日本語の点字

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日本語の点字構成

ここでは、一般に使われている6点式点字を、以下に紹介する[1][2]。

説明の凡例図
上記のように、左側を上から1の点、2の点、3の点、右側を上から4の点、5の点、6の点、として点に番号を記し、点のある場所を●、ない場所を○とする。なお、これは読む時の形であり、点字器等を使って書く際は、紙の裏から点筆を刺して記述するため左右が逆になる。

かな

あ行 あ
い
う
え
お
母音を表す「あ行」の点字。これが基本形となる。
か行 か
き
く
け
こ
母音に、6の点を加えて「か行」を表す。
さ行 さ
し
す
せ
そ
母音に、5と6の点を加えて「さ行」を表す。
た行 た
ち
つ
て
と
母音に、3と5の点を加えて「た行」を表す。
な行 な
に
ぬ
ね
の
母音に、3の点を加えて「な行」を表す。
は行 は
ひ
ふ
へ
ほ
母音に、3と6の点を加えて「は行」を表す。
ま行 ま
み
む
め
も
母音に、3と5と6の点を加えて「ま行」を表す。
や行 や
ゆ
よ
母音を一番下まで下ろし、4の点を加えて「や行」を表す。
ら行 ら
り
る
れ
ろ
母音に、5の点を加えて「ら行」を表す。
わ行 わ
(ゐ)
(ゑ)
を
母音を一番下まで下ろし「わ行」を表す。
※現在では「ゐ」「ゑ」はそれぞれ「い」「え」に置きかえるようになっている。
記号類
記号類を表す点字
撥音 促音 長音 読点 句点 疑問符 感嘆符 中点
ん
っ
ー
、
[注釈 1]
。
[注釈 1]
?
!
・
[注釈 1]
濁音・半濁音・拗音

濁音、半濁音、拗音を表すときは、以下のようにそれぞれ濁音符、半濁音符、拗音符を前におく。

また、拗音に濁点(半濁点)が加わるときは、拗音符と濁音符(半濁音符)を重ねる。

濁音 濁音符+か
濁音符(5の点=ら行の子音)を前置する。
(例 : が)
半濁音 半濁音符+は
半濁音符(6の点=か行の子音)を前置する。
(例 : ぱ)
拗音 拗音符+か
拗音符(4の点=や行の子音)を前置し、ローマ字表記で「y」を除いた清音を記す。
(例 : きゃ (kya)→か (ka) )
濁音+拗音 濁音符と拗音符 +か
濁音符と拗音符(4と5の点)を重ねて前置し、濁点を取った上、
ローマ字表記で「y」を除いた清音を記す。
(例 : ぎゃ (gya) →きゃ (kya) →か (ka) )
半濁音+拗音 半濁音符と拗音符 +は
半濁音符と拗音符(4と6の点)を重ねて前置し、半濁点を取った上、
ローマ字表記で「y」を除いた清音を記す。
(例 : ぴゃ (pya) →ひゃ (hya) →は (ha) )

濁音

濁音符

が行 が
ぎ
ぐ
げ
ご
濁音符(5の点)を前置する。
ざ行 ざ
じ
ず
ぜ
ぞ
だ行 だ
ぢ
づ
で
ど
ば行 ば
び
ぶ
べ
ぼ

半濁音

半濁音符

ぱ行 ぱ
ぴ
ぷ
ぺ
ぽ
半濁音符(6の点)を前置する。

拗音

拗音符

か行 きゃ (kya)
→か (ka)
きゅ (kyu)
→く (ku)
きょ (kyo)
→こ (ko)
拗音符(4の点)を前置し、
ローマ字表記で「y」を除いた清音を記す。
さ行 しゃ (sya)
→さ (sa)
しゅ (syu)
→す (su)
しょ (syo)
→そ (so)
た行 ちゃ (tya)
→た (ta)
ちゅ (tyu)
→つ (tu)
ちょ (tyo)
→と (to)
な行 にゃ (nya)
→な (na)
にゅ (nyu)
→ぬ (nu)
にょ (nyo)
→の (no)
は行 ひゃ (hya)
→は (ha)
ひゅ (hyu)
→ふ (hu)
ひょ (hyo)
→ほ (ho)
ま行 みゃ (mya)
→ま (ma)
みゅ (myu)
→む (mu)
みょ (myo)
→も (mo)
ら行 りゃ (rya)
→ら (ra)
りゅ (ryu)
→る (ru)
りょ (ryo)
→ろ (ro)

濁音+拗音

濁音符と拗音符

か行 ぎゃ (gya)
→きゃ (kya)
→か (ka)
ぎゅ (gyu)
→きゅ (kyu)
→く (ku)
ぎょ (gyo)
→きょ (kyo)
→こ (ko)
濁音符と拗音符を重ねて(4と5の点)前置し、
濁点を取った上、ローマ字表記で「y」を除いた清音を記す。
さ行 じゃ (zya)
→しゃ (sya)
→さ (sa)
じゅ (zyu)
→しゅ (syu)
→す (su)
じょ (zyo)
→しょ (syo)
→そ (so)
た行 ぢゃ (dya)
→ちゃ (tya)
→た (ta)
ぢゅ (dyu)
→ちゅ (tyu)
→つ (tu)
ぢょ (dyo)
→ちょ (tyo)
→と (to)
は行 びゃ (bya)
→ひゃ (hya)
→は (ha)
びゅ (byu)
→ひゅ (hyu)
→ふ (hu)
びょ (byo)
→ひょ (hyo)
→ほ (ho)

半濁音+拗音

半濁音符と拗音符

は行 ぴゃ (pya)
→ひゃ (hya)
→は (ha)
ぴゅ (pyu)
→ひゅ (hyu)
→ふ (hu)
ぴょ (pyo)
→ひょ (hyo)
→ほ (ho)
半濁音符と拗音符を重ねて(4と6の点)前置し、
濁点を取った上、ローマ字表記で「y」を除いた清音を記す。
外来語の表記

日本点字表記法では、外来語の表記の第1表・第2表に示された仮名および取決めを行わない例として示された仮名に対応する点字表記が定義されている。

  1. エ段の開拗音は、通常の拗音の規則に従う。
    • 「イェ」「キェ」「シェ」「チェ」「ニェ」「ヒェ」は、それぞれ拗音符+「エ」「ケ」「セ」「テ」「ネ」「ヘ」
    • 「ジェ」は、拗濁音符+「セ」
    • 「ミェ」「リェ」「ギェ」「ヂェ」「ビェ」「ピェ」は、定義されていない。
  2. 合拗音などは、疑問符(2と6の点)を前置する。濁音の場合は句点(2と5と6の点)を前置する、ただし空白は取り除く。
    • あ行 「ウァ」「ウィ」「ウェ」「ウォ」は、それぞれ疑問符+「ア」「イ」「エ」「オ」
    • か行 「クァ」「クィ」「クェ」「クォ」は、それぞれ疑問符+「カ」「キ」「ケ」「コ」
    • た行 「ツァ」「ツィ」「ツェ」「ツォ」は、それぞれ疑問符+「タ」「チ」「テ」「ト」
    • は行 「ファ」「フィ」「フェ」「フォ」は、それぞれ疑問符+「ハ」「ヒ」「ヘ」「ホ」
    • が行 「グァ」「グィ」「グェ」「グォ」は、それぞれ句点符+「カ」「キ」「ケ」「コ」
    • ば行 「ヴァ」「ヴィ」「ヴェ」「ヴォ」は、それぞれ句点符+「ハ」「ヒ」「ヘ」「ホ」
  3. 「子音の取り替え」で別の行に入っているもの
    • 「トゥ」は、疑問符+「ツ」
    • 「ドゥ」は、句点符+「ツ」
    • 「スィ」「ティ」は、それぞれ拗音符+「シ」「チ」
    • 「ズィ」「ディ」は、それぞれ拗濁音符+「シ」「チ」
  4. その他
    • 「テュ」「フュ」「フョ」は、それぞれ拗半濁音符+「ツ」「ユ」「ヨ」
    • 「デュ」「ヴュ」「ヴョ」は、それぞれ「4と5と6の点を重ねたもの」+「ツ」「ユ」「ヨ」
    • 「ヴ」は、濁音符+「ウ」

「子音の取り替え」については、例えば「トゥ」は、タ行の子音とウ段の母音を持つが、その位置には既にツァ行ウ段の「ツ」があるため、逆に空いているツァ行ウ段に置く。同様に「スィ」はシャ行イ段の「シ」と交換される。

  • 1980年の改定以前の表記
    • 「トゥ」「ドゥ」は、それぞれ「ツ」「ヅ」+半濁音
    • 「ヴ」は、ヴァ行ウ段の扱いで、句点符+「フ」

なお旧表記の「トゥ」「ドゥ」に拗音を足したものが現在も使われる「テュ」「デュ」である。

数字

数字は以下の数字を用いるが、これはかな文字等と重複しているため、数符を前に置くことで表す。数符の後には、数字を4桁まで一続きで書くことができる。5桁以上の大きな数は万、億などを間に挿入する。また、数字の次にくる文字がア行・ラ行の場合は、第一つなぎ符を数字との間におく。ただし、必要に応じて、コンマ区切りの数値などは位取り点で表記する。

1 (A)
2 (B)
3 (C)
4 (D)
5 (E)
6 (F)
7 (G)
8 (H)
9 (I)
0 (J)
1-9はa-iと、0はjと同じである。
数符 小数点 位取り点 第一つなぎ符

アルファベット

アルファベットは以下を用いるが、これはかな文字等と重複しているため、外字符や外字引用符を置くことで表す。なお、Wだけが規則的な位置にないのは、ブライユ点字が考案された時点では、点字はフランス語でほとんど用いられないWを除いた(wは後で、ルイ・ブライユが作った)25文字だけだったからである[1]

A (1)
B (2)
C (3)
D (4)
E (5)
F (6)
G (7)
H (8)
I (9)
J (0)
A-Jは、それぞれ1-9、0と同じである。
K
L
M
N
O
P
Q
R
S
T
A-Jに、3の点を加える。
U
V
X
Y
Z
W
A-Jに、3と6の点を加える。ただし、Wのみ特殊。

アルファベット1文字、あるいは略語などは、外字符をその前に置く。大文字はその前に大文字符を置くが、全て、あるいは途中から全て大文字の場合には、最初の大文字の前に二重大文字符を置く。英単語を表記する場合には、英単語の範囲を外字引用符で囲む。外字符でも外字引用符でも、一続きの語中で英語→日本語と変化する場合(A型、X線、Gift券、など)には、その間に第一つなぎ符を挿入する。

外字符 外字引用符 大文字符 二重大文字符 第一つなぎ符
-

その他

上記の基本的な文字以外にも、数式や化学構造式、楽譜などを(六点点字で)表現した専門的な点字もある(点字楽譜を参照)。また、点字で漢字を直接表現する試みとして、「6点漢字」や8点式の「漢点字」が考案されている。

文法

分かち書き

点字には漢字とひらがな・カタカナの区別がないので、理解しやすいよう文節ごとに1文字分の空白を挿入する。これを「分かち書き」といい、点訳(点字翻訳)における重要な作業の一つである。

また、長い複合語は、3拍以上の構成要素ごとに区切る。これを特に「切れ続き」と呼ぶ。(例 : 「点字図書館」→「テンジ□トショカン」)

なお、段落は2文字分の空白で表す。

実際の発音と点字表記

基本的に、点字は音に忠実に表記する。実際の表記は、概ね「現代仮名遣い」に準じるが、下記の違いがある。

  • ウ段・オ段の長音は長音符(ー)で表記する。これは人名・地名・団体名等の固有名詞も同様である。
    • 例 : 「お父さん(おとうさん)」は「オトーサン」、「東京(とうきょう)」は「トーキョー」となる。
      • 動詞の語尾では「ウ」を用いる。
        • 例 : 「思う(おもう)」は「オモウ」、「言う(いう)」は「イウ」と表記し、「オモー」、「ユー」とはしない。
    • 「現代仮名遣い」で「おお」「こお」等と書く和語については、長音符を用いず、その通りに表記する。
      • 例 : 「大きい(おおきい)」は「オオキイ」、「大通り(おおどおり)」は「オオドオリ」、「大阪(おおさか)」は「オオサカ」となる。
  • 助詞の「へ」「は」は、それぞれ「エ」「ワ」と表記する。
  1. 1 2
  2. ↑ 山口, 芳夫『日本点字表記法概説』(初版)ジャスト出版、1982年9月10日。
  1. 1 2 3 当該記号が改行前の場合、空白は不要である。