ピーナッツオイル


ピーナッツオイル(英語: peanut oil)、ピーナッツ油(ピーナッツあぶら)、落花生油(らっかせいゆ)は、ラッカセイの種子から得られる植物油である。主として圧搾法によって採油され、不乾性油に分類される。食用油として利用されるほか、マーガリンや石鹸の原料にも用いられる[1]。
製造
ピーナッツオイルには精製油と未精製油がある。精製油の製造では、脱ガム、脱酸、脱色、ろ過、脱臭などの工程を経る。未精製油は、ピーナッツの風味を付ける目的でも使用される[2]。
成分
主な構成脂肪酸としてオレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸などを含む[3]。
『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』に収載された落花生油の脂肪酸組成は、脂肪酸総量100 g当たりで以下のとおりである[4]。
| 分類 | 脂肪酸総量100 g当たり |
|---|---|
| 飽和脂肪酸 | 21.6 g |
| 一価不飽和脂肪酸 | 47.0 g |
| 多価不飽和脂肪酸 | 31.4 g |
アレルギー
食用油
ピーナッツによる食物アレルギーの原因となるたんぱく質は未精製油にも残存するが、精製によって除去され、その量は大幅に減少する。英国のアレルギー支援団体Anaphylaxis UKは、精製ピーナッツオイルがピーナッツアレルギーのある人の多くに反応を引き起こす可能性は低いとする一方、すべての人について完全な安全性が保証されるわけではないと説明している[6]。
1997年に発表された二重盲検クロスオーバー負荷試験では、ピーナッツアレルギーが確認された60人のうち、精製油に反応した人はいなかった一方、未精製油には6人(10%)が反応した[7]。
皮膚への使用
2003年に発表された観察研究では、13,971人の就学前児童を対象とするコホートのデータと保護者への聞き取りを用いた分析で、ピーナッツオイルを含む皮膚用製品の使用とピーナッツアレルギーとの関連が報告された(オッズ比6.8、95%信頼区間1.4~32.9)。研究者らは、炎症のある皮膚への塗布を通じてピーナッツたんぱく質への感作が起こる可能性を示唆した[8]。ただし、ピーナッツオイルを含むクリームの使用が小児のアレルギー発症を引き起こすという因果関係は確立していない[6]。
JAS規格
日本農林規格「食用植物油脂」(JAS 0523:2024)では、食用落花生油について「落花生油」と「精製落花生油」の2等級の品質基準を定めている。水分及びきょう雑物はそれぞれ0.20%以下、0.10%以下、酸価はそれぞれ0.50以下、0.20以下とされる[9]。
かつて規定されていた「落花生サラダ油」の基準は、2009年(平成21年)の見直しで削除された[10][11]。当時の農林水産省の説明によれば、落花生油は凝固点が高く、サラダ油に要求される0 ℃で5時間30分清澄であることという冷却試験の基準を満たせず、落花生サラダ油の格付実績がなく、今後も基準を満たす見込みがないことが理由とされた[11]。
脚注
- ↑ “百科事典マイペディア「落花生油」”. コトバンク. 平凡社. 2026年10月13日閲覧。
- ↑ J. B. Greig (2000年). “Peanut and soya bean oils” (英語). WHO Food Additives Series 44. 世界保健機関. 2026年10月13日閲覧。
- ↑ 福住一雄. “日本大百科全書(ニッポニカ)「落花生油」”. コトバンク. 小学館. 2026年10月13日閲覧。
- ↑ “油脂類/(植物油脂類)/落花生油-07.脂肪酸-脂肪酸総量100g”. 食品成分データベース. 文部科学省. 2026年10月13日閲覧。
- ↑ “油脂類/(植物油脂類)/落花生油-01.一般成分表-無機質-ビタミン類”. 食品成分データベース. 文部科学省. 2026年10月13日閲覧。
- 1 2 “Peanut oil” (英語). Anaphylaxis UK. 2026年10月13日閲覧。
- ↑ Hourihane, J. O'B.; Bedwani, S. J.; Dean, T. P.; Warner, J. O. (1997). “Randomised, double blind, crossover challenge study of allergenicity of peanut oils in subjects allergic to peanuts” (英語). BMJ 314 (7087): 1084–1088. doi:10.1136/bmj.314.7087.1084. PMC 2126478. PMID 9133891.
- ↑ Lack, Gideon; Fox, Deborah; Northstone, Kate; Golding, Jean (2003). “Factors associated with the development of peanut allergy in childhood” (英語). The New England Journal of Medicine 348 (11): 977–985. doi:10.1056/NEJMoa013536. PMID 12637607.
- ↑ “食用植物油脂(JAS 0523:2024)” (PDF). 農林水産省. pp. 2, 11. 2026年10月13日閲覧。
- ↑ “日本農林規格の見直しについて「食用植物油脂」” (PDF). 農林水産省 (2009年6月23日). 2026年10月13日閲覧。
- 1 2 “農林物資規格調査会総会議事録(平成21年8月28日)” (PDF). 農林水産省. pp. 8–9, 12 (2009年8月28日). 2026年10月13日閲覧。