の女性と関係をもち不倫をしていた。その中にはビルEを産んだ女性(エミリー・スプリーン)もおり、彼女がビルEを出産したことにより、不貞の息子をグラブスとグレットがいる自分の家族のもとに引き取ろうとしたが、母方の祖父母(エミリーの両親)に反対された上に起訴すると脅された為、ビルEをカーシェリーベール村に残す。
娘のグレットが人狼病を発症したことにより、グラブスを他の人に預けてから娘の治療を賭けてロード・ロスに勝負を挑むも、敗北して妻と娘共々死亡した。家に駆けつけた息子グラブスは悪魔に襲われるも魔力を発動して助かったが、彼が悪魔の世界に関わっていく一因となってしまったともいえる。
最終巻のクラブスが、世界を再構築する際に悲惨な運命を変えたい人物として名前を挙げていた。
プレイ・アティーム (Prae Athim)
グレイディ一族専門の殺し屋「子羊」のメンバー。黒髪の長い女性。自身の子供も狼人間だが、始末はしていない。ビルEが治療された事を嗅ぎつけ、ダービッシュにビルEを調べたいと打診するが断られる。スローター事件にてビルEを誘拐する形で登場するが、それはある人物が見せた幻覚であった為アティーム本人ではなかった。その後長らく本人は登場しなかったが、物語終盤にて再登場し、重大な事件を引き起こしていく。
バーソロミュー・ガラデックス (Bartholomew Garadex)
一族の中でもっとも偉大な魔術師。ロードロスにチェスで勝つことで人狼病を治せる事を発見し、大勢のグレイディ一族の呪いを解いた。ロードロスと戦っている間に寿命で死ぬ。またチェスのスペシャリスト。ロードロスにチェスの楽しさを味わわせてチェスで戦い勝てば呪いを解く、というゲームを受け入れさせた功労者でもある。  

魔術師・魔術使い

ダービッシュ・グレイディ (Dervish Grady)
よくジョークを言うグラブスやビリーの叔父。グラブスやビリーの父親のようであり、友人のような存在でもある。家族を失ったクラブスの元に現れ、クラブスの精神を救う。
その後クラブスを引き取って共に暮らしはじめた。
青い瞳にグラブスとグラブスの家族と同じ赤毛で、頭頂部がハゲているが、現在でもモテるらしい。
グラブスの父とは違い、子供を狼人病に苦しめられる地獄へ突き落とさないよう、子孫を残さないことを若い頃から決意している。
今現在、独身生活をしながら朝方ランニングで独走するのが趣味。邸宅敷地を手入れで世話したり、母親[4]が遺したグレイディ家邸宅の財産を様々な手段で増やして慈善事業に寄付したりしている。
母親を亡くしたビリー(ビルE)を邸宅敷地に遊びに来るよう誘い掛けて彼の2つ目の家として過ごさせており、人狼病を発症したビリー(ビルE)の看病をして危険の承知のうえで面倒を見たり、ビリー(ビルE)の強請りで最新型のテレビとゲーム機器を買ってリビングに設置したいるなど、ビルEにも非常に優しく接しており、彼からも慕われていた。
若い頃は、学校ではチェスに強いお金持ちの子として持て囃されていた。赤毛だったのを紫色の髪に染めてパンクファッションに身を包んでロックを好むヤンチャな10代でもあった。
偶然シャークと関わった(悪魔と戦い襲われていたシャークを助けようとし、自分に魔力の才能がある事を知った)事からグレイディ家にも浅からぬ関係がある悪魔の存在を知り、魔術同盟に志願する。また、魔術同盟として初めて悪魔と戦おうとしていた日に主人公の1人であるカーネルと出会い、親しくなっていた。
兄の結婚式にて魔術同盟との関係を切れと兄や家族から説得されていた。主人公勢を除けば、主人公3人全員と出会った上で知り合った数少ない人物となる。
最終巻となる10巻まで生き残るが、ついに命を落とした。
最終巻のクラブスが、世界を再構築する際に悲惨な運命を変えたい人物の1人として名前を挙げていた。
ベラナバス (Beranabus)
魔術同盟設立者。小さな頃は、ブランと呼ばれていた。悪魔と人間のハーフで並外れた力を誇り、老化も異様なほど遅く、2幕(カーネルと出会った頃)の20世紀の時点で流石に壮年の姿となりながらも既に通算1000年ほど(少なくない時間をデモナータでも度々過ごしており、デモナータは時間の流れが人間界と違うため、ベラナバスが生まれた西暦から生きてきた年数と、現代の西暦の年数が一致しないのはその為である)生きている。黒髪灰眼で髭を蓄えている。デモナータ内のお気に入りの場所で産みの母親を思い出して癒しに耽っている事がある。後述の実の父でもある悪魔と悪魔を探し出して殺害したと語っているシーンがあり、現在でも貶している。
母親は美少女の王族に嫁として迎えられたお姫様であったが、それに嫉妬した姑の魔女の策略により古の悪魔(のちにそれを知ったベラナバズに母の復讐として殺されている)に犯され、ブラン(ベラナバス)を授かってしまう。その後精神崩壊した上、妊娠した状態でクレタの迷宮に送られ、最後はミノタウロスに殺害されるという悲惨極まりない末路を遂げる。
が、悪魔とのハーフという出自故かお腹の子(ベラナバズ)はそのままこの世に生を受け、また悪魔とのハーフであったためかミノタウロスに殺害されなかったばかりか彼と仲良くなり、育てられていった。
しかしミノタウロスは『英雄』に殺されてしまい、自身は人間達に引き取られるも、悪魔に育てられた幼少期や悲惨な経験からまともに言語も習得できず、デモナータも含めた色々な環境を転々とする羽目になり、3幕でベックと出会った頃には気が触れたような精神の子供となっていた(しかし彼なりに悪魔の襲撃を周りにどうにかして伝えようとしたり、優しくしてくれたベックに応えるなど、人間性も持ち合わせていた)。
基本的に他者の感情を考慮せず、能力のあるものを強引に魔術同盟に加えていくが、裏切ったナディアへの仕打ちを後悔している旨を話すシーンがある他、稀に他者への優しさを見せる事もあった。また、そういった振る舞いも全ては人間界を守らんとするための行動の結果でもある。
最後には「死」と戦うために悪魔の力を開放して死ぬ。
ミーラ・フレーム (Meela Flame)
ダービッシュの友人。酒にとても強いうえに二日酔いしない。美女である事もあり、グラブスたちが密かに心をよせている。 ナディア(ジューニー)を道連れにして死ぬ。
シャーク (Shark)
魔術同盟の一員。軍服を着ていて、手にサメの刺青がある。ダービッシュが魔術同盟の存在を知り、悪魔と関わる(戦っていく)きっかけとなった人物でもある。
口調は比較的きつくベラナバスに忠実で、自らの人生を悪魔との戦いに捧げる事にも一切の躊躇はないが、決して横暴や冷酷な人間ではなく他者にはそういった信念を極力強制しない人格者でもある他、カーネルに横暴とも言える振る舞いを行ったベラナバズに苦言を呈した事もあった。カーネルと出会い、協力する。のちの時代にも登場し、クラブスとも関わる。
ナディア・ムーア (Nadia Moore)
短い金髪の20代くらいの眼鏡を掛けた女性。ニキビ痕があり、爪を噛む癖の為小指以外はみんな汚い。1917年~1918年の6月頃生まれ、1920年代の終わり頃、12歳~13歳の時、両親と生まれてからずっとサーカスに自らの能力で楽しく働いていた。誕生日が過ぎた1、2週間後の夜に寝ている彼女の能力を見込んだベラナバスに狙われ誘拐され、悪魔との戦いとカーガッシュ捜索の冒険に嫌々巻き込まれた過去を持つ。ベラナバズを憎んでおり、2巻の終盤ではロード・ロスと手を組んで彼の手下になった。グレイディ家の遠い親戚。予知能力を持つ。女悪魔のジューニー・スワンとして死ぬ。
シャーミラ・ムーカジ (Sharmila Mukherji)
サリーを着たインド人の女性。50代くらい。バリア破壊の為の、爆薬の役割を果たして死ぬ。
キリリー・コバックス (Kirilli Kovacs)
魔術同盟の一員。手品師で一流のスパイだが、臆病者。
ラズ・ワーロウ (Raz Warlo)
第2幕登場した裕福なビジネスマン風の黒人。ベラナバスを「導師」と呼んでいる。カーネルたちにとって優しそうに頼れる存在だったが、悪魔の大群に襲われて死亡。
ドラスト (Drust)
ブランの部族のもとで出会ったドルイド(男性の魔術師、プリーステス〈女性の魔術師〉とは違って、惑星以外の星たちの力を魔力に代えて最大限に扱えることを誇る)。双子の弟ブルードがきっかけでできてしまったデモナータに通じるトンネルを閉じるために旅をしている。ベックをプリーステスと見抜き、ドルイドの魔術を教える。また、ドルイドが代々受け継いできた人類初のチェス板を持っている。ベックの手によって殺されることで、生贄として死ぬ。

5世紀のアイルランド

ゴール (Goll)
ベックを荒野で拾った元マッコン族の長で、片目を失った気さくな男。
ローナン、ローカン (Ronan, Lorcan)
マッコン族最強といわれる、赤毛の双子の戦士。悪魔に弟を殺されて以来一匹でも多くの悪魔を殺すことにとりつかれている。
コンラー (Connla)
マッコン族長コンの息子。美少年だがナルシストな傾向がある。ゴールとは度々もめている。長の息子であるがため、自分が次の長だと確信している。後にベックたちを裏切り、悪魔に殺される。
コン
マッコン族の長で、自分の息子コンラーとゴールの関係をあまりよく思っていない。
フィークナー (Fiachna)
ベックが密かに思いを寄せているやせた鍛冶屋の職人。悪魔に噛まれた傷がもとで死ぬ。
オルナー・マッカダン
マッコン族の砦に逃げてきた、マッカダン族の女戦士。しかばねと化した自分の子供達に体を食いちぎられて死ぬ。
ブラン(ベラナバス)
嫉妬した魔女の姑の命令で、古の悪魔に凌辱された姫君から生まれる。母を食い殺したが仲が良かった育ての親のミノタウロスをたちの悪い『英雄』に殺されて失ってしまい、デモナータに迷い込んで一時期悪魔と生活していた。ブランとはその後ベラナバスが人間界に戻った時に、発話の悪かったベラナバスが名乗った際、「ブラン」と短く聞こえた事からの名前である。
5世紀のアイルランドにて、ある男と共にマッコン族の村にやって来てベックと出会う。本名は上記の登場人物のベラナバスで名付け親はミノタウロスだった。
ベックに恋心を抱いている。
その後、悪魔の魔の手から、魔力を振り絞ったベックに洞窟の外に追い出されて助けられる。逆に洞窟に閉じ込められ悪魔に殺されたベックの事情を知らずに待っていたが、彼(ブラン)の言葉と思いを理解出来る少数の精霊らと交流して知識・知能と技量を上げ、普通に話せるようになっていった上ベックの死を理解する。その後悪魔と戦う為、魔術同盟を創設する。のちに長い年月を経た後、ビルEの体を奪い復活したベックと再会する。

悪魔

ロード・ロス (Lord Loss)
1幕から最初に登場しているデモナータの魔将。その名は1幕の巻タイトルにもなっている。人を殺すことよりも、人の悲しみを取り込むことを好み、クモの糸によってできた城に住む。悲しそうな人相と、白目辺りは黒で深紅の瞳、紙のような長く伸ばせる腕、毛がない頭と上半身が鼻の無い人間で下半身はない。飛び出す血の皸だらけのピンク色の肌をしている。また、数千年もの間カーガッシュの「記憶」を所持していたがベックに奪われる。グレイディ一族、グラブスやベラナバスと因縁がある。なぜか人間界にまどを通して侵入できる。理不尽かつ残忍極まりないが、約束や(ほとんどの場合自身に都合のいいものが多いとはいえ)締結したルールは守るなどの一面もある。
ジューニー・スワン (Juni Swan)
白鳥の悪魔。実の正体は、幼い頃自分の予知能力を見込んだベラナバスに誘拐され、77~78年間も奴隷のようにこき使われた末、彼への憎悪を募らせ最後にはロード・ロスの手下となった「ナディア・ムーア」だった。
由来はカーネルに語ったナディアの誕生月(6月=June)と、父が幼少期に教えた物語「みにくいアヒルの子」の白鳥(Swan)からだと思われる。
人間態では、ピンク色の瞳に白髪というアルビノの風貌をした美人の女性。
ロードロスを慕っており、クラブスをこの上なく絶望させて苦しめたいと願うロードロスの為に一貫して行動していた。
口づけした相手の命(精気)を吸い取る能力を持ち、精気を吸い出された者はジューニーの唇が触れている所から体が灰色のボロボロの干からびたような状態となっていき、最後には死亡してしまう。
作中ではその能力で少なくとも2人が犠牲になっており、飛行機に乗っていた乗客の1人である男性が、自身の子供を庇ったためにジューニーに唇を奪われ濃厚なキスをされ、怯えながら精気を吸い取られていき、最後は顔や体が灰色に変色し脆くボロボロになった為キスしたまま唇の力だけで首を折られ死亡した他、別の乗客の息子である赤子の男児が、口づけをされ精気を吸い取られて死亡し、灰色になった亡骸は投げ捨てられた(男児の母親は息子だけは助けて欲しいと懇願し、ロードロスは聞き入れるふりをしてジューニーに幼子を渡し、吸い殺させた。母親も直接の瞬間の描写は無いが、泣き崩れたのち他の悪魔に殺害されたものと思われる)。
2巻でジューニースワンとなった後ずっと仕えていた主人のロード・ロスが、1巻の出来事により憎悪しているクラブスという少年を苦しめて殺害したがっていた為、彼をスローターにおびき寄せるためまずは女性映画監督のダビーダ・ヘイムの映画製作作成の野望に協力し、マネージャーとして監督の彼女と共にグレイディ邸宅に訪問し、監督から招待され本当の事情を知らないグラブスとビルEとダービッシュとその他の映画関係者を、映画の小道具のフリをした悪魔たちが潜む血生臭い地獄へ突き落とす(つまりダビーダでさえも、『クラブスを誘き出しロードロスに差し出す』というジューニーの本当の目的の為に利用されていたと言える)。
一方で彼女は映画製作と悪魔との関係に気づいたグラブスが鋭い推測をしたり、魔力が使えるようになった上慎重に行動するようになるに従って、クラブスがスローターから逃げ出さないよう誘導しつつも、自身の正体に勘づかれないよう状況を鵜呑みするバカ女のフリをした。本性がクラブスらにバレる事はなく、クラブスがスローターから悪魔は通れないバリアをくぐり脱出しそうになる寸前でクラブスを裏切り拘束した上で自ら本性を表そうとしたが、演技の為に攻撃して致命傷を与えていた他の悪魔の1体が暴れ、その悪魔に殴られて気絶した為本来の目的を達成する機会を逃してしまう(気絶した後、当然まだ彼女を味方だと思っていたクラブスにバリアの外に連れ出された)。 目覚めた後は計画の失敗を悟るも冷静に行動し、自身の本性を知るチューダを頭に魔力を流し込んで手早く殺害した後、事件後は「ショックのあまりに」という理由でクラブスたちに直接別れを告げず、別れの置手紙を残して行方を眩ます。が、それも全て一旦退却するための演技であった。
グラブスの学校カウンセラーのウィリアムス・モーチの職を奪って追い出し、グラブスのカウンセラーと学校カウンセラーとして再会したグラブスらに近づき、グラブスやダービッシュに恋心を抱かせる(最もクラブスはそれほど強い恋愛感情ではなく、おじさんのダービッシュと一緒になってくれたら良いと思う程度であった)。
人狼病を発症し苦悩するグラブスを今度こそ連れ出す為、まずはグラブスの心をドン底に突き落とすためにグラブスを誘導してビルEとビルEの母方の祖父母を惨殺させるという計画を練った。しかし、結果的にクラブスは無意識的に抵抗し彼らを殺さなかった為、自身の手で彼らの殺害を行いクラブスが行ったものとしようとする。
が、狼人間化の発作を起こし暴れていたグラブスの行動を予測しきれず自身も攻撃されて怪我を負い、ビルEの祖父母は始末できたがビルEは殺害し損ねた。
だが人間に戻ったグラブスは変わり果てた姿となったビルEの祖父母の亡骸と、血塗れのボロボロ状態だったジューニーの姿を見て、自身がビルEの祖父母殺害を発作中に行ってしまったものと思い怖気づき、結果的にジューニーの思惑通り事は運ぶ。クラブスはダービッシュやビルEたちがいるカーシェリーベール村を残して、ジューニーと空港に辿り着き旅客機に乗り込んで、新天地を目指すように逃亡するが、それも全てジューニーの策略であった。
飛行機の中でロードロスを含めた悪魔たちを召喚したのち、クラブスに対して本性を表し裏切りを明かす。
その後飛行機内の乗客の数名をキスで精気を吸い取り殺害した後、クラブスにロードロスと共に迫るが、乱入したベラナバスによって妨害されクラブスに逃げられる。
最終的にはミーラの捨て身の攻撃で死亡したが、ロードロスへの感謝と愛を伝えていた。
しかしそれすらも本当の死ではなく、しぶとく生きており再登場するも、今度はダービッシュに引導を渡され、ようやく本当に死亡した。
アーテリー (Artery)
ロード・ロスの手下。緑色の肌で、両手に口があり、目には炎がゆらめいている。頭が異様に大きい。その頭を常にゴキブリ、シラミ、ヒルのいずれかが覆っている。カーネルの『弟』、アートの正体であった。
カーネルの手によって人間となっていた間は、噛み癖を見せたり手がつけられない行動をとったりしつつもカーネルには非常に懐いており、誰かを殺傷したりといった取り返しのつかない行動を取ったり、過度に暴れることはなかった。その後悪魔の姿に戻っておりクラブスの家族を含めた人間達を度々襲っていたが、最終的にはクラブスに倒されて死亡する。一時期『兄』でもあったカーネルとは直接再会することはなかった。
ベイン (Vein)
ロードロスの手下。ワニの頭、犬の体、女性の手を持つ。アーテリーの兄弟。時系列的に1巻の数十年前となる2巻の時代には、既にロードロスのお気に入りとなっていたものの、1巻終盤で主人であるロードロスの不興を買い、彼自身の手で始末された。
カダバー (Cadaver)
デモナータから来た悪魔。カーネルの弟、アートをさらう。顔は人間と犬の中間で、腕は4本ある。ロードロスに口を与えられる。
カリン (Kallin)
巨大な蛆虫に強力な顎が合わさった生物。集団で襲い来る。カーネル達を苦戦させたが、シャーミラ達の作ったバリアで攻撃を阻まれた上、その間にカーネルがまどを作る才能を発揮して一行を逃れさせたため、カリン自体は彼らを誰一人殺せなかった。
巨大な悪魔 (Huge Demons)
デモナータを飛ぶ巨大な悪魔を指す。星ぐらいの大きさがあり、常に虐げる相手を探している。体内に小さな悪魔(といっても標準サイズ)がたくさんいる
マリス (Malice)
ロード・ロスの手下の悪魔。たくさん足がある。
スパイン (Spine)
アーテリーと同じくロードロスの手下で、巨大なサソリの形をしており、顔は人間に似ている。
フィーマー (Femur)
ロードロスの手下。ウサギの悪魔で、くちびるには酸性の液体の泡を垂らしている。
炎の悪魔
グラブスがベラナバスとカーネルと初めて一緒に行った世界であり、悪魔。
ひとつの悪魔そのものが限りの無い時空と空間を有する世界となっており、無限悪魔と呼ばれる不可思議な独立した存在。
世界の広さには限りが無く、宇宙より広く大きさは完全に無限。だが、倒す手段は存在し、無限悪魔といっても、炎の悪魔はベラナバスからすれば弱い部類らしい。ベラナバスとカーネルが数週間ほどかけ倒した(クラブスは逃げ出し、洞窟で2人を待っていた)。
スリグスタタ (Sligstata)
カーネルが連れ去られた宇宙の別の惑星を支配していた悪魔の種類。馬に似ているが歯の代わりに爪が生えていて、口が2つある。

映画作成者

ダビーダ・ヘイム (Davida Haym)
有名なホラー映画プロデューサー。クラブスがファンであった。クラブスは男性だと当初思っていたが、実は女性。
よく聞く通り名はダビッド・A・ヘイム (David A Haym)。裏で悪魔と契約しており、スローター事件の黒幕。目的は本物の悪魔を使った「最高の映画」を撮る事であり、そのために出演者らがどのような目に遭おうとも一切構わないという身勝手かつ冷酷な理由で映画の撮影を嬉々として進めていたが、真相を知る自身を含めたごく一部の映画スタッフには手を出さないという約束をロードロスに反故にされ(ロードロスは『自分』は『ごく一部のスタッフ』に手を出さないが手下達はそのような約束はしていないと嘯き、約束は守っていると欺瞞を告げた)、本物の悪魔を使っていると事情を知っていたスタッフを含めた者たちが悪魔たちに一斉に襲われ始めたのを見て絶望し、映画を公開できる事はないと悟りくずおれたシーンを最後に、登場することはなかった。
ジューニーの口利きで本物の悪魔について知るクラブスらの元を訪れていた(ジューニーの真の目的はクラブスをスローターに連れてきて裏切り、彼に深い恨みを持つ主人であるロードロスに引き渡す事であったが、アクシデントが重なりその際のジューニーの計画は失敗した為、その時点で本性を表すことはなかった)。直接の描写はないが、悪魔のいずれかに倉庫の中で殺されたものと思われる。
悪辣な人物のため最終巻にてクラブスたちが世界を再構築する際にも名前を挙げられることはなかったが、彼女のような者も宇宙を崩壊させない為に元の歴史通りに存在自体はさせなければならない上、悪魔がロードロス以外抹消された以上ジューニーの接触を受けることはなく運命は(少なくとも本編と違う形に)変わったと思われる。
エメット・イージット (Emmet Eijit)
映画の子役。よくセリフを間違えてしまう。
『本物』の映画を撮ろうとするダビーダの策略により悪魔にマンホールの中に引き摺り込まれ殺された。
ノーラ・イージット (Nora Eijit)
エメットの母親。タンプに腹を立てている。おそらくエメットと共に消されたと思われる。
サリット・スミット (Salit Smit)
映画の主人公を演じる子役。グラブス達より少し年上。
ボウ・クーニアート (Bo Kooniart)
映画の子役。グラブス達と仲が悪い。最後は弟を助けるため、自らバリアの中に入っていく。死亡したと思われたが後に、ロード・ロスの城に長い間囚われていた事が判明した。最終的には本当に死亡してしまうが、世界を再構築する際にクラブスから運命を変えてもらえたと思われる。
エイブ・クーニアート (Abe Kooniart)
ボウの弟。子役ではないが、エメットの役を狙っている。行方不明となり、ボウは彼を探すために一度は脱出した危険地帯にバリアをくぐり戻って行った。末路が明確に明かされなかったが、おそらく既に悪魔により死亡してしまっていたと思われる。
タンプ・クーニアート (Tump Kooniart)
ボウとエイブの父親。ダビーダでも口ごたえできないほどの権力の持ち主。おそらく息子同様どこかで死亡したと思われる。
チューダ・スール (Chuda Sool)
映画のチーフ助監督。タンプと仲が良い。悪魔について知っており協力していた者の1人で、悪魔たちが約束を反故にしてスローターにいた者全員を襲い始めた際にはバリアの外まで逃れて助かっていた。ジューニーの本性についても知っていたが(悪魔であることまで知っていたかは不明)その為にジューニーに頭を抱き抱えられ、魔力を流し込まれて脳を焼かれ殺害された(クラブス達、特にビルEはジューニーの行動と、悪人であってもチューダを殺害した事にやりすぎだと驚いたが、表向きは大勢の人を犠牲にした悪魔に与していながら自分は生き残ったのが許せなかったという事にされ、ジューニーが深く追及されることもこの時点ではなかった)。
バナリー・メトカーフ (Vanalee Metcalf)
映画の子役。大富豪の娘。グラブス達と仲が悪い。
クック・ケーン (Kuk Kane)
映画の子役。「不気味な霊能者のふたご」という役をやる。キックとは双子の兄弟。
キック・ケーン (Kik Kane)
映画の子役。「不気味な霊能者のふたご」という役をやる。クックとは双子の兄弟。
スパトラ・ジョーン (Supatra Jaun)
映画撮影の合間に勉強する為、グラブス達に勉強を教える先生。気が弱くエメットが罵っていても止められなかった。
チャイ (Chai)
役になりきるパントマイム芸人。話さない。

シャークの手下

ティマス・ブラウス(Timas Brauss)
ハイテク好きのコンピューターマニア。高身長のグラブスの身長を10cmも超える大柄な体格の持ち主で、ヨーロッパ系などの言語を話せる国出身の外国人らしく、グラブスたちが話す英語圏とは異なり、片言の英語会話[5] できる初心者。故郷で、母親らしき人はおらず、悪魔崇拝に没頭する父親に自宅の地下に拉致された妹共々生贄にされそうで、呼び出された悪魔に父親と妹を失い、駆け付けたシャークに助け出された恩に感謝し、シャークの手下として行動するようになる。魔術は使えないが格闘技を使い、デモナータ内でも生き残れる力を持つ。
ピップ(Pip LeMat)
爆弾の使い手。
ジェームズ(James Farrier)
レオ(Leo DeSalle)
スペンサー(Spenser Holm)
テリー(Terry)
リアム(Liam)
ステファン(Stephen)
マリアン(Marian)

その他

チャーリー・ロール (Charlie Rall)
グラブスの友達。
ロビー・マッカーシー
グラブスの友達。
メアリー・ヘイズ
グラブスの友達。
アート (Art)
カーネルの「弟」と呼ばれる黒髪の男の子。噛み癖があり見た目の年齢の割にはほとんど喋らないが、正体はまだ魔法の才能の自覚もなく、無意識的に“まど”を開きデモナータを訪れたカーネルに捕まり高度な魔術で人間の姿に変えられた、悪魔のアーテリーだった。カーネルは正体を知った上でアートを人間界に連れ戻し共に生活していく権利を得るも、自身の両親や周りの人間に危害を加える事等を危惧して苦渋の決断を下し、連れ帰ることはなかった。その後悪魔の姿に戻ったのち、再びロードロスの手下として人間達を襲っていたが最終的にクラブスにアーテリーとして始末された。
9巻に再登場するが、そちらは知能が高い精霊の1人が「アート」としてカーネルと話すために彼の記憶から情報を得て変身した姿であり、言葉もアートの声で流暢に話していた。その後カーネルとしばらく行動を共にし彼を手助けする。そちらのアートには先述の経緯もありカーネルは若干複雑な感情を抱いていたが、共に行動する中でカーネルを助けつつ死亡してしまった時には彼から悲しまれていた(同時にかつて最悪の形で『弟』アートを失ったトラウマを抱えていたカーネルの心を、わずかに救っていたような描写もある)。
不幸なモーチ(ウィリアムス・モーチ)
ジューニーの前任のカウンセラーで、あだ名は、悲しそうな顔立ちから「不幸なモーチ」とグラブスの学校の生徒たちに呼称される。クラブス達に近づくためカウンセラーの座を欲したジューニーにより、何らかの策略で(少なくともクラブスの学校のカウンセラーの座からは)退かされる。
〈シャドー〉 (Shadow)
暗黒色であり、蛸の様な姿の謎の存在。髭の様な触手に高熱を帯びている。その正体は「死」そのもの。
「死」が意識を持ったもので、無敵の存在であり「死」であるために、まず死ぬことがない。大勢の悪魔を率いて、グラブス達を倒そうとする。
カーガッシュ (Kah-Gash)
正体不明の強力な武器で、悪魔と精霊(2つとも、宇宙生命体)やカーガッシュを知る人間に狙われている。もとの宇宙を長い間保ったが、精霊と悪魔との争いによって引き起こされた歪みに耐えられなくなり、砕けてビッグバンを引き起こした。宇宙の中にバラバラに散らばっても、グラブスたちのいる宇宙などを創造したり、文明開化、魔力や魔法などを送り付け、このあらゆる宇宙にいる生物らに繁栄の営みをもたらした。バラバラになった3つの欠片がそれぞれベック、カーネル、グラブス(この3人が選ばれたのはアトランダムな偶然である)に三人三様の能力を与えた(つまり『カーガッシュ』は主人公達3人であった)。一時期(2巻の頃)カーネルに話しかけたがカーネルには拒絶され、以後、グラブスに語りかけたりする。

用語

デモナータ(英:The Demonata)
悪魔が住む別世界。様々な世界で構成されており、人間・悪魔を問わず「窓」または「トンネル」を開く事で行き来できる。
まどを開く能力がある者はそれなりにいるが、窓のパーツとなる「光のかけら」を目視でき直接的に組み立てられる者はカーネルのような例外を除いて存在せず、通常光のかけらを集めて窓を開くには相当な時間がかかる。
人間界とは時間の流れ方が異なり、場所によっては時間が早く進んだり、ほぼ同じの時もあるが、大抵は人間界より時間の進みが遅い。力の強い悪魔(魔将)は世界を創ることも可能。ちなみに知識や想像力の豊かな悪魔は一見人間界のような世界やユニークな世界を創ることもあるが、大抵の悪魔は人間界の神話をもとにした世界を創る。2巻に登場したカタバーは時間の流れの性質を知ってか知らずか時間の流れが人間界より早い世界を数多く逃げ回り、結果カーネルはアートの件にけりをつけた後、7年の時を経た人間界に帰還することとなってしまった。
魔力
人間界とデモナータの中に満ちている力で、これを利用して魔術を使う。

基本的には人間界には僅かな量しか魔力は無いが、まどや魔導石の周辺では一時的に強い魔力が広がる。

悪魔
常に人間界を憎み、滅ぼそうとしている生き物。形態はさまざまで、大抵は動物の特徴が入り交じったおぞましい姿をしている。人間界の攻撃手段や武器ではまず殺せず、魔術による攻撃でしか有効なダメージを与えられない(但し流石に核攻撃の爆心地にいた悪魔などはその限りではない)。非常に恐ろしい存在ではあるが魔力自体が生命力のようで、人間界ではデモナータとの窓(もしくはトンネル)が開いていなければ一部の例外を除き短時間で死に絶えてしまう(人間で言うところの酸素を断たれたような状態)。
人間に興味自体を示さなかったり、同じ悪魔は攻撃しなかったり、果ては人間並の高い知能を持った冷静な悪魔(人間を襲わないわけではない)なども稀にいるが、通常殺戮衝動が激しく、目についた者を手当たり次第殺すような悪魔がほとんどである。デモナータでは常に殺し合っていて、共食いもする。繁殖方法は一切不明だが、人間の女とつがう事は可能。
魔将(英:Demon Master)
強大な力を持つ悪魔。この物語ではロード・ロスが魔将であるが、ロード・ロスよりもはるかに強い魔将もたくさんいる。
強大な力があるが故に普通の魔将は「窓」の通り抜けはできない(ロード・ロスは例外)。作中では、“まど”が開いているなどして魔力がなければ人間界で悪魔は活動できないが、魔将は必要な魔力が多いため、窓から流れてくる程度の魔力では供給が追いつかないためではないかと推察されている(事実例外として窓を通って来られるロードロスも、スローターに現れた際時間が経つと、魔術で反撃手段を持つクラブスには苦戦し取り逃すほど力が弱った様子を見せていた)。
古の悪魔
かつて存在したチェス盤に似た『宇宙』の黒き領域に住んでいた悪魔。子孫を作る能力を持ち、現在デモナータに存在する悪魔とベラナバスのようなハーフも全て彼らの子孫である。人間界をカーガッシュによって破壊することでチェス盤世界の復活を目論んでいる。
精霊 (Old Creatures)
チェス盤のような『宇宙』で悪魔の住む『黒き領域』に隣接する『白き領域』に居住していた種族。チェス盤世界の崩壊後は人間界の種族を文明がある程度発展するまで悪魔の侵入から守ってきたため、悪魔達からは憎まれる一方でその強大な力には敬意を払われている。凄まじく長いものの寿命があり、死の概念もあり、さらに悪魔と違い子孫を作れないため、人間界にいる間に徐々にその数を減らしてきており、時の流れが存在しない(死を迎えずずっと生きていける)チェス盤世界の復活を待望している。
カーガッシュ (Kah-Gash)
世界を破壊できるといわれている存在。今は三個の破片に分かれている。精霊によってその存在が悪魔や魔将に渡るのを阻止されていた。今はグラブス、ベック、カーネルの三人であり、グラブスが引き金(力をコントロールする)の破片、ベックが記憶(全ての事象、出来事を記憶する)の破片、カーネルが目(『まど』の存在や精霊を光のかけらとして感知する)の破片となっている。
クラックス (Crux)
宇宙の中心。内部では精霊と宇宙誕生以前から存在している悪魔がそれぞれ白と黒のかけらに集まっている。
人間界
地球に住み着く人類が営んでいる。この物語の舞台の一つ。最終的に滅ぶが、クラブスら主人公3人の手によって、悪魔がロードロス以外抹消された上で宇宙ごと再構築されていく。
人狼病
太古に受けた呪いの為にグレイディ一族の者が10代前半~10代後半の内に発症し、凶暴なウェアウルフ(人狼)化するという一族特有の遺伝性症候群。
平均して2〜3世代に1〜2人ほどの者が発症してきたが、発症する者や周期に何かしらの法則が存在するわけではない。
グレイディ一族であれば必ず発症するわけではなく、一生発症しない(先述の通り10代にほとんどの者が発症する為、成人を迎えればまず間違いなく発症の恐れはないと見なされる)者もいれば、逆に兄弟・姉妹揃って発症する事などもある。
長く生きても20〜30年で寿命を迎える。
通常専門の抹殺機関である『子羊』や家族に殺されるか、暴走し殺戮を繰り返しながら、あるいはなんらかの手段で隔離され寿命をまっとうするまで生きる以外に道は無い。
人狼病を完治させられる手段(存在)は、作中で示された限りでは魔将のロード・ロスだけ(グレイディ家の先祖がチェス勝負と引き換えに治療を持ちかけたのがきっかけであり、人狼病を治せるような能力自体は他の魔将も有している可能性があるが、明確なことは不明)。
世界観を直接共有はしていないと思われる同著者の別作品『ダレン・シャン』にもほぼ性質・特徴が同一の狼人間が登場していたが、関連は不明。
子羊
聖書の子羊に由来し、グレイディ一族の特殊暗殺機構組織。人狼病を疾患する者の家族に依頼され人狼病患者に手を下す。

脚注

  1. ↑ 死因は、開通したトンネル化とした洞窟で、ロード・ロスの手下たちに食い殺された。
  2. ↑ 異母兄弟の中では一番上の長女、長男のグラブスは二番目、異母兄弟のビルEは次男坊で三番目の末っ子ということになる。
  3. ↑ 転入する前のグラブスが通っていた学校の生徒として、物語開始前後の名を上がった登場人物の中では弟のグラブスと彼女だけだった。
  4. ↑ グラブスやビルEにとっては、父方の祖母にあたる。
  5. ↑ ただし、日本語翻訳された本書は日本語の初心者の敬語で話す。

外部リンク