全国共通図書券

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全国共通図書券500円券(表面)。1986年の券面変更後、1998年のホログラム導入前の型式。
全国共通図書券500円券(裏面)。

全国共通図書券(ぜんこくきょうつうとしょけん)は、日本図書普及株式会社が1960年から2005年まで発行した、加盟書店で書籍・雑誌の購入に使用できる商品券である。一般に図書券と呼ばれる[1]。出版社、出版取次、書店などの出版関係者による共同事業として発足した[2][3]。

紙製図書券と並行して1990年に全国共通図書カード(通称・図書カード)の発行が始まり、2016年にはサーバーで残高を管理する図書カードNEXTが登場した[2][4]。紙製図書券と磁気式図書カードの新規発行は終了しているが、継続して利用できる[5][6]。

概要

図書券と後継の図書カードは、贈り主が書籍を選ぶ代わりに、受取人が加盟書店などで書籍を選べる仕組みとして広められた。発行元となる日本図書普及は、出版社・取次会社・書店が出資して設立された[7]。2024年の発行元担当者への取材によれば、図書券は出版物の市場拡大と読書普及を掲げた出版界の共同事業として成立し、贈答する本の選定が難しいことが背景にあった[8]。1960年の紙製図書券を起点に、磁気記録式、サーバー管理式へと形態が変化してきた[2][5]。発行元は、紙製の図書券と磁気式の図書カードの利用を引き続き認めている[9]。

三世代の図書券・図書カードの比較
種類新規発行時期決済方法発行終了後の扱い・有効期限
全国共通図書券 1960年12月~2005年10月額面の図書券を使用し、書店が回収・精算発行終了。発行済みの券は加盟書店で引き続き利用可能。現在は有効期限を設けていない[2][10]
全国共通図書カード 1990年12月~2016年5月カード内の磁気記録から残額を減算発行終了。有効期限を設けず、加盟書店で引き続き利用可能[10][9]
図書カードNEXT 2016年6月以降QRコードを読み取り、サーバー上の残額を減算有効期限があり、券面などに表示。オンライン書店にも利用範囲を拡大[11][9]

利用は書籍・雑誌などの「出版物」(文部科学省検定済教科書を除く)の購入を対象とし、具体的な適用範囲は加盟店ごとに確認が必要である[10]。書店で販売する商品すべての購入に使えるものではない。また、コンビニエンスストア・駅売店・古書店は図書カードNEXTの加盟店ではない[10]。

歴史

  • 1960年12月:発行開始。
  • 1990年12月:図書カードの発行開始。
  • 1995年:100円券の発行が終了。
  • 2003年11月:山陰地区(鳥取県・島根県)での図書券販売終了
  • 2004年9月:東北地区、中国地区、四国地区での図書券販売終了
  • 2005年10月:図書券の販売終了。図書カードに完全移行。
  • 2016年5月:図書カードの発行終了。
  • 2016年6月:図書カードNEXTの発行開始。
  • 2025年4月16日:全国共通図書カード(磁気式図書カード)や図書券を図書カードNEXTへ交換できるサービス『図書カード交換ステーション』開始[12]。

全国共通図書券

図書・雑誌の販売促進を目的として、1960年に発行が開始された。1990年からは磁気カード(プリペイドカード)方式の「図書カード」が発行開始され、その後、図書カードの読取端末が書店レジに普及したため、2005年10月1日をもって書店での図書券の販売は終了した。有効期限は定められておらず、また、2017年1月時点では「文具券」などのような利用停止や払い戻しの措置をしていないため、手持ちの図書券は、初期のものを含めて引き続き使用できる。(日本図書普及・過去に発行した図書券参照)

初期(1976年11月まで)のものは20円券の50枚綴りなどのような、かつてのバスの回数券に似た少額券の複数綴りであったが、1976年12月以降は100円券と500円券の1枚券となり、販売終了時点では、500円券のみが発行されていた。加盟店であればどこでも使え、日本のほとんどの書店が加盟店となっていた。

全国共通図書カード

ここでは図書を購入するためのプリペイドカードの「図書カード」について書かれています。「図書館の利用者カード」や、本の後ろの別名「貸出カード」、「カード型の図書目録」とは違います。
磁気式の全国共通図書カード(500円券)。

1990年12月より発行が開始された。プリペイドカードになってつり銭の処理が不要なため、従来の図書券に代わって主流となった。この名称は日本図書普及株式会社の登録商標である。大きさは86×54mmで、上部に残額の目安の指標が印刷されており、パンチ穴が開けられる。通称「図書カード」。2016年5月に発行終了し、上記の図書カードNEXTの発行が始まった。

多くの書店で利用可能だが、個人経営の書店などでは利用できない店もある。また、コンビニエンスストアやAmazon.co.jpでも利用できない。

額面(図書カード)

  • 500円
  • 1,000円
  • 2,000円
  • 3,000円
  • 5,000円
  • 10,000円

注文製作向けでない500円券は、山陰地区・東北地区・中国地区・四国地区は図書券販売終了時から、その他の地域では2005年夏頃より発売している。また、オリジナルの図書カードを製作するさい、上記の額面以外にも200円~9999円の間で自由に設定が可能(額面指定図書カード)で、実際に集英社『MORE』のアンケート謝礼用560円券といったものが存在している。

図書カードNEXT

図書カードNEXT(1,000円)

2016年6月より発行が開始された現行のプリペイドカード[13][14][15]。カード裏面に印字されたQRコードを書店設置の専用端末で読み取り、残高をデータセンターのサーバーで管理する方式を採用している。また、利用者はパソコンやスマートフォンにカード裏面の番号を記入することで残高や利用履歴を確認することができる。これまでの図書券や図書カードと異なり、10年間の有効期限が設けられており(図書券や図書カードは有効期限なし)、有効期限はカード裏面に印刷されている。従来の図書カードと異なり、楽天ブックスなどのインターネット上の書店でも利用出来る[16]。

額面(NEXT)

  • 500円
  • 1,000円
  • 2,000円
  • 3,000円
  • 5,000円
  • 10,000円

脚注

出典

  1. ↑ “図書券”. コトバンク. 小学館『デジタル大辞泉』、小学館『日本国語大辞典』. 2026年10月25日閲覧。
  2. 1 2 3 4 “会社のあゆみ”. 日本図書普及. 2026年10月24日閲覧。
  3. ↑ “出版業界団体の紹介”. 全国出版協会・出版科学研究所. 2026年10月24日閲覧。
  4. ↑ “「図書カードNEXT」6月から QRコード付き、残額はサーバで管理”. ITmedia NEWS. 2016年5月30日. 2026年10月24日閲覧.
  5. 1 2 杉本吏 (2018年4月11日). “図書券・図書カードって今どうなってるの? 進化の歴史をまとめてみた”. ねとらぼ. 2026年10月24日閲覧.
  6. ↑ “昔の磁気式図書カードや図書券を、最新版に交換しよう! 新サービス「図書カード交換ステーション」スタート”. 共同通信PRワイヤー. 日本図書普及 (2025年4月22日). 2026年10月24日閲覧。
  7. ↑ 『50年史』編集委員会 編『日本雑誌協会 日本書籍出版協会50年史:1956→2007』日本雑誌協会・日本書籍出版協会、2007年、18頁。
  8. ↑ 秋山はじめ (2024年11月15日). “掃除で発見した数十年前の図書券、その有効期限に衝撃走る 「知らなかった…」とネット民驚愕”. Sirabee. 2026年10月24日閲覧.
  9. 1 2 3 “図書カードNEXTの概要・使い方”. 日本図書普及. 2026年10月24日閲覧。
  10. 1 2 3 4 “よくある質問”. 日本図書普及. 2026年10月24日閲覧。
  11. ↑ “図書カードが新しく「図書カードNEXT」へ加盟書店で2016年6月より発行開始”. 日本図書普及・凸版印刷・富士通エフ・アイ・ピー (2016年5月30日). 2026年10月24日閲覧。
  12. ↑ “最新版の図書カードNEXTに交換しよう-図書カード交換ステーション”. 2025年4月20日閲覧。
  13. ↑ “図書カードが新しく「図書カードNEXT」へ~加盟書店で2016 年6 月より発行開始~”.
  14. ↑ “「図書カードNEXT」6月から QRコード付き、残額はサーバで管理”.
  15. ↑ “図書カードが新しく「図書カードNEXT」へ加盟書店で2016年6月より発行開始”.
  16. ↑ “楽天ブックスで図書カードNEXTが使えます”. 楽天ブックス. 2024年12月27日閲覧。

関連項目

外部リンク