ピンポンダッシュ

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ピンポンダッシュ(英語で Ding Dong Dash[1]、Ding Dong Ditch[2][3]、Ring and Run[4]、Door Bell Ditch など)とは、他人の家屋の呼び鈴を鳴らして逃げる犯罪行為である[5]。空き巣[6]やストーカーなど犯罪行為にかかわる事前調査として、在宅・不在の確認手段に利用される場合もある。

名称の由来は、「ピンポーン」と呼び鈴を押して、「ダッシュ」で逃げることにある[5]。「ピン逃げ」や「押し逃げ」、「ピンポン逃げ」、「サイレンダッシュ」、また単に「ピンポン」と呼ばれることもある。

また、この意味から派生して、宅配便業者の配達員が、捌き切れない量の荷物を持ち出して多忙を極めている時に、配達員が配達先の呼び鈴を鳴らしてから、住人が出て来るまで十分に待たずに不在票を置いて荷物を持ち帰るサボタージュ行為の事を揶揄してピンポンダッシュと言うこともある。悪質な事例では、先に不在票を入れ、呼び鈴を鳴らし、直ちに荷物を持ち帰り立ち去ると言う事例も報告されている。

2020年度のイグ・ノーベル賞では、カシミール地方の領有権をめぐって対立するインドとパキスタンの外交官が、嫌がらせにピンポンダッシュの嫌がらせを応酬したことに対し、平和賞を授与した。[7]

内容

主に小学生くらいの子供が行うことが多い。様々な国で見られるが、アメリカ合衆国では、ピンポンダッシュをした少年が銃で撃たれたという事例も複数例存在しており[8][9]、国によっては安易なイタズラでは済まされないことがある。

狙う家屋の選別については、人通りが少なく、曲がり角の付近であったり、マンションやアパートの場合、玄関が階段やエレベーターに近い場所にあるとより狙われやすくなる。庭が極端に広く、呼び鈴を押された後に中から人が出てくるまでの時間が遅れそうな場所も狙われやすくなる。

人がいそうな家を狙って呼び鈴を押す。もし家主がいた場合、見つかれば叱られる他、学校や家族、警察に連絡されることもある。

呼び鈴を押した後、すぐに逃げずに反応を見る者もいる。

近年は、テレビモニター付きインターホン・ホームセキュリティの普及等により、減少傾向にある。

防止策

近年は呼び鈴は玄関前に付けられる事が多く、このいたずらは困難になっている。

法律上の見解

ピンポンダッシュは子供が悪戯として行なう場合が大半である。少年法の都合から小学生は罪に問えないため、犯罪行為にはあたらないと思われがちであるが、この行為は住人の生活を侵害するれっきとした犯罪行為である。各自治体の定める条例や犯行頻度など、状況にもよるが、過去には18歳の少年が「平穏を害する行為」として書類送検された事例もある[10]。罪刑としては、「押し掛け行為」の他、住居侵入罪、迷惑防止条例違反などが考えられる[11]。また、深夜にこの行為を繰り返すことで住人の安眠を妨害し、身体に著しい悪影響を及ぼしたと認められる場合は傷害罪が適用される可能性もある。2022年7月には高校生グループが逮捕される事例が発生した[12]。

事件

アメリカでは、SNSでピンポンダッシュの動画が流行しており、殺人事件に至る場合もある[13][14]。

  • 2003年、フロリダ州ボカラトンで、少年らがピンポンダッシュをし、16歳の少年1人が射殺された。少年の身長は約188 cmあり、何かを持っているように見え強盗と勘違いしたと射殺した人物は主張した[15]。
  • 2020年1月、カリフォルニア州リバーサイド郡で、少年ら6人がピンポンダッシュをし自動車で逃げたが、42歳の男が自動車で追いかけて衝突、16歳の少年3人が死亡し、残りの3人も怪我を負った。車で衝突した男は殺人罪となり終身刑となった[13][16][17]。
  • 2025年5月、バージニア州で、18歳の高校生がピンポンダッシュの撮影中、銃で撃たれて死亡した[13]。
  • 2025年8月30日、テキサス州ヒューストンで、数人の少年がピンポンダッシュをしていたところ、被害にあった住宅の42歳の男が追いかけてきて発砲、11歳の少年が死亡した。正当防衛は認められず、殺人容疑で訴追される可能性が高いとされる[14][18]。

脚注

  1. ↑ “Urban Dictionary: Ding Dong Dash”. 2015年7月13日閲覧。
  2. ↑ “Urban Dictionary: ding dong ditch”. 2015年7月13日閲覧。
  3. ↑ “How to Play 'Ding Dong Ditch': 6 Steps (with Pictures) - wikiHow”. 2015年7月13日閲覧。
  4. ↑ “Urban Dictionary: ring and run”. 2015年7月13日閲覧。
  5. 1 2 “ピンポンダッシュ” (第二 ed.), 三省堂, (1995-11-03), ISBN 4-385-13902-4 2009年10月21日閲覧。
  6. ↑ 事例
    • 『産経新聞』平成15年(2003年)11月14日付大阪本社朝刊27面。
    • 『朝日新聞』2010年(平成22年)2月23日付名古屋本社朝刊35面。
  7. ↑ イグ・ノーベル賞、ワニにヘリウムガス吸わせた日本人 ピンポンダッシュの外交官らが受賞 TBSニュース 2020年9月18日
  8. ↑ Allison Harris (2016年1月2日). “Pryor Teen Shot While 'Ding Dong Ditching' In Neighborhood”. NewsOn6.com. 2016年1月5日閲覧.
  9. ↑ “「ピンポンダッシュ」の11歳少年、背後から撃たれて死亡 米ヒューストン”. CNN (2025年9月1日). 2025年9月11日閲覧。
  10. ↑ 「「ピンポンダッシュ」少年摘発 女子中学生宅に嫌がらせ容疑」『読売新聞東京』2009年2月3日、30面。
  11. ↑ https://bengoshi-one.com/columns/ring-and-run/
  12. ↑ KBC九州朝日放送 (2022年7月13日). “ピンポンダッシュが事件に!? 暴行容疑で少年逮捕|KBCニュース”. KBC九州朝日放送. 2022年7月17日閲覧。
  13. 1 2 3 “ピンポンダッシュで少年が撃たれて死亡、男を殺人で訴追 米ヒューストン”. CNN.co.jp. 2025年9月4日閲覧。
  14. 1 2 “米「ピンポンダッシュ」が流行 11歳少年が住人に撃たれ死亡”. テレ朝NEWS. 2025年9月4日閲覧。
  15. ↑ “Police investigating killing of teen prankster by neighbor” (英語). Sarasota Herald-Tribune. 2025年9月4日閲覧。
  16. ↑ “車に意図的に衝突か、少年3人死亡 運転手を殺人容疑で逮捕”. CNN.co.jp. 2025年9月4日閲覧。
  17. ↑ The suspect who killed 3 teens drove into them after they ‘ding-dong ditched’ his home, district attorney’s office says | CNN(2020年1月24日) - 2025年9月6日閲覧。
  18. ↑ “「ピンポンダッシュ」で撃たれ死亡 11歳少年、友人と悪ふざけ―米南部”. 時事ドットコム (2025年9月2日). 2025年9月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年9月4日閲覧。

関連項目