南涼子

ウィキペディアから、無料の百科事典
みなみ りょうこ

南 涼子
生誕 (1972-05-04) 1972年5月4日(52歳)
東京都
住居 神奈川県大和市
国籍 日本の旗 日本
職業 色彩専門家、カラーコンサルタント、カラーコーディネーター
団体 一般社団法人 日本ユニバーサルカラー協会
著名な実績 ユニバーサルカラーの提唱
代表作 一瞬で心が整う「色」の心理学
テンプレートを表示

南 涼子(みなみ りょうこ、1972年5月4日 - )は、日本の色彩専門家、カラーコンサルタント、カラーコーディネーター。一般社団法人日本ユニバーサルカラー協会[1]代表理事(理事長)。東京都出身、神奈川県大和市在住。

「年齢や性別、障害の有無に関わらずすべての人が快適に暮らせる色」をコンセプトに『ユニバーサルカラー[注釈 1]』を提唱[2][3]。 感覚的な見た目やファッション、スピリチュアルな側面から色選びを提案するカラーコンサルタントとは一線を画し、客観的視点から色の社会的役割を重視した色彩活用を訴えている[4]。医療福祉から美容健康、メンタルケア、衣食住などの生活全般、防災、商業デザイン、建築デザイン、建設現場の安全対策まで幅広い分野を対象にコンサルティングを行っている[5][6][7][8][9][10][11]。
一般社団法人日本保健福祉ネイリスト協会顧問[12][13]と健康検定協会理事[14][15]も兼務。山野美容芸術短期大学で色彩学の教鞭も執る。

来歴

1972年(昭和47年)5月4日、東京都に生まれ、神奈川県大和市で育つ[16]。
幼少期から「お金持ちになって親にサウナ付きの家を建てたい」という夢があった南は、高校卒業後すぐに起業しようと19歳でイベントの人材派遣会社を立ち上げたが、数年で廃業することとなる[17]。
その後、知人の勧めや書店で目にした専門書により色彩に興味を持った南は色彩理論や配色理論、色彩心理、パーソナルカラー分析などを学び[18]、1997年(平成9年)に文部科学省認定ファッションコーディネート色彩検定一級試験に合格する。
後年「当時はお金に困っていて、消費者金融から借金し車中生活を送りながら勉強しました[19][20][21]」「経済的に厳しく図書館から借りた本を丸ごと一冊書き写した[22]」「テキストや問題集は持っていたが、自分で問題を作ることでより理解が深まるのではないかと思い問題集を自作した[23]」と回想している[24]。

検定合格後にカラーコンサルタントとして活動を始めた南だったが、実績がないためすぐには仕事がなく、初めての依頼は合格の3年後であった[25][26]。
その依頼が老人介護施設からだったことをきっかけに、それまであまり色彩が重視されてこなかった福祉分野への色彩活用に可能性を感じた南は、介護施設でボランティア活動をしながら高齢者や認知症患者が快適に暮らせる色彩の研究に取り組み、カラーセラピーやカラーワークを実践、指導した[27][28][29][30][31][32][33][34][35][36][37]。

やがて、全国から高齢者施設での活動について問い合わせが寄せられるようになり、南は組織的な対応の必要性を感じる。当初はノウハウを開示することでライバルが増えるのではと懸念したが、「組織をつくり情報を伝え一緒に活動することで、さらに価値の高い仕事や活動が出来上がるのではないか」と考え、2003年(平成15年)に日本ユニバーサルカラー協会(略称UNICA)を設立する[1][38]。同協会は2011年(平成23年)9月22日に一般社団法人化され現在に至っている[39]。

その後、特別養護老人ホームやケアハウス等で改修・改装の実績を重ねた南は2009年(平成21年)、福島県立医科大学付属病院の全面改修に当たり外来サイン計画の色彩監修を任される。南にとって初となる大型公共プロジェクトへの参加であった[40][41][42]。

2019年(令和元年)、本業と掛け持ちで8か月間にわたって都内の大型建設現場で場内誘導と監視業務に携わった南は、そこで得た経験をもとに色彩を活用した建設現場の事故防止策や安全対策を提言[43]、2023年(令和4年)と2024年(令和5年)には建設通信新聞に色彩心理の観点から建設現場の安全対策を促す連載記事が掲載された[44][45][46]。

2024年(令和5年)、年齢や性別、障害の有無に関わらずあらゆる人に配慮した色彩デザインであることを証明する『ユニバーサルカラー認証事業』を開始した[47][48][49][50][51]。

活動姿勢

自らを「色を信じないカラーコンサルタント」と呼称。色を教えて伝える人間だからこそ客観視が必要であるという考えから占い的・スピリチュアル的な色彩論に批判的な立場をとっており[4]、建設通信新聞のインタビューでは「最近は科学的根拠もなく『色には波動があり運気を左右する』といった占いまがいの主張も見受けられますが、私は反対に色の効果を客観的・科学的に伝えていきたいと考えています」と語っている[19]。

科学的根拠に乏しい色彩論に関しても「プロとしてあやふやなことを言いたくはないし、信じられないことや猜疑心を抱えていることは絶対に言葉に出来ない[4]」として、根拠のはっきりしない情報は著書や講演などで取り上げない姿勢をとっている[52]。
色彩心理系の書籍やWebサイトでしばしば紹介されるライトトーナス値[注釈 2]については、自身のブログで「感覚的な説得力はあるものの科学的根拠があやふやすぎる」とし授業や講義、講演で取り上げたことはないと語っている[52]。
また、初期の著作で紹介したことがある黒服老化説[注釈 3]やブラックフライヤ・ブリッジ説[注釈 4]などは、後の著書を出す際に自身のブログで科学的根拠がないことやどのように統計を取ったのか不明であることを理由に「今回本に書かなかったこと」として挙げ、かつて書いたことへの後悔を綴っている[53][54]。

建設現場における色彩活用については、自らの就労体験をもとに「現場の標識などにはJIS安全色が使用されているが、現実的にはそれが十分に機能しておらず、効果的に活かされていない」「安全区分や階段、段差などに目立つ色でマーキングするなどの対策こそ見られるが、まだ積極的で効率的な活用には至っていない」「独自に色の基準を設けているところもあるが、現場によってそのルールはまちまち」「昨今作業員の高齢化や国際化が進んでいるが、そうした人たちがより働きやすく安全に作業するためにも、色彩の扱い方の効率化や統一が必要」として、JIS安全色に留まらない積極的な活用を呼びかけている[55]。

著作

書籍

  • 『介護に役立つ[色彩]活用術』現代書林、2003年11月19日。ISBN 978-4774505749。 
  • 『介護力を高めるカラーコーディネート術』中央法規出版、2007年5月1日。ISBN 978-4805828816。 
  • 『一瞬で心が整う「色」の心理学』青春出版社、2022年2月2日。ISBN 978-4413046442。 
  • 『今と未来がわかる色彩心理 (ビジュアル図鑑)』ナツメ社、2022年12月14日。ISBN 978-4816373015。 
  • 『色彩心理 配色アイデアブック』ホビージャパン、2023年4月4日。ISBN 978-4798631424。 

研究発表・論文等

脚注

注釈

  1. ↑ ほぼ同時期に色覚異常の当事者である伊藤啓(東京大学分子細胞生物学研究所准教授)らによって提唱されたカラーユニバーサルデザインとは異なる。
  2. ↑ 色と光による筋肉の緊張度合いを数値化したとされるもの。
  3. ↑ トマトに黒布を被せておくと早く枯れてしぼんだとする実験結果から、黒ばかり着用していると老化が早まるとする説。
  4. ↑ ロンドンの橋。黒色で自殺の名所だったが、緑色に塗り替えたら自殺者が減ったとする説。

出典

  1. 1 2 “(一社)日本ユニバーサルカラー協会”. 2025年3月3日閲覧。
  2. ↑ “ユニバーサルカラーとは”. 色彩専門家 南涼子のblog (2012年4月17日). 2025年3月3日閲覧。
  3. ↑ “使いやすい、暮らしやすいを色で提案”. ありがとう!TV (2019年4月5日). 2025年3月9日閲覧。
  4. 1 2 3 “色を信じないカラーコンサルタント”. 色彩専門家 南涼子のblog (2009年1月15日). 2025年3月3日閲覧。
  5. ↑ “人間は色に支配されている!インテリアやストレス解消に効く色は?”. DIAMOND online (2022年2月23日). 2025年3月7日閲覧。
  6. ↑ “緑黄色野菜が若返りに効くこれだけの理由/仕事の効率が上がる「色彩」の科学的な使い方”. PRESIDENT Online (2022年3月2日). 2025年3月7日閲覧。
  7. ↑ “色彩心理を活かして心地よいインテリアに”. MISAWA HOME LOUNGE (2024年4月24日). 2025年3月7日閲覧。
  8. ↑ “色彩専門家と考える、心と体を繋ぐ幸せランジェリー”. VOGUE JAPAN (2024年5月13日). 2025年3月7日閲覧。
  9. ↑ “知っておきたい、色の力と心の状態”. 毎日新聞 医療プレミエ (2025年2月26日). 2025年3月7日閲覧。
  10. ↑ “建設の安全大会に登壇・講演が記事掲載されました”. 色彩専門家 南涼子のblog (2025年2月18日). 2025年3月8日閲覧。
  11. ↑ “色彩心理で世界平和を”. ありがとう!TV (2019年4月5日). 2025年3月9日閲覧。
  12. ↑ “JHWN − 一般社団法人 日本保健福祉ネイリスト協会 - 高齢者・障がい者の方々に笑顔を!ネイルの力で”癒し・元気・希望”を!福祉施設向けネイルケア普及のためのネイルスクール、ネイリストの協会”. 2025年3月5日閲覧。
  13. ↑ “日本保健福祉ネイリスト協会の顧問に就任しました”. 色彩専門家 南涼子のblog (2024年11月25日). 2025年3月2日閲覧。
  14. ↑ premscreative. “Home”. 健康検定協会. 2025年3月5日閲覧。
  15. ↑ “健康検定協会の理事に就任いたしました”. 色彩専門家 南涼子のblog (2011年6月10日). 2025年3月2日閲覧。
  16. ↑ “色彩専門家・カラーコンサルタント 南 涼子さんのプロフィールページ”. profile.ameba.jp. 2025年3月3日閲覧。
  17. ↑ “カラーコンサルタントへの道(1)女子高生、社長を目指す!”. 色彩専門家 南涼子のblog. 2025年2月24日閲覧。
  18. ↑ “カラーコンサルタントへの道(2)流転の日々”. 色彩専門家 南涼子のblog. 2025年2月24日閲覧。
  19. 1 2 「インタビュー『科学的に色の効果解き明かす』(2023年2月22日7面)」『建設通信新聞』2023年2月22日。
  20. ↑ “カラーコンサルタントへの道(3)葛藤”. 色彩専門家 南涼子のblog (2008年12月4日). 2025年2月24日閲覧。
  21. ↑ “この人に聞く「色が持つパワー」”. 塗装技術com (2023年11月20日). 2025年3月9日閲覧。
  22. ↑ “本が買えなかった頃”. 色彩専門家 南涼子のblog (2012年2月29日). 2025年2月22日閲覧。
  23. ↑ “自作&手書きの色彩検定の問題集”. 色彩専門家 南涼子のblog (2021年7月5日). 2025年3月2日閲覧。
  24. ↑ “BSテレ東 高橋真麻の「お金のなる気分」2017年7月6日放送”. テレビ東京 (2017年7月6日). 2025-3-1閲覧。
  25. ↑ “カラーコンサルタントへの道(4)自称カラーコンサルタント”. 医療・福祉・健康の色彩専門家 南 涼子のblog (2008年12月5日). 2025年2月28日閲覧。
  26. ↑ “福祉・医療分野で色はビジネスになるのか?”. 色彩専門家 南涼子のblog (2015年8月16日). 2025年3月25日閲覧。
  27. ↑ “カラーコンサルタントへの道(5)ターニングポイント 福祉との運命の出会い”. 色彩専門家 南涼子のblog (2008年12月6日). 2025年2月24日閲覧。
  28. ↑ “カラーコンサルタントへの道(6)快進撃の始まり”. 色彩専門家 南涼子のblog (2008年12月6日). 2025年3月3日閲覧。
  29. ↑ 「介護の現場に色いろいろ」『朝日新聞』2000年6月14日。
  30. ↑ 「介護の場で適色指南」『日経流通新聞』2001年1月20日。
  31. ↑ 「うっとり」『読売新聞』2001年6月5日。
  32. ↑ 「生命ビッグバン『老いと色覚』」『産経新聞』2004年3月29日。
  33. ↑ 「10歳若く見せたい」『日本経済新聞』2004年7月18日。
  34. ↑ 「My turn 色で楽しむおしゃれ」『中日新聞』2006年7月2日。
  35. ↑ 「連載 シニアライフの彩色術」『共同通信』2006-12〜2007-3。
  36. ↑ 「色彩の『力』介護現場に」『朝日新聞静岡版』2011年5月17日。
  37. ↑ “盲学校での色彩講演 - 色は見える人だけのものではない”. 色彩専門家 南涼子のblog (2019年8月29日). 2025年3月6日閲覧。
  38. ↑ “カラーコンサルタントへの道(8)UNICA誕生!”. 色彩専門家 南涼子のblog (2008年12月10日). 2025年3月3日閲覧。
  39. ↑ “ユニカが生まれ変わります☆”. 色彩専門家 南涼子のblog (2011年9月20日). 2025年3月25日閲覧。
  40. ↑ 「知恵絞り来院者を誘導」『福島建設工業新聞』2009年2月25日。
  41. ↑ “医療現場の画期的な取り組み”. 色彩専門家 南涼子のblog (2009年2月13日). 2025年3月8日閲覧。
  42. ↑ “【福島県立医科大学付属病院】外来サイン計画”. (一社)日本ユニバーサルカラー協会. 2025年3月8日閲覧。
  43. ↑ 「安全はカッコイイ!」『建設通信新聞』2025年2月18日。
  44. ↑ “建設通信新聞 連載「《色》で築く現場の安全」(全6回)”. 2025年2月24日閲覧。
  45. ↑ “建設通信新聞 連載「続《色》で築く現場の安全」(全5回)”. 2025年2月24日閲覧。
  46. ↑ “建設現場の事故、リスク軽減に色彩の活用を!”. 色彩専門家 南涼子のblog (2023年9月20日). 2025年3月6日閲覧。
  47. ↑ “ユニバーサルカラーマーク認証 | カラーコンサルティングの日本ユニバーサルカラー協会”. www.universal-color.jp. 2025年3月1日閲覧。
  48. ↑ 認証事業をスタート - 建設通信新聞 2023年10月5日
  49. ↑ 住民に分かりやすく情報提供 - 建設通信新聞 2023年9月12日
  50. ↑ 親綱の色彩検証で分かったこと - 建設通信新聞 2024年10月3日
  51. ↑ 親綱はオレンジ色が見えやすい - 建設通信新聞 2024年12月18日
  52. 1 2 “色の都市伝説「ライトトーナス値 」”. 色彩専門家 南涼子のblog (2021年12月28日). 2025年3月3日閲覧。
  53. ↑ “色の都市伝説「黒を着ていると老化が早まる」”. 色彩専門家 南涼子のblog (2012年3月17日). 2025年3月3日閲覧。
  54. ↑ “色の都市伝説「ブラックフライア・ブリッジ」”. 色彩専門家 南涼子のblog (2021年12月29日). 22025-3-3閲覧。
  55. ↑ “《色》で築く現場の安全”. 建設通信新聞 連載再録冊子 (建設通信新聞). (2024).

外部リンク