この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
単元株(たんげんかぶ)とは、会社法上の法律用語で、株主総会での議決権行使や株式売買を円滑にするために必要な一定数(一単元)の量の株式数をいう(会社法第188条)。株式発行企業は最低売買単位である単元を自由に設定できるが、1,000及び発行済株式総数の1/200のうち小さい方に当たる数が1単元の上限と定められている[1](会社法施行規則第34条)。日本の上場内国株式は100株[2]。また、単元株式数に満たない株式のことを単元未満株式という(会社法189条)。
会社法について以下では、条数のみ記載する。
単元株式数は会社の登記事項であり商業登記簿に記載されるため、会社の商業登記簿の閲覧により誰でも調べることが可能である。
株券電子化に伴い一単元の株式数を何株とするかは、株主の計算上の便宜を図る以外にまったく制約がなくなったといえる。かつて、一単元は会社の株券発行単位とリンクしていたため3,000株、1,000株、500株、200株、100株、50株、20株、10株といった定めをしている上場会社が多く見られた。このような一単元=売買単位が複数存在する市場は国際的にも少数派であり、複数の売買単位が存在することで投資家の利便性を低下させる要因であると指摘されていた。そこで2007年に全国の証券取引所は、現在の売買単位を1000株又は100株に集約し、その後最終的に100株に集約することを目標に「売買単位の集約に向けた行動計画」を定め売買単位の集約に動いてきた[4]。
当初は2012年4月に1000株又は100株への集約を完了する計画だったが、東日本大震災の影響等もあり延期を余儀なくされた。
2012年1月19日に1000株又は100株への集約期限を2014年4月1日とすることが決まった。2014年4月1日をもって1000株又は100株への移行期間を終了し今後は100株への統一のための移行期間に入ったことを発表したが、一部に遅れがあり[5]、2014年11月10日にノアが上場廃止となったことで全上場企業が1000株又は100株を単元とするようになった。
2018年10月1日時点で、三井ホームを除く上場企業はすべて100株単元への切り替えを終えた[2]が、1000株単元であった三井ホームは三井不動産による完全子会社化が行われることとなったため、9月26日時点で整理銘柄となっており[6]、10月12日の上場廃止まで1000株単元のまま存置され[2]、以降は全て100株となった。
東京証券取引所では有価証券上場規程第427条の2により、100株以外にすることは禁止されている。東京証券取引所においては、望ましい投資単位は有価証券上場規程第445条により5万円以上50万円未満となっているので、望ましい株価は500円以上5000円未満となっている[7]。
単元未満株式については、議決権をはじめとする株主権が制限される。もっとも、定款の定めにより制限できない権利等もあり、それらは以下のとおり。(189条2項)
株券を発行する会社は、単元未満株式に係る株券を発行しないことができる旨を定款で定めることができる。(189条3項)
単元未満株主の権利を制限できないものとして、株券発行会社の場合について、特に以下のとおり定めがある。
単元未満株主は、株式会社に対し、自己の有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる(192条)。
単元株制度を導入している会社では、単元株未満株主による買増請求制度(所有の単元未満株式と併せて1単元となる数の株式を会社に買増請求することを可能にする制度;194条)の導入を定款で定めることにより可能とすることができる。
単元未満株式買増制度を採用している会社の単元未満株主が行使できるこうした権利を会社法上では「単元未満株式売渡請求」権と称しているが、これは株主を主体としてみたときに会社が自己株式を売渡すことを請求することができると言う意味であり、会社が株主に対して株式の売渡を請求するものではない(会社がそのような請求ができるのは非公開会社株式が相続された場合や108条により発行された取得条項付き株式について生じる場合など限定的である)。
単元未満株式売渡請求を受けた株式会社は、当該単元未満株式売渡請求を受けた時に単元未満株式の数に相当する数の株式を有しない場合は、請求に応じないことが出来る(194条3項)。
単元未満株式を株式市場で取引することはできないが、市場外では単元未満の取引も可能であり、証券会社によっては単元の10分の1を単位とした株式ミニ投資(ミニ株)や、1株単位の売買サービスを行なっている例もある(例:野村證券[8]、楽天証券[9])。なお、単元未満の株式についても証券保管振替機構(ほふり)の管理対象となっており、名義書換なども可能である[10]。
日本の上場会社の株式を売買する場合に相場として表示される株価は1株単位のものであり、取引所表示株価に単元株式数を乗じた額が実際の取引株価となる。この点は株式市場で一般投資家の誤認を生じさせる可能性が高く株式投資解説書などに頻繁に注意として表示されている[要出典]が、証券取引所は旧商法が単元株制度を過渡的制度として捉えていた点を重視していることや表示株価と取引株価が違うのは商習慣であることなどから、株価の二重表示について特段の措置を取っておらず、会社法で単元株制度が本則化された後もこの姿勢に変化はない。
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