マカロニほうれん荘
| マカロニほうれん荘 | |
|---|---|
| ジャンル | 少年漫画 ギャグ漫画 |
| 漫画 | |
| 作者 | 鴨川つばめ |
| 出版社 | 秋田書店 |
| 掲載誌 | 週刊少年チャンピオン |
| 発表号 | 1977年21号 - 1979年42号 |
| 発表期間 | 1977年 - 1979年 |
| 巻数 | 全9巻 |
| テンプレート - ノート | |
『マカロニほうれん荘』(マカロニほうれんそう)は、鴨川つばめによるギャグ漫画作品。1977年から1979年まで『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて連載された。本項では続編作品の『マカロニ2』も併記する。
概要
「都内の高校に入学してきた主人公が、同じクラスに在籍し、下宿も同じという2人の落第生により学校の内外で引き起こされる様々な騒動に毎回悩まされる」という基本ストーリー。2人が騒ぎを起こす際、毎回様々な着ぐるみやコスチュームに身を包み、往年(あるいは同時期)の特撮作品における人気キャラクターなどに変身したり[注 1]、それに対し周囲の人々も同様に別のコスチュームをまとい様々な手法でツッコミを行う。現代では一般的な手法だが、1970年代当時は画期的かつ過剰なまでのファッションショー的演出が特徴[1]。
基本的には「ほうれん荘」の住民と、その周りを取り巻く人々の日常生活を中心に描かれるが、たたみかけるような不条理ギャグの中には、連載当時の楽曲やCM、特撮を中心としたサブカルチャーなど、当時の世相を反映したものが多かった。シンデレラなどをモチーフにしたミュージカル調や刑事ドラマ仕立ての話、さらには第二次世界大戦中の世界を舞台にした1話読み切りなど、ストーリーはバラエティに富む。特に戦争ものに登場する兵器の考証は、同時期における他のシリアス戦争漫画に勝るマニアックさであり、馬之介初登場の回では戦争劇画で有名な小林源文のデビュー作『クリストローゼ』のパロディまである。これらのネタ風は本作が初であり、新たなギャグ漫画として衝撃を与えた。徹頭徹尾破壊的なスラップスティックの連続で、主役の2人はほぼ常識が通用しない超常的なキャラクターである。だが片方がボケに回るとき、馬之介の登場時などは、1話の半分程度は周囲の人々とまともな会話が続くこともある(ただし、その長さが限界)。その場合は、ほのかに青春漫画的な味わいも醸し出す。扉絵や大ゴマのグラフィックなセンスも大きな特徴である。
鴨川によれば、連載当初は編集長の壁村耐三を除く、他の編集部員全員が連載に反対していたという。また壁村自身も「お前のマンガはオレにはわからん」と語っていた。
呪われた夜
読み切りが好評を博して連載・人気作品となる例は多いが、当作にも原型となる『呪われた夜』という読み切り作品が存在する(週刊少年チャンピオン1977年4月15日増刊号掲載)。ストーリーは実在した新撰組の討ち入りをギャグ漫画にしたもの。ギャグの内容は『マカロニ』と比べ若干ひかえめだが、当時のギャグ漫画と比較すれば、絵・話ともに斬新な作風だった。そのほか『マカロニ』との違いは主に以下のとおり。
- 3人の名前が沖田総司・近藤勇・土方歳三と、実在の人物と全く同じ。
- 土方(ひざかた)がひし形の口を使わない。
- 総司(そうじ)が2人を懲らしめる役でなく、3人一緒にふざけている。
- 『マカロニ』で登場したお約束の演出(トシちゃんの「ちょー」、きんどーさんのおカマ言動)などは全く使われていない。
増刊号の番外編
当時の「チャンピオン」は増刊号として、『マカロニ』とその他の作品一本(カップリングは『ドラネコロック』や『らんぽう』など)の総集編を時折発行していた。巻頭では鴨川が通常連載(週刊の『マカロニ』と月刊の『ドラネコ』)に加え、16ページオール4色カラーという豪華な描き下ろしを発表していた。一本目の「逮捕して下さいませ!!」は刑事ドラマのパロディだが、二本目の「巨大なる戦場!!」からは鴨川が得意とする戦争ものパロディだった。後期より、両作のキャラクターがスター・システム的に敵味方入り乱れて登場する番外編となる。絵・話・人気とも、鴨川漫画の完成度における円熟期を代表する作品となった。少年チャンピオンコミックスにて全話収録されている。
連載終了後
単行本全9巻が30以上の重版が行われ刊行され続けている。連載時は増刊号にも掲載されたため、単行本収録にあたり、いずれの版も連載時における話数・時系列は統一されていない。また連載末期の5話分が未収録となった。これは、作者自身も書籍「消えたマンガ家」などで明かしているが、過労により体調を崩し原稿を仕上げる体力と気力が失われ、手描きによるきわめて雑な絵柄、マジックインキで書きなぐった背景など、その質に問題があったためとされている[要出典]。そのほか豪華版全3巻と文庫版全3巻が存在するが、作者による傑作選でありいわゆるダイジェスト版的な内容なため未収録の話が多い。
鴨川のトラブルを象徴する出来事として、『消えたマンガ家』のインタビューで語られた、辞めたい意向を打診したが編集部とけんかになり、やむを得ず二週間休載したというものがある。これはチャンピオン・コミックス6巻の部分にあたり、「愛のカクテルコーヒー!!」のラスト一段にコマが無くカットでごまかしているのは、当時「過労で胃腸をこわして(前述のとおり仮病)二週間休載」という告知、続く「愛と微笑の世界!!」の冒頭できんどーさんが「しばらくぶりだったわね。元気?」と意味深な台詞を口にするのは、休載を受けての演出である。またこの「愛と微笑の世界!!」を境に、読者に受け入れにくい絵や物語に変化しはじめる。
1980年、同じく「週刊少年チャンピオン」にて続編となる『マカロニ2』の連載を開始するが、約3ヶ月で連載は終了(単行本全1巻が刊行)。その後、女子から寄せられたファンレターの内容に突如発奮した作者は、「週刊少年キング」(少年画報社)にて連載中だった『AAO(エイエイオー)』のキャラクターを放棄し、本作のキャラクターを使った続編としてAAOのタイトルのままいきなり開始させた。だが、かつての輝きを取り戻せぬまま連載は終了し、単行本化もないためにこの出来事はほとんど知られていない。また1980年代後半の『少年探偵そうじ君』、1994年の四コマ『楽しい廻し蹴り』にも本作のキャラクターが登場した。
1995年、3DO・Win95・Classic Mac OSにてテレビゲーム化された。連載直後からテレビアニメ化が数回うわさされたが実現していない。連載中の1978年、TBSラジオ『夜はともだち』における「ラジオ劇画」にてチャンピオン連載作品を次々とラジオドラマ化された。本作もその一つとなっており、テアトル・エコー所属の声優により声があてられている。
2011年2月19日放送の『マンガみたいな!!ミラクル映像博覧会』(テレビ朝日)におけるコーナー紹介のイラストに本作のキャラクター原画が使用された[2]。
2014年11月28日、初の電子書籍化。ただし連載終了後に刊行された豪華版を基とする。1巻・2巻には未発表のカラーイラスト、3巻には単行本未収録のエピソード(全5話分)から1話(第115話「ニコニコ大戦争!!」)のみ収録された[3]。
2018年、長年の沈黙を破り、秋田書店主催による初の原画展『マカロニほうれん荘展』(東京・中野ブロードウェイ、大阪・あべのand、福岡・北九州市漫画ミュージアム)を開催。。連載当時の原画約150~200点とイベント用の描き下ろし近作イラストなどが展示された。秋田書店の編集者によれば、2011年の東日本大震災以降、鴨川に心境の変化があったとされ、社会の中核を担う世代に成長した当時の読者たちに「大変な世の中だけど、少しでも元気になってほしい」という鴨川の願いから企画が実現したという[4]。
2023年までは、鴨川作品の定期的な重版が繰り返された。とくに本作は40版にものぼる。コミックスの累計発行部数は電子書籍なども含めて573万部[4]。
2026年、電子書籍特別編集版が配信停止。マカロニほうれん荘1・2・3・5・7巻が販売停止。
ストーリー
主人公の沖田そうじは、都内の高校(当初は固有名称の設定はなく、連載中期より「ピーマン学園」とされた)に入学した1年生。入学式の日、校庭で同学園のOBらしき2人組を目撃する。式が終了して教室へ入ると、なぜかさっきの2人組が教室の中にいた。実はその2人は同学園における究極の落ちこぼれ、落第生として学園内で知らない者はいない金藤日陽と膝方歳三だった。「あんな人たちと同じクラスだなんて…」と落ち込みながらも、放課後を迎えたそうじは、下宿先となるアパート「菠薐荘」(ほうれん荘、設定上の所在地は「杉並区井草」方面)へと向かう。そこで管理人の娘である姫野かおりから、このアパートに住む"変な2人"の存在を聞かされ、「絶対に関わらないように」と指摘を受けた。その後、2人で部屋へと向かうと、"変な2人"がすでに部屋の中で待機していたのだった。こうして、沖田そうじと落第生2人組による奇妙な同居及び学園生活が幕を開ける。
登場人物
各キャラクターの常套句の引用元として、秋田書店刊 少年チャンピオン・コミックスの初出ページを()書きで示す。
主人公の3人
- 沖田 総司(おきた そうじ) - 通称「そうじ」
- 本編の主人公で、ピーマン学園1年生。名前は新選組一番隊組長沖田総司にちなむ[注 2]。美術部と風紀委員会に所属。真面目で頭が良く、ハンサムかつ立派な高校生だが、少々優柔不断。きんどーさんとトシちゃんが悩みの種。2人の過剰な悪ふざけに対するツッコミ役でもある。『マカロニ2』では、キラキラした星目となり、主人公の座を降りて登場回数も減少した。美術教室に通う場面がある。益田弘美(後述)との交際は順調な模様。決めゼリフは、「もーいや!こんな生活!」後期では「しかし!」。
- 金藤 日陽(きんどう にちよう) - 通称「きんどーさん」、自称「きんどーちゃん」
- ピーマン学園落第24回生で40歳という設定。だが後述するクマ先生と同じ大学の法学部に在籍していた(本人によれば「落第したから高校に戻った」)とも語っている。もともと膝方さんと共にそうじの隣の部屋に住んでいたが、いつの間にか二人そろってそうじの部屋に居ついてしまう。勉強をすると膝方さんと共に憔悴してしまうが、頭は良い方でほうれん荘の天井裏で「乙女の父B」という強力な下剤を開発する程。一人称は「あたし」で「あらあら」「やーねぇ」など常にオネェ言葉かつ女装姿での登場も目立つが男性。連載開始時は膝方さんと頭ひとつ程度の身長差だったが、徐々に縮んでいき半分程度となった小柄な体型[注 3]と大きな唇がトレードマーク。普段はわがままで自己中心的な性格だが、そうじが(特に恋愛関係で)ピンチに陥った際は膝方さんと共に助け舟を出すなど、時折優しい一面も見せる。お金への執着が強く、商売を思いついては一攫千金をもくろむが、実績はない。「おー、おっほ」(1巻143ページ)という掛け声で踊る「ゴリラダンス」を得意とする(作中でレッスンまでしている)。結婚をさせるため周囲がお見合いをさせたが、女性同士として意気投合してしまい成立しなかった。美智子という娘がいた[注 4]。名前の読みは「金・土・日曜」、キャラクターのモチーフは新選組局長近藤勇から。決めゼリフは「うひょひょひょひょ」。
- 膝方 歳三(ひざかた としぞう) - 通称「ひざかたさん」「トシ」等様々、自称「トシちゃん」
- ピーマン学園落第10回生で25歳。名前は新選組副長土方歳三にちなむ。父は火星人、母はオーストラリア大ミミズ(見た目はカンガルー)[注 5]。長身であり、常に身につけているサングラスと口ひげがトレードマーク。サングラスを外した素顔はきんどーさんすら知らない。「カマキリ拳法」(モチーフは蟷螂拳)を基本とする武道全般を嗜み、超人的な身体能力を誇る[注 6]。きんどーさんによれば全運動部のOB。普段はクールな二枚目だが、おどけると口が菱形になる。この口の作画技法がのちの漫画やアニメで浸透した。頭に衝撃を受けると7人以上に分身してしまう[注 7]。決めゼリフは、「トシちゃん感激!」。
主要キャラクター
- 姫野 かおり(ひめの かおり)
菠薐荘 ()の管理人の娘で23歳。喫茶店「アップルハウス」を経営している。母親の名前はまり子。趣味は空手でかなり腕も立ち、ルミ子に絡んでいたチンピラ数人を1人で叩きのめしている。基本的に優しい性格だが、家賃とコーヒーのツケが多すぎるきんどーさんとトシちゃんには怒りをぶつけることがしばしばある。連載初期はそうじに気のある様子も見られた。弘美は好き、敦子は嫌いと好き嫌いを持っている。最終回でトシちゃんとの真実が語られた。- 後藤 熊男(ごとう くまお) - 通称「クマ先生」
- そうじたちのクラスの担任教諭。きんどーさんと同じ40歳。家族は妻ゆかり[注 8]と長男熊太郎。平凡な高校教師だが、異常なノリの良さが災いし、きんどーさんとひざかたさんに毎回のように授業を妨害されてしまう可哀相な存在。激昂や周囲からの冷やかしなどにより、絶叫しながらのコスプレ[注 9]やオカマの格好でストリップショーまがいのパフォーマンスをすることが多い一方、二人組と共にハードロックを演奏したりもする。困ったときの口癖「ノオッ」から「苦悩する中年、ミスターノォ」「戦慄のハードロッカー、ミスターノォ」、またコスプレ癖から「チューリップ熊美」などと呼ばれる。きんどーさんたちに酷い目に遭わされた際、毎回自殺しようとするが単なるポーズで、しばらくすると元に戻る。少年野球の審判やラジオ体操の指導員を務めるなど、町内活動にも旺盛。
- 八千草 文子(やちぐさ あやこ)
- ピーマン学園の女性教諭。赴任時に教室が絶句するほどの美人。物語の前半では「か弱い新人教師」というイメージだったが、後半では凛々しい姿に成長。特に5組の不良生徒たちの更生に尽力する。学校内で膝方さんが(一目ぼれしたこともあり)最も苦手とする人物。
- 益田 弘美(ますだ ひろみ)
- そうじの彼女で同級生。おとなしく少し真面目すぎる性格のため、2人の行動には全くついていけない。ある意味、最も常識的なキャラクター。秘密にするという約束でそうじと交際していたが、きんどーさんたちに公表されてしまう。それをそうじが口外したと思いこみ一度別れるもやはり忘れられず、仲直りを申し出て復縁している。その後、中嶋姉妹の妨害にあうが、かおりの励ましなどもあり試練を乗り越えた。『マカロニ2』ではそうじと順調に交際している。
- 中嶋 敦子(なかじま あつこ)
- そうじを慕う同級生。暴力団の組長の娘で、お嬢様育ちのためわがままかつ性悪。弘美に振られた後のそうじに勉強を習ったりと様々アプローチし、既成事実を作り無理矢理恋人になろうとしたが、落第2人組に邪魔され失敗する。また、かおりからも非常に嫌悪感を持たれている。弘美がそうじとよりを戻した後も、そうじを略奪しようといくつも作戦を仕掛けるが、どれも失敗に終わる。最終的に美人局でそうじの拉致を画策するが、落第2人組に馬之介も加えた3人に阻止され、そうじから完全に振られてしまった。8巻にて美術の時間にそうじへアプローチするが弘美ににらまれている。『マカロニ2』では最終回のみ登場。
- 中嶋 麻美(なかじま あさみ)
- 中嶋敦子の妹。小学生だが大人びており、姉同様にそうじを慕う。情熱的なアプローチを試みて思わぬ騒動を招き、そうじ本人に諭されるが諦めきれなかった。恋敵でもある姉とは犬猿の仲。ただし姉に比べて分別があり、終盤にて正面から諭したそうじを、涙ながらに諦めた。『マカロニ2』にはロリコンに惚れ込まれる少女として登場する。
- 前田 馬之介(まえだ うまのすけ)
- 物語の前半と後半で、外見が全く異なるキャラクター。名前は新選組平隊士の1人である上田馬之助にちなむ。常に垂れている鼻水がトレードマーク。登場当初は極端に愚鈍でだらしない男としてきんどーさんを激高させるキャラでしかなかった。その後「なんだ馬の介」として再登場すると、呆けながらも次第に抜け目のないキャラクターに変貌。主役級の地位を確立していった。脚の関節を逆転させてバッタのポーズで跳び回る技を得意とする。『マカロニ2』では、きんどーさん、ひざかたさんと共に「主人公トリオ」の1人となる。
- 斎藤 ルミ子(さいとう るみこ)
- 「女子大生トリオ」の1人で、短期大学の1年生。少女趣味で空想家。「キャイーン」「〜ですわん」と非常に特徴のある口調。作中では軍歌を歌唱するシーンが多くみられる。愛称は「ルミちゃん」「ルミたん」など。一見おどけているが、膝方の為に洗濯や炊事を行うなどしっかりした一面もあわせもつ。また、自分の勘違いによりそうじに迷惑をかけたことを知ると謝罪のために髪を切り、きんどーさんを感動させている。ひざかたさんを一途に慕い、女子大生トリオの中では最も積極的にアプローチをしかけるが、報われないことが多い。
- 中野 そう子(なかの そうこ)
- 「女子大生トリオ」の1人で、短大の2年生。黒髪ロングで前髪が長く右目が隠れている。ルミ子同様、ひざかたさんを一途に思い続けているが、アプローチでは一歩出遅れている模様。レズビアンで、抜け駆けを繰り返すルミ子を度々ベッドで泣かせている。容姿が似ているかおりと同様に戦闘力が高く、きんどーさんの攻撃をあしらっこともある。『マカロニ2』では前髪はそのままにセミロングのボブに変更された。
- 白水 由紀子(しらみず ゆきこ)
- 「女子大生トリオ」の1人で、短大2年生。当初は上述の2人同様にひざかたさんを慕っていたが、のちに「フィーリングが合ったから」との理由で藤田弘という別の男性と電撃結婚してみなを驚かせた。『マカロニ2』では赤ん坊の娘の母として登場する。
- 伊達 兄樹(だて あにき) - 通称「アニキ」
- 「テディ・ボーイ・ギャング団」のリーダー格。昼間はアルバイトに精を出し、夜は場末の酒場のステージに立つ。夢はバンドの大スター。評判は芳しくない。安アパートの一室に弟分の森田・沢松と3人で同居している。また、「恋人」を自称するミルキーという女性に付きまとわれているが、本人は嫌っている。初登場時はきんどーさんとそうじに因縁をつけて、ひざかたさんにKOされている。のちにそうじと弘美の仲を裂くよう依頼してきた敦子を諌めたり、花見パーティーを主催してそうじと弘美を誘うなど、気のいい一面ものぞかせるようになる[注 10]。
- 森田 和広(もりた かずひろ)
- 「テディ・ボーイ・ギャング団」の1人。金髪のリーゼントがトレードマークで、顔立ちがそうじに似ている。主に暴走しかけるアニキを諌める役回りが多い。
- 沢松 英二(さわまつ えいじ)
- 「テディ・ボーイ・ギャング団」の1人。顔立ちがいかつい。主に失敗したアニキの尻拭いをするという損な役回りが多い。また、余計な一言も多い。
- ススキ 小次郎(ススキ こじろう)
- ひざかたさんのライバルを自称する武道家で「ネズミ流空手」の使い手。名前は佐々木小次郎にちなむ。主人公トリオと共にピクニックに訪れていたかおりに一目惚れし、「かおり姫」と呼び恋焦がれている。ひざかたさんとは武道のライバルで、出会ったときには戦う宿命である(と本人たちは決め込んでいる)。
- 七味とうがらし(しちみ とうがらし)
- 作中に登場する売れっ子童話作家のペンネーム。代表作には『イチゴ大統領のニンジン畑』など。前髪で両目を隠してはいるが、いわゆるイケメン。正体は、大脳の周囲を一定期間で回っている小脳が定位置にきた際におけるひざかたさんの別人格。ひざかたさんと七味先生の意識が共有関係にある事実を周囲には隠している。だが、最終話直前のエピソード「トシさまの最期!!」にて衆目の中で変身してしまい素性と職業が明るみとなった。以後、七味先生のファンだった姫野かおりからの待遇が格段に良くなっている。最終話では、単身ほうれん荘を去ろうとしてきんどーさんに悟られ、共に人知れずほうれん荘を去ることになる。
その他のキャラクター
- 雅子さん(まさこさん)
- 「アップルハウス」のパートタイマーで既婚者。通称はマコ。登場のたびに髪型を変えている。2児の母。母乳で子どもを育てている。
- おばさん
- そうじの叔母であり、母親代わり。苗字は山倉だが名は不明。娘の名前は和子。当初は先輩を称する2人の誠実そうな人柄[注 11]に感銘を受けていた。ひざかたさんと名家の令嬢とのお見合いをセッティングした際に2人の本性を知ってしまう。その後は何とか2人からそうじを引き離そうとするが失敗し、そうじを守るべくほうれん荘に居すわろうとする。
- マンモス稲子(マンモス いねこ)
- きんどーさんを「ママ」と慕うオカマ。きんどーさんの良き理解者。本名は不明だが、関西でストリッパーをしているらしい[注 12]。
- 少女A子(しょうじょえーこ)
- ピーマン学園内のスケ番たちのリーダー的存在。弱い者いじめを許さない、いわゆる「正義の不良」。けんかはめっぽう強いが、一目惚れしたひざかたさんの前では猫をかぶったようにかわいく振舞ってしまう。やがて仲間と共にマカロニ軍団と親しくなる。一方でそうじに惚れる敦子にとっては、不良仲間かつ恋人関係の彼女は天敵。
- 5組の生徒たち
- ピーマン学園の不良行為少年たち。5組の教室は煙草の副流煙が流れる賭博場と化しており、きんどーさんとトシちゃんも授業妨害のために出向く。のちに彼らを更生させようとする文子先生に近所の掃除をやらされる。なお5組の一人である佐々木雄二君は中学時代にアニキたちの後輩だった。
- 日の丸屋の店主
- 近所の駄菓子屋「日の丸屋」の店主。ラムネをただ飲みしたきんどーさんの口車に乗せられ、店舗をアダルト路線へ拡張させたが、警察の一斉検挙に遭い営業停止処分になる。かつて妻に逃げられており、反抗期の娘と2人暮らし。
- ラッシー
- ススキ小次郎の飼い犬。名前の由来は『名犬ラッシー』。長く小次郎の世話をしてきた影響で、2本足で歩き人間の言葉を話す。また小次郎自身を打ち上げるため、マッチで大砲に点火するなど手先もかなり器用。作品の終盤には、ラッシーを主人公に据えた回が描かれた。
- 夢野さん
- 七味とうがらしの担当編集者。売れっ子作家である七味の破天荒な言動に常に振り回されつつも、締め切りまでに原稿を書き上げさせている。
- 真実 一郎(しんじつ いちろう)
- 軍国主義を主張する学生。『マカロニ2』にのみ登場。名前は「真実一路」にちなむ。
- 組長
- 中嶋姉妹の父。名前は不明。組の構成員たちから恐れられる存在だが、妻とのいざこざが絶えず、常に家庭不和に頭を悩ませている。フロント企業である土建業の社長を務め、組長と呼ばれることを嫌い呼んでしまった構成員たちを「バカヤロウ!、社長と呼べと言っているだろう!!」と叱責する。
- 安田(やすだ)
- 中嶋の組の構成員。本人は否定しているが、組長から妻との関係を疑われている。
- きんどーさんの娘
- 名前は美智子。20年前、当時大学生のクマ先生と訪れた森の中で光る1本の木を発見し、切り倒した際に出てきた赤ん坊の成長した姿。のちに光に包まれ、天空へと帰って行った。
書誌情報
- 少年チャンピオンコミックス(全9巻)
- 2026年8月現在、電子書籍特別版は配信終了。2020年ごろまで単行本は全巻発売されていたが現在確認できるのは4・6・8・9巻のみ。秋田書店カスタマーセンターによれば、電子書籍含めた再販予定は現時点でないという。
- 連載時と掲載順序が一部異なり、以下5作品が未収録。
- 114話 乙女の輝き!!
- 115話 ニコニコ大戦争!! - 電子書籍「マカロニほうれん荘【電子コミックス特別編集版】」第3巻にて「<特別収録>単行本未収録エピソード」として収録。
- 116話 スイカ音頭です!!
- 120話 真夏の夜の夢!!
- 121話 不良はコワイゾ!!
- 第2巻には、のちに見られなくなるような表現がいまだ残っている。例えば以下のような例。
- 「哀愁の浜辺」:沖田が驚いて「あわわわわ」と泡を吹きながらカニになるという表現
- 「荒野のオンザロック」:膝方がサングラスを変形させて「じろっ」とにらみつける表現
- 連載時と掲載順序が一部異なり、以下5作品が未収録。
- 秋田文庫(全3巻)絶版
- かなり抜粋して収録。
ラジオドラマ
1978年、TBSラジオ『夜はともだち』における「ラジオ劇画」コーナーにて放送。同企画では高校名が「マカロニ学園」とされた。キャスティングは全てテアトル・エコーが担当。
関連商品
- テレビゲーム
- ボードゲーム
- 鴨川つばめのマカロニほうれん荘ゲーム(エポック社)
- その他
- Tシャツ
- オフィシャルマカロニほうれん荘Tシャツ2011.3(むかしむかし)
関連項目
- レッド・ツェッペリン、クイーン - メンバーらしき人物たちが作品内に登場する。ブライアン・メイらしき登場人物がアップルハウスで『華麗なるレース』をBGMにリクエストするシーンが存在する。コミック3巻の表紙は『世界に捧ぐ』ジャケットのパロディ。そのほか、本作には当時のロック雑誌であるミュージック・ライフや音楽専科などのグラビアを模したイラストがたびたび描かれている。
- パタリロ! - いずれも、ひし形の口やサングラスのキャラが登場することで知られている。
- つげ義春 - 時折『ねじ式』や『李さん一家』といったつげ作品をパロディにした場面が登場する。
- ポパイ - 第1話で下宿先の名前を「菠薐荘」と聞いたそうじが「ほうれん草が好きなのかな」と一瞬ポパイの顔を思い浮かべる場面がある。また別の回ではウィンピーが七味とうがらしからハンバーガーをおごってもらうべく登場する。
- ドラネコロック - 同時期に「月刊少年チャンピオン」で連載されていた鴨川つばめの漫画作品。登場人物が時折相互にゲスト出演する。
- 山口貴由 - 1999年、「週刊少年チャンピオン」の特別企画にて鴨川つばめから「自由に描いてよし!」と公認され、読み切り作品として本作のリメイクを描いた。原作における展開やギャグの方向性が順守されており、作品に対する敬愛が感じられる。2007年、「チャンピオンRED」付録「セレクションズ2」にて再録。
- キャイ〜ン - 本作に登場するキャラクターの台詞がコンビ名の由来。
脚注
注釈
- ↑ それらの衣装を虫干しするなど、メンテナンスに関するエピソードも存在する。キャラクターはほぼ日本特撮に徹し、アニメや海外作品はほぼ引用されない。ただし非SFの海外アニメは時折引用元になる。
- ↑ 第37話「新たなる門出」のみ漢字表記。それ以外は平仮名。
- ↑ そうじと膝方さんと3人で自転車通学するが、彼の定位置は買い物かご。また、時折挿入される劇画風のシリアスな大ゴマですら、身長は半分だった。
- ↑ 大学生のころ、散歩中にクマ先生と見つけ育て上げるも、満月の前に訪ねてきて結局は月に帰っている。竹取物語のパロディ
- ↑ 作中で膝方が見せる写真にはカンガルーが映っている。
- ↑ コミックス2巻では百歩神拳まで披露している。
- ↑ とくに分身No.5についてはエピソードがある。
- ↑ 大学時代のクマが行きつけだった喫茶店のバイト店員。
- ↑ フレディ・マーキュリーなど当時人気のあったロックミュージシャンのステージ衣装をよく身に着けている。
- ↑ 1994年の4コマ漫画『楽しい回し蹴り』にて、大人になったテディ・ボーイ・ギャング団の3人が登場。大スターになる夢を叶えられなかったのかチンピラのままだった。
- ↑ 実は演技で、最後には無理がたたり2人とも全身がショートしてしまう。
- ↑ 6巻18ページより。
出典
- ↑ 米澤嘉博「マカロニ&パイレーツ ― 一般性崩壊の序曲」、『マンガ奇想天外 No.4 1981WINTER』所収、奇想天外社、1981年1月、pp132-137。
- ↑ 世紀のスクープ撮れちゃった!!マンガみたいなミラクル映像博覧会、2011年2月20日時点のインターネットアーカイブ
- ↑ 「マカロニほうれん荘」未収録作も含めた電子書籍版、全3巻で配信スタート(2014年11月30日)、コミックナタリー
- 1 2 川口安子 (2018年6月1日). “鴨川つばめさん「マカロニほうれん荘」連載から40年 伝説の漫画、初の原画展 震災きっかけ 沈黙破る”. 西日本新聞. p. 10.
- ↑ Yahoo!地図「マカロニほうれん荘」