天下一薪能
天下一薪能(てんがいちたきぎのう)とは、毎年秋に宮崎県延岡市の延岡城址で開催される薪能。旧延岡藩主の内藤氏には「天下一」の称号を許された能面作家の手による能面30面を含む多数の能・狂言面が伝来していたが、1993年に内藤家17代当主内藤政道からこれらの面が延岡市に寄贈された[1]。1997年から延岡市民の手でこれらの能面を使用した薪能が「天下一薪能」として開催されている。令和6年(2024)で27回を迎え、延岡では秋の風物詩となっている[2]。
開催内容
市民の手による「天下一」の能面を使用した延岡市の薪能の初演は、延岡城址薪能実行委員会と延岡市が主催して、1997年10月11日に延岡城二の丸跡の広場で「千人殺しの石段」を背景に演じられた[3]。
| 開催日 | 回 | 会場 | 演目 |
|---|---|---|---|
| 平成9年(1997)10月11日 | 第1回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「松風」・狂言「太刀客」 |
| 平成10年(1998)6月5日 | のべおか天下一能 | 延岡総合文化センター | 能「葵上」・狂言「佐渡狐」 |
| 10月10日 | 第2回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「船弁慶」・狂言「棒縛 |
| 平成11年(1999) 6月15日 | 「景清」みやざき公演 | 延岡城址二の丸広場 | 能「景清」・狂言「楽袍落」 |
| 10月9日 | 第3回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「清経」・狂言「仏師」 |
| 平成12年(2000)10月7日 | 第4回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「国栖」「菊慈童」他 |
| 平成13年(2001)10月13日 | 第5回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「土蜘蛛」・「羽衣」他 |
| 平成14年(2002)10月12日 | 第6回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「鞍馬天狗」・「杜若」 |
| 平成15年(2003)2月9日 | 「京舞と能」 | 延岡総合文化センター | 能「海士」・京舞他 |
| 9月5日・6日・7日 | 天下一能ドイツ公演 | ドイツ国立ボン絵画展示館 | 能「翁」・「天鼓」・「葵上」他 |
| 10月11日 | 第7回のべおか天下一薪能 | 延岡総合文化センター | 能「殺生石」・「高砂」他 |
| 平成16年(2004)10月9日 | 第8回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「俊寛」・「敦盛」他 |
| 平成17年(2005)10月8日 | 第9回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「葵上」・「天鼓」他 |
| 平成18年(2006) 10月6日・7日 | 第10回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「鞍馬天狗」・「紅葉狩」他 |
| 平成19年(2007)10月13日 | 第11回べおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「安達原」・「龍田」他 |
| 平成20年(2008)10年4日 | 第12回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「小鍛冶」・「絵馬」他 |
| 平成21年(2009)10月10日 | 第13回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「一角仙人」・「屋島」他 |
| 平成22年(2010)10月9日 | 第14回のべおか天下一薪能 | 延岡総合文化センター | 能「海士」・「半蔀」他 |
| 平成23年(2011)10月8日 | 第15回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「松山天狗」・「桜川」他 |
| 平成24年(2012)10月13日 | 第16回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「船弁慶」・「岩船」他 |
| 平成25年(2013)10月12日 | 第17回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「国栖」・「二人静」他 |
| 平成26年(2014)10月11日 | 第18回のべおか天下一薪能 | 延岡総合文化センター | 能「鶴羽」・「猩々」他 |
| 平成27年(2015)10月10日 | 第19回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「項羽」・「春日龍神」他 |
| 平成28年(2016)10月8日 | 第20回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「道成寺」・狂言「蝸牛」 |
| 平成29年(2017)10月7日 | 第21回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「野守」・「三輪」他 |
| 平成30年(2018)10月6日 | 第22回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「恋重荷」・「羽衣」 |
| 令和元年(2019)10月12日 | 第23回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「景漬」・「海士」他 |
| 令和2年(2020) | 感染症対策のため中止 | ||
| 令和3年(2021)10月9日 | 第24回のべおか天下一薪能 | 延岡総合文化センター | 能「橋弁慶」・「葵上」他 |
| 令和4年(2022)10月8日 | 第25回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「巻絹」・「土蜘蛛」他 |
| 令和5年(2023)10月7日 | 第26回のべおか天下一薪能 | 延岡城址二の丸広場 | 能「鞍馬天狗」・狂言「千鳥」他 |
| 令和6年(2024)10月12日 | 第27回のべおか天下一薪能 | 延岡総合文化センター | 能「花筐」・狂言「二九十八」他 |
内藤家伝来の能・狂言面
1993年(平成5年)に延岡市制60周年に際し、内藤家17代当主内藤政道から延岡市に能面66点・狂言面6点を含む武具等263点が寄贈された。能面のうち30点は「天下一」の称号を受けた能面作家の焼き印が押されていた[5]。
能面作家とその作品の内訳として、
- 角坊光増(天下一若挟守)二十三面
- 大宮真盛(天下一大和)一面
- 出目吉満(天下一是閑)二面
- 出目満喬(天下一備後)一面
- 出目満庸(天下一有閑)一面
- 児玉満昌(天下一近江)二面
また、「天下一」の作品を含め寄贈された能面66点、狂言面6点は全て宮崎県有形指定文化財として登録されている[8]。
脚注
- ↑ 『内藤家伝来の能面』延岡市教育員会 1998年 p2
- ↑ 天下一薪能の解説
- ↑ 財団法人みやぎん経済研究所『調査月報』1997年11月 No54 p41
- ↑ 延岡市文化連盟 『延岡市文化連盟創立70周年記念誌』 2020年(令和2年) P106
- ↑ 『図説東臼杵・西臼杵の歴史』 株式会社郷土出版社発行 2008年 p118-119
- ↑ 『天下一薪能 一九九九秋』 延岡城址薪能実行委員会 平成11年10月9日 p11
- ↑ 『天下一の焼印』 延岡市公式ホームページ https://www.city.nobeoka.miyazaki.jp/soshiki/93/17735.html
- ↑ 『令和6年度 延岡市の教育要覧』 延岡市教育委員会 令和6年4月1日 p54