巻き添え被害

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巻き添え被害(まきぞえひがい)、付随的損害(ふずいてきそんがい)、またはコラテラル・ダメージ(英語: collateral damage)とは、ある活動の結果として生じる、意図しない偶発的な死傷やその他の損害、特に民間人(英語版)に及ぶ被害を指す言葉である。もともとは軍事作戦を説明するために作られた用語だが[1]、現在では軍事以外の場面でも使われ、ある行動によって意図せず生じる悪影響を意味することもある[2][3]。

軍事における付随的損害

国際人道法では、武力紛争において攻撃対象に対して区別原則があり、軍事目標(敵の軍事施設や戦闘要員など)と、敵対行為に直接参加してない文民および民用物は区別される。軍事目標のみを攻撃対象とする一方、文民と民用物は保護され、それらの区別を認識せずに無差別に攻撃することは禁止されている[4][5]。付随的損害は、そのような適正な軍事目標に対する攻撃において、意図しない文民の偶発的な死傷やその他の民用物に対する損害について用いられる[4][6][7]。たとえ軍事目標に的を絞っても、文民と民用物への被害・損害が起こることがあり、攻撃側には付随的損害を抑えるための注意を払わなくてはいけないという予防の原則の制約がある[5]。また、付随的損害を「許容範囲内」に抑えるよう「軍事目標を攻撃する際に想定される文民の被害が、軍事的利益を大きく上回ってはならない」という均衡性の原則という制約も課せられている[5]。

ジュネーヴ諸条約第1追加議定書 第57条2項(a)(iii)
予期される具体的かつ直接的な軍事的利益との比較において、巻き添えによる文民の死亡、文民の傷害、民用物の損傷又はこれらの複合した事態を過度に引き起こすことが予測される攻撃をおこなう決定を差し控えること[4][5]。

このうち、味方を意図せずに攻撃することを友軍相撃(英語: friendly fire)という。

米軍の対応

米軍は、巻き添え被害の予測と極限化のために、「FAST-CD」(Fast Assessment Strike Tool—Collateral Damage)というソフトウエアを使用している[8]。

脚注

  1. ↑ Holland, Joseph (2007). “Military Objective and Collateral Damage: Their Relationship and Dynamics”. Yearbook of International Humanitarian Law 7: 35–78. doi:10.1017/S1389135904000352. ISSN 1389-1359.
  2. ↑ “Collateral Damage”. Merriam-Webster Dictionary. Merriam Webster. 2021年2月17日閲覧。
  3. ↑ “The meaning and origin of the expression: Collateral Damage”. Phrase Finder UK. 2021年2月17日閲覧。
  4. 1 2 3 “軍隊の行為規範としての「合理的な指揮官」基準の適用 ―慣習国際法上の比例原則の観点からの一考察―” (pdf). mod.go.jp. 防衛省. 2026年10月27日閲覧。
  5. 1 2 3 4 “戦争で使ってはいけない武器とは?~国際人道法の観点から”. 赤十字国際委員会. 2026年10月27日閲覧。
  6. ↑ "USAF Intelligence Targeting Guide — AIR FORCE PAMPHLET 14- 210 Intelligence". 1 February 1998. p. 180.
  7. ↑ “Definition of COLLATERAL DAMAGE” (英語). www.merriam-webster.com (2026年10月23日). 2026年10月27日閲覧。
  8. ↑ Bradley, Graham (21 February 2003). “Military Turns to Software to Cut Civilian Casualties”. Washington Post. p. A18.