ローゼンハン実験

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実験が行われた病院のひとつ、セント・エリザベス病院(Saint Elizabeth's psychiatric hospital)ワシントンD.C.

ローゼンハン実験(ローゼンハンじっけん、Rosenhan experiment)は、アメリカの心理学者デイビッド・ローゼンハンが精神障害の診断の有効性について実施した実験である。1973年にサイエンス誌が『狂気の場所の正気の存在 ("On being sane in insane places")』で掲載した[1]。この実験は、精神障害の診断について重要な研究と見做されている[2]。

実験

2部構成である。

  1. 精神障害の診断を受けていない疑似患者[3]が、幻聴を詐病して、アメリカの5州にある精神病院の12施設に入院を試みた。疑似患者は全員が精神障害があると診断されて入院を許可された。入院時に疑似患者は「幻聴はなくなった」と病院に伝えた。疑似患者は「病院によって精神障害[4]があることを認める」「抗精神病薬を服用する」ことを条件に、全員が退院を許可された。疑似患者の平均入院期間は19日間であった。
  2. 医療機関は「ローゼンハンが送り込む疑似患者を特定する」と伝え、ローゼンハンは提案に同意した。新しい患者193名のうち、医療機関は41名を疑似患者の可能性があり、精神科医1名と職員1名は19名を疑似患者を疑った。ローゼンハンは疑似患者を一人も送り込んでいなかった。

ローゼンハンは「精神病院施設内において正気と狂気を区別することは不可能である」「精神病院内において人間のラベリング(決めつけ、偏見)、および人間性を損なう危険性が存在する」と結論し、精神障害は診断名を決定するよりも「特定の問題について地域の精神衛生施設で対応すること」「精神医学従事者が社会心理学を学習すること」を解決案として提案した。

評価で疑似科学と批判されている[5]

類似実験

脚注

  1. ↑ Rosenhan DL (January 1973). “On being sane in insane places”. Science 179 (4070): 250–8. doi:10.1126/science.179.4070.250. PMID 4683124. オリジナルの2004年11月17日時点におけるアーカイブ。.
  2. ↑ Slater, Lauren (2004). Opening Skinner's Box: Great Psychological Experiments of the Twentieth Century. W. W. Norton. ISBN 0-393-05095-5
  3. ↑ 3名の女性、5名の男性、うち1人はローゼンハン本人
  4. ↑ 8名中7名は、統合失調症の回復期であると診断を受ける
  5. ↑ Spitzer, Robert L. On Pseudoscience in Science, Logic in Remission, and Psychiatric Diagnosis: A Critique of Rosenhan's 'On Being Sane in Insane Places'. Journal of Abnormal Psychology; 1975; vol.84 no. 5; pp 442-452.
  6. ↑ BBC Headroom Horizon: How Mad Are You?
  7. ↑ How Mad Are You? - Spotlight

参考文献

  • Slater, Lauren (2004). Opening Skinner's Box: Great Psychological Experiments of the Twentieth Century. W. W. Norton. pp. 64–94. ISBN 0-393-05095-5 

関連項目

外部リンク