地球外の液体の水
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地球外の液体の水(ちきゅうがいの えきたいのみず、Extraterrestrial liquid water)は地球外に自然な状態で液相を取る水を指す。液体の水の存在は我々の知る形態の生命の存在に重要な要件であり、地球外生命の存在を推測するために必須であるため、広く関心が寄せられている課題である[1]。第69回吹奏楽コンクール東北大会
太陽系の多くの天体は水圏[訳語疑問点]を持つが、地球だけが安定して液体の水が表面を覆う惑星であり、その71%を覆う海洋は生命に必要不可欠である[2]。液体の水は地球の大気圧と太陽のハビタブルゾーンを通る安定した公転軌道によって維持されているが、その起源はよくわかっていない。
現在使われている主な研究手法は吸収スペクトロスコピーと惑星化学である。これらの手法は大気の水蒸気や氷を調べるのに有効である。しかし、この方法を天体スペクトロスコピーに適用すると、惑星上にある液体の水、とりわけ地下にある水を検出することは本質的に困難である。それによって、天文学者や天体生物学者、惑星科学者はハビタブルゾーン、重力や潮汐の理論、惑星の分類のモデルやラジオメトリを用いて水の存在可能性を推測している。火山活動に伴う水の検出や、河川、塩化ナトリウムやアンモニアのような凍らない物質[訳語疑問点]の存在は、説得力のある間接的証拠となる。
そのような研究から、多くの科学者は火星や金星も一度は液体の水が大部分を覆っていたと考えている[3][4]。地球の地下水のように、いくつかの惑星の地下には水が液体で存在すると考えられている。液体の水がない場所でも水蒸気は存在しうるが、それでも水蒸気はしばしば液体の水が存在する証拠であると考えられている。同様に間接的証拠から太陽系外の衛星や白色矮星の惑星の地下にも液体の水が存在すると考えられている[1]。そのうちいくつかには巨大な海洋が存在すると考えられている。決定的な証拠は存在しないが、液体の水は他の惑星系にも普遍的に存在すると考えられており、液体の水が存在する候補天体は増え続けている。2020年6月にはNASAの科学者が数値解析によって天の川銀河では海洋を持つ系外惑星は普遍的に存在すると報告している[5][6]。
重要性
水は現在の人類にとって生化学上で基本的な物質である。地球上でも砂漠のように乾燥した一部の地域では生命は限られた水を効率よく使用するように適応する。水が一切ない状態で生存できる生命は未だ見つかっていない。
水分子は1つの酸素原子と2つの水素原子からできた最も単純な分子のひとつであり、太陽系のすべての天体で見つかっている。生命が利用可能なのは液体の水だけであるが、地球外の水のほとんどは水蒸気か氷である。今でこそ生命は陸上で生活できるように進化したが、最初の生命は水中で誕生した [7]。それゆえに、地球外の液体の水を探索することは地球外生命体の探査と深い関係にある [8]。
さらに液体の水は生命にいくつかの恩恵をもたらす性質を持つ。例えば、他の液体と異なり、凝固する際に密度が下がる。その結果、氷は水に浮き、しばしば氷の層を表面に作って内部の水や生態系を保持する。この性質がなければ、海や湖は全体が凍りついて生命は生存できないだろう [9]。
太陽系での液体の水
2015年12月現在、地球外の太陽系内で見つかっている液体の水の量は地球上の水の量(13億立方キロメートル)の25 - 50倍である3.25 – 6.5 × 1010 立方キロメートル (325 - 650億立方キロメートル) [10] 、3.25 – 6.5 × 1019トン(3250-6500京トン) である。
火星
火星の海洋を説明する理論によれば、海洋のない今の火星とちがい、かつての火星は1/3が海洋で覆われていたとされる。

現在の火星では地下の氷と大気中のわずかな水蒸気にだけ存在する。今日の火星の表面ではごく限られた条件下で過渡的にしか液体の水は存在しない[12]。火星表面では地球の海面の60%にあたる600 Paしかなく、その上気温も210 K(-63℃)しかないため、液体の水はただちに蒸発するか凍結するので、まとまった液体の水は存在しない。リカーリング・スロープ直線と呼ばれる構造には高濃度の塩水が含まれていると考えられていたが[13][14][15]、2017年の研究では砂の流れとした方が整合するという報告もあり、水の存在は定かではない[16][17] 。
2018年7月、イタリア宇宙機関の研究者は火星で初めて見つかったまとまった水として、南の極冠の1.5キロメートル下に20キロメートルに渡る湖が存在することを発見した[18][19]。極冠の下では温度が205 K (-68 ℃) と推定され、マグネシウムとカルシウムの溶解による凝固点降下によって液相が保たれているかもしれないと考えられている[18][20]。1.5キロメートルにも及ぶ氷の層は10 - 20%の塵を含み、季節によっては厚さ1メートルのドライアイスの層に覆われる[18]。
エウロパ
木星の衛星であるエウロパの地下には水の層があると考えられている。木星の潮汐加熱によって内部の海は液相を保っている[21]。 表面に外側の塵を含んだ厚さ10 - 30キロメートルの温かい氷の層が存在し、その内側に深さ約100キロメートルの海が存在すると推測されている[22]。したがってエウロパの水の体積は3×1018 立方メートルに及び、地球の海のおよそ2倍である。
エンケラドゥス
土星の衛星であるエンケラドゥスには水の間欠泉があることが2005年のカッシーニによる観測結果を2008年に詳細解析することで確認された。2010-2011年の重力データで内部に海があることが確かめられた。かつては海は局所的で南半球の一部に留まると考えられていたが、2015年の研究成果から海は大域的に存在することが示唆されている[23]。
水に加えて、南半球の噴気孔からの間欠泉は少量の食塩、窒素、二酸化炭素、揮発性の炭化水素を含んでいる。内部海の液相や間欠泉の噴出は土星による潮汐加熱が駆動していると考えられている。
ミマス
同じく土星の衛星でエンケラドゥスと同程度のサイズであるミマスも、カッシーニによる探査で、内部海の存在を示唆するような振動運動をしていることが示されている[24]。
ガニメデ
木星の衛星であるガニメデでは、2015年のハッブル宇宙望遠鏡による観測をもとに、内部海の存在が理論的に予測されている。オーロラ帯のパターンや磁場の揺動から海洋の存在が示唆されている。厚さ150キロメートルの氷の層の下に深さ100キロメートルの海があると推測されている[25]。2015年現在、正確な水の量はわかっていないが、地球の1-33倍と考えられている[10]。
ケレス
ケレスは岩石の核と氷のマントルに分かれているが、氷の層の下に内部海の痕跡が残っていることが示唆されている[26][27][28]。その表面は水の氷と炭酸塩や粘土のようなミネラルの水和物の混合物でできていると考えられている。2014年1月にはセラスの一部から水蒸気が放出されていることが観測された[29]。これは大きな天体ではなく彗星の特徴であるため予想外と受け止められた。セラスはアフナ山と呼ばれる氷の火山を持ち、そこでは塩によって柔らかくなった粘性の高い氷のマグマによって形成されたドームが形成されている[30][31]。
氷惑星
地球より大きい氷惑星である天王星と海王星では雲の下、岩石の核の外側に超臨界水の海があり、質量の2/3を占めていると考えられている[32][33]。2006年のWiktorowiczとIngersallの研究ではそのような水の海の存在を明らかにしている[34]。系外惑星にも同様の構造を持つものは普遍的に存在すると考えられている。
冥王星
2020年6月、複数の天文学者が冥王星にも内部海が存在し、それが形成されたときには生命が生存しうる環境だったとする根拠が見つかったと報告した[35][36]。
測定機器と観測方法
よく知られた系外惑星系は、おそらく測定機器に由来するサンプリングバイアスがあるものの、太陽系とは異なる組成を持つとされる。
スペクトロスコピー


液体の水は水素結合によって他の状態と異なる固有の吸収スペクトルを持つ。しかし、水蒸気や氷とは異なり、地球外で液体の水を示す分光学的兆候はいまだ見つかっていない。遠い宇宙の惑星表面にある水を濃い大気を通して観測することは現在の技術では容易ではない。
火星の暖かい地域の季節風では、液体の塩水の存在の兆候があるが、スペクトロスコピーではそれを特定できていない。
水蒸気の存在は、それ自身が液体の水の存在を示すものではないが、スペクトロスコピーによって数多くの天体で示されている。しかしながら、他の手法と組み合わせることで可能性が高まる。例えば、GJ 1214 bは密度からその質量の大部分は水であることが示唆されているが、引き続くハッブル宇宙望遠鏡による水蒸気の検出によって、熱い氷や超臨界状態のように特異な状態の物質の存在が示唆されている[37][38]。
磁場
木星の衛星であるガニメデやエウロパの内部海は木星の磁場の観測からも推定されている[39][40]。磁場中を運動する導体は逆起電力を作り出すので、衛星が木星磁場を北半球から南半球へ横切るときの磁場の変化を測ることで水の存在が推定されている。
地形的な特徴
トーマス・ゴールドは多くの太陽系の天体は潜在的に地下水を持ちうると主張している[41]。
火星の地表の下には液体の水が存在すると考えられている。かつての火星の地表には水が流れており[42]、地球のように大きな面積の海洋があったと研究で示されている。しかし、その水がどうしてなくなってしまったのかは未解決問題である[43] 。表面の下に水が存在したことを示す直接的、間接的な証拠は多数見つかっており[44]、例えば川の底や極冠、分光的観測、クレーターの侵食、針鉄鉱などの鉱物は水の存在と直接的に結びつけられる。Journal of Geophysical Researchに掲載された論文では、南極のボストーク湖から今でも火星に液体が存在することを暗示する調査結果が得られたと報告された[45]。この研究では、ボストーク湖が多年性氷河が形成される前に存在しており、湖はその底まで凍っていなかったであろうと考えられている。この仮説のもと、火星の極冠の氷が形成される前に液体の水が存在し、現在も氷の下に液体の水が存在して生命の痕跡が残っていることもありうるとされている。
エウロパの表面に見られるカオス地形はNASAのガリレオ宇宙船によって画像が撮影されているが、研究者はそれを氷が溶けて地下に海が形成されてできたと考えている[12]
火山活動

土星の衛星のエンケラドゥスや木星の衛星のエウロパでは間欠泉が発見されている[46]。これらは水蒸気を含んでおり、地下に液体の水があることを示唆している[47]。それは氷である可能性もある[48]。
2009年6月、NASAのカッシーニによるデータでは、エンケラドゥスが土星を公転する過程で秤動していることがわかった。それは内部が氷であると説明することができず、内部が大域的な水で満たされていることを示唆している。エンケラドゥスの内部は塩水の海でできている可能性が高い[49]。2014年4月3日、NASAはエンケラドゥスの地下にある巨大な海の証拠がカッシーニによって発見されたと報告した。その研究によれば、エンケラドゥスは太陽系で微生物の住みかになる可能性が最も高い場所である[50][51]。 エンケラドゥスの南極のジェットは塩水と有機物でできており、それは生命に基本的な物質である、とJPLのカッシーニプロジェクトの科学者であるLinda Spilkerは述べている。それらの発見によって太陽系や他の惑星系でのハビタブルゾーンに関する理解を拡張した[2] 。水蒸気の放出が白色矮星を回る惑星のいくつかの領域で検出されており[52] 、氷の火山の存在と関連付けられている [53]。
重力の観測

共有されている見解では、エウロパの表面の下には液体の水があり、潮汐加熱による熱が内部海を液体たらしめている[54][55]。内部海の存在を示す最初の手がかりは、エウロパの特異な軌道や他のガリレオ衛星との軌道共鳴をきっかけとした潮汐加熱の理論解析である。エンケラドゥスの地殻の下にある内部海を確認するのに、カッシーニ探査機による重力観測が用いられた[50][51]。そのような潮汐モデルは他の太陽系内の衛星で水の層に関する理論モデルとして用いられている。カッシーニ探査機のデータに基づく重力の研究では、ディオネは地下100キロメートルに海を持つとされる[56]。
土星の衛星であるミマスの特殊な軌道変化は潮汐力と関連付けられているが、2022年の研究でミマスが内部海を隠し持つことが示唆されている。ミマスは太陽系で最も小さい球体であることから氷でできていると信じられていたために、この発見は驚きを持って受け止められ、新しいタイプの隠れた内部海と分類された[57][58][59]。
電波による地表走査

科学者は液体の水を電波の信号で検出している。カッシーニ探査機による電波検出やレーダー観測によって、土星の衛星のタイタンの地下には液体の水とアンモニアからなる層があることがわかった。これは密度の計算と整合する結果である[60][61]。Mars Express衛星のMARSIS観測機によるレーダーによる地面走査や誘電率のデータによって、火星のアウストラレ高原には幅20キロメートルの安定した塩水の存在が示された。[62]。
密度計算

惑星科学では、惑星の物質構成や液体の水の存在可能性を推測するのに密度の計算を用いる。ただし、多くの化合物の組み合わせや状態の違いによって似通った密度が計算されるので、この手法は精度はあまり高くはない。
土星の衛星のタイタンの密度は内部海の存在を示している [61]。同様の密度推定はエンケラドゥスの内部海に対しては強い証拠となっている[50][51]。
55 Cancri eの低い密度に関する初期の解析では、その30%は超臨界流体であるとされる。マサチューセッツ工科大学のディアナ・バレンシアの研究では、それは塩を含む超臨界水と考えられている[63]。しかし後のトランジットによる追加解析では水や水素は観測されなかった[64]。
GJ 1214 bは太陽系の巨大惑星よりも小さい質量や半径を持つことがわかっている、CoRoT-7bに次ぐ2つめの惑星であるそのサイズは地球の3倍で質量は6.5倍である。その密度が小さいため、岩と水でできている可能性が高いとされる[65]。引き続くハッブル宇宙望遠鏡による観測では、その大部分が水であり、大きな水圏を持つと考えられている。その高い温度や気圧から、GJ 1214 bでは熱い氷や超臨界の水など特異な状態であると考えられている[37][38]。
放射性物質の減衰
放射性物質の崩壊熱によって、太陽系の小さい氷の天体であるレア、チタニア、オベロン、トリトン、冥王星、エリス, セドナ、オルクスは100キロメートルに及ぶ固体の地殻の下に海を持つとされる[66]。特筆すべきは、岩石の核と液体の層が直接接触することで、鉱物や塩が水に溶け出すことである。これは大きな氷の衛星であるガニメデ、カリスト、タイタンでは液体の水の層の下に高圧の氷の層があるのと対照的である[66]。
放射性物質の崩壊によるモデルでは、小さい星の回りを公転するMOA-2007-BLG-192Lbは地球と同じくらい温暖で深い海に完全に覆われていることを示唆している[67]。
内部構造

太陽系の天体のモデルでは内部構造の分化過程での水の存在が示されている。小惑星帯で最大の天体である準惑星のセレスのモデルでは、水を含む内部層の存在が示されている。準惑星からの水蒸気放出が検出されていること[68][69] は、氷の層を通じて証拠になっている。
地殻とマントルを分けるのに十分なくらい厚い大域的な液体の水がタイタン、エウロパに、さらに低い確率でカリスト、ガニメデ、[66] そしてトリトンに存在する[70][71]。他の氷の衛星も内部海を持つか、かつては存在して凍結しているだろうと考えられている[66]。
ハビタブルゾーン

惑星の公転軌道がハビタブルゾーンにあるかは表面に水を持つ可能性を調べるのに一般的な手法である。ハビタブルゾーンの理論は、それだけをもって水があると断定することはやや飛躍があるが、複数の水を持つかもしれない系外惑星の候補を提示している。その軌道に加え、惑星などの天体は水の液層を保つのに十分な大気圧や水素と酸素の地表付近への供給を持つ可能性がある。
グリーゼ581の惑星系にはグリーゼ581c[72]やグリーゼ581d[73]、グリーゼ581e[74]などの表面に水を持つ複数の候補天体がある。グリーゼ581dは温室効果があれば海洋が存在するほど温暖である可能性がある[73]。
グリーゼ667Cはハビタブルゾーン内に3つの惑星を持ち[75]、中でもグリーゼ667Ccは地球と近しい地表温度を持つため可能性が高いと評価されている[76]。
ケプラー22bはケプラー望遠鏡によって発見された最初の54個の候補のひとつで、地球の2.4倍の大きさで気温は22℃と見積もられている。したがって、組成にはまだ謎が多いが、表面に水を持つ可能性があると考えられている[77]。
NASAのケプラー望遠鏡による惑星探査で発見された1235件の系外惑星の候補のうち、54件は母性のハビタブルゾーンの中でも液体の水が存在しうる黄金ゾーンを公転している[78]。そのうち5つは地球と近い大きさを持つ[79]。
2015年6月6日、NASAは2009年5月から2013年4月にかけて行われた追加観測で8件の地球と近い大きさの惑星がハビタブルゾーンを回っていると発表した。これらの8つの惑星は6つの大きさと温度が太陽と近い恒星の回りを公転している。新たに発見された3つの系外惑星は太陽と近い大きさの恒星のハビタブルゾーンを公転しており、そのうちケプラー438b and ケプラー442bは地球と同程度の大きさの岩石惑星で、残りのケプラー440bは地球より大きい[80]。
水を豊富に含む星周円盤
小惑星や彗星、冥王星より遠い準惑星に水が発見される遥かに前に、小惑星帯やカイパーベルトのような雪線より遠くの太陽系の星周円盤は大量の水を含んでおり、地球における水の起源であると考えられてきた。様々なタイプの星が太陽系の揮発性物質を光蒸発によって吹き飛ばしたと考えられており、星周円盤や他の惑星系の岩石に水が含まれることは、特にそれが惑星形成領域やハビタブルゾーンに含まれる場合には、惑星系が液体の水や有機化合物を含んでいる非常に良い兆候とされてきた。干渉法のような技術がその観測に使われる。[要出典]
2007年、そのような円盤はMWC 480のハビタブルゾーンで発見された[81]。2008年には、AA Tauriの周辺でも発見された[82]。2009年には類似した円盤が若い星であるHD 142527の周辺でも見つかっている[83]。
2013年には、マグネシウムやケイ素、鉄、酸素から成る岩石天体と水が豊富に含まれるデブリの円盤がGD 61の周辺で見つかっている[84][85] 。同じ年にHD 100546の周辺にある水を含む円盤で星の近くに氷がある領域が特定された[86]。
惑星の表面で液体の水が存在するための条件が見つかるとは限らない。仮に惑星質量を持つ天体、例えば孤立惑星、巨大ガス惑星、衛星がハビタブルゾーンの近くを回っていたとしても、必要条件が満たされないかもしれない。しかし、それは太陽系の氷惑星のような惑星質量天体がその中に十分な量の水を含む可能性があることを示している。[要出典][訳語疑問点]
歴史
月の海は広大な平地であるが、初期の天文学者は水で満たされていると考えたため海と呼ばれている。ガリレオ・ガリレイは月の海に関して疑念を著書「天文対話」で示している[注釈 1]。
探査機が着陸するまでは、金星にも海が存在すると信じられてきたが、そのためには気温が高すぎることがわかった。
ガリレオの時代からの望遠鏡による観測で、火星には海のような構造は存在しないことがわかっている[要出典]。火星が乾燥していることは長らく知られているが、火星の川の跡は長らく川であると信じられていた。
古代の金星における水
NASAのゴダード宇宙科学研究所などによる複数の研究では、金星には20億年前までは浅い海が存在したと考えられており[87][88][89][90][91]、その水量は地球に匹敵するとされる[92]。理論モデルでのパラメーターに依存するが、7億1500万年前に蒸発したとされる[89]。しかし、2023年の金星大気や内部構造に関する研究では、金星表面の水は30億年前に干上がった[93]、もしくは存在しなかったとも言われる[94]。現在、金星の水で唯一知られているものは大気に含まれるわずかな水蒸気であり、その割合は20 ppmである[95][96]。水を構成する水素は宇宙に流出していることをESAのVenus Express宇宙船が明らかにしている[92]。
過去に表面に水があった証拠

ジャイアントインパクト説が正しいとすれば、月には海は存在できなかったものの、月が火山からのガス放出や氷天体の衝突によって形成された薄い大気を持っていたころに液体か氷かでできたわずかな霧は存在したかもしれない。
ドーン観測機によればかつて小惑星(4) ベスタに水の流れがあったことが確認されており[97]、地下に氷の貯水池が存在する証拠とされている[98]。
天文学者は金星には液体の水があり、金星が形成されてごく初期には海洋があったと推測している[99]。活発な地殻変動によって金星の表面は完全に変化してしまったことを考えると、ごく初期にあった海を観測することは難しい。岩石のサンプルはその答えのひとつになるかもしれない[100]。
かつては火星も地球のような環境であったがそこから乾燥したと考えられていた。形成された地形の観測結果はこれに否定的だが、さらなる証拠がこの見方を変えた。過去に液体の水は火星の表面に存在し、いくつかの盆地が乾燥した海底だったと考えられている[3]。最大のものはボレアリス平原であり、他にヘラス平原やアルギル平原がある。
火星の北半球に水の海洋があったかどうか、あったとしたら何が起こって消えたのかは議論となっている。マーズ・エクスプロレーション・ローバーによる探査では少なくとも一か所には長期間水が存在したとされているが、それがどれくらいの範囲であったかはわかっていない。オポチュニティ探査機は液体の水の痕跡の決定的な証拠として、鉱物の表面に形成された明るい筋状の模様を画像撮影した[101]。
2013年12月9日、NASAは火星には巨大な湖があり微生物が生息可能な環境であったことを、キュリオシティ探査機によるゲイルクレーターにあるアイオリス山のアイオリス・パルスの解析をもとに報告した[102][103]。
彗星や小惑星の液体の水
彗星に含まれる水の大部分は氷であるが、彗星は小さい上に太陽から離れているので完全に凍り付いていると考えられている。しかし、彗星Wild-2から採取された塵の解析によって、過去には内部に液体の水が存在したことが分かっている[104]。氷を解かす熱源が何だったのかはわかっていない。
加えて、2014年12月10日、ロゼッタ観測機による観測で彗星Churyumov–Gerasimenkoからの水蒸気の組成は地球で見られているものとは異なっており、重水素と軽水素の比が地球での水と比べて3倍であったと報告された。これは地球上の水は彗星からもたらされたものではないということを示している[105][106]。
小惑星24 Themisは、大気圧による圧縮ではなく、金属に電離放射線を受けたことによって溶け込んだ形で、水を持つことが示された最初の事例である。[訳語疑問点]水は大きな小惑星4 Vestaが周期的な衝突による加熱を受けた結果生じた流れの中に見つかっている [107]。
液体包有物
液体包有物は複数の隕石から検出されている[108][109][110][111]。例えば(162173) リュウグウ[112][113][114]、そして(101955) ベンヌ[115][116][117]のサンプルからそれぞれ検出されている。
太陽系外の水が存在しうる候補

もっともよく知られた系外惑星は太陽系の物とは大きく異なる構成をしていると考えられているが、系外惑星の観測方法によるサンプリングバイアスが存在すると考えられる。
最近の調査の目標は地球と同じくらいのハビタブルゾーンにある系外惑星をその惑星系に見つけることである。それはしばしばゴルジロックスゾーンと呼ばれる[119]。海洋を持つ惑星には地球くらい大きな衛星を持つ巨大な惑星も含まれるが、そのような衛星は本当に存在するのかは謎として残っている。水を持つ岩石惑星は天の側銀河では普遍的な場所なのではないかという疑問が提起されている[120]。
2022年7月、系外惑星WASP-96bの大気からジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によるスペクトラム解析に基づいて水蒸気が検出された。[121]。
2022年8月、系外惑星TOI-1452 bは水を豊富に含む密度を持っていることがTransiting Exoplanet Survey Satellite (TESS)による解析から明らかとなった[122][123]。

関連項目
脚注
- 1 2 “The Solar System and Beyond is Awash in Water”. NASA (2015年4月7日). 2015年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月8日閲覧。
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注釈
- ↑ ガリレオの意見を代弁するサルビアティは下記のように述べている。
もしも自然の見え方がただ一通りしかなく、太陽に照らされて一方が他方より明るいような2つの面があり、これが他方が陸地で他方が水でできているならば、月の表面は部分的に陸地や水で満たされているだろう。しかし、同様の見え方をもたらす可能性が、未知のものもあるかもしれないが、さらに複数あるならば、月に存在するどちらか一方を強調するべきではない。 月に明確に見えるものは、暗い部分がいくつかの岩や畝を持つ平原である。明るいところは岩や山、円形の畝やその他の地形で埋め尽くされており、特に山は多様である。 月の球体を作る物質は土や水ではなく、その事実だけで我々の世界のような生成や変化が起こらないことは十分だろう、と私は考えている。
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